何か評価とお気に入り数がとんでもないことになっている!!??なんで!?
よくわかりませんがありがとうございます!!
ビルスの殺気に当てられたことがトリガーとなり、前世の記憶を思い出したルージュ。自身が転生者であることを自覚したあの時、彼女の脳裏はこの世界に生まれ落ちてからの記憶と前世で過ごしてきた記憶が一気に入り混じったせいで大混乱を極め、記憶が戻った初夜は一睡もできなかった。
(…ありえないでしょ、こんなの)
記憶が戻って一夜が明けた後でも、転生というあまりにも現実離れした展開に頭がついて来れず放心状態が続いた。
何せ、自分はただ高校の卒業式に向かっていただけなのに気が付けば幼少期から大好きだったドラゴンボールの世界に生まれ変わっていたのだから。
ルージュは何度も、夢なのでは?と疑った。
しかし、待てども待てども夢から覚めることは無く、幼な子となった影響で小さくなってしまった手でモチモチとした自分の頬を抓っても何も変わらない。
彼女は両手を床につけると心の中で深い溜め息を吐くのだった。
(あたしは…どうしたらいいんだ?)
それから数日が経ち、
サイヤ人として生を受け、ビルスに拾われ、こうして平和に生活している。
やれ地球人を全滅させるだの、惑星を破壊するだの、太陽系ごと吹き飛ばすだの、物騒なワードが飛び交うこの世界のことを考えれば
だが、いつまでも甘えている訳にはいかない。他でもないその保護者から期待にそぐわなければ
ルージュの命は今やビルスが握っており、その気になればいつでも消せるのだ。
ルージュ自身もそのことはよく理解している。
それでも──
(本当にそんな力があるのか?)
自分にはビルスのお眼鏡にかなう力があるとは到底思えなかった。
前世では何の特質する能力も無い、ごく普通の一般人として生活していた弊害。加えて
だからこそルージュは迷うのだ、自分は何を為すべきなのかを。
(あたしは…一体…どうすれば──うッ!?)
迷っている最中、ルージュの身体から金色のオーラが溢れ出した。
髪は金髪に逆立ち、黒眼が碧眼に変化する。
(……クソ!
記憶が戻ってからもほぼ毎日続いている、超サイヤ人化。
自分の意思とは関係なく起きるこの現象がルージュは苦手だった。
身体の奥底から感じる得体の知れない
症状はほんの一瞬で治りはするものの、毎日感じるこの不快感がルージュの頭を悩ませていた。
だが、それでもあの孫悟空達と同じ超サイヤ人になれる自分に多少の高揚感を感じているのもまた事実だった。
(…超サイヤ人…か。なれるのは嬉しいけど、これだけじゃビルス様には到底──)
「やあ、ルージュ」
改めてビルスとの力の差に気落ちしていると背後から聞き慣れた声が耳に届く。
振り向けばいつの間にか当の本人である彼が眠たそうな表情で目を擦りながら立っていた。
(ビルス様…)
「お前最近はよくここにいるな。ウイスが呼べってうるさいから来てやったぞ」
付き人のくせに破壊神である自分に指図するウイスに愚痴をこぼしながら草原に座り込むルージュを慣れた手つきで抱き上げる。割れ物を扱うように抱く彼をルージュはジッと見つめた。
(ビルス様、あたしは何を──)
「それにしても…超サイヤ人ねぇー」
今だ答えを見つけられず、聞こえないとわかっていながら藁にもすがる思いでビルスに問いかけようとする。すると彼はルージュの問いを遮るように口を開いた。
「確かに伝説と言われるだけの力はあるようだけど、ボクが未来視で見た君の力はそんなものでは無かったよ」
(…え?)
