……申し訳ありません。
「はぁ……はぁ……クソ!」キィン!
ファクターに非難を浴びせた防衛課スタッフは地下1階で、下半身には馬のようで、上半身には人の形をした『ヴォイドレンジャー・蹂躙』と戦っていた。
敵による攻撃を槍で何とか致命傷を避けて攻撃をしているが、倒れるのは時間の問題だと彼は理解していた。
それでも、彼は逃げずに戦っていた。その理由は……
「ここで俺が逃げてしまったら、みんなが危ないんだ……。絶対に食い止めてやる!」
彼はここで働くスタッフのために戦っていたのだ。
なぜ彼は辞めると言ったのに逃げないのかそれは彼の過去に関係するのであった……
~~~~
彼の人生は平凡であった。普通の家庭の次男として生まれ、決して裕福な生活とは言えないがそれでも幸せを噛みしめながら生きていた。
……反物質レギオンによって故郷もろとも家族を失うまでは……
その日から彼はレギオン、そして壊滅の
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あの時、彼は敵であるはずのヴォイドレンジャーが就職しようとしたため、怒りのあまり辞めると言ったのだが、それは本心ではない。
彼は最初は家族を奪ったレギオンに復讐するために戦っていたのは事実であった。しかし、宇宙ステーション「ヘルタ」で働いているうちにスタッフとのかかわりが深くなった。
そして、彼はスタッフを2度と自分と同じ境遇にはさせないと思い始めたのだ。
(あの時、所長とアーランさんが言ったことに対し、感情的になってしまい、辞めると言ってしまったのは反省すべき点だ……だが、本当に理解できないのだ。
______所長が言ったことが本当ならどうして
「何で!アイツが人の心を持っているヴォイドレンジャーなら!どうしてもっと人の心を持つヴォイドレンジャーがいないんだよぉ!!?」
その言葉は彼がファクターの様子を見てからずっと思っていた純粋な疑問であった。
「本当に人の心があるヴォイドレンジャーがいるならどうして止めなかったんだ!もしかしたら俺の家族達は死んでいなかったかもしれないのに!どうしてなんだよぉ!?」
そう言った彼は、理不尽な仕打ちを受けられた怒りを込めて、ヴォイドレンジャー・蹂躙に果敢に攻めていった。
……故に、背後から近づいた『ヴォイドレンジャー・改ざん』*1に気づかずに攻撃されてしまったのだ。
ドンッ!「ガッ!」
彼はヴォイドレンジャー・改ざんの【影なき虚撃】によって壁に叩きつけられた。
「に、2体で攻撃するのは……卑怯だ……ッ!?」
起き上がった彼が目にした光景は想像を絶するほどの信じられないことであった。
そこには『反バリオン』、『ヴォイドレンジャー・略奪』、そして『ヴォイドレンジャー・抹消』*2まで召喚されていたのだ。
(クソ!しくじった!ヴォイドレンジャー・蹂躙がいる時点で仲間を呼べることをもっと考えるべきだった!)
1対5……それはどう考えても逆転するのは不可能であることを知り、彼の心には絶望が満ち始めていた。
(俺はここで死んで、アイツらの操り人形にされるのか……?俺がアイツらの仲間になって、誰かを不幸にするのか……?)
自分が殺された後、操り人形にされ人々を傷つける外道に成り下がったレギオンの兵士となったことを想像した彼は顔が真っ青になった。
(嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だァ!!俺はレギオンの兵士になりたくない!死んでも人に迷惑をかけたくない!俺は死にたくない!)
そう思い、逃げようとしたが『ヴォイドレンジャー・改ざん』の攻撃によって左足を負傷した。
「ガァ!?」ズサッ
そして、彼にとどめを刺そうとヴォイドレンジャー達はゆっくりと彼の元へ近づいた。
「父さん……母さん……ごめんなさい……俺は貴方たちの分まで生きられなかった……」
そして、『ヴォイドレンジャー・略奪』が彼の脳天に突き刺そうと振りかぶったその時!
『なぁにをしているんだぁぁぁテメェらぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
ファクターが走り込み、彼を殺そうとしたヴォイドレンジャーの頭に右肘に生えている刃で突き刺した。
突き刺されたヴォイドレンジャーは塵となって消えた。
「お、お前は……」
『話は後だ!立てるか!?』
「おい!大丈夫か!?」
振り返ると医療キットを持って来たアーラン達が彼の元へ駆け寄りに来ていた。
(俺は……助かったのか?)
