ベロブルグ編第4回です。
ちなみにあの赤髪の男がいち早く本家より登場します。
「やべぇ、ずらかるぞ!」
「…ヘタレどもがっ!」
ゼーレが流浪者に悪態をつくとサンポがゼーレに感謝した。
「ゼーレさん!ふう、いいところに来てくれました、感謝してもしきれません。あの流浪者たち、「地炎」の縄張りで暴れるなんて__」
「黙りなさい、サンポ。スヴァローグの脅威はゆっくりと解決すればいいわ。今は「地炎」のことが最優先よ。」
ゼーレの言葉にサンポが頷く。ゼーレはブローニャに向かって言った。
「下層部に降りてきたシルバーメインがいると聞いたけど…アンタね?」
ブローニャは警戒してゼーレに問いかけた。
「あなたたち、私をここに連れてきて何を企んでるの?」
「ふん、「何を企んでるの」だって?…自分がまだ上のお嬢様だとでも思ってるのかしら。地上での暮らしは心地良いでしょう?地下がどんな風になったのか知ってる?地下の人間がどうなったのか考えたことはある?」
ゼーレが皮肉を込めてブローニャに言うと、ブローニャは反論した。
「シルバーメインだって「心地よく」地上で暮らしてる訳じゃない。ずっと敵と戦って、モンスターからベロブルグを守っている…地上と地下の皆を守っている。」
「ふふ、うまいことを言うのね、地下の何を守ったの?シルバーメインを引き上げさせ、通路を封鎖したのは、どうせ「建創者」を守るためだけでしょ?」
「守護者様にはご自身のお考えが…」
「とにかく、ついてきてもらうわ。ボスがアンタに会いたがってる。聞きたいことがあるらしいの。」
ゼーレがブローニャに言うと、サンポが言った。
「奇遇ですね、ゼーレさん!僕たちもちょうどボスに会いたくて、同行してもよろしいでしょうか?」
「誰がアンタなんかと…」
ゼーレがサンポの方面に振り返ると、列車組の存在に気づき、問いかけた。
「…コイツらは?」
穹が答えた。
「ボスの客人だ。」
「ボスを知ってるの?見たことのない顔だけど…」
「ここの方々はボスの役に立つ人材で、ちょうどこれから連れて行こうと…」
なのかがサンポの言葉を遮り、ゼーレに言った。
「ここに来たのは「星核」というものを探すためだよ、あれが災厄をもたらした元凶で、探し出せばきっと__」
「お姉さん!それは誰にでも言っていいことじゃありません。ゼーレさんは何も知らないから、ボスに聞きましょう。」
「確かに知らないわね、それにアンタたちの伝言を受けるつもりはない。「地炎」が大鉱区の辺りで厄介事に遭遇したの、ボスは今その件を処理してる。本当に会いたいなら、鉱区の入り口でワタシを探すといいわ。」
そう言うと、ゼーレは去って行った……
~~~~
~ファクター side~
ーベロブルグ 郊外雪原ー
『さて、ベロブルグにやってきましたが…』
俺は界域アンカー*1で郊外雪原にワープし、辺りを見渡した。
……ゲームで見たのと同じ景色だな。
『確かこの辺に、裂界のモンスターが……お、いたいた。』
散策してると目の前に『焚火の災影』*2と『霜の造物』*3が現れた。どうやら、待ち伏せして俺を殺そうとしたみたいだ。……だが、
『殺されるのはお前たちだよ。……ツイてなかったな。』
俺はヴォイドレンジャー・略奪の刃で目の前の敵を斬り刻んだ。2体とも塵となって消えた。
『うん、動けるね。俺。』
そして俺は焚火の災影に変身できるか試した。
結論から言うと成功した。
『……いてて、やっぱり体が変わる感覚は初めてと比べたら痛くなくなってきたけど、まだ痛いところあるな。……腕や足の関節とか。』
そして、俺は以前、宇宙ステーション「ヘルタ」に働いていた時に思ったことを実行した。
それは……
『まずは、武器と防具の炎を鎮火……できた!』
そう、俺は今変身している焚火の災影というモンスターの見た目を少しなら人に近い格好になることができたのだ。
焚火の災影は人型のモンスターで、武器と全身の防具から炎が出ており、その炎をまとって攻撃するという凶悪なモンスターだ。しかし、俺が目に付けたのは
つまり、炎などの脅威を無くせば、デザインが独特の兵士として見られ、人に拒絶されずに街に入れるじゃないかという考えに至ったのだ!
