転生したら敵対種でした   作:有神要素

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遅れてすみません。ベロブルグ編第3回です。


物寂しい冬の夜に part2

~穹 side~

 

目が覚めると俺はベットで寝かされていた。横を向くと星が寝ていた。無事だったことに俺は安堵したが、なのと丹恒が見当たらなかった。

 

 

「ここは……」

 

 

「__落ち着きなさい、君のおもちゃにそんな破壊力があるわけないじゃない。」

 

 

「じゃあ、なぜ目覚めないのです?」

 

 

「普通に眠っているだけよ、寝言、聞こえなかった?…可哀想に、きっと怖い夢でも見ているのね。」

 

 

女性がそう言った後、今度はサンポに詰問するように質問した。

 

 

「ところでサンポ、正直に言ってちょうだい、あの上層部の子はどうする気?」

 

 

「どうって?他の人と同じく、機を見て帰ってもらおうかと…どうして__」

 

 

そんなことを?そう言おうとしたサンポの言葉は、女性に遮られた。

 

 

「私は騙されないからね、サンポ・コースキ。」

 

 

「…連れてくるつもりはなかったんです。ただ煙が濃くて、僕も慌てていたので、ついうっかり…」

 

 

「何を考えているの…上層部のことは君と関係ないのよ。どうして自分から絡むのかしら?今でも十分目立つのに。そんなに「地炎(ちえん)」に狙われたいの?」

 

 

「そんなこと言わずに、僕は友達を助けたまでです。この人たちにお世話になったので、その恩返しですよ。それに、「地炎」も…僕が連れ帰った人が「地炎」の力になれないとは限りません。」

 

 

「だから勝手に歩き回ってもいいように放っておいたの?」

 

 

「おっと、それは事故、事故です!すぐ探しに行きます。」

 

 

「あの子は…早く見つけ出して、ちゃんと見張っておいた方がいいわ。下層部が封鎖されて十数年、子供たちは地上の人の顔を忘れつつあると言うのに、シルバーメインの制服を着た人間が急に現れたら…「地炎」がこのことを知ったら、あの子や君に対して、一体どうでるのでしょうね?」

 

 

「分かりましたよ!今探しに行きますから__僕の「客人」はお任せします!」

 

 

…何を話しているのかよく聞こえなかったが、サンポと女性が何か話していたようだ。そして、サンポが出ていくと女性は俺の方に向かって言った。

 

 

「やっと起きたのね、寝ばすけさん。」

 

