リベットタウンに着いたファクターたちはクラーラを探していた。しばらくすると……
「みんな!こっちに来て!」
と、ブローニャがファクターたちに声をかけた。ファクターたちがブローニャの方へ行くと、クラーラの護衛をしていた自動機兵・ジューク――『パーキンス』が煙と火花を出しながら壊れているのを発見した。
「これって、クラーラと一緒だったロボット?」
「…どれも一緒に見えるけど、なんで分かるのよ?」
「しっ、何か言ってるみたい、ほら――」
「…自己回復モジュールの初期化中…初期化失敗……クラーラに…脅威が……必ず…守る…工房…敵……必ず排除……」
そのことを聞いたブローニャたちは顔を合わせる。ゼーレが言う。
「脅威?どういう意味よ?」
「工房…敵……必ず排除……」
「もしかして、工房にモンスターが現れたってこと?クラーラは……」
「まずい、彼女が危ないわ!はやく、工房を確認しに行くわよ、道は任せて。」
7人はクラーラがいると思われる工房へ急いで走って行った。
7人は工房へ向かうと、クラーラは全身から燃え盛る炎を出していて、成人男性より体長が大きき、紫色のモンスター――「宇宙からの炎」*1に襲われそうになっていた。
「やっぱり、あっちに大物がいるわ!クラーラもいる、はやく助けるわよ!」
「ええ、今回は人数が多いから、怖くない。」
『なら、俺はクラーラちゃんを守りつつ、敵から遠ざけます。クラーラちゃんを敵から遠ざけることができたら俺にとどめを刺させてください。敵をコピーできる条件は自らの手で倒すことだと思いますので。』
「分かった。その間に私たちは攻撃が後ろに流れないように死守する。」
『お願いします。』
作戦会議をし終えると、すぐにファクター達は敵に先制攻撃を仕掛けた。
ドスッ!
なのかが弓を引き、氷でできた矢で炎の後頭部に当てると敵はなのかの方へ向いた。
『syaaaa……!』
「こっちだよ!このバケモノ!」
なのかの方に向いた敵は右手を上げると徐々に炎が集まっていき、やがてスイカよりも一回り大きい火球を生成し、相手に投げつける『怒号の火』*2を発動しようとした……が、
キィン!
ダァン!
「隙だらけよ!このデカブツ!」
「こっちに向きなさい!」
ゼーレの鎌とブローニャの銃で今度は右の側頭部に当たった。脅威と感じた宇宙からの炎は排除しようと火球を作ろうとするが……
バキィ!
ボコォ!
ドスッ!
星と穹のバットと丹恒の槍で攻撃の隙を作らせなかった。
「ほらほら!敵さんこちら!バットの方へ!」
「さぁ!参りました!ボールはでかくて何故か燃えている敵!それを迎え打つのはこの俺!銀河打者だ!」
「集中しろ!今は敵の気を逸らしながら反撃に注意するんだ!」
「「オッケー!/了解!」」
6人が連携して敵に攻撃する隙を与えないその動きはまさに水を得た魚のよう。宇宙からの炎は手も足も出てないうちにファクターはクラーラの元へ向かった。
『大丈夫?クラーラちゃん。』
「あなたは……」
クラーラは永冬の災影の姿をしているファクターがスラスラと話していることに驚いていた。
『俺は元人間なんだ。仲間たちが敵を引き付けてる間にここから離れよう。抱きかかえるから乗ってくれるかい?』
「は、はい!し、失礼します……」
そして、クラーラはファクターにだっこした。
『よし!しっかり捕まっててね。』
「はい!」
そして、クラーラを連れてこの場から離れようとしたその時!
「syaaaa!!!」
ドォン!
「自爆!?」
「いや、違う!離れろみんな!」
何と、宇宙からの炎は手から出された炎を地面に投げつけて自爆攻撃し、無理やり「炎摂取」*3をしたのだった!
そして、宇宙からの炎は力を貯め始めた。
「……ッ!大技が来るぞ!すぐに撤退しろ!」
「「「「……ッ!」」」」バッ!
