PERSONA EPISODE of SHADOW WORKER   作:漆竜 黒鍵 

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2014年4月7日から数日経た4月20日。玖城の意識が回復する。

夢に見た荒んだ戦士。彼の言葉は深く玖城の深層心理を貫く。

これもまた、あの夢の続きか関連するのなら……さて


慟哭 叫喚 そして

 意識が覚醒する、重く閉じたまま長い時間が経過したのだろう、瞼が動きにくい。

それを無理やり開けば

 

「…知らない天井だ」

 

 固まっている身体を動かして何とか起き上がる。

 

 ここは…病室か?

 

 目が見えずらい…。長い眠りだったようだ、視力にも影響が出てるらしい。

そんな中、ベッドの傍に居る人物に気がつく。

 

「目が覚めたか樹下」

 

「……みつ姉…?」

 

 よく姿は見えないが、声でそれが誰かは分かる。

 

「今は夜だ、私はまた明日も来るからまた眠るといい」

 

 そう言いみつ姉が俺の頭を優しく撫でる。

心地がいい。

 

 この優しい接触に安心した瞬間、自身が気を失う寸前の記憶。

黒服達を次々に惨殺した瞬間とその感触が蘇り盛大に嘔吐する。

 

「おっ…げぇ…がっ…っ!!」

 

 その反応にみつ姉はすぐに医者を呼んだらしい。

そして駆けつけた医者は錯乱する俺を押さえ込み何かを投与、俺の意識は再び闇の中へ落ちていく。

 

─────────────────

 

 夢を見る、これが今迄何度も見てきていた夢と関連があることが何となく解る。

 

そして目の前で起こっていることはとても恐ろしい光景だ。

 

「死ね!!死ねぇ!!!呼吸をしていいと誰が言ったァ!?」

 

 身に纏う憤怒が違う、叫び撒き散らす憎悪が違う。

目の前に拡がる幾千幾万の戦士の中で彼だけが何もかもが桁違い。

 

 彼より強い奴は何人も居た。

しかし彼ほど狂気的に怒り、憎悪をぶつけている男は他に居ない。

 

故に彼は負けない、戦場という名の荒野を剣一本で屍山血河へと変貌させる。

 

 それを見ている誰かがそんなものが善である訳が無いと言う。

 

「善ではない?ならば結構、俺は悪を喰らう悪であろう。」

 

 そして彼は新たな悪を求め再び殺戮の荒野へと進む。

恥じない、悔いない、無慙無愧のその在り方は何処か俺が覚醒したメサイア・影神に酷似する。

 

「小僧、一つだけ教えておいてやろう。」

 

 その男が此方へと語りかける。

兜の隙間から覗くその眼には桁違いの憎悪と天井知らずの怒りが渦巻いて爆発している。

 

「この世界において仲間などという者は枷でしかなく、故に仲間等というモノは存在しないし必要ではない。

 俺やお前の行動を咎め静止させるヤツら等、敵と同様に厄介なものでしかない。故に」

 

 そしてその男は俺に最大級の呪言とも取れる残酷な言葉を紡いだ。

 

「この世界に居るのは己と敵と敵の敵だけだ。」

 

────────

 

 そして目が覚める。

夢の内容は克明に記憶している、そしてそれが自身が黒服達を惨殺した時と重なることに思いを巡らせる。

 

 もうパニック症状は起きない。

多少頭痛がするが、概ね正常な状態と言えるだろう。

今思うことや口に出したいことはとりあえず一つだけ。

あの日まだ入ることが出来ていない

 

「風呂に入りてぇ…」

 

──────────────

 

 目が覚めてから暫く経過した頃、みつ姉が再び病室に訪れる。

しかし俺にもみつ姉にも一切互いの存在から来る安堵の色はない。

 

「樹下、もう平気か?」

 

「あぁ、もうだいぶ落ち着いた。

身体もちゃんと動かせるし目もちゃんと見えてる。

 

 で?みつ姉みたいな多忙な人が昨日や今日もここに来るってことは、ある程度何があったか分かっててそれを俺に説明してくれんだよな?」

 

 知らず知らずのうちに自分の語気が責める様な強いものになってることに気が付き、一度咳払いをする。

みつ姉は表情ひとつ変えずに口を開く。

 

