若干カスな子が居ると筆が進む…それが自分です。と言う事でカスなあの子が登場します。
ルミナスクエア治安局駐在所にある留置所にて。朱鳶が扉を開くとそこから拘束されていた加賀美が出てくる。
「釈放です」
「面目ねぇ…!面目ねぇ…!」
OKAサーファーを乗り回していた彼は治安局前で見事な爆破事故を起こし逮捕される事態となった。しかしマシン開発者である丘とグレースの証言と説得により加賀美は解放される事となったのだ。
「お前なぁ赤牙組摘発早々、治安局で爆発テロ起こすんじゃねぇよ」
「あれは事故だったんだよナベさん!」
「はいはい。つーか何でまた治安局の所まで来てたんだよお前」
「いやセス達に自慢しようとしたら偶然にも…」
「嬉々として俺に向かって来たら突然爆発したのはそう言う事だったのか…」
治安官であるナベヒラとセスは呆れたような視線を彼に向ける。この男は常に問題を起こさないと気が済まないのだろうか?そんな疑問を胸にしまい、ナベヒラは口を開いた。
「しっかしOKAサーファーって言ったか?あの
「そう言えばあそこは工事で無くなる予定だったのか…だったら甲斐。今でも遅くはない、早く行ってきた方がいいんじゃないのか?」
治安官二人は加賀美に気を利かせて行くように言うが当の本人は「おいおい」と呟きながら返答する。
「当てつけのつもりかよ?そうしたいのは山々だけど意地悪な治安局が通してくれないんだろ」
「え?」
「おい加賀美。何の話だそりゃ?」
「何って、カンバス通りの解体工事するから誰も立ち入らせない為に封鎖してるんだろ」
「誰がだよ」
「いや治安局だって。そう言っただろナベさん」
その言葉にナベヒラは考える素振りを見せる。チラリとセスを見るが彼もまた心当たりの無い様子を見せている。
「……妙だな?そんな話、俺は聞いてないぞ」
「えぇ…あ、もしかしてナベさん還暦退職予定だから教えれてないからとか?」
「いや、鏑木先輩だけじゃない俺もそんな事聞かされてないぞ?班長はどうなんですか?」
「いえ私も聞いてません……加賀美君。貴方が見たのは本当に治安官だったのですか?」
そう言われ加賀美は改めて考える。今にして思えばあのカンバス通りを監視していた治安官達は言動が公務に相応しいものでなく、むしろチンピラに近しいものであった。装備自体は治安局の物と同じだったが手帳等の身分を証明する物を提示してない。
「じゃあ何だ、加賀美が会った治安官ってのは偽物か?しかもヴィジョンの奴等が用意してか?」
「つまりヴィジョンのコスト削減理由って治安官配置の虚偽って事なのか?」
うわぁ…と全員が心の声を漏らす。あまりにも小狡いやり方に辟易したような感情が芽生えるだろう。だが、そんな彼等の中で一人ナベヒラだけ何か思慮するように仏頂面を見せていた。
「よし…と、これで作業は終わりか?」
逮捕・釈放のコンボから数日後、彼はまた真島建設にてバイトに勤しんでいた!別に暇だからではない。ここ数日間たまたま偶然、本業である探偵の仕事が一件も勝てないからであり、決して暇だったからと言う理由ではないのだ(本人談)
そんな現場で汗水を流している彼に向かって駆け寄って来る3つの人影が現れた。
「居たぞ加賀美だ!死ねぇ!」
「今は亡きシルバーヘッドの仇ぃ!」
「よくも姉貴ぉぉぉぉ!」
△『ハンマーの極み』
駆け寄って来たチンピラの一人の頭部目掛けてハンマーを振り下ろす。ゴシャァ!と鈍い音と共に相手は地面に倒れ伏した。