……なぜ、もっと早く宇宙ステーション「ヘルタ」でやらなかったのかって?それは前世でやったサブクエスト『千面万相』に出てきた奇物『異界の水趙』に関わるからだ。
異界の水趙は、簡単に言えば人に化け、その人を信頼している人の関係を壊す……例えば、Aさんがいたとする。その異界の水趙はAさんの見た目、性格、癖などを完全に真似することができる能力を持つことができ、それを悪用し、いたずらやいじめなどをして信頼を破壊するカスみたいな奇物だ。
ここで、重要なのは俺がヴォイドレンジャーの特徴を無くすことができてしまったら……きっと俺のことを良く思っていない一部のスタッフが「コイツは異界の水趙が化けた偽物だ!」と言い張り、俺を迫害しようとするのかもしれないと思い、できなかったのだ。だけど人に目をつけられない場所に行けたためようやくこの実験をすることができたってわけだ。
『よし、成功したからこれでAプラン実行できるな……次に必要なモンスター……いたぁ!』
俺が目につけたのは、『永冬の災影』*4というシルバーメインに最も似ているモンスターを発見することができた。そして近づいて倒し、変身した。
『よしよし…後はこの武器と防具と頭部の形を変える…できた。』
俺は頭の氷と武器と防具をシルバーメインに似ることができた。ただ、色は変えられなかったけど……色が剥げたとか言えばいいな。
『よし、このまま進もう。』
そのまま俺は駆け足でベロブルグに行った。
…………
「おい、そこのお前。」
『はい、何でしょう?』
ベロブルグに入る前に迷彩ペンキを全身に塗り、効果が切れる前に路地裏へ走り込み、効果が切れてから路地裏を出て、表通りを歩いているとやはり、シルバーメインに声をかけられたな。
「見ない顔だな。お前の所属部隊はどこだ?それに何で色が青っぽいんだ?」
おっと、怪しまれてるな。今はこの場を切り抜ければそれでいい…
『実は、シルバーメインに入隊したまではいいですけど、上の人がごたごたしてるみたいで、ここに所属しろとは言われなかったから自主的にパトロールをしてたんです。色が青い理由はペンキを被ってしまって……こうなったんです。』
「そうか…」
よし、怪しまれてないみたいだな。ついでに星たちの安否を確認しよう。
『上の人はなぜ、混乱してたんですか?』
「知らないのか?天外からやってきた凶悪な4人の犯罪者がベロブルグを陥れようとした罪で追っていたブローニャ様がその犯罪者とともに裂界で行方不明となっている。…ご無事だとは信じているが、もしもブローニャ様の身に何かあったら必ず犯罪者を捕まえて後悔させてやる。」
『……そうですね。』
落ち着け…ここは我慢だ。犯罪者と言うのは十中八九星たちのことだ。だけど、彼らの認識は間違っている。黒幕は星核だ!星核に操られているからカカリアは誤情報を流したんだ!と言ってやりたいが我慢だ。
『では、俺はこれで…』
「待て。」
……気づかれたか?
「…犯罪者を見かけたらその場から逃げ、すぐに俺たちに報告しろよ。」
『…ありがとうございます。』
俺は早歩きせず、一定のペースで歩いて角を曲がり、シルバーメインから見えなくなったと分かると息を吐いた。
『よし、星たちは下層部にいるはずだ。地下駅の封鎖されているケーブル線から徒歩で行こう。』
俺は地下駅のケーブル線に行くと、迷彩ペンキを塗って霜の造物に変身した。
『効果は75秒…一気に行くぞ!』バッ!