「まずあの日、あの時お前が体験したもの。

アレは影時間という深夜零時に訪れる一日と一日の狭間にある時間だったものだ。」

 

「だったもの?」

 

「あぁ、我々が元来影時間と読んでいたものは2010年の1月31日に消滅している。」

 

 訳が分からない話だ。

いやそもそも突飛な話であるものの、その存在はもう4年前の1月に消えてるって

 

「何言ってるんだよ?なら昨日のはなんだったんだよ?」

 

「お前が体験したあの影時間、アレは本来のものではなくそれを再現した空間だ。

再現とは言ったがその精度は本物と差異はないものだ。」

 

 再現…つまりアレは誰かが起こしたものだってことになる。

もしそうだとしたらそれをしたのは

 

「あの黒服の奴らか…」

 

「その通りだ。奴らが影時間を再現することによってあの場所一帯がそれに落とされ、お前はそれに巻き込まれてしまった。すまなかった」

 

「なんで謝るんだよ?」

 

「我々は予め奴らがそれを実行することを掴んでいた、掴んでいながらそれを阻止出来ず、更にお前を巻き込んでしまう形になってしまった。

本当に済まない」

 

 ………思うことは確かにあるが、それは後にしよう。

 

「あの時間のことについては何となくわかったよ。

黒服達が原因なのも、多分天田やコロマルがみつ姉と関係があるのも。

でも分からないのはあの時のあの力だよ。自分でもわかんねぇけど俺が使ったあのペルソナ?ってのはなんなんだよ?」

 

「ペルソナか……そうだな、確かにそれについても話さないといけないだろうな」

 

 そういうとみつ姉は佇まいを正して、より真剣な顔で話を続ける。

 

「あの力はお前の言う通りペルソナと呼ばれるもの。

ペルソナとは召喚者の精神の具現、心の鎧とも呼べる超常能力だ。

そしてお前のようにペルソナを使うものをペルソナ使いと我々は呼称している」

 

 つまり超能力の類ってことか…んな馬鹿なの笑い飛ばしたい。

しかし自分がその体現者である現実がそれを許してくれない。

 

「笑えねぇな、それ」

 

「………」

 

「笑えねぇよ!!んなわけわかんねぇ力いきなり使える自分も!!それで人を何人も殺しちまった事も!!なんなんだよ、なぁ!?」

 

「……すまない」

 

「…いや、ごめん…みつ姉は悪くないよな…ごめん………ごめん…」

 

 病室は静まり返る。俺は何をこれから知るべきなのか分からねぇ。

みつ姉も多分そんな俺にかける言葉も見つからないのだろう。

いや多分みつ姉の事だ、俺を励ましたり諭したりする資格がないとでも思ってるんだろうな…。

 

その辺は変わらねぇなこの人も……

 

「………みつ姉、俺さ、殺したんだよな、人を」

 

「…だがあの時はああしなければ天田やコロマル、それにお前も死んでいたかもしれない。だから自分を責める必要は無い。むしろよくやってくれたと思う」

 

「……そっか、そうかな…。

なぁ、俺これからどうしたらいい?多分アレに目覚めたら、もう日常にただ戻るなんで出来ないんだよな?

だから態々ここにアンタが来てたんだろ?」

 

「(アンタ…か)…その通りだ。」

 

 そう言ってみつ姉は俺にアタッシュケースを渡す、その中身は何となく予想が着いた。

そして予想通りにあの時天田から飛んできて拾ったものと同じ形のピストルが入っている。

 

「動き出した時は戻らない、やった事は無くせない。我々人は常にその全てを背負い進むしかない。

 玖城樹下、お前に桐条グループの非公開内部組織、シャドウワーカーへの参加を要請したい。

成り行きでこうなったが、お前にはその力がある。」

 

 ……つまり、この戦いからもう逃れられないのなら、敵を倒すしかないのなら…。

そう思考した時、夢の中の戦士が過ぎる。

 

悪を喰らう悪となろう。か……

 

 そして俺はアタッシュケースの中のピストル、召喚器を手に取り握りしめる。

 

─────────────

 

 玖城の病室から退室し病院まで来たリムジンに乗り込む美鶴。

その傍らに置かれた書類を眺めながら口からふと漏れ出す嗚咽。

 

「……くそっ!!」

 そう言えば書類の山を手で払い除けてその手で手元を叩く。

なぜと言う気持ちと彼をシャドウワーカー、言ってしまえば桐条の暗部へ誘うしか無かったという憤りが胸中に渦巻いている。

 

「何も変わらない…!