△『噛みしめの極み』
もう一方のチンピラに対してはその場に置いてあった工具箱から大量の釘を掴み取り、相手の口へ捩じ込む。口内の異物に悶絶している隙に追い討ちの掌底と蹴りを喰らわす。
△『顔ねじりの極み』
ハンマーを手にしたチンピラの少女の顔面を掴む…とその時、加賀美はアイアンクローを決めている相手の声と顔、服装を見て知り合いだと気付く。
「って、アンタは白祇重工のクレタか!?何でこんな所に居るんだよ!」
「いいから放せぇ〜〜〜!」
「いや放したら襲って来るだろ!」
「当たり前だろ姉貴に変な事しやがって!ぶっ殺す!」
「何の事!?」
その後、遅れてやって来たグレースに説明を求めた加賀美。どうやらデリバリーヘルプエーテルのサービスに登録したのをグレースは適当に説明した故にクレタが勘違いを起こし、そのまま今現在に至るとの事。
誤解が解けたクレタは深呼吸を行うと謝罪の意思を見せた。
「ふぅ〜〜っ、悪い。頭に血が昇ってた。そうだよな恋愛経験以前に異性への興味があるかも分からない姉貴がそんな事する筈ねぇよな」
「分かってくれれば良いんだよお嬢ちゃん」
『ンナ(悪口言われてる事に気付いてないのか?)』
加賀美のバイトについて来た臥龍ボンプを抱きしめ、ご機嫌なグレース。そもそも悪口と認識してるかどうかも怪しい。
だが加賀美はふと疑問に思う。クレタが勘違いを起こしていたと言うのは理解できたが何故わざわざ此処に来たのだろうかと。彼女の経営する白祇重工から依頼を受けた事がある為、直接乗り込むタイミングが幾らでもあった筈だ。何か別の目的があって真島建設に来たのだろうか?
そう考えていると、背後からヒヒヒと笑い声が響いて来た。
「その疑問、答えてやろうか?」
「うわぁ!社長いつの間に!?」
「白祇重工の社長サンが来てくれたんや。ワシ直々に対応せなあかんやろ」
「同じ眼帯仲間やしな」と付け加える真島。そんな眼帯仲間のクレタは分かりやすくする為に解説する。
「なんで俺等が此処に来てるかって事だが、ウチと真島建設は業務提携をしているんだ」
「そうなのか?」
「おう。ウチは人種問わず来るもの拒まず。前歴があっても雇ってくからのぅ人材はぎょうさん居るんや」
「それで真島建設から従業員をこっちに派遣してもらう代わりに重機生産のノウハウを提供、また重機そのものを貸出を行っているんだよ。こっちは人手が増えてくれて大助かりさ」
「ヒヒヒッ。要はワシらはwin-winの関係っちゅう事や」
グレース達の言葉を肯定するように真島は言う。
「やり手の社長(自称)とは言ってましたがそこまで考えて居たとは…」
「この慧眼さ…資金力も納得いくのです」
「流石親父です!」
社長と呼ばんかい!と殴られる西田とそれを見ているビビアン。加賀美が思ってたよりも両社の仲は悪く無い…むしろ良好のようだ。だがクレタは「けどな」と呟く。
「問題なのはその従業員なんだよ。アンタ言ったよな?近々纏まった数の従業員が入る予定だから、派遣させる代わりに重機を貸すって。その話はいつになったら進むんだよ」
「ああ、その筈だったけどなぁ」
バツの悪そうな顔を浮かべ、ポリポリと頭を掻く社長。そんな態度を見せながら真島は言う。
「ヴィジョンの連中がカンバス通りを壊して新しい駅を作るっちゅー話しとったやろ?そうなればそこに住んでる奴等は追い出される」
「成る程、そいつらを真島建設は雇うつもりだったのか」