俺はケーブル線から辿っていき、下層部へ向かった。
~~~~
~穹 side~
あの後、ボルダータウン*5の鉱区に続いている道の前で待っていたゼーレを見つけ話を聞いた。聞けば流浪者が鉱区にいる鉱夫を追い出して占拠し、険悪な雰囲気になっているため、事態を収めるため俺たちは鉱区へ向かった。
向かった先にナターシャがいたため、説明をお願いした。
聞けば、「地髄」鉱脈という下層部には重要な物資を第一採掘チームが見つけて、地髄を独占するためにこのことは誰にも知らせなかった。でも、流浪者がそれを見つけ、採掘チームを脅したが…我慢の限界が達成してしまい、追い出そうとしたが逆に返り討ちにされてしまった……というわけだ。星が
「これは秘密の代価。隠さずに言えばこんな大事にはならなかったはずだよ。」
と言ったが、ナターシャ曰く下層部の人たちはこうでもしないと暮らしていけない程苦しい生活が続いていたと言った。
確かにそうだな……誰でも極限状態で必死に生きているなら何したっていいと思うだろうな……
そんなことを考えていると、ゼーレが俺たちに手を貸してほしいと頼んできた。この事態が収まったらボスの所へ案内すると言った。
そんなことしなくても俺たちは手伝うさ!なんせ正義のヒーローだからな!もちろん二つ返事で了承した。
…なのが「…ウチらがすごい功利主義の人に聞こえる!」って嘆いてたけど。
とにかく俺たちはゼーレとブローニャとともに流浪者の対処へ向かった……
~~~~
~ファクター side~
『迷った!』
いや、マジで。一応、下層部に行けたけど似ているんだもん!街並みが!下層部に着いた後、俺は霜の造物から永冬の災影となり、歩いていた。
やっとのことでボルダータウンに着いたけど、どうやら星たちは鉱夫と流浪者の対立を止めるために行ったみたいだ……タイミングが悪いな。
あの時、迷っていなければ……そう思っていた時だった。
『ッ!危ね!』
突如、背後から殺気が出たためサイドステップで躱すとさっきいた場所の頭の方に赤い髪の青年が鉄の拳で殴ってきた。
そのまま、俺は後ろの方へ下がり攻撃してきた相手の顔を良く見た……最悪だ。彼が序盤のストーリーに出ていなかったからって油断するべきじゃなかった。
『…ずいぶんと物騒な挨拶じゃないですか。』
「へぇ…オマエ、人の言葉を喋れるんだな。まっ、だからどうしたって話だけどな!」
そう、俺は前世でよく見たキャラクター…この青年はボルダータウンで一番のチャンピオンで「地炎」のメンバーの赤髪でタンクトップと炎のような赤いスカーフ、そして右腕が義手という特徴を持つ男__『ルカ』に敵対されている。
落ち着け。ここは冷静に……
『落ち着いてください、俺はこの見た目だけど本当は人間なんです。えーっと、名前は…』
「……ルカだ。オマエが元は人間だったって本当か?」
よし、出だしは順調。
『ルカさん。俺の名前はファクター。名が思い出せないから偽名だけどファクターと呼んでください。』
「お、おう…悪い。ファクターは人間だったのか?」
『はい、俺は元は人間でした。でも、ある日を境に記憶が無く…気づけば俺は見知らぬ場所でこの姿になっていたのです。そして俺のことを信じてくれる仲間に出会って人間に戻れる方法がないか旅をしているのです。』
本当はヴォイドレンジャー・略奪だけど、一から説明すればルカが混乱してしまい、応援を呼ばれて事態がややこしくなる可能性がでてくる。だから、今は永冬の災影になっていたということにする。
後で補完するから安心してほしい。ちなみに人間に戻れる方法を探すために旅をしているという設定を作ったが、実は俺も人間に戻りたいとは思ってるからとっさに出た言葉とはいえ、なかなか良い理由じゃないかと内心、有頂天になっていたのは内緒である。
「そうか……でも今すぐ信じることはできねぇ……スマン。」
『そうですか…』
俺の言葉を聞き、ルカさんの敵意は無くなったけどやっぱり信じることはできないのか訝しげに見ているな…あ、そうだ。
『俺の仲間に連絡を受けてここにやってきたのでそう遠くに行ってないはずなんです。その人たちは人間で俺に危険性はないと証明してくれるはずです。着くまでに両手を縛っても構いません。』
