『俺はお母さんじゃないっての……』
そうファクターが言った次の瞬間、
ドコォォォォン!
ヴォイドレンジャー・蹂躙がファクターに向けて弓矢を放った。
「ファクター!」
誰もがファクターが重傷を負ったと思ったその時……
『……会話の邪魔を……すんじゃねぇ!』
ファクターは急いで『ヴォイドレンジャー・蹂躙』となり、弓で矢を受け止めていた。
『ここからは……俺の番だ!
そして、ヴォイドレンジャー・改ざんとなり、反バリオン2体召喚させた。
『行け!反バリオン!ヴォイドレンジャー・蹂躙を錯乱させろ!』
『kyuiiiii!!!』
ファクターが召喚した反バリオンは彼の命令通りに動き、攻撃をした。
『syaaaaa!!!』
ヴォイドレンジャー・蹂躙は反バリオンに攻撃されて、ダメージは少ないが、それでもイラつかせることはできた。
その隙にファクターは再びヴォイドレンジャー・蹂躙になり、敵のヴォイドレンジャー・蹂躙に矢の狙いを定めた。
(今までヴォイドレンジャー・蹂躙にも勝てたのはアーランさんが気をそらせてくれたから不意打ちで勝つことができた……だが、今のヴォイドレンジャー・蹂躙の背後にはエレベーターがある。正面から弓矢を当てようとしても避けられて、エレベーターを壊してしまい、みんなが脱出できなくなる可能性がある。つまり、今俺が狙うべき場所は……)
『足だ!』ズバァン!!!
『Gyaaaaaaa!!!!』
ファクターの狙い通り、反バリオンの攻撃で気が散っていたヴォイドレンジャー・蹂躙は避けきれず、足を撃ち抜かれた。
『今だみんな!足に撃ったから、回避ができないはずだ!』
「分かった!」
丹恒と、アーランと、なのか、そして穹が一斉攻撃をしたため、ヴォイドレンジャー・蹂躙は倒れた。
『Gyaaaaaa……』
『ナイス!みんな!』
「いや、一番のお手柄はファクターだよ……」
敵を倒せたから、後はエレベーターに乗って帰還するだけ……誰もが思ったその時だった。
『Aaaaaaaaaa!!!』
ヴォイドレンジャー・蹂躙は最後の力を振り絞り、ヴォイドレンジャー・改ざんを大量に呼び寄せたのだ!
「ちょ、ちょっと!負けたからって仲間を呼ぶのは……ずるくない?!」
『……クソ!』
万事休す……誰もがそう思った時だった。
突如、チップソー*1が付いた巨大ドローンが複数のヴォイドレンジャー・改ざんを切り裂き、ヴォイドレンジャー・蹂躙を倒した。
「行くぞ!」
丹恒の掛け声で6人はエレベーターに走り、乗って脱出することができた。*2
~主制御部分~
「毎度こんなスリルを味わうなんて、まぁ帰って来られたし結果オーライね。」
そう言った人物は__腰まで伸ばした赤髪に、金色のバラのアクセサリーを首元に着けた女……『姫子』だった。
彼女はドローンを操り、6人の窮地を救ったのだ。
~~~~
「三月ちゃん、丹恒、お疲れ様。」
姫子が2人にねぎらうとなのかが不満の声をあげた。
「姫子~もっと早く来て!最後に相手した反物質レギオンはバッタみたいだったんだよ。ウチは弓を使ってるし、すごく苦労したんだからね。」
「早く来ても意味がないわよ。私のレールガンなら確かに一掃できるけど、ヘルタが戻ってきて宇宙ステーションの現状を見たら、絶対に私を責めるでしょ。」
姫子がなのかにそう言うと、今度はアーランとファクターに言った。
「大丈夫?アーラン、それにファクター。アスターが心配していたわよ。」
「俺もファクターも怪我をしていない、感謝する。ファクターはここに残っていろ。俺は先にアスター所長に状況を報告しに行く。」
『分かりました。』
「じゃあな。」
そう言うとアーランは去って行った……
姫子は星と穹、ファクターに挨拶をした。
「初めまして、私は姫子。星穹列車のナビゲーターよ。」
『あ、どうも……俺はファクターd』
「「ナビゲーター?」」
『……』
星と穹は挨拶をする前に、疑問に思ったのかファクターの紹介を遮って、質問した。
「つまり、列車の全行動は姫子の言う通りってこと。」
星と穹の疑問になのかが答えると、姫子が言った。
「ここまで来る間、三月ちゃんに迷惑を掛けられなかった?」
「アンタたち、ちゃんと考えてから答えてよね。」
星が答えた。
「じゃあ、答えるのはやめておく。」
「……チームにいる丹恒が一気に2人になったみたい。」
「お前たちだけでやれ、俺を巻き込むな。」
穹が答えた。