ファクターはスタッフの安否が無事だと分かったため、ホッとしたが、即座に敵に戦闘態勢をとった。
『おい、お前ら……俺の
こうして駆けつけたファクター達はスタッフを救出し、ヴォイドレンジャーと対峙した。
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(……とは言ったが、この状況をどう乗り越えればいい?)
ファクターは敵を対処すればいいのか考えていた。不意打ちによって敵を1体屠ることはできたが、それでも4体は残っていた。
更に、『ヴォイドレンジャー・蹂躙』は仲間を呼ぶことができるため、時間を懸けると更に仲間が増えてしまう危険がある。
(となると、俺は雑魚を引き付けてる間にアーランさん達が『蹂躙』を攻撃すれば……そして加勢をすれば……)
『アーランさん。俺が雑魚を引き付けてる間にアーランさん達は《蹂躙》を対処してください。雑魚との戦闘が終わり次第加勢します。』
「荷が重いぞ……平気なのか?」
『任せてください。もし危なくなったら撤退……ですよね?』
「……分かった。貴様ら!よく聞け!これより俺達は仲間を呼ばれるのを阻止するために『蹂躙』をここから連れ出す!雑魚はファクターに任せろ!異論は無いか!?」
「「「「無いです!!」」」」
「全員かかれ!!」
そして、アーラン達は『蹂躙』を挑発し、『蹂躙』と共に廊下から去って行った。
『アーランさん、みんな……ありがとう。さて……俺は俺のやるべきことをしますか。』
そう言ったファクターの目の前には『反バリオン』、『ヴォイドレンジャー・改ざん』、『ヴォイドレンジャー・抹消』がファクターに向けて武器を構えていた。
『ここからが正念場か……』
そして、ファクターは目の前の敵を攻めていった。
~~~~
『うぉぉぉぉぉぉ!』ダッ!
『syaaaaaaa!!!』ダッ!
ガキィンッ!
ヴォイドレンジャーVS反物質レギオンによる奇妙な戦いが今始まった。
『フッ!ハッ!セイ!』
ファクターは両肘に生えてる刃で敵を斬りつけていく。
『ヴォイドレンジャー・改ざん』が仲間にファクターに狙いを定ませた。
ファクターに集中攻撃をして早く終わらせようと考えたのだろう……しかし、
『お前らの狙いは分かってるんだよ!』ダッ!
ファクターはヴォイドレンジャー・抹消が撃った弾丸を避け、反バリオンを切り裂いた。
『ッシ!後2体!』
ファクターは残った2体をどう倒すのか考えていた。
(ヴォイドレンジャー・抹消は
一瞬で決めた行動方針を実行しようと振り返った時、ヴォイドレンジャー・抹消
『いない!?改ざんはどこ行きやがった!』
ファクターが見失ったヴォイドレンジャー・改ざんを見つけようと周囲を見回していたその時!
「上だ!気をつけろ!」
『!』
忠告に従って、直ぐにその場から後ろへ回避した瞬間、今いた場所が上からきた攻撃によって焼け跡が付いた。
『危ねぇ!』
そして降りてきたヴォイドレンジャー・改ざんを一文字斬り*3で倒した。
『ありがとな!アンタのおかげで助かったよ……』
「…………」
そうして忠告を言ってくれた左足を負傷したスタッフにファクターがお礼を言った。
『ホントはもっとお礼をしたいが倒してからだな……来い!抹消!』
『syaaaaa!!』
そして、ファクターとヴォイドレンジャー・抹消が対決をした結果……
『syaaa……』サラサラ
……勝ったのはファクターであった。
『よし!アーランさん、今行く……の前に。』
ファクターはお礼を言うために左足を負傷したスタッフに向かった。
『ありがとな!アンタの忠告のおかげで重傷を負わなかったよ!じゃ、どこかに隠れててくれ……』
「待ってくれ……」
『ん?』
「あの時、俺は心のない罵声をお前に言ったのに……何で俺を助けてくれたんだ?」
「おい……」
左足を負傷したスタッフをたしなめる治療しているスタッフ。そしてファクターは口を開いた。*4
『馬鹿か?アンタは?』
「……何?」
『俺はな。目の前に困っている人が助ける。もし、このまま見過ごして助けられたはずなのに死んでしまったら俺はこの先一生後悔したまま生きていくことになる……』
『ま、要は俺の我が儘だな!!』ドォン!