 あの戦いから何もだ……こんなに自分に腹が立つのは久しぶりだ……!」

 

─────────────

 

 美鶴が病室から去り、一人になった玖城はベッドに横たわり天井を見つめ続ける。

 

「………あ、荷物の整理…って言っても服くらいか」

 

 ベッドの傍らの机に置かれた自身の制服を横目に確認しながら目を閉じる。

 

 瞼の裏に焼き付いたメサイア・影神の拳の一打で弾け飛ぶ男、大剣で真っ二つになり脳髄や臓器を撒き散らす女、その威圧感のみで精神が壊れ自ら命を絶った初老の男。

 

 その他にも幾つもの要因によって自身が殺戮した彼らの最後の姿が目を閉じれば思い出せる。

 

「……ちっ」

 

 目を閉じながら舌打ちをして起き上がる。

自らの患者服を脱ぎ捨てて半裸のまま窓を開く。

春の陽気と冬の残寒が身体を包む。

 

 世界はこんなに眩しいのに

 

「俺はそんな中殺戮者になったって訳かよ」

 

─────────────

 

 病院からその身一つで出ればゆっくりとした足取りで巌戸台寮へと歩く。

景色はいつも通りの日常でありながら、もう自分にはあの中に紛れ込むことが出来ないと思うと酷く羨ましく感じる。

 

「人間はきっかけ一つですべて変わるってこういうことなんだろうな。」

 

 腹が減った…寮に戻る前に商店街に行こう。

 

────────────

 

「食ってみな、飛ぶぞ」

 影時間に落ちた日、はがくれ丼を食べたその時と同じセリフを述べてから丼に貪り着く。

男子高校生という男の一生のうちで食欲のピークの第一段階であるこの俺の手は止まらな……?

 

 止まった……?

 

────────────

 

 何とかはがくれ丼を完食し会計を済ませて店の外へ出れば全速力で駅へ向かいそのトイレへ駆け込み

 

「っげぁァァッ!!うっぐぅぅぉぉおおっっ!?」

 

 先程食った物を総て吐き出す。

 

 不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い!!!!

肉を噛む度に不快感と嘔吐感が込み上げてきていた。

噛む時の感触が人の肉を踏み潰し斬り刻んだ感覚とリンクする。

 

 無理無理無理無理無理無理無理臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭いぃぃぃぃぃぃぃ………

 

「ぅっ…ぉっ…げぇぇ…」

 胃の中を総べて出しても嘔吐が止まらず、胃液だけが便器の中へ垂れ流される。

 

─────────────

 

 ようやく嘔吐感がおさまり始めた時には日が沈もうとしていた。

駅の自販機で水だけ購入して飲み続ければ多少気分が紛れている気がする。

 

 ズレた眼鏡をかけ直せばその足で寮まで歩いていく。

 

そして寮の玄関を潜る。

 

 ロビーに誰か居た気がしたがそんなことよりも早く横になりたいという思いが勝つ。

自室の扉を開いて鞄を投げ捨てればベッドに飛び込んでそのまま意識を手放す。

 

 風呂は…目が覚めた時に入ろう。

 

───────────────

 

「痛っ……」

 

 目が覚める。

どうやら掛けていた眼鏡のフレームが顔に刺さったようだ。

傷になっては無さそうだし眼鏡も無事、まぁ別に割れたり壊れたりしても伊達眼鏡だから特に問題は無いが。

 

「……風呂…」

 

 そして眼鏡を机の上に置けばタオルと着替えを用意して寮の浴場に向かう。

そこでロビーに誰かがいたという記憶が蘇るが、そのロビーには誰もいない。

天田辺りが居たのかもしれない。

 

 そして浴場の扉を開けて服を脱ぎ捨て浴室に入って

 

「…………」

「…………」

 

 何処かで見覚えのある明るい緑色の髪、緑色の瞳、顔、そして裸体を見る。

 

 そして次に響く女の悲鳴を耳に、ひりつくような痛みを頬に受けることとなった。

 

