ポケモン不思議のダンジョン Drop of Mind 作:アヤ・ノア
兄ノゾムと再会したウララは、最後の感覚である「視覚」を捧げ、
ノゾムと共にこころのしずくとなった。
ハロルドは兄妹が変化したこころのしずくを手にした後、
声が嗄れるまでコーディリアの屋敷で泣き続けた。
ハロルドはコーディリアに支えられつつ、弟ルキウスとの決戦に臨む決意を固める。
仲間と共に精神電波塔へ向かい、彼らはルキウスを止めるため、最後の冒険に挑むんだ。
そうだよね、こんなところでへこたれたら世界が終わっちゃうもんね!
Chapter 30
互いの願い 正しき道へ進むために
-Wunschen-
ミリアを倒した三匹は、精神電波塔の六階へ登る。
そこに、一匹のマッギョが姿を現し、三匹に襲い掛かってきた。
「みずでっぽう!」
しかし、マッギョは水に弱いため、みずでっぽう一発で倒された。
これ以外の敵ポケモンはいないため、三匹はゆっくりと休憩を取る。
「ふう……疲れちゃった」
「でも、これから先、結構な長丁場になるわよ?」
「そう言われると、ちょっとやる気が……。……でも、行かなくちゃいけないんだよね」
「貴方の弟を止めるためにはそれ以外にありません」
「そうだよね、こんなところでへこたれたら世界が終わっちゃうもんね!
じゃあ、どんどん行こう!」
そう言って、ハロルドが一歩前に踏み出す。
すると、マクベスがハロルドの足元にワナが置かれているのに気が付く。
「待ちなさい、ハロルド!」
「えっ?」
「そこには、ワープスイッチが……」
マクベスが制止すると同時に、ハロルドが踏んだワープスイッチの効果が発動し、
彼の姿は一瞬で消えた。
「あーあ、言わんこっちゃない」
「私達でハロルドを探しましょうか」
「いたたたた……」
ワープスイッチを踏んでしまい、ダンジョンのどこか違う場所に飛ばされたハロルド。
「コーディリアさんとマクベスとはぐれちゃったよ。どうしよう」
ハロルドは手探りで、二匹を探していく。
その途中で、ハロルドはヌオーと遭遇した。
「わっ、敵だ! 避けないと……」
ハロルドは何とかヌオーを避け、慎重にダンジョンを歩いていく。
しばらく歩くと、ハロルドはふと不自然な風の流れを感知した。
ハロルドが風が吹いた方に向かってポケモンやワナを避けながら進むと、
二匹のポケモンの姿が見えた。
耳が長いポケモン、ロボットのようなポケモン……間違いない、コーディリアとマクベスだ。
「待ってーっ! 今、いくよーっ!」
ハロルドが走り出した瞬間、彼の頭上に突然硬いイガグリが落下してきた。
またもやワナを踏んでしまったのだ。
「危ないわ!」
「はっ!」
しかし、コーディリアの大声により、何とかギリギリでイガグリをかわした。
「案外早かったのね」
「風が導いてくれたからだよ」
「ふふ、風に感謝しなさいよ」
探索を再会した三匹は、カクレオン商店で売買しながら塔を登っていく。
不要な道具を売って資金にし、それを必要な道具に変えていく。
泥棒を追いかけるカクレオンの姿が見えたため、コーディリアは「ご愁傷様」と笑った。
「む、敵を見つけたわ」
コーディリアは並んでいるポケモンを見つけた。
すぐに鞄から先程購入したきんのハリを取り出す。
「それ!」
コーディリアはきんのハリを投げて並んでいるポケモンを一直線に貫き、一撃で倒した。
「やったね! コーディリアさん!」
すると、フワンテが現れてあやしいかぜを起こす体勢に入った。
「まずい、あれは危険です!」
「ゴースト技は私には効かないわよ!」
コーディリアは仁王立ちして、フワンテのあやしいかぜを受け切る。
風が治まると、コーディリアは無傷だった。
あやしいかぜが効かなかったため、フワンテは怯えて立ち去っていった。
「コーディリアさん、この調子で塔を登っていこう! こころのしずくがボク達を守ってくれる」
ハロルドがそう言うと、彼の言葉に応えるようにこころのしずくが淡く光った。
「あ、こころのしずくが光った!」
「きっと、ウララとノゾムがハロルドや私達を応援しているのかもね」
「そうだね。二匹はいつまでも、ボク達の傍にいるから……」
こうして、ハロルド達はこころのしずくから応援を受けながら、精神電波塔を登っていく。
敵の数は増え、攻撃も激しくなっていくが、それでも知恵と勇気で乗り越えていった。
そして、十階に到達すると、そこではハガネールが待ち受けていた。
「……来たか」
「ジオ……」
「どうやらミリアを倒したようだな。流石はルキウス様の兄とその仲間。お疲れ様、だ。ミリア」
ミリアが敗れたと知ったジオだったが、むしろ彼女を労うような言葉だった。
「あなたがただのお尋ね者だったらよかった」
ごもっともな事を言うコーディリア。
しかし、ジオはコーディリアの一言にも動じず、すぐに戦闘態勢を取った。