「その通り。失業者だって沢山出るやろうからのぅ、ウチで纏めて面倒見て労働力をゲットやぁ!……って考えやったんやけどなぁ?妙な事に居ないんや」
「居ない…と言うのは仕事を失った人がか?」
そう告げるクレタにビビアンは自分の答えを口にする。
「ヴィジョンコーポレーションは既に転職先を住民達に紹介していると言う事でしょうか?」
「ちゃう、そもそもカンバス通り付近に住んでた連中が探しても見つからんのや」
「は?何だそりゃ」
その言葉に加賀美は驚きを露わにする。カンバス通りの人達は彼にとって身近かつ大切な存在だ。それが見つからないと言った真島に言葉を投げ掛ける。
「待ってくれ社長、あそこは最低でも百人も軽々超す人数が住んでるんだ。見つからないっておかしくないか!?」
「だーかーら妙な事って言ってるやろ!せーっかく郊外で一儲けしようと思ったんやがのう」
そう愚痴を溢す真島にクレタは次のように返す。
「そうか。こっちを侮ってないなら良かったんだ。まぁそもそも正式な書類すらも交えてない口約束みたいなもんだし、仕方ないか」
「悪いのぅ」
上の立場同士、何かしら通じるものがあるようだ…と加賀美が感心していると真島は急に「ま、それはそれとして」と言葉を紡ぎ始める。
「従業員についてやけどな白祇の社長サン、残念ながら
「え、俺?」
「はぁっ!ふざけんなよ!?加賀美はウチで正規雇用する予定なんだ!うちのグレースを即座に止められるのはコイツくらいしか居ねぇんだよ!」
「なぁクレタ。気持ちはありがたいけど、何で俺がグレースさんのストッパー係になってるんだよ。おかしくないか?」
「その通りだよおチビちゃん。だから今すぐ加賀美に私を絞め落とすのはやめてくれと言ってくれないかな?」
「ほらな?ウチに必要な人材だ」
こっそりと臥龍を持ち帰ろうとしていたグレースの背後を取り、制圧の構えを取る加賀美と顔が地面色になりつつあるグレース。これも誘拐犯を生み出さない為の措置である。
「おい加賀美ぃ!そっち行かへんよな!?お前とは郊外で一緒に真島ランドを建設するって約束したやろがい!」
「驚かないでくださいね社長。それ初耳なんですよ」
「待て待て分かった!じゃあウチの姉貴とお見合いするのはどうだ!?こっちは大歓迎だ!」
「ちょっと待ってよクレタ!それってつまり、臥龍やツイッギーの義肢を弄り放題…って事なのいかい♡!?」
「もしかして姉妹揃って外堀を埋めに来てたりする?」
カンバス通りの件が気になって仕方ないのに、それを塗り潰すかのような出来事が加賀美を襲う…!
助けてくれ、このままだと正規雇用書類で拷問されてしまう…と臥龍に救助の意思が篭った視線を向けると偶然にも加賀美のデバイスに着信音が響く。
『ンナナ(なぁ加賀美。お前宛に電話かかってるぞ)』
「俺にか?あ、ちょっと失礼します」
両社の誘いを保留にしつつ、電話を手にする。
『連絡失礼する、加賀美探偵事務所の所長君。君に頼みたい依頼があるのだが時間は取れるだろうか?』
「…少々お待ちください」
そう言うと、電話を掛けてきた主に声が聞こえないようデバイスを押さえながらクレタ達に告げる。
「いやぁすみませんね皆さん。たった今、本業の依頼が入りまして皆さんのお気持ちは嬉しいのですがまた今度の機会に…」
「はぁ!?何がまた今度やねん!お前ん所に依頼なんてそう都合良く入ってこんやろがい!」
「面倒くさいからって有りもしない依頼人を捏造してんじゃねーよ。それでも大人かお前」
「なんだぁ…テメェら…(半ギレ)」