─────────────

 

 浴室から出され脱衣所から出された俺は何故かロビーで全裸正座していた。

そんな俺を睨みつけるのは身体にタオルを巻いて胸と下半身を隠す少女。

 

 俺はこいつを知っている。よく知っている。

 

「なんでお前がここにいるんだよ…綾崎…」

 

 綾崎凛。

俺と同じ月高の生徒であり、中学2年の途中からと3年で同じクラスだった少女だ。

そういえばコイツのクラスは天田と同じE組だっけ

 

「人の裸を見ておいて最初に出る質問がそれとはねぇ。アンタ今の状況わかってんの?犯罪よ?犯罪!!」

 

「うっす」

 

「多少の言い訳があると思った私も私だけど、何より先に私がこの寮にいることが気になるっていうのは私の裸には興味がないって言いたいのかアンタは!!!!」

 

 実際興味無かったんだよな、さっきは。

まぁ今はノーコメントだけどな。というのは言わない、言ったらまたぶん殴られる。

 

「……綾崎」

 

「何?少しはまともな言い訳でも思い付いた?」

 

「見えてる。」

 

 正座してる俺、それを睨んで立っている綾崎。

この立ち位置の関係上俺が下から見上げる形になり、無論そんな状況ならタオルに隠されているはずの下半身が見えても不思議では無い。

 

 そして顔面に走る鈍痛。

 

「死ね玖城!!!」

 

 俺の顔面を踏みつけるように蹴れば綾崎は脱衣所から自身の服を持って階段を昇っていく。

 

 鼻から血が流れているのを感じる。

 

殺戮者という名の人でなしにも血は流れているらしい。

 

 その状態から立ち上がり脱衣所を経て浴室に向かう。

その途中で浴場の表札は女の時間になっているのに気が付く。

 

 そうかこの時間はそうだったか…。

その表札を男の時間に変えて浴室へ入っていく。

 

風呂にぼんやりと浸かりながらふと思う。というか口に出す。

 

「いやこの寮俺と天田しか住んでなくね?」

 

─────────

 

 そして入浴を終えれば共用の冷蔵庫を開けて自身のものである乳酸菌飲料を飲む。

飲食をした際のような不快感や嘔吐感は感じない、飲料水に関しては平気なようで安心した。

人間は水が飲めなければ長くないらしいから。

 

 そして階段を上り2階のロビーのソファーに寝転がる。

廊下を吹き抜けから来る冷たい空気が、数日ぶりの風呂で茹だった身体を冷まして気持ちがいい。

 

 このまま眠ってしまいそうになる………。

 

 

 

 

 

 ………数分立った時自身の意識が短時間飛んでいたことに気が付いて起き上がる。

そして向かい側のソファーに先程俺の顔を蹴り抜いた綾崎の存在を見つければ胸中で身構えて

 

「ごめん」

 綾崎からの謝罪を受けて首を傾げることとなった。

 

「いやさっきのは俺がお前の裸見たのが悪いんだから、お前が謝ることなんて」

 

「いや、多分私が悪い。今までこの寮にはアンタの天田君しか住んでなかったんだし、それにアンタ随分と寝惚けてたしね。

 そりゃ私が表札を女湯にしても無意識に入るよね、だからごめん。」

 

「いや…」

 

 それでも女の、嫁入り前の少女の裸体を見たのだから明らかに俺の方が悪いのに、そう謝られたら何も言えなくなる。

 

「でもまさか帰ってきた時にロビーにいたのに気づかれてなかったとはね、でもあんたフラフラだったし仕方ないか。」

 

「あ、あん時居たのお前だったのか…ん?ていうかさっきの言い方だと」

 

「アンタが入院してる間にね、私もこの寮に編入することになったの。

 驚いたよ、アンタが入院してたなんて、通りでF組でアンタの話題が上がる訳だわ。」

 

「話題?」

 

「結構噂になってるよ。

不良と喧嘩して大怪我しただの、駅のホームで階段から落ちただの、本当は誘拐されただの、キャトルミューティレーションされただの」

 

「最後の明らかに嘘だろおい」

 

 明らかなツッコミポイントに我慢できずにツッコム。

 

「残念ながらある一定数居るのでした丸」

 

「高校生にもなってアホすぎるだろソイツら……」

 

