~ファクターが防衛課スタッフに就職した3日目の朝~
『……zzz……zzz……』ムニャムニャ
現在、ファクターは宇宙ステーション「ヘルタ」の仮眠室で寝ていた。
彼は4日前、アスターの面接を無事に終え、見事防衛課スタッフになったのだ。
……防衛課スタッフって何をするの?と思っている読者諸君のために説明しておくと防衛課スタッフの仕事は2つ。
まず1つ目は宇宙ステーション内にいる敵*1を倒すこと。
そして2つ目は緊急事態が起こった時にスタッフを安全な場所まで避難させることだ。
最初は宇宙ステーション「ヘルタ」内にいる「反物質レギオン」を倒そうとした時、ファクターは戦闘したことないため、慌ててしまい、隙を突かれたレギオンの攻撃によって怪我をしそうになったのだが……
今では慣れて落ち着いて対処することができるようになったのだ。
時が経ち、今は自主訓練が終わったため、ファクターは仮眠をとっているのだが……
『うーん……こんなにもう……食えないよ……』ムニャムニャ
……呑気にそんな寝言を言いながら間抜けな顔で寝ていた*4……
『……ちょっともう……分かったから……あともう少しだけ寝さs「起きろ」どわぁぁぁ!!?』
突然耳元から聞こえた声によってファクターは飛び上がるかと思うほどの勢いで起き上がった。
「すまない。驚かせるつもりはなかったのだが……」
『な、なんだ……?ってアーランさんでしたか。』
ファクターは自分を起こした、白い髪に褐色の肌、そして左腕に包帯を巻いている少年……『アーラン』に声をかけた。
ちなみに彼は宇宙ステーション「ヘルタ」の防衛課責任者なので立場上、アーランとファクターは上司と部下の関係なのだが……
「そんな堅苦しいことは言わなくていい……仕事の場合は駄目だが、ここにいるのは貴様と俺だけだからな。もっと砕けた態度で頼む。」
『そうでし……いや、そうだな。じゃあ、アーラン。今日の任務は何だ?』
「ああ、今日の任務は……」
彼らは仲の良い友人同士になっていたのだ。
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時は遡り、3日前……
『……ファクターです。防衛課スタッフに所属しようと思っています。よろしくお願いします。』
「…………ッ」アゼン
その反応はアーランだけではなく、他の防衛スタッフ達も同じだった。
「アーラン……私が貴方に無理を言っているのは分かっているわ。それでも彼のことは一人の人間として扱ってほしいの。」
「お嬢様……俺は貴方とスタッフの命を守るために防衛課責任者となったのですよ……それがなぜ、敵であるはずのレギオンの兵士を雇っているのですか……?」
と、アーランが言うと
「そうだそうだ!なぜヴォイドレンジャーが所属しようと思っているんだ!」
1人の防衛課スタッフがヤジを飛ばした。
彼らの言い分はもっともである。彼が率いる防衛課スタッフ達はこの宇宙ステーションを侵略しようとする反物質レギオンからスタッフの命を守るために戦っているのだ。
そして、時にはレギオンの凶刃に倒れ、命を失う可能性もある危険な職業なのだ。
彼らにとってレギオンは決して相容れることのできない敵……それが彼らの共通認識なのであった。あったのだが……
『やっぱり……
人の言葉を話せて、しかも意思疎通ができるヴォイドレンジャーにアーラン達は戸惑いを隠すことはできなかった。しかし、だとしても彼に言わなければいけないことがあったのだ。
「……そうだ。俺達にとってレギオンは人々の命を奪った憎き敵……たとえ貴様が奴らと無関係だとしても仲間として認めることはできない。」
「……アーラン」
「……お嬢様の言いたいことは分かります。……ですが、彼が今後、
「……それは」
「もし、そのようなことが起きてしまったらお嬢様は
「……そんなことは分かっているわ。でもね、アーラン。1つ聞いてもいいかしら?」
「……何でしょうか。」
「貴方が言ったことは
「……どういう意味ですか。」
「ファクターはこことは違う世界の平和な国で過ごしてたみたいなのよ。ただ、ある時から記憶がなくなってしまい、
「………」
「想像してみて。もしあなたがこことは違う世界に転送されて、しかも人間ではない
「……自分をこんな目に合わせた元凶を探して、ぶん殴りに行きますね。…………そうか。」
「そうよ。普通大抵の人は
アーランが言う前に、ヤジを飛ばしたスタッフが言った。
「たとえ、それが本当だったとしても俺は信用できません!こんな
『…………ッ』
ファクターは前に拒絶される可能性があることを想像したことがある。それでも努力すれば認めてくれる。そう信じたのだが……それでも自身に向けられる明確な敵意に心に来たのだ。
(……こんなことになるのならさっさとここから出で行けばよかったのかもな……)
ファクターの心が後悔の念に飲み込まれかけた時だった。
「いい加減にしなさい!」
アスターの鋭い怒声で、ファクターは目が覚めた。
「彼がどんな苦労があったのかも知らずに、彼の存在を否定しないで!自分の価値観で他人に押し付けるのは馬鹿がする行動よ!
私は彼の思いを信じる!だから2度と彼に暴言を言わないで!だって彼は私の……」
「友達なんだから!」
そう言われた時、ファクターは昨夜のことを思い出していた。
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~昨夜~
『あの……アスターさん』
「人がいないからタメ口でいいわよ。」
『分かった。アスターさん。もし、よければだけど……』
『友達になってくれないか?』
「友達……」
『あ、嫌なら断っても……「嫌じゃないわ!」……そ、そう……』
「友達かぁ……同年代の友達はアーラン以来だね……」
『一人しかいないんですか?』
「なぁに?私は友達作るのが下手だと思っているの?」
『嫌!そうじゃないんだ!ごめん!……ただ、アスターさんは、社交性タイプのお嬢様だからてっきりもっといたのかと……』
「あー……確かに私は名門の家の出身だけど、私の地位を目当てにすり寄って来る人がほとんどよ。」
『それは……確かに友達作ろうとは思えないですよね……』
「でしょ!それに友達はそんなにいなくてもいいと思うの。」
『というと?』
「だって自分の本心を隠さずに笑いあえる人と友達になった方がいいじゃない!そうしたら周りから疎まれてもへっちゃらよ!」
『……だとしたらアスターさんの友達になれて光栄だなぁ……』
「ちょっと!かしこまらなくていいわよ!」
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そのことを思い出して、俺は涙が溢れそうになった。いや、ヴォイドレンジャーだから泣けないけど、生身の人間の時の俺だったらとっくに泣いていたのだろう。
それだけ、彼女が俺のために怒ってくれたことに嬉しかったんだ。
俺はこの先どんな体験をしても今日のことは一生忘れないのだろう……
主人公とアスター、そしてアーランの絡みが見たかったから、過去の出来事を書きました。
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状況次第による!