丹恒の掛け声によって星たちは今すぐ炎から離れた。そして……
「raaaaaa!!!」
宇宙からの炎は「浄炎の雨」*4を発動させ、無作為に炎の雨を丹恒たちに降り注いだ。丹恒たちは避けているが、そのうちの火球の一つがファクターとクラーラの方にも近づいてきた。
「きゃあ!」
『ッ!
ファクターはとっさにクラーラを地面に降ろすと、前に出て右腕を焚火の災影の腕に変形させた。そのおかげで火傷を負うことはなかったが……
『な!?』
「syaaaaa!!!」
「ファクター!」
宇宙からの炎がファクターの方へ近づき、右腕を振り上げた。ファクターが一番の脅威だと感じた宇宙からの炎は先にファクターを戦闘不能にしようとしたのだ。しかし……
『……お前の誤算は俺がどんな敵にも変身できる相手だったことだ!
ファクターは自動機兵・ヴォルクに変身し、右腕のチェーンソーで「伐採指令」*5で宇宙からの炎の頭部に攻撃した。
ギャリィィィィ!!!!
「Gaaaaaa!!!」
その後、致命傷を負った宇宙からの炎は塵となって消えていった。
『ふぅ……』
「ファクター!怪我は無い!?」
ファクターが一息つくと、すぐさま星たちが駆け寄ってきた。
『大丈夫大丈夫。痛みは変身するときの骨の痛みだから…何にも怪我を負ってないよ。』
「そうか……無事で本当に良かった。だが、俺の力不足で敵をファクター達の方へ向かわせて危険な目を晒してしまい、すまなかった。」
『気にしないでください。丹恒さん。クラーラちゃんも無事だったしモーマンタイ!ですよ。クラーラちゃん怪我は無い?』
「あ、ありがとうございます。大丈夫です。軽く擦りむいただけなので。」
「やっぱり、1人でうろちょろさせるんじゃなかった。危険すぎるわ。で、ここで何を探していたのよ?」
「基地の電源装置が不安定で、早く直さないと集落のみんなが困ってしまいます。この町に工房があることを知っていたので、来てみようと思ったんです。必要な部品は全部みつけたんですけど、モンスターに遭遇して……幸い、皆さんが助けに来てくれました。クラーラはこのことをちゃんと、スヴァローグに伝えます。」
「スヴァローグといえば……ちょうど俺たちも彼に会いに行こうと思っていたんだ。」
「ええ――ちょうど彼に会いに行くところなのよ。」
穹とゼーレがそう言うと、クラーラが困惑の声をあげた。
「……え?スヴァローグに会わなければならないような、重要なことがあるんですか?なら、クラーラが伝えます……」
「ダメよ、今回は直接顔を合わせて話したいの。連れて行ってくれるかしら?」
「でも…スヴァローグは他人との交流が苦手で。特に「地炎」の皆さんとは……」
「もちろん知ってるわ。でも、あまりにも話し合いを避けるから、今回は絶対に会うことにしたのよ。」
「…みんな下層部のために頑張っています。でも、スヴァローグは人間の感情ではなく、計算結果だけを信じています。」
「だから、彼のところには連れていけません…スヴァローグと対立すれば、ケガ人が出ます。無関係な人まで巻き込んでしまうかもしれません。」
クラーラが言うと、今度はブローニャが言った。
「クラーラ、前に言っていたよね?スヴァローグの役割は、下層部を見守り、ここの文明を維持することだって。もし、私たちが同じ願いで協力を求めるなら、なぜ彼は拒むの?」
「クラーラスヴァローグのことをよく知っています。彼は人の願いでは動かない、理性の判断にのみ従うんです。この世界では、凄く怖いことが起きています…彼は、地上の終焉が近いと、そう考えています。」
「……」
「スヴァローグの計算だと、下層部の人々の力だけでは、災いの到来を食い止めることは不可能だそうです。彼の考えた対策は、下層部の人たちを災いの発生源から遠ざけ、少しでも長く生きてもらうこと……」
「…ワタシたちを檻に閉じ込めるってわけ?笑えるわ、数日早く死のうが遅く死のうが、何の違いもないでしょ?抵抗することも禁じるのね?」
「恩返しだと思ってくれないか、クラーラ。」
