ポケモン不思議のダンジョン Drop of Mind 作:アヤ・ノア
ハロルド、コーディリア、マクベス新たな職場である探索者協会に向かった。
彼らは探索者になるための試験を受ける事になり、地下三階のムシャの祠へ向かう。
試験中、様々なポケモンと遭遇しながらも、協力してゴーカックオーブを手に入れる。
三匹は無事に試験を合格し、探索者としての仲間入りを果たす。
コーディリアは余裕を見せつつも、これからの冒険に胸を躍らせるのだった。
おや、あんた達、その依頼に興味があるのかね?
Chapter 02
初めての依頼 始まりは洞窟の中で
-Manguniors Hohle-
こうして、ハロルド、コーディリア、マクベスは、
無事、アーマルドとユレイドルの試験をクリアし、探索者になった。
「これでボク達は晴れて探索者になったね」
「私は貴族だから、なって『あげた』が正確ね」
(……ここでは貴族も犯罪者も同じなんだけどなぁ)
「あーあ、なんで私がこんな職業にならなきゃいけないわけ?」
「お嬢様、試験の前にユレイドルがおっしゃっていました。
探索者になれば、多くの特典を得る事ができると。
つながりオーブから依頼を受けるのも、道具やポケを預ける事ができるのも探索者のみですよ」
「そうだったわ、探索者になってよかったわ」
(まったく、げんきんですから……)
コーディリアは、探索者という職業を平民がなる職業だと思っている。
そのため、不満たらたらな表情だったが、マクベスの一言によりすぐ態度が変わった。
「それじゃあ、まず、どの依頼から受けようか。
アーマルドさん、つながりオーブってどこにあるの?」
「ああ、つながりオーブなら、これさ」
そう言って、アーマルドはつながりオーブを三匹の前に置いた。
「これはポケモン達の繋がりを映し出す事ができるオーブだ。
ポケモン達が色んな事を呟いているし、困っている人を助ける事もできるぞ」
要するに、これは掲示板の役割をしているらしい。
ちなみに、この世界の現在の時代では、つながりオーブがあるため、
掲示板は過去のものとなってしまっている。
「じゃあ、ボクでも大丈夫な依頼を探そうか」
「ええ」
「えーっと、簡単な依頼は……あ、あった!」
ハロルドが依頼を探していると、ゴマゾウの呟きを発見した。
ゴマゾウは、こんな呟きを残していた。
ベシク街の外れにある洞窟に、悪いヤングースとデカグースが住み着いたんだ。
昼間、彼らは洞窟から抜け出しては近隣の畑や民家を荒らしてるから、大きな被害が出てるよ。
お願い、報酬を出すから、ヤングースとデカグースを退治して。
「あ、ボク、これを受けます」
ハロルド達は、この依頼を受ける事にした。
アーマルドとユレイドルが興味深そうにハロルド達に声をかける。
「おや、あんた達、その依頼に興味があるのかね?」
「それは、農家のゴマゾウからの依頼です。
近くの洞窟にヤングースとデカグースが棲みついたので退治して欲しいそうです」
「まぁ、ありがちな仕事だな。どうだい、腕試しがてら挑戦してみちゃ?
あんた達なら楽勝だろう?」
この依頼はハロルド達にとっては初めての依頼だ。
コーディリアは、アーマルドにそれ以外の事を聞いてみる。
「……それで、報酬は?」
「ふむ、300ポケだ。ちょいと安いがな。
半日もあれば片付くだろうから、それほど悪くないと思うが?」
この依頼の報酬は300ポケ、つまり一人100ポケとなる。
簡単な依頼なので、この程度が妥当だ。
ハロルド、コーディリア、マクベスが頷くと、アーマルドは三人に地図を渡した。
「ほれ、これが問題の洞窟の場所だ。歩きでも一時間とかからんだろう。
じゃ、気を付けて行ってこい」
「はい!」
そう言って、ハロルド、コーディリア、マクベスは、探索者協会を後にした。
「ここが、洞窟みたいですね」
ハロルド、コーディリア、マクベスは、目的地となる洞窟に到着した。
「……ヤングースの姿が見えるね。間違いない、この洞窟だよ」
洞窟の中には、ヤングースやズバットなど、洞窟に相応しいポケモンがたくさんいた。
中には、通常のコラッタとは異なる、黒い身体のコラッタもいる。
このコラッタは「リージョンフォーム」と呼ばれる住む場所の環境に適応した姿のポケモンだ。
タイプだけでなく、能力も微妙に異なっている。
「お嬢様、このコラッタは、かくとうタイプに非常に弱いです」
「つまり、とびひざげりを使えば一発で倒せるって事なのね」
コーディリアはアローラの姿のコラッタにとびひざげりを放った。
すると、コラッタは一撃で瀕死状態になった。
「あら、呆気ない」
「うわ~、コーディリアさんの脚力って凄いねぇ」
「こいつがかくとうタイプに弱いだけ。……あら?」
コーディリアが歩いていると、食糧であるリンゴを発見した。
「あ、これでお腹が膨れるね」
「そうね……大事にしていきましょう」
コーディリアはリンゴを鞄の中に入れた。
「あ、今度はモモンのみだ」
次に、ハロルドは毒状態を回復するきのみ、モモンのみを手に入れた。
序盤だけあって、手に入るアイテムは回復アイテムばかりだったが、
それでもいざという時は頼りになるためしっかりと持ち歩いた。
「あっ、あれは……!」
三匹が階段を降りつつ歩いていくと、店を開いているカクレオンに遭遇した。
「カクレオン商店でございます。どれを買いますか? それとも、何か売りますか?
