メムさんと主人公がメインで絡む回です
「え? 歌ってみたを作りたい?」
「そうなんです! メムさん、どうすれば良いですか!?」
苺プロの事務所にて、僕は現役YouTuberのメムさんことMEMちょさんに自分のチャンネルにアップしようと考えている歌ってみた動画の作り方のご教授を頼んでいる。
僕は声優として活動してる中、なにかテコ入れになるような事をしたくなったのをきっかけに、4月からYouTube活動を始めた。
ゲーム配信や雑談など、なんか見た感じVtuber的な事をしている僕。リスナーさんから歌ってみたが見て見たいとのリクエストを頂いたので、作りたいと決意はしたものの、作り方が分からず途方に暮れていた。
僕も歌ってみたを作ったり弾いてみたとかも動画にしたいと配信する時から決めはしていた。
最初はぴえヨンにどうすれば良いのか聞こうとも考えたが、彼自身が最近忙しすぎて会えていない。そこで最近メムさんが苺プロに来たのを機に、頼んでみる事にした。
メムさんは歌ってみたを投稿した経験があるらしいので、何か知ってるかもしれない。
「と言うわけで……メムさん、お願いしやす!」
「う〜ん……分かった。お姉さんに任せて!」
「ありがとうございます! メムさん!」
さすメム! 現役YouTuberの言葉がこれ程心強いとは……兄貴へ、メムさんを連れて来てくれて本当にありがとう。
「じゃあ、基本的な作り方をレクチャーするから、ちゃんと着いて来てね。因みに、どんな感じの歌ってみた動画にしたい? Vtuberさんみたいにするか、実写でやるか」
「そうですね。出来れば僕の特技であるギターを弾くシーンも絡ませたいので、今回は実写がいいです!」
「じゅうたんギター弾けたの!? まぁ、最近の声優さんはそういう人いるもんね。私も昔は、け○おんとかよく見てたよ!」
メムさん、高校3年生なのにけ○おん知ってるんだ。なんだか仲良くなれそうだ。
こうしてメムさんから弾いて歌ってみたの撮り方のコツや、動画をいつどの時間にアップすればバズるのかを教えてもらった。長年の活動経験に基づいた講義は大変勉強になった。
「何の話してるの?」
「有馬ちゃん! 今、じゅうたんが歌ってみたの動画を作りたいって言ってたから教えてたんだ〜!」
「ふ〜ん……アンタ、歌上手いものね。前にカラオケで聴いた時なんか凄かったもの」
「じゃあ先ずは、じゅうたんの実力を知りたいから実際に歌とギター聴かせてみて?」
「分かりました!」
こうして姉ちゃんがいつもダンスの練習として使っている部屋に移動して、ギターとマイク、その他重要な機材などの準備をした。
「じゅうくんの歌久しぶりに聴くなぁ〜!」
「なんか観客1人増えてんな。まぁ、良いや」
僕が動画にアップする予定の曲は『星座になれたら』を忠実に再現したものだ。なので音源も原曲に寄せた感じで演奏もするし、長谷川さんっぽく寄せた歌声にしたいと考えてる。
「3人とも、そこだとスピーカーからの音が五月蝿いかもしれないので、もうちょい下がってください」
「これくらいで良いかしら?」
「ちょうど良いです。それじゃ行きますよ? ミュージックスタート!」
今回は喜多ちゃんパートを弾いて、歌ってみせた。別撮りでぼっちちゃんパートも弾く予定ではある。原作再現でボトルネック奏法も取り入れると尚良いかもしれんな。
オタクってのは原作再現に弱いから、それを狙ってやると動画映えもする。うーむ……何とも完璧な計画なのだろうか。
「ふぅ……ありがとうございました」
「すごーい! じゅうたんめちゃ上手い!」
「か、カッコイイ……」
「やっぱ良い曲だよね、『星座になれたら』。歌詞に深みがあって好き」
「これなら撮れ高バッチリあるよ! じゅうたん自体にそれなりの知名度があるからファンの人や同志とかに刺さると思うよ!」
「そうですか? よ〜し、頑張って歌ってみた作るぞ! メムさん、指導お願いします!」
「うん、分かった!」
こうして、僕とメムさんのタッグで『星座になれたら』の歌ってみた動画制作までの日々が幕を開けた。