「他の方法も考えてみてくれない?」
ゼーレと穹と星はクラーラに呼びかけたが、クラーラはその提案を断った。
「クラーラは必ず皆さんに恩返しします!でも、これだけはダメなんです……その、もう大丈夫ですか?クラーラは大切な用事があるので、先に帰ります。」
そして、クラーラは帰ろうと振り向いたところだった……
『……ちょっと待ってくれないかな?クラーラちゃん。』
ファクターがクラーラを引き留めた。
「その……クラーラは本当に大切な用事が……」
『うん。分かってるよ。引き留めてごめんね。でもお兄さんどうしても気になることがあるんだ。』
「何ですか……?」
『さっき、『スヴァローグの計算は
「は、はい。そう言いました。」
『でさ……ちょっと思ったんだけどスヴァローグは
「……いえ。スヴァローグもこんな出来事は想定できていないはずです。」
『それに、クラーラちゃんは俺たち5人が下層部の人に見えるかな?』
「え?装いだけなら、確かに他の人と違いますけど……」
『そうだよ。俺たちはこの世界の人じゃないから、スヴァローグの計算には含まれないし…もし、彼の計算が「下層部の人の力」しか計算できていないのなら、その結果はもう今は通用しないんだ。』
ファクターが言うと、丹恒は質問した。
「……スヴァローグは、いつから計算を始めたんだ、クラーラ?」
「その…凄く前に、下層部が封鎖されたばかりの時からです……」
『シルバーメインが1人、地下に来たことで状況が変わったわけだけど、この出来事はスヴァローグの計算に入ってるのかな?それに――』
そして、ファクターは穹たちの方へ向いた。ファクターの意図に気づいた穹と星となのかが言った。
「俺たちは他の星から来たんだ!」
「私たちがいることでここに5人増えたんだよ!」
「星、それって重要?重要なのは、穹の言う通り、ウチらが他の星から来たことだよ!スヴァローグの計算に、ウチらみたいな変数は含まれてないよね?」
「他の…星?」
クラーラはなのかたちの話を子供騙しと思ったのか、ファクターたちに反論した。
「ク、クラーラを子供だと思わないでください!そんなの大人たちが作った物語だって、クラーラ知ってます……」
『でも、俺みたいに姿を変身できる人って見たことないでしょ?』
「そ、それは……」
「ファクターの言う通り、作り話じゃないんだ、クラーラ。」
穹が言うと、クラーラは項垂れるが、ブローニャがクラーラに言った。
「ファクターたちは嘘をついていない、クラーラ。私は彼らを信じる。」
「ブローニャお姉さんも……」
「あなたの気持ちは理解できる、クラーラ。下層部を良くしたいけど、誰かが傷つくのは望まない、そうよね?私も疑問はある。でも直感が、三月、丹恒、ファクター、星、それから穹…この5人はこの世界の転換点だと告げているの。この人たちをスヴァローグに会わせて、それでも計算結果が一緒か確かめよう。あなたにとっても、彼にとっても、損はないでしょ?」
ブローニャが言い終えると、穹と星が言う。
「俺たちの能力はもう知っているはずだ。クラーラ。」
「私たちがこの世界を変える。信じてほしい。」
そして、とうとうクラーラは根負けした。
「わ…分かった。スヴァローグのところに案内しますね。」
「本当に?よかった!」
『ありがとう、クラーラちゃん。』
なのかとファクターが言うと、クラーラが言った。
「…はい、クラーラ、気付いたんです。クラーラの力だけで、スヴァローグの考えを変えるには長い時間がかかるって。クラーラが大人になっても、変えられないかもしれない。その間に、みんな病気になって、家を失って、この前の鉱区みたいに…ずっと争いが続いてしまう。クラーラはそうなって欲しくありません。皆さんがスヴァローグを説得する自信があるなら…クラーラも勇気を出します。」
クラーラは赤桃色の目で、ファクターたちを見てそう告げた。それは、新しい世界を踏み出す冒険者のように…力強い目をしていたのだ。