喧嘩を売られ青筋を立てる加賀美。そんな彼は敢えて掛かって来た電話をスピーカーモードに変更し、失礼な社長達に聴こえるようハキハキとした声を上げる。
「お待たせしました依頼人さん!今さっき現在の業務がひと段落したので十分な時間が取れますよ!早速依頼の確認と行きましょう!」
『…何やら声のボリュームを大きくしているようだがそこまで気を遣わなくても問題は無い」
妙に聴き馴染みのある声の主がそう言う。加賀美は頭の中に何か引っかかる感覚を覚える。この落ち着きある声とかしこまった口調、そして全てを見透かして来そうなオーラに脳内で検索を掛ける。
「……その声って、もしかして"セヴェリアンさん"か?」
『どうやらこちらの自己紹介はしなくても問題は無さそうだな』
フルネーム【セヴェリアン・ローウェル】、良く顔を合わせているセスの実兄であり治安局において監察官の地位に就く男だ。その仕事内容は治安局内の不祥事の調査…つまり治安官にとっての治安官となる。ちなみに何故に加賀美がセヴェリアンの事を知っているのかと言うと、良くセスと良い争いしている現場を見かけているからである。
この前は肉にかけるのは塩胡椒orタレの論争に巻き込まれた。オイッ、実は仲良いだろお前等。
「何でアンタが俺に依頼を…?」
『ふむ…こちらが言わなくても君には分かる事だと思うが』
「分からないから聞いてるんですが?」
『それは失礼した。わざわざ個人の番号ではなく足の付かない公衆電話を借りて今こうやって君に依頼した理由だが、私個人だけでなく組織全体が表立って動けば目立ち過ぎる…故に君の力を借りる事となった」
そう言われ、納得が行く。電話に出た際にデバイスに表示されて居たのは【非通知】であった。きっと情報が漏れるのを恐れてでの行動だったのだろう。
「つまりアンタ個人だけでなく治安局全体を動かしたくない…"慎重にならなきゃいけない理由がある"って事なのか?
『理解が早くて助かる』
「もっと分かりやすく言ってくれないか?こっちはアンタと違って学は無いんだよ。まぁいいや、とりあえず依頼内容は何なんだ?」
若干、思考放棄しそうになった加賀美。そんな彼に謝罪しながらセヴェリアンは話を進めるだろう。
『ヴィジョンコーポレーションの内部調査だ』
「ヴィジョンって…あのヴィジョンだよな?」
『そうだ、つい先日に君が偽の治安官達と接触したと報告があった。こちらとしては動くべきなのだろうが対象に勘付かれる可能性がある』
「そこで俺に潜り込んで欲しいと言う事なのか?」
『ああその通りだ』
秩序の番人としてセヴェリアンは動く必要がある…が、彼に懸念があった。加賀美が見たと言う偽の治安官達の装備は一体どこから用意された物なのか?しかも部下に調べさせた結果、大量の数の偽治安官達がヴィジョンの担当する建設区域にて出入りしていると分かった。
"ヴィジョンは治安局内部と通じている"…確信は無いが、セヴェリアンにはそう思える。しかし確定した情報が無い今、派手に騒げば逃げられてしまう。
『この依頼に関しては、くれぐれも内密で頼む』
「セヴェリアンさん……すまねぇ、スピーカーモードで通話してたからガッツリと周りに話聞かれてる」
『…………』
加賀美の視線の先には気不味そうに顔を逸らす社長達の姿が居た。グレースやビビアン達は耳を塞いで聴こえてないアピールをしているがもう遅い。
『聞いてた諸君、この事はくれぐれも内密で頼む』
(((((巻き込んだ…!?)))))