「だろうな。仲間を労うお尋ね者など、そうそういないだろう。
だが、俺は手加減はしない。かかってこい!」
「望むところだ!」
「いくわよ、ハロルド、マクベス!」
「はい、お嬢様!」
ハロルド、コーディリア、マクベスも構え、非情なる鍵の一員、ジオとの戦いが始まった。
「コメットパンチ!」
「とびひざげり!」
「みずでっぽう!」
ハロルド、コーディリア、マクベスは、ジオに先制攻撃を仕掛ける。
みずタイプ、かくとうタイプの技は、ジオの弱点なので大ダメージを受けた。
「ふふ、これならどうだ」
ジオは、赤い塊を口から飛ばし、ハロルドに付けた。
「何よこれ」
「こころのしずくの力だ。ほれ、あいつを見ろ」
ジオに言われてコーディリアがハロルドを見ると、ハロルドはやけにやる気満々だった。
「ボクはこの戦いが終わったら、コーディリアさんと結婚するんだ」
「何言ってるのハロルド、帰りたいんでしょ!?」
「だからボクは負けない!」
操られたハロルドは、コーディリアの話を聞かずにジオに突っ込んでいった。
こころのしずくは他人の心を操れる……それを思い知るコーディリアとマクベス。
コーディリアは、ハロルドにオレンのみを与えて傷を癒し、ゴローンのいしを投げつける。
マクベスはコメットパンチでジオを攻撃するが、ジオはオボンのみを食べて体力を回復する。
「負けないぞ! ♪~♪♪♪~」
「馬鹿め、それが命取りだ!」
ハロルドがチャームボイスを歌おうとすると、ジオがもうげきのタネを食べた後、
アイアンテールをハロルドに叩きつける。
その威力に耐え切れず、ハロルドは瀕死になった。
死亡フラグは回収されたのだ。
「そ、そんな……ハロルド……」
「一匹減ったらこっちが有利だな」
マクベスはハロルドに声をかけるが、ハロルドは全く反応しない。
ジオは彼の様子を見て嘲笑する。
「そんな時こそ、これよ」
コーディリアはふっかつのタネを取り出し、ハロルドに向かって投げる。
すると、ハロルドは光に包まれて復活した。
「ありがとう、コーディリアさん!」
「どういたしまして」
「くっ……!」
復活したハロルドを見て、ジオは舌打ちする。
「今度はこっちの番だ! ハイドロポンプ!」
「ぐあぁぁぁぁぁ!」
ハロルドはハイドロポンプでジオの弱点を突き、大ダメージを与える。
「くそっ、アイアンテ……」
「しねんのずつき!」
続いてマクベスがしねんのずつきで反撃しようとしたジオを怯ませる。
コーディリアは怯んだジオにとびひざげりで大ダメージを与える。
ハロルドはその隙に全員にピーピーマックスを与え減っているPPを全回復させた。
「このまま一気に攻めるよ!」
「ええ!」
コーディリアはとびひざげり、マクベスはコメットパンチ、
ハロルドはハイドロポンプで大ダメージを与える。
ジオはオボンのみで体力を回復しつつ、のろいからのアイアンテールで反撃する。
すると、ジオはコーディリアに黒い塊を飛ばした。
「な、何これ!?」
「こころのしずくの効果その2、裏切りフラグ。対象を強制的に心変わりさせる」
「そ、そうはいかないわよ!」
裏切りフラグを回収されたら、チームワークが崩壊してしまう。
コーディリアは少し焦り、とびひざげりを放った。
ジオはのろいの効果で動きが遅くなっているため、とびひざげりは簡単に命中した。
「うぐっ」
「お嬢様の心変わりをさせるつもりなら許しませんよ、コメットパンチ!」
「じゃあくなタネだ!」
マクベスはコーディリアへの忠誠心からジオをコメットパンチで攻撃し、
彼の体力を残り僅かにする。
そして、ハロルドはじゃあくなタネをジオに投げつけ、彼の防御を大きく下げた。
「これで終わりだよ! ハイドロポンプ!」
「グアアアアアアアアアアアア!!」
そして、ハロルドの最大パワーのハイドロポンプがジオに命中すると、
ジオは大きく吹き飛ばされた。
その後、ジオは壁に叩きつけられ、瀕死になる。
こうして、ジオとの戦いは、終わった。
「……なんだか、身体がむずむずするわ」
裏切りフラグを付けられたコーディリアは、不快感を感じている。
マクベスは優しくコーディリアを撫でる。
「大丈夫ですよ、お嬢様。私のお嬢様が、心変わりするはずがありません」
「そうよね……そう、よね……」
コーディリアは強がるが、彼女の表情は不安に満ちていた。
ハロルドはますます不安になってくる。
「なんだか、こっちまで不安になってきたよ。……でも、こころのしずくがあれば、大丈夫」
そう言って、ハロルドはこころのしずくを見る。
こころのしずくは光っていなかった。
「……あれ? 光ってない……?」
「どうしちゃったのかしら……。……でも、まあ、ジオは倒したし、行きましょうか」
「うん」
ハロルド達は、不安を隠せないながらも、十一階へと昇っていくのだった。
メタ攻撃をしてくるのは、某物語結末探しフリーゲームからです。
次回がラスボスとの遭遇です。