 

~~~~

 

~ファクター side~

 

 

『いったいどうやって行けば…?』

 

 

俺は現在、列車のラウンジでウロウロ歩き回りながら考えていた。

 

 

(星たちは強いし、ゲーム通りに任せておいても問題はない…でも、終盤のあのシーンが問題なんだよ!)

 

 

そう…俺が知る本来の崩壊スターレイルのストーリーでのカカリアは、星核に洗脳されて、星核の力を使ってしまい、最期は星核によって発生した光に包まれて、消滅する……ということになるのを知っている俺は焦っていた。

 

 

(あの時の俺は、「人の心無いんか?」*1と思うほどやるせない気持ちになったんだ。今、この世界にいるのに助けないという選択は無いだろぉが!でも、今の俺はヴォイドレンジャー…普通の人として活動することができない。クソ!どうする!?)

 

 

「ファクター……」

 

 

『どうすれば…って、パムさんどうしましたか?』

 

 

俺に話しかけられたパムさんに返事をする。

 

 

「気持ちは分かる。じゃが、ここは落ち着くんじゃ。今、行ったらオマエが大好きな星たちに危険が及ぶ…ここは我慢するんじゃ。」

 

 

『………』

 

 

(俺の能力は自身の手で倒した敵になら変身できる能力…残念ながら俺には透明化になることができる敵を倒していない……どうすれば……いや、待てよ?)

 

 

『パムさん。この列車に『迷彩ペンキ』を持っていますか?』

 

 

「『迷彩ペンキ』じゃと?持っていないがそのレシピはある……まさか!」

 

 

『ええ……俺は『迷彩ペンキ』を使ってヤリーロⅥに降ります。』

 

 

そう、俺が目をつけたのは『迷彩ペンキ』というアイテムだったのだ。

ゲーム内でのそのアイテムの効力は【使用後、敵に発見される確率ダウン、75秒継続する】

言い換えれば『()()()()()()()()()()()()()()()()』という効力を持つ品物なのだ。

でも、この効力が半日ではなく75秒間しか持たない*2……ので、そのことを知っているパムさんは抗議をする。

 

 

「ダメじゃ!この『迷彩ペンキ』は75秒間しか持たない!それに材料が限られているため無限に作れるわけじゃないしの!」

 

 

そう、『迷彩ペンキ』を作る材料は、『固形純水*3と『仮想粒子*4を2個ずつ消費して1つの『迷彩ペンキ』ができるのだ。当然、材料は有限なので、作れるとしても10個ぐらいじゃと言われた。普通の人なら1日どころか、3時間で捕まるだろう…そう、()()()()ならな。

 

 

『パムさん。俺の能力は倒した敵にならその敵になれる能力を持っている。そして、敵には()()()()()()も存在しますよね?』

 

 

「……そうか。オマエはその敵になれば、消費する量が少ないから長く潜伏できる…そう言いたいのじゃな?」

 

 

『ええ、この能力もありますからご心配n』

 

 

心配するじゃろうが!!

 

 

『……!?』

 

 

突如、パムさんが俺の言葉を遮るほどの怒声が上がった。

 

 

オマエはなぜ、危険を冒しに行くような真似をするんじゃ!いくらオマエが強力な能力を持っているとしても、死ぬリスクはあるんじゃぞ!オマエはこの格好じゃから現地の人に殴られるかもしれないし、こ…殺されるのかもしれないのじゃぞ!

 

 

『パムさ…』

 

 

だから…だから行かないでくれ。…頼む。

 

 

そして、俺の鎧に掴もうとするけどできないパムさんは列車のドアの前に立ちふさがり震える声で言った。その光景を見て、俺は前世で知ったパムさんのことについて思い出した。

 

~~

 

パムさんはいつからいるのが分からないが、ある時、急に列車に現れたパムさんは乗っている乗務員のために様々なサポートをしてくれた。でも、当然別れがあるもので……

 

その乗務員が好きな惑星に降り立ち、新たな生活をするために列車から降りる…当然、いつ列車が降り立った星に戻ってくるのか分からないし、もしかしたらそのまま二度と会えなくなるのかもしれない。

 

でもパムさんは送り出して…訃報を聞いたら最初は意地を張って強がっているけど徐々に顔が崩れていき最後は大号泣する。

 

ストーリーでその大号泣するシーンを見て、俺は心が温かくなった。

 

ああ、この人は列車組(家族)を大事にする優しい人なんだな……って。

 

~~

 

……そうか、この人は俺が無茶な行為をして死んでほしくないから必死に引き留めているんだ。

でも、俺はここで絶対に死ぬわけにはいかない。それに俺は…出会う人は全員、幸せになってほしいんだ…このことを伝えないといけない。

 

 

『ごめんなさい。パムさんは俺のために忠告してくれてるんですよね。俺がヤリーロⅥに降りると言った時、わざわざ死にに行くように聞こえさせてしまい申し訳ありません。でも、俺は死にに行くわけではありません。みんなと生き残って笑い合うため俺は行きたいんです。』

 

 

「ファクター……」

 

 

『俺が行かなくて、彼らがもし死んでしまったら俺は一生悔やみ続ける……俺はそうなりたくないんです。だから行かせてください。お願いします。』

 

 

「……そうか。」

 

 

パムさんは俺の言葉を聞くと深くうなずき……そして、

 

 

 

「…分かった!ファクターもヤリーロⅥに行くことを許可しよう!」

 

 

『ッ!ありがとうございます!』

 

 

「いいのか?パム。」

 

 

一部始終を見てたヴェルトさんがパムさんに言った。

 

 

「ああ。強い信念を聞かされたら折れるしかないじゃろう…それに、勝手に行かずに俺と約束してくれた。これだけで、ファクターのことを信じてみようとおもったのじゃ。」

 

 

『パムさ…「ただし!」はい。』

 

 

「絶対に仲間と共に無事に帰ってくること!これだけは絶対守るのじゃぞ!」

 

 

『分かりました!』

 

 

こうして俺はヤリーロⅥに降りることができたのだ。

 

 

