ポケモン不思議のダンジョン Drop of Mind 作:アヤ・ノア
ウララは探索者になるための試験に挑む。
仲間達の励ましを受け、彼女は洞窟の奥へ向かうが、ズバットの襲撃に遭遇する。
ウララはミストボールやサイコキネシスを駆使して敵を撃退する。
泥沼にはまるトラブルもあったが、無事にゴーカックオーブを手に入れる。
試験に合格したウララは、仲間達と共にダンジョン探索の新たな一歩を踏み出す。
彼女の冒険は、これから始まるのだった。
ええっ、お尋ね者が来たんですか!?
Chapter 16
被害者は大人のみ お尋ね者は池に住む
-Teich-
ウララは探索者試験に合格し、無事に探索者になった。
「あたし、みんなと一緒に冒険したくて、それが叶ってよかったです」
喜びを隠せないウララに対し、コーディリアは冷静に忠告した。
「でも、ここからがスタートなのよ。分かるかしら、ウララ?」
「……あ、はい、分かります」
ウララの自信なさげな言葉に、コーディリアは不安を隠せなかった。
それでも新たな仲間、しかも伝説のポケモンが加入したため、
ハロルド、コーディリア、マクベスは喜んだ。
こうして、四人になった探索者パーティーは、早速、探索者協会のつながりオーブを確認する。
すると、右にアメモースの困った顔が映っていた。
お尋ね者のハガネールがアメモースを襲っています
アメタマには手を出しませんでしたが、このままではアメモースが全滅します
どうかハガネールを追い払ってください
「アメモースだけを襲うなんて変ね」
コーディリアがアメタマの依頼内容に首を傾げる。
お尋ね者はよく弱い者を襲う(と覚えていた)のだが、
強い者を襲うのにコーディリアは不思議に思っていた。
「あ、じゃあこの依頼を受けます!」
しかし、ウララにとっては初めての依頼である。
彼女は喜んで、アーマルドに依頼を受けるように言った。
「ウララには初めての依頼ですね。できますか?」
「はい、できますっ!」
ラティアスは笑顔でびしっと手を挙げる。
彼女の姿勢を見たアーマルドとユレイドルは頷き、
アーマルドはウララに「行ってこい」と言った。
「一緒に頑張りましょうね、ハロルドさん!」
「うん! キミの手、離さないよ!」
「共に試練を乗り越えましょう」
「ずっと一緒だからね、マクベス」
ハロルドとウララ、コーディリアとマクベスは、お互いの手を握り締めた。
「地図によれば、アメモースを襲うハガネールが出没したダンジョンはここだね」
ハロルド達は地図を頼りに池のダンジョンに辿り着いた。
すると、新人のウララを迎え入れるように、二匹のハスボーと一匹のヌオーが現れた。
「早速、敵のお出ましってわけね。いくわよ!」
「……はい!」
四匹はハスボー達を倒すため、戦闘態勢を取った。
「そぉれ!」
コーディリアはヌオーに飛びかかり、ねこだましで怯ませる。
ハロルドはチャームボイスによってハスボーとヌオーを一掃、
そしてウララがミストボールを放ってヌオーは倒れた。
「……私の出番、ありませんでしたね」
「あらら、それはごめんなさい」
四匹がダンジョンを探索していると、瀕死のアメモースが墜落していた。
「……う……」
「アメモース!」
ハロルドは急いで、依頼主だと思われるアメモースに駆け寄り、彼の容態を確認する。
戦う気力は完全に失っていたが、まだ息はあった。
ハロルドは何とか有り合わせの道具でアメモースを治療する。
しばらくするとアメモースは意識を取り戻し、ハロルドは彼から事情を聞いた。
「あなたは依頼主ですか?」
「……ああ、私が確かに依頼主だが」
「……どうして、やられてしまったんですか」
「お尋ね者に……子供を渡せと言われ……断ったら……こうなった……」
「なんだって!?」
「ええっ、お尋ね者が来たんですか!?」
どうやら、このアメモースはお尋ね者から子供を守って重傷を負ったようだ。
ハロルドとウララは驚きを隠せず、コーディリアの表情には怒りが満ちていた。
「子供を誘拐するなんて、卑怯だわ!
こほん。待ってください、そのお尋ね者は必ず私達が倒します」
コーディリアは咳払いして落ち着いた後、アメモースにお尋ね者を退治すると約束した。
「ありがとう、お嬢ちゃん」
「ちょ、ボクは倒すなんて……。ああ、もう、コーディリアさんったら……」
ハロルドはコーディリアの正義感からの強引さに呆れていた。
マクベスは「悪人ではありませんよ」とハロルドを諭し、
彼がコーディリアに悪印象を抱かないようにした。
「それじゃ、このあなぬけのたまを使って、ダンジョンから脱出しなさい」
そう言って、コーディリアは自分で購入したあなぬけのたまをアメモースに渡す。
「……いいのか?」
「私達は必ず生きて帰ってくるわ。だから、探索者じゃない貴方はすぐに帰りなさい」
依頼主のアメモースは探索者ではない。
傷つき瀕死になればラッキー達が助けてくれるわけではない。
しかも、このままではダンジョンの中でお尋ね者に再び狙われる可能性がある。
そのため、コーディリアはアメモースにあなぬけのたまを渡したのだ。
「それじゃ、私はそろそろ帰るよ」
「また会いましょう」
アメモースはあなぬけのたまを使い、池のダンジョンを後にした。
「さて……依頼主のためにも、早くお尋ね者を倒さなくちゃね」
「そ、そうだね」
コーディリアとマクベスは水辺を避けながら、ダンジョンの階段を探していく。
ハロルドとウララは、水辺を通る事ができるので問題はない。
「それにしても、どうしてあのお尋ね者はアメモースだけを襲ったんだろう?」
「あたしには動機は分かりません……。
でも、犯人がお尋ね者である以上、放っておくわけにはいきません」
ハロルドとウララは犯人の動機を推理する。
何故、お尋ね者はアメモースだけを襲い、アメタマを渡せと言ったのか。
進化前を襲わないお尋ね者の行動にハロルド達も首を捻ると、
プシュウ、という音と共に不可思議なガスが部屋中に蔓延し、一行の鼻孔を直撃した。
「……ぅ……」
そのガスを吸った一行を急激に眠気が襲う。
そう、これは対象を眠り状態にする罠、すいみんのワナだったのだ。
「もう、ダメ……眠い……」
「私も……グゥ……」
「……ZZzzzz……」
「あぁ……眠くなっちゃいました……」
四匹は眠気に勝てず、そのまま眠りについてしまった。
「……全員眠ったか」
眠っている四匹の前に、ハガネールがのしのしと現れる。
彼はその鋭利な瞳でコーディリア、マクベス、ウララを見つめる。
「大人など、この世界には必要ない。ルキウス様のためにも、こいつらは連れていく」
そう言って、ハガネールはまず、
体重が重いマクベスに特殊なふしぎだまをぶつけてその姿を消す。
その後、ハガネールはコーディリアとウララを連れてどこかに去っていった。
「……む。これは……なんだ?」
ハガネールは、ウララが首につけている宝石が気になったようだ。
しかし、すぐに興味を示さなくなった。
数分後、ハロルドが目覚めると、そこには自分以外、誰もいなかった。
「み……みんなどこーーーーーーー!?」
ウララの名前の由来は変換してください。
次回はピンチのハロルドがどうするのか、なターンです。