「……ッ!」
『じゃあな!気をつけろよ!』
そして、ファクターはアーランに加勢するため走り去っていった。
後に残ったのはスタッフ2人だけだった。*5
「行ったな……俺達は安全な場所へ避難するぞ……」
「負けたんだ……俺は」ボソッ
「……命があるだけでも充分勝っているさ……」
「……違うんだ。俺はただの自分勝手な我が儘で行動して、人にたくさん迷惑をかけた……なのに……
左足を負傷したスタッフは泣き崩れながら言った。
「……負けたんだ俺は……技量も、勇気も、寛容さえも……俺は人としての器量を彼に完膚なきまでに負けたんだ!……最低だあの時の俺は……」
嗚咽をしながら自身がファクターに言った言葉に後悔しているスタッフに治療したスタッフは言った。
「でもお前は後悔を感じているんだろう?そして、ファクターさんはもう一度お前のことを信じてくれたんだろう?ファクターさんが言った
「……」
「それにな……お前の行動は褒められたもんじゃないけどアーランさんはお前のことを褒めてたんだぞ?主にスタッフの避難と対処についてのな……」
「……俺は」
「辞めたと言ったからそんな資格は無いって言いたいのか?でも本当はまだ続けたいことは分かってたんだから、お前の席まだ残してあるってアーランさんが言ってたぞ……」
「だったら……俺は謝りたい……所長も、アーランさんも……
「……俺も一緒に謝るさ。お前が馬鹿なことをしないように見張ってますって……もし暴走しかけたらぶん殴ってでも止めますって言ってやるよ……だから戻ってこい。」
「……うん」
2人はそう言いながら安全な場所へ避難しに歩いた……
~~~~
『アーランさん達は……あっちか!』
ファクターは鈍い金属音が響く方へ向かった。
『戦闘音がしているから、まだ無事だと思うが……頼む!無事でいてくれ!』
そして、ファクターは戦闘している方へたどり着いたが……
『な!?』
そこには、ヴォイドレンジャー・蹂躙だけではなく、『反バリオン』、『ヴォイドレンジャー・略奪』、『ヴォイドレンジャー・抹消』、『ヴォイドレンジャー・改ざん』が数体いて、アーランが肩で息をするほど疲れていた光景だった。
(まずい!この状況だとアーランさんが敵に襲われてしまう!どこか……ッ!あそこだ!)
ファクターは会議室のドアを開けて大声で叫んだ。
『アーランさん!こっちです!』
「その声は……ファクターか!」
『話は後です!今はこちらへ!』
「分かった!」
そしてアーランがファクターのいる部屋に向かって走り出し、入った瞬間ファクターは扉と鍵を閉めた。
部屋の外からガンガン!と鳴っていることから敵が入ろうとしているだろう。だが、とりあえず時間は稼いだ。
『はぁ……危なかった……』
「感謝する。ファクター。」
『お互いさまですよ……それよりアーランさん。今の状況を教えてくれますか?』
「ああ……俺達はヴォイドレンジャー・蹂躙をおびき寄せ、貴様達から遠ざけたのは良かったのだが……レギオンの伏兵がひそんでいた。」
『何だって!?じゃあ避難所が……!』
「そこは安心しろ。スタッフ達と共に倒したから問題は無い。ここからが問題だ。レギオンを対処したのはいいが、不意を突かれて……仲間を呼ばれてしまった……」
『……!じゃ、じゃあ……防衛課スタッフさん達は!』
「安心しろ。部下達は怪我をしたため、避難させた。俺が残っているのは部下たちを逃がすため
『……ん?』
「だから部下達は無事だから安心してほs『ちょっと待ってください。』……何だ。」
『アーランさん……あなたは私に対して約束したことは覚えてますか?』
「……ああ。それが何d『聞いてください』……はい。」
ファクターの怒りの気配を感じたアーランは思わず敬語になった。
『アーランさん……あなたが言ったことは[自分の身を犠牲にして助けようと行動したら即座に解雇する]……そう言いましたよね?』ニコッ
「あ、ああ……しかし、俺は『しかしでもだからでもないんです!』……」
『あなたがした行為でどれだけアスターさんが心配するのか分かっているのですか?もしかしたら、スタッフさん達がアスターさんに報告した時、アスターさんがアーランさんを助けようと乗り込んでくるかもしれませんよ!それともしないって思っているのですか!?』
「……お嬢様なら……確実に俺を救おうと行動する。」
『そうですよね!だから絶対に友達の心配をする行動は控えてください!分かりましたか!』
「……すまなかった。」
『分かればよろしいので……』(あれ?今の俺は上司に口答えをしたのでは?下手したら俺、解雇されるんじゃ?)