柔軟な対応を取る監察官。時にはこう言った臨機応変さが求められるのである。そんな彼は続けて加賀美に告げる。
『詳細な内容に関してだが、私の部下をそちらに送った。今回の依頼において彼女の能力は役立てるだろう』
「彼女か…特徴は?」
『金髪のロングヘアー、種族は蛇のシリオン。印象に残る容姿と言動故にすぐに分かる筈だ。また何かあれば連絡をする』
そう告げられ、通信が途切れる。そのやり取りを聞いて居たクレタ達は今まで閉ざして居た口を開いた。
「何や、えらい話になっとるのぅ」
「ですね社長。あー…えっと、それでさっきの依頼内容なんですけど」
「安心しろ誰にも言わねぇよ…流石に治安局のお偉いさんに釘を刺されたんだ。わざわざ危険を冒すような真似はしねぇ」
「まぁそもそもお前がスピーカーモードなんかにするから面倒な事になったんやけどな」
「それはそうだけども!信じないアンタ達だって…いや、今はあの人の部下に会う必要があるな」
そう呟くとビビアンが呟く。
「金髪で蛇のシリオン…彼女と言ってた事は女性である事は確実。恐らくすぐに見つかる事でしょう」
「そうだな…でも"印象に残る容姿と言動"ってどう言う事だ?」
やり取りの中、セヴェリアンが言って居た部下の特徴に引っかかる物があった。どうも嫌な予感を覚えずにいられない…そんな事を思っていると真島が「あっ」と何か思い出すように声を上げた。
「…もしかしてアイツか?」
「社長、何か知ってるんですか?」
「いやな?うちの社員達が変な奴を捕まえたって言ってたのを思い出したんや。確か事務所の方に色々聞いてる最中やった筈や」
それを聞き真島建設の仮設事務所(プレハブ小屋)に案内される。建物の中に案内された加賀美は目を見開く。なんとそこには吊し上げられた金髪の女性が社員達に問い詰められている光景が広がっていた。
「オラァ!さっさと吐かんかいゴルァ!」
「うちの備品である菓子を食べ尽くしやがって!」
「どこのモンじゃワレェ!」
「ひぃ!いいい、命だけはお助けを〜!あ、あーしはぁ…郊外生まれの貧しいギャルでしてぇ…つーか美味しそうなお菓子を溜め込んでおくのが悪いってゆーか?さっさとパクついて無い方が悪いってゆーか」
「悪びれもしてねぇぞこの姉ちゃん!」
「ムチムチした見た目で貧しいはねーだろ!」
「オラァ!今からお茶出してやろうかぁ!」
「ひぃ!ありがたく貰いますぅ!!」
加賀美は「まさかアイツじゃねぇよな…!?」と心の中で強くそう思った。
ここはヴィジョンコーポレーションが指示を行う建設現場本部である。旧地下鉄の改修の為に多数の人が行き交う中、ツナギを着た男女二組が掃除用具が積まれた荷物用カートを運んでいた。
「待て、そこのお前達。身分証カードを提示して貰おう」
そう言われた男女二人は身分証をヴィジョンの警備員に見せる。
「こちら身分証になります」
「…清掃員か」
「そーそー、あーしらマジで此処ん所の汚れをピッカピカにしに来たみたいな?でもあんまノリ気じゃないし、マジでテンサゲって感じー」
ガッッ!と男が女の口を物理的に塞ぐとは「こいつはこう言う性格なんですよ」と答え、その場を乗り切る。しばらく口を塞いだまま歩き、人気の少ない場所で彼は告げる。
「シーシィア、今度余計な事を言ったらその口を縫い合わすぞ」
「ヒィィ!?あ、あーし悪くないし!?これでも口は固いって郊外じゃ評判なんだから!」
「ここは新エリー都である!郊外とはやり方が違う!口元からボロが溢れ出してるレベルなんだよお前の場合は!」
人選間違ってないか…?と清掃員に変装した加賀美甲斐は空を仰ぐ。今回、疑わしいヴィジョンを内部から調査すること為に変装用の衣服と偽装した身分証を持って彼女が同行したのだが…改めて人選間違えたのではないか?と考える。
「ん、どうしたの私の方見て?あっ、分かった〜!もうココからはアンタだけでもヨユーって感じだから私は何もしなくて良いんでしょ!あの大魔王から言われた時はどうなるかと思ったけど、捜査官のあーしとしては拍子抜けって感じ〜」
「いや?ただその
「ちょっ!?アンタなんでチクろうとしてる訳!?マジでやめてよね!そんな事されたら何て言われるか…!」
「じゃあ5秒以内に労働と罰、好きな方を選べ」
「労働でお願いしますッ!」
(なんか扱い方が分かってきた気がするな?)