ちなみに、泥棒は決して許しませんので……」
ここ、カクレオン商店では、ポケを払って道具を買ったり、
逆に道具を売ってポケにできたりする。
ちなみに、カクレオンは「ちなみに」の後の言葉を三匹にゆっくりと話した。
「ボクは50ポケあるから、この予算の中で買えるものは……これと、これだね」
「お買い上げありがとうございました」
ハロルドは35ポケを支払い、オレンのみとリンゴを購入した。
「んー、これで大丈夫かな」
「今はこれだけで十分でしょう」
「ねえカクレオン、もしこのお店で泥棒をしたらどうなるの?」
「……始末します」
カクレオンは、凄みのある声と表情でハロルド達にそう言った。
店員のあの様子は、本気だ。
そう感じた三匹は、この店では決して泥棒はしないと誓った。
「お買い上げありがとうございました」
カクレオン商店を後にした三匹は、
アローラコラッタやヤングースを倒しながら階段を目指して歩いていった。
「……ねえ、コーディリアさん。色んなところを冒険したら、ボクの記憶が戻るのかな?」
「あ~、そんな事言ってたわね」
ハロルドはこの世界に飛ばされてから、元の記憶をほぼ失っている。
自分が人間だった頃の記憶も、今は存在しない。
「多分、そうなると思うわよ。だから、しばらくは探索者として冒険しましょう」
「うん!」
こうして、三匹は階段を探し、見つけた時はそれを下りながら、目的地を目指していった。
数分後、やがて三匹は洞窟の最も奥、地下三階に着いた。
そこには、三匹のヤングースと一匹のアローラコラッタ、そして一匹のデカグースがいた。
「いたわ。あれが目的のヤングースとデカグースね」
「彼らが畑を荒らしているようであれば、私達が懲らしめましょう」
「よ、よし! 初めてのボス戦だ、行くぞ!」
ハロルドが一歩足を踏み入れると、ヤングース達が三匹に向かってきた。
「来たわよ! えい!」
コーディリアはまず、ねこだましでデカグースを怯ませる。
「れいとうパンチ!」
マクベスは怯んだデカグースに氷を纏ったパンチをぶちかます。
「ラ~~ラララ~~♪」
ハロルドは可愛らしい歌を歌い、
ヤングース、デカグース、アローラコラッタに精神的なダメージを与える。
全体攻撃なので敵をまとめて倒すのに向いている。
ヤングースはたいあたりやすなかけでハロルドやコーディリアを攻撃するが、
大したダメージにはならなかった。
「こいつらはみんな、かくとうタイプに弱いわ。私が全部、倒してあげる!」
コーディリアはデカグースに勢いよく飛び膝蹴りを放った。
しかし、デカグースはその攻撃を回避する。
「きゃ……!」
「お嬢様、危ないです!」
コーディリアは勢い余って地面に激突しようとするが、
マクベスが超能力でコーディリアを浮かせ、
デカグースが回避した方向に彼女を動かし、改めて飛び膝蹴りを当てた。
「危なかったわ」
「お嬢様は私が守ります」
「よーし! 後はボクがやるよ! ラ~ララ~♪」
そして、ハロルドがチャームボイスを使い、
弱っているヤングース、デカグース、アローラコラッタを一撃で倒した。
アローラコラッタはまだ体力が多かったが、フェアリータイプの技に弱いので、
効果は抜群となり、大ダメージを受けて倒れたのだ。
「ぎゃあぁっ!」
親玉のデカグースが倒れた事により、ハロルド達はこの戦いに勝利した。
これで、この洞窟の悪いヤングース達は大方片付いたようだ。
すると、洞窟の中からゴマゾウが出てきた。
「探索者の皆様、ありがとうございます」
「あなたが依頼主なんですね」
「はい。あなた達のおかげで、悪いヤングース達はもう、畑を荒らさないでしょう。
はい、これが約束の報酬です」
そう言って、ゴマゾウはハロルド達に300ポケの報酬を渡した。
ハロルド、コーディリア、マクベスは三匹で100ポケずつ分け合った。
「さぁ、日が暮れないうちに帰ろう!」
「ええ!」
ゴマゾウからの依頼を終えた三匹は、無事に探索者協会に戻ってきた。
「お帰り、早かったじゃないか。仕事の方は無事に済んだのか?」
「まぁね」
「そうか、そうか。依頼してきたゴマゾウも喜ぶ事だろう。
それじゃ、次の仕事までのんびりと身体を休めておいてくれ。ご苦労だったな」
こうして、探索者達の最初の依頼は、終わった。
こういう依頼にしたのは、ファンタジーの定番「ゴブリン退治」からです。
第七世代のゴブリン枠といえばこいつらだろうと思ったからです。