思わぬ言葉に目を丸くするルージュ。
驚く彼女を他所に、まるで彼女の心情を知ってるかのようにビルスは自慢げに語りかけてきた。
「この前は期待通りじゃなければ破壊するなんて言ったけど、そもそもボクはそうなるとは一度も思ってないよ。こう見えてボクの勘はよく当たるんだ」
(ビルス様…)
「今はまだまだひよっこだけど、
(─ッ!そうだ。何を迷ってたんだ、あたしは…)
ビルスの言葉でルージュはようやく気が付いた。自分のするべきことを。
答えは至ってシンプル、ただ強くなればいいのだ。
凡人の自分ではできない?結果を出せなかったトラウマ?馬鹿馬鹿しい。
それは
そして、思い出すのはドラゴンボールを語る上では欠かすことのできないあの台詞───
落ちこぼれだって必死で努力すりゃエリートを超えることがあるかもよ
今のルージュの力ではビルスの足元にも及ばない。それでもがむしゃらに努力し、必死に食らいついていけば、いつの日か彼と同じステージに立つことができるかもしれない。
他でもないそのステージにいる彼からこれだけ信頼されているのだから。
ならばやろう、徹底的に。どんなに惨めでも、地面を這いつくばってでも、必ず彼の期待に応えてみせる。
「─って、赤ん坊相手になにを言っているんだ。やめやめ!センチメンタルになるなんてボクらしくもない。早いところ戻るか」
(ありがとうビルス様。あたし、やっと気付けたよ)
急ぎ足で宮殿に戻るビルスを見つめながらルージュは深く感謝をする。
彼のおかげでずっとわからなかった答えを見つけることができたのだから。
だからこそ伝えよう、この気持ちを。
「……び…る……す…しゃま」
「─ッ!?お前言葉を」
「…あ…た……ち…がん…わ……る…つよ…く……な…る」
「…そうか、賢い子だな。人の成長ってのは早いねぇ」
呂律が回らない中、必死に己の気持ちを伝えるルージュにビルスは思わず目を見開いた。すると彼はニヤリと口角を上げると名付けをしたあの時を再現するように彼女を高らに抱き上げた。
「ああ、期待しているよ」
この時、ルージュはビルスとの間に確かな絆が芽生えた気がした。
神と人。生きる世界も価値観も異なる者同士でも想いを伝え合えば心を通わせるができる。彼女はそう確信するのだった。
だが、ルージュは知らなかった。運命とは、時に冷酷に残酷に、己に牙を剥くということを。
「…ウイス、これはどういうことだ?」
「……うぐ…ハァ…ハァ……ハァ…」
ルージュが答えを見つけてから数日が経ち、無表情が多かった彼女の顔に再び笑顔が戻るようになってきたある日、3人で食事をしている最中、いつものように超サイヤ人になると彼女は突然倒れた。
大急ぎで寝室に運び、ベッドに寝かせると彼女は額に大粒の汗を浮かべ、激しい息切れを起こす。
髪が黒色から金色、金色から黒色へと点滅するように変化し、見るからに苦しい表情を浮かべる彼女はどう見ても正常な状態ではなかった。
重苦しい空気が漂う中、ビルスの問いにウイスは口を開く。
「端的に申し上げますと、ルージュさんは
「どういうことだ?何故自分の気で死にかけることになる」
"気"とは、体内で生み出される潜在エネルギーであり、生命エネルギーそのものでもある。生物であれば誰もが持つごく自然な力。それがどうして死に繋がるのか、ビルスには理解できなかった。
「ルージュさんの身体を調べたところ、彼女の気が異常なレベルに膨れ上がっています。そしてそれは彼女の許容範囲を無視して今も尚増え続けているのです」
「待て、許容量を無視するのはおかしいだろ。上限値に達すればそれ以上増えることはない筈だ」
「その通りです。しかし彼女にはその上限がない、存在しないんですよ」
誰もが保有する気には生成される上限値が定められており、それ以上増加することはない。何故なら身体が耐えられないからだ。
ところがルージュの場合はその上限値、言わばリミッターが始めから存在しない。もしくは壊れているのだ。
風船に空気を送り続ければ膨らんでいき、やがて限界を迎え破裂する。
今の彼女はまさに、破裂する寸前の風船なのだ。
「─ッ!?それは生物として欠陥している!待っているのは自滅だけだぞ」
「突然変異…いえ、生まれる時に生じた
欠陥生物──ルージュを一言で表すのならまさにこれだろう。
驚愕の事実を知ったビルスはここでようやく気が付いた。ルージュが頻繁に超サイヤ人なっていた理由を。
「そうか!だからルージュは超サイヤ人に…」
「厳密に言えば生き延びる為の生存本能でしょうね。超サイヤ人になることで気を消耗させ、許容量を超えないようにしていたのでしょう」
「─いや待て、なら何故ルージュは倒れた?気が溜まりすぎているのなら、また変身すれば解決できる筈だろ」
「それではもう間に合わないんですよ。ルージュさんの気はもう一時的な変身では処理し切れないレベルにまで増大してしまっているんです」
日数の経過と比例して変身する回数が増えていた理由。
それはルージュの体内で気が急速に増大したからだ。本能がそれに合わせて変身する回数を増やしバランスを保ってきたものの、それだけでは処理ができない程に膨れ上がってしまったのだ。
「ならばもっと長い時間変身すれば──」
「無理です。身体がまだ未成熟の彼女では長時間の変身には耐えられない。本能がそうしたくても負荷が掛かってしまうからできないのですよ」
「………打つ手なしってことか…」
ルージュを助けたくても助けられない。
絶対的な力がある破壊神だというのに、今も苦しむ幼い命を救うことができない自分に嫌気がさすビルス。煩悩にさいなまれる中、ウイスは一切の感情も感じさせない顔付きでゆっくりと口を開く。
「ビルス様、わたしから一つ提案があります」
「………なんだ?」
ビルスは己の従者が何を言おうとしているか何となく察した。だがそれでも敢えて聞くことにした。これから告げられるであろう、あまりにも残酷な言葉を。
「
【プロフィール】
ルージュ(幼年期)
種族:サイヤ人
出身地:惑星サダラ
誕生年:エイジ549年
身長:不明
体重:不明
変身形態
超サイヤ人(制御不能)
〔エラーリスト〕
▶︎エラーコード001:〈詳細〉開示不可
▶︎エラーコード???:〈詳細〉解析不能