 …しかしそうなるとこれからは何も気にせず風呂に入るとまたこんなことになるって事か…恐ろしいな。

 

「まぁこれからはお互い気をつけるってことで。これからよろしく、玖城」

 

 そう言って右手を差し出す綾崎。

 

「あぁ、…まぁよろしく」

 

 それに応えようと自身も右手を出して握手した瞬間、またあの時の光景が脳裏に過ぎり思わず綾崎の手を強く握り締めてしまった。

 

「ちょ、痛い!強く握りすぎ」

 

「え、あ、ごめん」

 

「も〜、気を付けてよ?って玖城あんた凄い汗…大丈夫?」

 

 そう言われ額を拭うと、確かにすごい汗だ…。

 

「…悪ぃ、ちょっとあんま良くないから戻るわ」

 

「あ、うん。病み上がりだもんね、お大事に」

 

 そういうと綾崎は3階に登って行った。

残された俺を首を横に軽くってから自室に戻ることにした。

 

────────────────

 

 

 そして朝が来る。

今日から学校に復帰する訳だが、上手くやって行けるだろうか…。

 

 鞄を手に取って自室から出る。

ロビーに降りればそこに天田と綾崎の姿を見つける。

 

 だが俺は降りずに引き返し、二人が出ていくのを待つことにしてしまう。

怖い…、言葉にすればそんな感情だった。

今はただ人と顔を合わせることに恐ろしさを覚えている。

 

 もしなにかの拍子にまたあの時のように俺が暴れたらどうなるか…と。

 

「……こんなんじゃダメだろ馬鹿野郎が」

 

 ロビーに降りると既に2人の姿はない。どうやら先に出てしまったようだ。

ロビーに寝そべるコロマルを横目で見て玄関から出る。

 

 そして鍵を閉めて巌戸台駅へ向かう。

 

 

 

 

「俺何してんだ…?」

 

駅に向かうつもりが未だに駅に居らず、それどころかその途中の長鳴神社の階段で座り込んでいた。

 

「しっかりしろよ俺…てか遅刻しちまうっての!」

 

 立ち上がり駅へ身体を向けるが、足が動かない。

しかしそれを気合いで動かし漸く駅に到着して丁度来たモノレールに乗り込む。

 

─────────

 

月高に着くまでにもその足は違う方向に向かおうとして、その度に自分の顔をぶん殴り気を入れ直しながら漸く教室の机に到着した。

 

その道中でクラスメイトと何人かあったが、挨拶ちゃんとできてたか俺…?

 

「あ!!玖城久しぶり!!」

 

そんな思考をぶち壊すようなその大声に目を向ければ、目をキラキラさせた雨瀬がぴょんぴょん跳ねている。

 

  可愛いなこいつ。

 

「もう体大丈夫なの?」

 

「……まぁ一応、大丈夫だよ」

 

「良かった…いやぁ玖城がいない間なんか物足りないなぁって、お隣が居ないから当たり前か!」

 

「朝からテンション高いな。早死するぞ、20代くらいで」

 

「んな物騒な!?」

 

 そしてその騒ぎを聞きつけて気が付けばクラスメイト全員に囲まれた。

 

「ちょ、ま、お、お前らそんな急に来んな!あ、圧が凄っ、わぁあああ!?!?」

 

 質問攻めに入院中の飯の話、何してたのか、ナニをしてたんだろ等々ざまざまなことを続け様に言われた俺は授業を受ける前から既にライフZERO也候。

 

 午前中の授業は雨瀬や緒方さん、倉橋くんがノートや内容を教えてくれたので何とか置いてかれて追いつけないということはないだろう。

 

意外なことに雨瀬めっちゃ頭良かった、教え方上手すぎだろ。

 

「んー午前中の授業終わったな…。

玖城君、男同士飯でも食わないかい?」

 

「え」

 

倉橋くんが俺を昼食に誘ってくれている。これにはとてもありがたいが

 

「あー、その、悪ぃ俺ちょっと昼休み用事があってさ。また今度誘ってくれ。」

 

「そっか、それは残念だなぁ、ならまた今度誘うよ」

 

 そういえば倉橋くんは他の友人の所へ行った。

 

 

