ベロブルグ編第1回始まります。
~ファクター side~
穹たちがヤリーロⅥに旅立った後、俺とヴェルトさんはラウンジのソファに座りながら話をしていた。
「君に話したいことがあるんだ。宇宙ステーション「ヘルタ」で君は別の世界からここにたどり着いていたとアスターさんから聞いたのだが……どこから来たのか教えてくれないか?」
『はい。俺は地球という星の…』
「!?それは本当か!?」
『そ、そうですけど…』(そうだった。ヴェルトさんはパラレルワールドの地球出身者だったっけ……)
「すまない。俺としたことが取り乱してしまった。実は俺も地球からこの世界に来たんだ。」
『…マジですか……?』(俺は知っているけど言ったらややこしくなるからここは知らないふりをしよう。)
「本当だ。俺がいた地球では『崩壊』というものがあった。君がいた地球には『崩壊』はあったか?」
『(名前は知っているけど現実では見てないから)……いやないですね。』
「!!……本当か?」
『その反応から相当ヤバいものだというのが伝わってきます…もしよければ『崩壊』について教えてくれませんか?』
「ああ…」
そして俺はヴェルトさんから『崩壊』について聞かされた。
ヴェルトさんの地球ではB.C2000年頃(約5万年前)から人々が文明を築いては崩壊するという歴史を繰り返し歩んできた。
その後も周期的な氾濫が発生したため、その現象を『崩壊』と呼ぶようになった。
人体で例えるなら『崩壊』とは地球の免疫システムであり、地球本体に害を及ぼすほどに文明が発達した種に訪れる超自然的災害であること。
崩壊により発生する『ゾンビ』、『崩壊獣』、『律者』はいわば白血球のような存在で(地球にとっては病原体の)人類の文明や、人々を襲うこと。
そしてその『崩壊』に逆らえば逆らうほど、『崩壊』はより強力な抗体を発生させる性質を持っているため、最終的には人類の存亡にかかわる大災害に繋がる可能性があること。
ちなみに『崩壊』が発生すると『崩壊エネルギー』が現れ、崩壊エネルギーの適正が高ければ強力な兵士になれるけど、この世界では適性の低い者が大半だからもしも侵食されてしまったら、『ゾンビ』となり人々を殺し回る傀儡になることが分かった。
……うん!ゴミだな!
『いや、こんな特急呪物並みにヤバい現象が世界中に起きていたら俺たちはとっくに死んでますよ…すごいな。ヴェルトさんも、ヴェルトさんがいた地球に住んでいる人々も。』
「……そうだな。ちなみになぜ俺がこの世界に来たのかについてだが、俺は『崩壊』を突き止めるべくこの世界にやってきたのだが……宇宙船の燃料が切れてしまってな。宇宙をさまよっていた所、姫子に拾われ、今は星穹列車に乗車している。」
『……ヴェルトさんはもし、元の世界に帰れるとしたら今すぐ降車しますか?』
「……それはなぜだ?」
『いえ……ただ、なんとなく……』(一緒にいてほしいと思うのは身勝手すぎるよな……)
「そうだな……俺は君たち、若者が安心して過ごせるようになるまでは……ここに残る。」
『……ありがとうございます。』
「遠慮しないでくれ。俺たちは星穹列車の一員だ。仲間を守るのは当然のことだ。」
『……そうですね。俺も期待にこたえたいですね。』
「そう、力まなくてもいい。」
『ありがとうございます。話がそれましたね。話を戻しますと俺は地球の日本に生まれ育ちました。17歳まで学生として過ごしていましたがそこから記憶は無く……気づいたら宇宙ステーション「ヘルタ」の地下収容部にヴォイドレンジャー・略奪の姿となり、今ここにいるという感じですね。』
「ファクターは記憶が無いのか?」
『はい。俺は学生で過ごしていた頃から…記憶がありません。』
「つまり、何かの理由でファクターはこの世界にやってきたが、家族の記憶とこの世界に転生する直前の記憶を失ってしまい、どうやってこの世界にやってきたのか分からないということだな?」
『はい……俺は怖いんです。誰かによって家族関係などの記憶などの大事な部分が奪われてしまったんじゃないかと思うくらい作為的な感じがして……そして、人類の敵であるヴォイドレンジャーの姿にされる俺は何者なのか?それが怖いんです。』
俺がそう恐れているとヴェルトさんが優しく俺に言った。
「俺は無理して過去にとらわれなくてもいいと思う。」
『それはどういう……?』
「確かに過去の記憶が無いと不安になることは分かる。だけど、俺は君のことを自分の意志で星穹列車に乗ると決めた少年に見えたよ。幼い頃の俺のように…だから、そう悲観しないでほしい。俺はファクターのことを初めて出会った時から誰かのために動ける優しい子だというのはもう知っている。」
『ヴェルトさん……』
「大切なのはこれから君がどのように思うのか、どのようにして人と関わりを持って生きていくのかそれが大事だと俺は思う。」
『……ありがとうございます。ヴェルトさん。俺はようやく俺の旅の目的を決めることができました。』
「そうか。」
『ですから、ヴェルトさん。俺はもう迷わないです。俺は自分の信念と良心をもって生きていきます。』
「ああ、行け。君の人生に立ちふさがる障害は君が切り開くんだ。でも、もし困難なら遠慮なく俺たちに助けを求めてくれ。」
『はい!』
(俺は崩壊スターレイルの世界で生きて関わる大切な人たちを守り抜く。それが俺の旅の目的だ!)