分かりやすい三下ムーブに加賀美はセヴェリアンの
拠点を調べろ!
閑話休題。セヴェリアンの依頼は内部からヴィジョンコーポレーションに潜り込む事で現在行われている工事の実態を調べる事だ。性格は多少問題はあるが能力としては優秀であるシーシィア捜査官と共に清掃員として潜り込んだ加賀美は辺りを見渡す。
ホロウを前にヴィジョンが建設した拠点。多数の設備が揃っている事から潜入している相手が大企業だと改めて思い知らされる。
「……臥龍さん」
『ンナナ(ようやく出番か)』
清掃用具の中から臥龍ボンプが現れる。カートの中で道具と共に身を潜めていた小型の知能構造体は身体に搭載されたカメラ機能を始動させる。
アクティブサーチ
『拠点を調査しろ』
□拠点にある施設
□列車の様子
□運搬されている荷物
R2『注視』
×『調べる』
まず一つ目、加賀美は拠点内に存在する施設に注目し、その様子を観察する。
(あれは拠点用の施設か。警備が厳重だが中には何があるんだろう)
続いて見たのは列車だ。アレを使いホロウ内へ入る為、点検やチェックをされている。
(あれは列車か。あれに人員や解体用の爆弾を積んでいくんだろうな)
そして最後に対侵蝕用の箱によって包装されている荷物を観察する。拠点内の人員が多数の荷物を列車へ積み込んでいる。
(あれは大量の荷物を運搬しているな。中には何が入っているのか)
『調査終了』
一通りの観察を終えた加賀美はこれまで見た情報を整理する。拠点内にて列車の整備と荷物の運搬。恐らく荷物の中身は工事現場にて使用するエーテル爆弾なのだろう。
しかし一方で気になる点がいくつか存在する。拠点の警備だが治安官…の格好をしたヴィジョンの社員の存在。そしてその偽物達が列車に乗っている光景だ。
「アイツらどうして治安官達を列車に乗せているんだ…?」
「へっ!?治安官!?どこどこどこ!?」
「お前じゃい!…いやこの場合は列車に乗ってるヤツらの事だけど」
そう言うとシーシィアは焦った様子から一変、安堵の表情を見せる。
「あー、マジでビビった。急に変な事言わないでよね」
「俺言うほど変な事言ったか…?まぁいいや。とにかくヴィジョンはエーテリアスの撃破は目的としてない筈だ…なにが目的だ?」
そう考察する彼にシーシィアが答えるように呟く。
「えー?そんな事も分かんないの探偵クンさぁ」
「シーシィア分かるのか!?」
「当たり前っしょー。いい?治安官が行くって事はその所には大抵ワルなヤツが
「何を言って……いや待てよ?」
屯すると言う言葉にヴィジョンの目的は何かしらの監視なのでは?と考える。解体工事とは別に何かしらを見張る為に列車と一緒に人員を送り込んでいるのではないか?と考えた。治安局の装備はそれを着ている事で望ましい、都合の良い状況であるからと言うもの。
「少しずつだが、何か思惑が見えて来た気がするな…」
「そう?いやぁ良い仕事した感じだし…じゃ、お疲れっしたー」
「ちょっ待てよ(肩ホールド) お前にはまだ仕事をしてもらうからな」
「ええー…私のやれる事は終わったって言うかー?ホロウを前をした空気でマジテン下げだから、早期退勤って事で…」
すると加賀美は「セヴェリアンさん…」と名前を出した瞬間、彼女は粉骨砕身で仕事やらせていただきますッ!とやる気を見せる。
