ポケモン不思議のダンジョン Drop of Mind 作:アヤ・ノア
ハロルド達は謎の依頼を受け、ボロボロの建物で伝説のポケモン、ラティアスを発見する。
しかし、ラティアスは敵と誤解し、攻撃を仕掛けてくる。
ハロルド達は力を合わせてラティアスを正気に戻そうと奮闘する。
激しい戦闘の末、彼らはラティアスを救出し、コーディリアの屋敷へ運ぶ。
この出来事が、後に恐ろしい運命を引き寄せる事になるとは、誰も予想していなかった。
ここは……一体どこなんでしょうか。
Chapter 14
無限の竜聖女 首にかかるは心の雫
-Aon-
「……ん?」
ラティアスはゆっくりと目を開け、しばらくの間、ぼんやりしていた。
今は正気に戻っており、あの時の殺意は顔には出ていない。
「あ、ラティアス、気が付いた?」
その時、アシマリが扉を開け、さらにミミロップとメタグロスが入ってくる。
ラティアスは三匹を見て戸惑う。
「ここは……一体どこなんでしょうか。あたしは……どうしてここにいるんですか?」
「貴女はあのボロボロの屋敷で倒れていたのよ。そして私がここに運んできたの。
あ、私はコーディリアで、このメタグロスは執事のマクベス」
「ボクはハロルドです、よろしくお願いします」
アシマリ、ミミロップ、メタグロスはラティアスに自分の名前を名乗った。
ハロルドの姿を見たラティアスは気になって彼に声をかける。
「あの……あなた、♀ですか?」
「♂だよ、悪かったね」
ラティアスに女の子に間違われたハロルドは、自分の性別をラティアスに明かした。
その時、ラティアスの腹の虫が鳴った。
「お腹空いたの? はい、これ」
ハロルドはそう言って、オレンのみをラティアスに渡した。
ラティアスはオレンのみをかじり、もぐもぐと食べて腹を満たす。
「……あたしの名前は、ウララです」
「そう……ウララっていうんだね」
お腹を満たしたラティアスは、ウララという名前を名乗った。
「貴女が生きていて、本当によかったです」
マクベスがウララが生きている事に感謝した。
コーディリア毒殺未遂事件以来、命を大いに大切にするようになったのだ。
「皆様、あたしを助けてくださり、ありがとうございました」
「どういたしまして」
ハロルドは、柔らかく微笑んだ。
ふと、コーディリアはウララの首にかかっているものが気になり話しかける。
「ねえ、ウララ、その首飾りは何なの?」
「それは……」
ウララはコーディリアに事情を尋ねられ、戸惑う。
しかし、話さないのも失礼だと思い、ゆっくりと口を開いた。
「こころのしずくというものです」
「こころのしずく?」
「これはあたしの兄様が蒸発する前にあたしに授けてくれました。
願いを叶えてくれる力を持っています」
ウララはこころのしずくにそっと手を触れる。
この宝珠は願いを叶えると言われており、手に持って強く念じ、
願いが届いた時に何らかの力を与えてくれるらしい。
しかし、こころのしずくはまだ光り輝いていなかった。
「何も願いは叶っていないわよ? まさか、本物のこころのしずくじゃないの?」
コーディリアが尋ねるとウララは首を横に振った。
「このこころのしずくは、大切なもののためにしか使えないのです。
そして、今はまだ、使う事はできません」
「そうだったのね……」
そこまで話したコーディリアは提案した。
「そうだわ、ウララ。探索者にならない?」
「探索者……って、何ですか?」
ウララは探索者について知らないようで、ハロルド、コーディリア、マクベスはずっこける。
マクベスは溜息をついた後、ウララに探索者について説明した。
「……以上が探索者でございます。分かりました?」
「はい、分かりました。……ですね」
マクベスの説明を復唱するウララ。
どうやら、探索者についての知識はきちんと頭に入ったようだ。
「それじゃ、明日早起きしましょう。お休みなさい」
「お休みなさい」
コーディリアはそう言って、自分の部屋に戻っていった。
使用人の部屋に残ったのは、ハロルド、マクベス、ウララの三人になった。
「ウララ……ボク、キミを守りたくなっちゃったな」
ハロルドはにっこりとウララに微笑む。
「え、どうしてですか?」
「マクベスがコーディリアさんを守るみたいに、ボクも守りたいものを作りたいからね」
「それで、どうやって守るんですか?」
「ボク、特殊技は得意な方なんだよ。キミを、この特殊技で守ってあげるよ」
「まあ……! 守ってくれるなんて、嬉しいです。あたしも探索者として、頑張りますからね」
ハロルドが自信満々にそう言うと、ウララは満面の笑みを浮かべた。
しかし、ハロルドは後にそう言った事を後悔する事になる……。
次回は第二ヒロインが探索者になろうとします。