星が姫子の元に向かうと……
穹とファクターが姫子と話していた。
「それで、ファクターも乗車してほしいの……あら。」
姫子がこっちに向かう星に気がついた。
「目が覚めたのね。三月ちゃんたちには、列車に残って辺りを見張ってもらってるの。」
「姫子は穹とファクターに何を話してたの?」
星が尋ねる。
「実は、穹とファクターに私たちと一緒に星穹列車に乗らないか誘ったの。彼らの活躍によって私たちは無事だったし、彼らが望むなら一緒に来てほしいと思ったの。」
「俺は望むところだ!」
穹は両手に腰を当てて、胸を張った。
『言葉の意味が違う……俺は願ってもいない申し出ですが……俺が抜けたらアーランさん達に迷惑をかけてしまうのでは?』
ファクターがそう言うと、
「やだ!一緒にいてほしい!」
穹がただをこねた。
『……分かった。アスターさんとアーランさんに直談判してみるよ。』
「よし!」
穹がガッツポーズした。
『じゃあ、アスターさんとアーランさんの所に行ってきます。』
「行ってらっしゃい。」
ファクターが去って行った……
「私も列車に乗りたい!」
星が言うと、姫子が
「……実は、あなたに会いたいって言っている人がいるの。」
「私に?」
「そうよ。そろそろ来る時間のはずよ。」
姫子がそう言うと、
「私が離れてまだ数か月でしょ?え?どうしたら宇宙ステーションがこうなるかしら?」
そう愚痴を言いながら歩いて来たのは左側頭に紫の花を着け、濃色*1の長い髪に首元には鍵、胸元には南京錠のようなアクセサリーを着けた小柄な女の子___
『ヘルタ』だった。
「戻ったのね、ヘルタ。この人こそ宇宙ステーションの真の主人、「天才クラブ」会員番号83番のヘルタよ。」
姫子が言うと、ヘルタが反論した。
「なんで天才クラブのことを言うの?紹介するならちゃんとして。私の非凡な偉業の数々は、どれも
穹がヘルタの肩を見て、尋ねた。
「お前は…ロボット?」
穹がそういった理由はヘルタの肩にはロボット特有の肩関節があったからだ。ヘルタが答える。
「あなたが見ているのは私が作ったロボット。この子を操作して、あなたたちと会話してるの。」
そういったヘルタは星を見る。
「今の「星核」はこのお子ちゃまってわけ?」
姫子が頷いた。
「ふーん。じゃあ、しっかり観察しないとね。」
~~~~
~ファクター side~
(列車の乗車の許可をもらうことができたぞ!)
ファクターはベース部分にいたアーランに退職することを伝えて、主制御部分に戻っていた。
ファクターは、アスターとアーランに乗車するため退職すると言ったら、少し残念がりながらも、快く列車に乗ってほしいと言われてご機嫌上々だった。
(しかし……急に退職するって言われたら引き留められるか、困惑すると思ったけど……部下の門手を祝ってくれるなんて良い上司をもって俺は幸せ者だ!前世のブラック企業の上司ども*3を2人の爪の垢を煎じて飲ませたいくらいだ!*4)
彼は退職がスムーズにできた嬉しさとこれから会える推しとの出会いに期待を寄せた結果、興奮状態となった……いわゆる『
だけど、ファクターはアスターと、アーランが言った言葉を思い出して落ち着いた。
『アスターさんとアーランさんと約束したのは無事な姿で定期的に顔を見せてほしい……か。』
そう、彼女らはファクターの安全を祈ってくれたのだ。
『……浮かれてじゃあ、ダメだよな……』
バチィン!!
ファクターは自ら両手で頬を打ったのだ。*5
『よし!俺は俺を含めて出会う人を幸せにするぞ!』
ファクターは改めて決意をし、穹と星に乗車することを伝えるために主制御部分に戻ったのだ。
~主制御部分~
「あら?ファクター、何か忘れ物でもしたの?」
『アスターさん、そうではなくて穹と星に乗車するよと伝えたくてですね…』
「え?彼らはもう列車が停まってるホームに行ったわよ?」
……ファクターは急いでホームへ駆けていった。
~~~~
~穹 side~
「……まだ来ないな。」
「そう、焦らないで。彼は今頃、別れの挨拶を済ませて向かっているはずだわ。」
「そうだといいけど……」
今の声は星だ。
あの時、ヘルタから星の中にいる「星核」は危険なものだから、ヘルタが研究が終わるか、飽きるまで研究させてほしいと言われたが、姫子が
『列車と星核には深いかかわりがあるから、星の悩みは、私たちが探している答えだし、いつでも
だったか?とにかく、星は列車に乗るか、宇宙ステーションに残るかの2択を迫られたが、
『私は列車に乗りたい。』
彼女によると、俺に興味があるし、ファクターも乗るなら私も、という理由らしい。
まぁ、俺も星に乗ってほしいと思ってるから嬉しいとは思ってる……
あの時、俺たちが倒れてたのは何かしらの理由があると思っている……それを解明するために俺も列車に乗ることにした。
記憶がない俺たちにとって、髪色や目の色が一緒だから、きっと双子なんだろう……俺は星……いや、
嬉しいと言えば、ファクターもだ。
見た目は物騒だけど、記憶を失った俺たちのことを気にかけてくれて、心配してくれて……親みたいだと思っている。
星もそう思っているみたいだな。
本人は親みたいな存在じゃないって否定しているけど、それでも強く否定しないからまんざらでもないだろう。
とにかく、俺は星とファクターと一緒に乗車できて嬉しいんだ。
みんながいれば、きっと忘れない旅になるだろう……
「あ、穹……あのね、ひとつ言いたいことがあるんだ。」
「どうしたんだ?星。」
これはもしや、お兄ちゃんと呼んでもいいというあれか。
ああ、いいとも……いくらでもお兄ちゃんと呼んでも……
「私が姉だからね!」ドンッ!
「……は?」
すれ違い多いな!今回!(ファクターと列車組の物理的なことと、穹の理想と現実のこと)