「こんなそそっかしい子は初めて見た。」
「それがウチの性格なの!今回は騒ぎを起こさなかったし、慣れればいいんだよ……ほら、丹恒は慣れてるよね。」
「俺には黙秘権がある。」
姫子が笑いながら言った。
「ふふ、若者はすぐに打ち解けるわね。あんたたち、もう仲良くなってるじゃない。」
「行くわよ、アスターがあんたたちを心配してるわ。」
『……これが主人公補正か*3』ボソッ
ファクターはそうぼやきながら姫子たちの後をついて行った。
~~~~
一行がアスターの元に近づくと、アスターは主制御部分の全体が見渡せる場所で、通信機でスタッフ達に指示をしていた。
「投射レーダー追跡は正常、テレメトリ信号の周波数は高いわ!平均水準を必ず維持して!」
「予測によると、レギオンの攻撃は十波以上ある。みんな、持ちこたえるのよ!」
「アスター所長!戻ったよ!」
なのかが言うと、アスターは安堵した声で言った。
「はあ、みんな無事ならよかった。アーランもさっき戻ってきて、収容部分でのことを教えてくれたわ。アーランが無事なのはファクターと……貴方たちが助けてくれたおかげね。」
アスターが続けて言った。
「災害発生時、ステーションの最も貴重な資産はスタッフであることを身を以て実感するわ……はあ、不測の事態への備えがあまりにも不十分だった。セキュリティやファクター以外の戦闘員の育成も疎かだったわ。」
(あ、褒めてくれた……嬉しい!*4)
「でも貴方たち星穹列車の乗員は、みんな非凡な能力がある……」
「今の宇宙ステーションの状況はどうだ?」
丹恒が質問する。
「今のところ、状況はコントロールできているわ。セキュリティシステムの被害は軽微で、侵入者もほんの一部のコアデータを書き換えただけだから、修復は簡単だった。」
アスターが答えると、不安な表情になった。
「潜在的なリスクはスタッフ達にあるわ……彼らはミス・ヘルタをとても信頼していて、宇宙ステーションがレギオンに制圧されるなんて考えもしていなかったのよ。肉体的な傷よりも、精神的なパニックのほうが恐ろしいでしょ……」
アーランがそう言うと、姫子が言った。
「私たちがスタッフと話してみるわ。こんな時に、宇宙ステーション内で再び予想外のことが起きるなんて誰も望んていないもの。ヘルタには連絡した?」
「何回もメールを出したけど、音沙汰なしよ。姫子さんも彼女のことをよく知っているでしょう。宇宙ステーションは彼女の追従者と奇物の倉庫でしかないわ、全くきにかけてないの。」
(やっぱ、ヘルタは自分の好きなことしか興味ない人なんだよなぁ……)
ファクターがそう思っていると……
「思った通りね…大丈夫、私の方からもヘルタにメールを送るわ。彼女が欲しがっていた奇物を持ってきたってね。これなら、彼女を引き付けることができるでしょう。」
「それはとても助かるわ。」
アスターが姫子に感謝した時だった……
ビー!ビー!
突如、サイレンと共に空中に警告メッセージが浮かび上がった。
『何だ!?』
モニターに映し出された光景は、宇宙ステーションのサポート部分の防衛シールドを突破しようとする巨大なドラゴンのような反物質レギオン……『終末獣*5』だった。
「貴方たちは行きなさい。ここは私が!」
「でも……」
なのかが戸惑っていると……
「行きましょう。」
姫子がみんなを連れて行った。
ファクターは考えていた。
(この後の展開は列車組はここが危険だと判断し、逃げようとするが、列車がまだ来てないし、終末獣と戦うはめになる……でもここから離れたらアスターさんたちが俺に疑惑を持たれる……そうだ!)
『アスターさん!俺に列車のみなさんを護衛しに行く許可をお願いします!』
「貴方が……?でも……そうね。ファクター、お願い!」
『了解!』
こうして、ファクターは列車組を追いかけていった。
ちなみにアスターが一瞬戸惑っていた理由は、ファクターは1か月ほどしか戦闘経験がないことの不安でした。しかし、列車組もいれば死ぬ可能性は低くなると判断し行動させました。
ファクター『……俺は未来について知っているけど話すべきだろうか……?』
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伝えよう!
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やめておこう……