~~~~

 

~星 side~

 

私たちは下層部の診療所で目覚めると、とっくに起きてた穹と共になのと丹恒を探しに行った。

なのは子どもたちにサンポの居場所を教えてもらうためにかくれんぼで勝負してたり…丹恒は『ファイトクラブ』という命懸けのバトル*5に参加させられてたりなど…いろいろあったけど、何とか合流することができた私たちはファイトクラブの外にいたサンポを問い詰め、『地炎』に会いに行こうとした。その道中で……

 

 

「ほら、あれを見て!」

 

 

「あれは…ブローニャ?」

 

 

「彼女がどうしてここに?」

 

 

そこにはブローニャが下層部の人たちに囲まれていた。

 

 

「どうやら、揉めてるみたい…」

 

 

なのが私たちに同意を求めるとサンポが言った。

 

 

「皆さん、じっと見てるだけのつもりですか?このことが明るみになったら困るのですが…」

 

 

「そう言われると、困るところを見てみたいかも。」

 

 

なのがブローニャのことを傍観することを提案したけど、丹恒が否定した。

 

 

「注目されるのは困るが、あの娘を放っておくわけにもいかない。」

 

 

それを聞いて、私は……

 

 

「「丹恒の言う通り、放っておくわけにはいかない。」」

 

 

「そう!そう!丹恒…さんのおっしゃる通りです。」

 

 

サンポはそう同意するけど、私…穹も恐らく一緒に考えていると思うけど、列車にいる彼…ファクターなら絶対助けに行くだろうなと思ったのだ。

ファクターは人の気持ちを思いやれる優しい人…だから、この光景を見たら損得で考えないで動くと思ったのだ。

 

 

「助けに行こう。」

 

 

なのもそう言ってくれたため、私たちはブローニャを加勢しに行ったのだが……

 

 

「調子に乗りやがって!こっちも手加減しねぇぞ!」

 

 

そして、下層部の人がブローニャに銃を撃ち、銃弾を飛ばした。

絶体絶命……!そう思った瞬間!

 

 

突如、銃弾は空間ごと切り裂かれた瞬間、青い長髪に青と黒がベースの服装、首に青のスカーフと左腕に赤いスカーフを巻いている少女__『ゼーレ』が現れ、ブローニャを狙った輩たちと対峙し、言った。

 

 

「よくも暴れてくれたわね…「手合わせ」しようじゃない?」

 

 

ゼーレがそう言うと、ブローニャを狙った輩たちは逃げていった。

 

 

~~~~

 

『あ……パムさんと約束したこと早々に破りそう……』

 

 

*1
公式「悪いな。倫理(そんなもん)、生みの親の胎内に置いて来た。」

*2
犯罪に使われないように微妙な時間に設定している。

*3
水素と酸素、2つの元素の化合物、炭素生物の生命の源となるもの。

固体の状態を保たせているのは持ち運びに便利だからである。

 

「…これは氷じゃない?」

 

「いやいやいや、氷は氷、これは不純物を含まない純水で、ただ固形なだけだよ」

 

「…だからそれが氷じゃないの?」

*4
宇宙に普遍的に存在するが、理論上観測できない微粒子。

だが、科学者は理論を現実にするのが得意である。

 

「ここに仮想粒子と仮想反粒子がそれぞれ1つある、どうやってこれらを実粒子と実反粒子に変えるのか?私の手の動きをちゃんと見て…」

*5
下層部にとっては娯楽




【ベロブルグ】
寒波に抗う人類最後の砦、建創者たちが築いた避難都市。

【上層部】
ベロブルグの地上にある都市部、建創者の本部の所在地。
ベロブルグの行政、商業、農業、軍事の中心。

【下層部】
ベロブルグの地下にある都市部、鉱夫たちの集落。
希少なエネルギー鉱石である「地髄」を採掘すると共に、地上に熱エネルギーを供給する役割を担っている。

【地炎】
ベロブルグ下層部の民間組織。
彼らは自発的に集い、地下の秩序を維持している。
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