今になって事の重大さを知ったファクターであった。
『あ、あの……アーラン……さん?』ダラダラ
「ふっ……ハハハハ!」
(ギャー!笑っていないとブチキレる程怒っているのかー!?今すぐ謝罪しないと……!)
『申し訳…「俺のために叱ってくれたのはお嬢様以来だな。」……はい?』
「俺は防衛課の責任者だから、大抵の人は俺のことを尊敬されるか、嫉妬の表情を向けられるかだ。そして、部下達も俺のことをあまり叱れない立場にいるからな……お嬢様のように立場などではなく、純粋な心配で怒ってくれるのは久しぶりだなと思ったのだ……」
『アーランさん……』
「……変な雰囲気になってしまったな。すまない。」
『……気にしないでください。今はこの状況を乗り越える方法を考えましょう。』
「そうだな。しかし、どうする?このままだと死者も出てしまうぞ。」
『うーん……』
(本当にどうすればいいんだ?この状況だとアスターさんに頼んでレーザー砲を撃ってもらうとか?……俺達も死ぬな……こういう時、特殊能力が目覚めたらなぁ……こう、)
(
そう思ったファクターだったが……
「お、おい……ファクター!?」
『どうしたんですか?まさかヴォイドレンジャーが侵入でも……!』
「違う!右手だ!」
『右手?』
ファクターが右手を見ると……
刃はなく、代わりに
『……へ?』
すると、ファクターの体が徐々に
『え、ちょっ、待っ、イ”ダ”ダ”ダ”ダ”ダ”ダ”ダ”ダ”ダ”ダ”ダ”ダ”ダ”!!!!!!痛い”痛い”痛い”ッ!!!折れる!折れる!』
(ナニコレ!例えるなら周囲のあらゆる方向から無理やり圧縮プレス機で押しつぶされるみたいで痛い!……圧縮プレス機に挟まれたことないけど!……本当だよな?)
「ファ、ファクター!?しっかりしろ!」
あまりの激痛に叫ぶファクターとそれを見ることしかできないアーランであった。
しばらく経つと……
『あ~痛かった……何だったんだ!?あれ!?』
と愚痴を言いながら、自身の体を見ると……
『な、なんじゃこりゃああああ!!?』
ファクターの体は『ヴォイドレンジャー・略奪』ではなく、『ヴォイドレンジャー・抹消』に
『アーランさん!ナニコレぇ!』
「俺にも分からん!なんだそれは!?」
『こっちが聞きたいですよぉぉぉぉぉ!!?』
……数分後
「落ち着いたか?」
『はい……この現象はいったい何なんでしょうか?』
「……ファクターはコイツを倒したんだよな?」
『え?……そうですけど?』
「すまないが、ファクター……もう一度、変身できないか?今回は『ヴォイドレンジャー・改ざん』になるのを願ってだ。」
『ええ……?仮に成功してもあの激痛をもう一度味わえって言ってるんですか……?』
「……すまない。だがこのまま放っておくと貴様に何かしらの影響を受けるかもしれないのだ……もしかしたら人に戻るヒントがあるかもしれないのだ。……頼む。」フカブカトサゲル
『わ、分かりましたから、頭を下げないでください!やりますよ!』
「感謝する。」
『えーと……ヴォイドレンジャー・改ざんになる……俺はヴォイドレンジャー・改ざんになる……』
すると、徐々にファクターの体は変形した。
『ぐああああああ!!!?』
「頑張れ!ファクター!」
(少し、痛みはマシになってきているけど痛いもんは痛ぇぇぇぇ!!?)
しばらく経つと……
『はぁ……はぁ……ど、どうですか?』
「本当に感謝するファクター……俺の仮説が正しかったようだ。」
『仮説……ですか?』
「ああ。おそらくファクターの能力は______
______
『な……!』
(何ですってー!?)
「反物質レギオン」の基本作戦ユニット、知性を有し、狭い範囲で「略奪者」の行動を制御できる。
ヴォイドレンジャー・抹消は攻撃が命中した味方をマークする、マークされたターゲットは攻撃されると更にダメージを受ける。
【属性】
キャラクターごとに異なる「属性」を持っている。
敵の「弱点属性」と同じ属性で攻撃すれば、戦闘を有利に進められる。
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俺は敵対した人が改心する展開と、主人公が新たな力を手に入れる展開が大好きなんだよね~
アーカイブの情報を後書き欄に記載してもいいですか?
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良いよ!
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駄目だよ!
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状況次第による!