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~星 side~
私たちはヤリーロⅥの雪原に降り、開拓を始めた。途中、雪の中に隠れていた人を発見し、丹恒が槍の柄で雪に隠れていたソイツ……『サンポ』という名の怪しい商人が出てきた。
サンポは何をしたのか『シルバーメイン』という自警団に追われているらしく、シルバーメインと遭遇したら私たちを置き去りにして逃げた。……絶対に許さない。
しかも、シルバーメインはサンポの仲間だと思われ、『ジェパート』というシルバーメインのリーダーの男を呼ばれ、一触即発状態になった。
幸い穹がなのに宇宙に漂うヤリーロⅥの写真を見せるように提案をしたおかげで、なんとか誤解を解くことはできた。
その後、ジェパートたちに『ベロブルグ』という都市国家に連れてかれ、ベロブルグの守護者*1…『カカリア』と謁見をした。
そして、私たちはヤリーロⅥを救うと約束した。その後、街中を歩いているとゴミ箱という運命的な出会いをした。ゴミ箱は鈍色の鉄のように光っており、そこに運びやすいように取っ手が付いており、しかも美しいフォルムをしている。その蓋を開けたら、そこには、魚の骨…何かの部品…リンゴの芯とバナナの皮…一見すると利用価値に見えない品物だが、私には分かる!これはゴミに見えた宝なのだと!
(この後、星のゴミ箱とゴミについての力説が20行以上書かれていた。)
ちなみに穹も興味を示していたので誘い、一緒にゴミ箱に手を入れ、綺麗なゴミをゲットしたらなのと丹恒に私たちの行動に引かれた。なぜ?
まぁ、そんなこともありながら私たちはゲーテホテルに泊まった……
「ホテルのご飯は美味しかった……と。」
私が日記を書いているとベットで寝転がっている穹が声をかけた。
「なぁ、星。あのことで話があるんだけど……」
「うん?あの時って……ああ、ゴミ箱のことね。あれは突如現れ、全私に衝撃を与えた存在……この世にこれ程の美しいフォルムを持った造物があるなんて知らなかったよ。今日で起こった一番の収穫はゴミ箱とゴミのことを知れたことだね。」
「いや、俺も思ったけど…そこじゃなくて、カカリアの部屋から出る時、星が変な声が聞こえたって言ってたよな?」
「ああ、ゲーテホテルで部屋に泊まる時にみんなに言ったことね。」
現在の部屋の構成は私と穹が一つの部屋に泊まり、そして、丹恒となのがそれぞれの部屋に泊まっている。
最初、丹恒が男子と女子で分けようとしたけど、ベットが一つしかなかったし、空いている部屋が3つしかなかったから、私がこの編成にした。
男子だけ泊まると体格でかいからベットからはみ出してしまいそうだし…それに穹とゴミ箱とゴミについての議論がしたかったからね!
「そうだ。俺はあの時、誰かが隠れていて、カカリアに言っていると思ってたけどよく考えたら隙間や死角が無かったよな?」
「言われてみれば……」
確かに思い返してみると声が聞こえた時、隠れる隙間が見当たらなかった。唯一隠れられるとしたら、机の内側だけど…そんなとこに隠れてたら変態扱いされるんじゃない?*2
「もしかしたら窓にへばりついて話しかけてるとか……?」
私が冗談混じりで推測を言うと、
「そんなことする人がいるならすぐに俺は列車に帰る。」
「冗談だって~」
まぁ、あの時聞こえた声は気のせいだよね?そうのんきに思いながら私は眠りについた……
………次の日に私たちが指名手配されるまでは。
【ヤリーロⅥ(地名)】
多くの歴史学者は、ヤリーロ-VIの星の歴史は千年前の神話時代の戦争まで遡ると主張する、ペルーン人11カ国とヴェーレス集団軍の苛酷な戦争は長く続いた。そして早い春の訪れが戦局を徹底的に変え、ヴェーレス人が勝利を掴み取った。彼らは春の戦神ヤリーロの祝福あってこそ宿敵を消滅できたと信じ、その名を冠した詩篇で大地を賛美した。現在記録されている惑星の名称——「ヤリーロ-VI」は恐らく詩篇の内容を含めてしまった誤訳によるもの。
神話の戦争が終わり、ヤリーロ-VIは長き平和を享受した。文明は刀耕火種の時代から星間航行を行うまでに至ったが、ヤリーロ-VIは資源が乏しい星だった。急激な発展はヤリーロ-VIに先端科学をもたらすと同時に、その歴史に終結の審判を下した。資源の枯渇、星核の落下、そして氷河期の到来…数多の災難が、ヤリーロ-VIの輝くしくも短い文明を完全に葬り去ったのである。
氷河期の中で生きる難民たちは「ヤリーロ」の名を忘れ、星の片隅で寒波から逃れるための都市「ベロブルグ」を作り、文明の火を再び灯した。しかし、その閉鎖的で危険な自然環境が原因となり、ヤリーロ-VIは「万界の癌」の出現後、他の世界と連絡が取れなくなってしまう。
……長くてごめんなさい。(HoYoLABというアプリのHoYowikiというサイトから引用しました。以後、後書きの地名などの専用用語はHoYowikiから引用します。)