『(この娘……本当に子供なの!?人生2周目歩んでるって言っても俺は信じるぞ!?*6)』
「皆さん、クラーラは必ずスヴァローグの元へ行かせます。ですが……」
「どうしたの、クラーラ?」
「その……実はクラーラはミルズたちの部品を取り戻そうとしているんです。あの後大鉱区に戻りましたが、ミルズの残骸が無くて……周りの人に聞いたら流浪者のおじさんたちが勝手に持って行ってしまったと言われたので……それでミルズたちの部品の代わりのパーツを探そうと思ってここに来たんです……」
『……?ロボットのことかな?』
「ミルズって確か……大鉱区でファクターが分解したあの大きなロボットじゃない?*7」
『エ。』
ギギギと声がでるような首ごと星の方へ向くファクター。そしてまたクラーラの方へ向いた。
『あ、あの……ミルズさんってもしかして青色で2mを超える巨大なロボットのことです……か?』
「はい……ミルズは大きいロボットです。」
『……ァ』
そしてファクターは思い出す。あの時のことを……
右手のドライバーでパウーグたちの足を分解した。
『もういっちょ!』
ロボットたちを修復不可能な程の攻撃をせず、戦闘不能にすることができたのだ。
『よし!これで一丁上がり!』
あの時、分解したロボットの部品をそのまま放置していたため流浪者に盗まれたことに気づき、更に前世のニュースで銅が高騰しているため、電化製品から銅線を盗み、売られていることを思い出したファクターは前世の人間の姿のままだったら顔が真っ青になる程、申し訳なさを感じていた。
『クラーラちゃん、いえクラーラさん。』
「は、はい。何ですか?」
『本っ当に!申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
ファクターはクラーラに土下座した。
「ええ!?か、顔をあげてください!」
『大人*8が子供に苦労をかけさせるなんて、万死に値する行為!それを知らずに迷惑をかけてしまい本ッ当にごめんなさい!許してください!』
「いいですから!許しますので顔をあげてください!」
「……そのままにした俺たちも同罪だな。」
結局、ファクターはクラーラの代わりにミルズたちの部位を返してもらいに流浪者たちの元へ向かった。スヴァローグの元へ向かうのはファクター以外のメンバーで行くことになった。後でファクターはスヴァローグの所へ合流することになったとさ。
戦闘中、宇宙からの炎は容易に敵を灰に燃やせる。この世界に属さない怪異なる生命体、星核がもたらした裂界より生まれ、世界の根に寄生しエネルギーを吸収する。その甲冑には星のコアが燃える様が映っている。
戦闘中、宇宙からの炎は容易に敵を灰に燃やせる。
指定した味方単体に少量の炎属性ダメージを与え、高確率で攻撃を受けた味方を「焼却」状態にする。
自身を「自然発火」(「解除不可」宇宙からの炎の攻撃モードを強化できる。)状態にし、その後の攻撃で「浄炎の雨」を発動できる。
連続でランダムな味方単体に少量の炎属性ダメージを与え、高確率で攻撃を受けた味方を「焼却」(数ターンの間、ターンが回ってくるたびに炎属性ダメージを与える。この作品ではターンを分に変えて、炎属性ダメージを火傷となります。)状態にする。
・ねじれポイント
ファクターが原作知識を知っていたため、早くクラーラを説得することができた。
(本来はリベットタウンで一度別れ、機械集落の所で説得するはずだった。)
♢♦♢お知らせ♢♦♢
新作を書いてみました
【偽アハウの奮闘記】
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崩壊3rdからやってきたオリキャラと13英傑を崩壊スターレイルに登場させてもいい?
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駄目だよ!
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作者がやりたいことをすればええ。