「いや、何で…分かった。そうでもしないと俺が信じてくれないから提案してくれたんだよな?なら、断ったら逆に悪いよな。」
『ええ、きつく縛ってください。なんなら、檻に入れても…』
「そこまでするつもりはねぇぞ!?」
結局、俺はルカさんに両手を縛られて武器はルカさんが持って、俺が前に歩くということで落ち着いた。ひとまず戦闘になるのは防げた。
「よし、じゃあ行くぞ。」
『はい。』
こうして俺は傍から見たら中世のヨーロッパの裁判所へ連行される犯罪者のような感じで星たちの元へ向かうことができた。
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~星 side~
「まさか、こうなるなんてね…」
私たちは今、『スヴァローグ』というロボットに命令された巨大ロボットと戦うはめになった。なぜ、こうなったのかというと…
~30分前~
30分前の私たちは流浪者に絡まれていた鉱夫たちを助けに向かう時に、この下層部に『ロボット』という三つ目の勢力が存在していることが分かった。最初は採掘機械の故障かと思ったけど、急に鉱夫たちと流浪者をとり囲み、鉱道への道も塞いだとエレインに聞いた。
一つの機械を操作するだけでも大変なのに、同時に操れる人は存在しないことから、ゼーレは”スヴァローグ”の仕業だと勘づいた。
そういえば、丹恒がファイトクラブに参加させられて一緒に戦った時、倒したロボットが「スヴァローグさんのロボット」と言っていたね。なのも気づいた。
ゼーレが言うには厄介者らしい。
とにかく私たちは鉱夫たちを助けるために行動した。
……
流浪者に襲われていたアントニアたちを助け、スヴァローグの元へ向かった。
そこにいたのは……
「人類の行動はいつも論理的な計算から逸脱する。クラーラ__彼らがここに現れたのがその証拠だ。」
そう…スヴァローグは人間ではなく、
ゼーレはスヴァローグに手下とともに出ていくように呼びかけた。
しかし、スヴァローグは私たちを下層部生存戦略の脅威となるから「地炎」とその仲間を屈服させることが最も効率が良いということで、巨大ロボットを私たちに戦わせて赤い服を着た女の子を連れて去って行った。
そして、話が戻る。こうして私たちは巨大ロボットと戦うことになったのだ。
「数の利は俺たちが有利だ!」
穹の言う通り、こっちは6人に対して、ロボットは1体だけ…このまま圧勝するかと思ったが…
「な!」
「嘘でしょ…もう2回目なんだけど!」
さすがに不利だと悟ったのか、巨大ロボットは右手の一部がチェーンソーのロボットが2体、そして信号機や拳の形のようなロボットが4体ずつ呼ばれた。
「流石にこれは……」
「まずいかも……」
穹と私はそんなことを呟いた時だった。
「ゼーレ!ここにいたのか!」
何やら男の声が聞こえた。
「ルカ!アンタ何でここに……誰よソイツ?」
ゼーレの声に違和感を感じ、振り返るとそこには姿が変わったファクターが赤い髪の男に両手首を縛られていた。
「ファクター!?何で縛られてんの!」
「というか、何で下層部にいるんだ?」
なのと穹がファクターに問い詰めた。
『落ち着いてくれ……この人は味方だ。俺が怪しい見た目をしているから両手で縛ってもらうことで信じてもらっているんだ。何で下層部にいるのかは後で話す。』
「自分で、怪しいって言っちゃうんだ……」
『それは仕方ないだろ?星。』
「本当にコイツらの仲間なんだな。ま、ひとまず置いといて…助けは必要か?ゼーレ」
「ふん、アンタの助けは必要ないけど勝負するのなら止めないわ。」
「よし!なら倒した敵の数で勝負だ!」
こうして私たちはファクターと赤髪の男とともにロボットと戦うことになったのだ。
『……空気ぶち壊して悪いけどそろそろ縄ほどいてもらっていい?』
「あ、そうだった。スマン!」
「締まらないなぁ……」
戦闘中、焚火の災影は炎を斧を振る舞い敵を燃やす。
戦闘中、永冬の災影は氷を斧を振る舞い敵の行動を緩める。
【地髄】
ヤリーロ-VIで大量に産出される鉱石で、ベロブルグの主なエネルギー源。
ねじれポイント
・ルカがいち早く開拓者たちに出会う。(本来はヤリーロⅥの星核の問題を解決し、またベロブルグの下層部に戻った時に出会うはずだった。)
・ロボットが大量に相手することになった。(本来は1体だけ)