メムさんのコネで、良いレコーディングが出来る場所を紹介されたりもして本当に助かった。
今後も歌ってみたを作りたいときは、いつでも利用しにきても無問題ラとスタッフさんから言われたので、紹介してくれたメムさんには感謝しかない。
弾いて歌ってみた動画を制作し始めてから5日くらいが経過した。アニメのアフレコ仕事をしながらも、無理のない範囲でメムさんの指導のもと動画を作成した。
頑張って凝った物ほどバズらないとメムさんは言っていたが、僕は原作ファンなのでそれだけは譲れなかった。
動画の中に愛情をたっぷり注ぎ込めば、観てくれる人だって分かってくれるかもしれない、そう思いながら動画を作った。
動画のタイトルは「ぼざろオタ声優が『星座になれたら』を弾いて歌ってみた」にしようかな。シンプルだけど、これで良いんだよこれで。
「ふぅ……やっと出来たね」
「はい……メムさん、お付き合いありがとうございました。自分の活動もあるのに」
「良いんだよ。じゅうたんは可愛い後輩クリエイターなんだから。じゃあアップするよ!」
かくして、初めての弾いて歌ってみた動画が僕のチャンネルに初アップされた。Twitterなどでも告知して、仕込みは上場。
どれくらい伸びるかは……まぁ、取り敢えず考えないでおこう。
6月になり、制服は冬服から夏服に衣替えという事で、外は若干暑かったり、梅雨ということもあるので、湿気があったりで嫌な季節だ。
本格的な夏も近いしな。汗かくから暑いのは苦手だ。まぁ、花粉症のピークが過ぎたのは嬉しいから良しとする。
「いやぁ〜今ガチ終わってしもうたなぁ〜」
「そうだな。炎上どこいったってくらい盛り上がったよね」
「なぁなぁ、兄がキスしてたのどういう気持ちなんー?」
「僕は別に、何とも。姉ちゃんは?」
「超複雑以外の感情想像つく? じゅうくんがアニメで演じてるキャラとヒロインがキスするシーンとかと比べると恋リアの方が気まずかったよ」
「マジか。姉ちゃんからはそんな風に観られてたんすか」
でも身内のキスシーンか。思い返して意識してみると妙に気恥ずかしいかなって来た。
「今ガチの話してる?」
「あっ、やっぱ不知火さんも観てたんすね」
「知り合いが出てる番組だし、面白かったよ。イケメン美女だらけで、ほんと目の保養になった。こんな気持ちになったのは東ブレ以来ね」
不知火さんってサインあげた時から思ったけど、結構おもれー女キャラだな……さっきからすごーく饒舌に喋るし。
「あ、そうだ。充瑠さん、この前YouTubeに出て来た歌みた動画観ましたよ」
不知火さんにチャンネル認知されてた。そういやTwitterフォローされてるから知ってて当然か。
「不知火さんから聴いてみてどうでした?」
「充瑠さんがギターを弾けることは雑談配信で知りましたが、まさかあそこまで上手だとは……正直感動しました」
「それうちも観たで! ルビーちゃんがURL送ってくれたの観てええ声やなぁ……って思ってん。その動画、結構再生されてたで」
「本当ですか!?」
みなみさんに教えられて、自分のチャンネルを覗きに行くと、投稿から約5日くらいで40万回くらい再生されていた。
「うっそ……」
「じゅうくん、これ50万どころかそれ以上行くんじゃない!?」
「コメント欄も原作愛に溢れてて最高の歌ってみただったって賞賛のコメントも多いわ。私もこの曲は大好きだから素直に嬉しい。だからこの動画をTwitterで拡散しておいた」
「そういってくれて凄く嬉しいです。これからも歌ってみたバンバン出したいと思います!」
こうして僕の初めての歌ってみた動画は不知火さんやMEMちょさんの拡散力によって瞬く間に広がって行き、6月が終わりを迎える頃には何と100万再生を突破した。
次はどんな曲に挑戦しようか……テンポの速い曲? それとも昔はやったアニソンもいいな。
そんな事を考えながら声優として、そしてクリエイターとしての活動が続いたのであった。
MEMちょでデュエマネタやりたいなぁ