シーシィアは蛇のシリオンの特性故に特殊な視覚を有している。それはエーテルの残留を痕跡として捉える力であり、彼女が曲がりなりにも捜査官として重宝される能力なのだ。
「ふーん、何か嫌な感じ。あの荷物には近づかない方が良いかも」
「どう言う事だ?まさか爆弾に何か仕掛けが?」
「いやそう言うんじゃないし、エーテルの痕跡もほぼ無いけど。妙に勘がそれを探るとロクな事にならないって告げてんの」
『…ンナンナ(そうすると本格的に中身を知る必要がありそうだな)』
「ああ、その通りだな」
「ちょっと人の話聞いてた!?」
近づかない方が良いと言う警告とは真逆の行動を取ろうとする探偵に焦りを見せるシーシィア。これまで危険を避けて来た人生を送る彼女だからこそ彼の行動が理解できない様子を見せている。
「しょうがないだろ此処では一般の通信機器使えないだから、俺達が隅々まで調べないとなんだよ」
「そうなん?じゃあさ、外部と連絡できるような物があるかどうか調べとくってのは?そうすれば私らがわざわざこんな調査しなくて済むんだしー」
「それができないからこうやって俺達が出張ってるんだけどな?…でもそうか外部との連絡手段もあれば確保したいな」
シーシィアの提案に一理あると加賀美は考える。外部と連絡を取ることができれば探偵事務所の一員(認識)ツイッギーの支援が入る。そうすれば取れる選択肢も広がり調査も進むだろう。
その為には無用なトラブルを避けなければならないのだ…!
「居たぞコイツだ!この女が俺達の食糧を食い荒らしやがったんだ!」
「この女ァ!よくも俺達が残しておいた菓子を!」
「どこから来た清掃員だコラァ!」
「ひぃ!いいい、命だけはお助けを〜!あ、あーしはぁ…郊外生まれの貧しいギャルでしてぇ…つーか美味しそうなお菓子を溜め込んでおくのが悪いってゆーか?さっさとパクついて無い方が悪いってゆーか」
「悪びれもしてねぇぞこの女ぁ!」
「そのボディスタイルで貧しいはねーだろ!」
「オラァ!今からお茶出してやろうかぁ!」
「ひぃ!ありがたくいただきますぅ!!」
「この流れもう見たぞ!?」
『TIPS』
ツイッギーは自分の深掘りまだかな…?と思っている
【登場人物紹介】
○クレタ・ベロボーグ
若き歳にして白祇重工の社長を務める少女。その勝気な性格により恐れず交渉を行う姿勢を真島建設の社長から評価されており、彼からの好感度も高い。ちなみにクレタ本人は眼帯仲間してくる事に若干ウザく感じている。
加賀美の事は以前から調査依頼等で知り合っており、その身体能力や手先の器用さと容赦の無さから白祇重工正社員兼グレース専用ストッパーとして狙っている。
○セヴェリアン・ローウェル
治安局本庁の上級監察官。セスの実兄であり、性格は冷静沈着と弟は正反対。エキシビションから味のするおもしれー男成分がドバドバ出ているキャラ。以上だ、ぷー!(力強いハキハキとした声)
○シーシィア
セヴェリアン直属のカスギャル系捜査官。こんな言動と格好だがセヴェリアンが直々にスカウトされた治安官。初登場の段階で嘘吐き、住居不法侵入、仕事をインターノットに丸投げ等でシーシィア株は最底辺であった。しかし登場していく度に株は上昇、今やパエトーン兄妹の愛されペット枠として地位を確立した凄い子なのである。
女キャラよりも男キャラが実装されたら嬉しい自分。セヴェリアンさんのガチャ日が待ち遠しいですね…!絶対当ててやるからなッ!