 断った理由はどうしようもない理由だった、用事など何も無い。

ただ彼とは昼飯を食べることが出来ない、いや彼だけじゃない。

 

 今は誰とも食べることが出来ない。

自身の登校中の様子を思い出す。

 

 流石に何も食べずにはマズいと思い学校に着くまでの間に食べ物を買って口に含んだ瞬間、昨日と同様途方もないほどの強烈な吐き気に襲われてまたトイレに嘔吐したのだ。

 

 はっきり言って今もまだその時の吐き気が残っている。

授業中も何度かその場で嘔吐しそうになるのを堪えていた。

 

────────────

 

 そして放課後になる。

それと同時に天田が教室に入ってきて俺の前に立つ。

 

「玖城、これから時間ある?」

 

「…………あぁ」

 

 そして立ち上がり天田の後に着いていく。

その間クラスは静寂だった、あの雨瀬さえ一言も話さない。

多分それほど俺と天田の間にある雰囲気が重かったのかもしれない。

 

 屋上に登る。

海からの風が吹いてきて心地よいが、俺と天田の雰囲気はそんなものでは晴れやしない。

 

「まずはありがとう、あの時玖城が居なかったら僕もコロマル危なかった。」

 

「でも俺が居なけりゃお前が傷を負うことも無かったろ?」

 

「それは違うよ、多分あの時玖城が居なかったとしても僕は傷付いてたし、もうここに居なかったかもしれない。

だから玖城が居てくれたからここに居るんだよ」

 

「…はんっ」

 

 しかしその言葉に俺は首を縦には触れない。

結果はどうあれあの戦いのせいで色々壊れたものがあり過ぎた。

 

「それだけ先に伝えたかったんだ。それで本題はここから。」

 

「……」

 

「今晩、美鶴さんが寮に来るんだ。その時に四階に来て欲しいんだ。」

 

「四階?彼処入れないだろ?」

 

 寮の4階には封鎖された部屋があったのを覚えている。

俺が入寮した時にはもう既に封鎖されていたはずだ。

 

「前まではね、でも今日から入れるよ。

綾崎さんにはもう伝えてあるから、じゃ、また寮で」

 

 そう言って天田は先に屋上から降りていった。

屋上に今残ってるのは俺1人…か。

 

「…………」

 

 屋上から見える海やその反対の巌戸台の街並み。

それを見つめているとふとある衝動に駆られる。

 

『死ね、死ねぇ!!!呼吸をしていいと誰が言ったァ!!!!』

 

 

「────っ!?」

 

 その瞬間意識が飛んでいたことに気がつく。

そして自分が屋上の今手すりを乗り越えようとしている状況に気がついて急いで手すりから離れて屋上のど真ん中で尻餅をつく。

 

「………くそっ…くそっクソっくっっっっそぉぉおおお!!!!」

 

 そして自分が何をしようとしたかに気が付いて拳を床に叩きつける。

 

───────────

 

 そして寮へと戻る道の途中。

自身の身を襲った抗いようの無いほどの強烈な自壊衝動を体感して精神的疲労が募る。

 そして腹も減ってきた。

駅で購入した水を飲むことでそれは紛らわせて居るもののやはり精神はさらに摩耗している。

 

 こんな状態があとどれだけ続くのかと思案した瞬間何かにぶつかって倒れ込む。

 

「ぅっ……す、すいませ…ぁっ」

 

 そして自分が何にぶつかったのかを見て絶句してその場から走って逃げ出してしまった。

 

 でかい月、道を埋める棺の群れ、一目で異質とわかる世界。

また来てしまったと錯乱する。

 

 嫌だ怖い助けて殺したくない。

 

 そのような叫びを撒き散らしながら巌戸台の中を走り回った。

走って走って走って走って、息も絶え絶えで足を止めた場所は朝立ち寄った長鳴神社だった。

 

 そしてそこに蠢く黒い何かを視界に捉える。

 

「な、なんだアレ」

 

 明らかに人では無い、黒い黒い何か。

それを見た瞬間から震えが止まらない。

 

 そしてその化け物が此方に気が付く。

そしてそれは脇目も振らずに此方に襲いかかってきて

 

「…………くくく、くくくはははははは、ペルソナァァァァァ」

 俺はなんの躊躇いもなく、持参していた召喚器を使ってペルソナを召喚している現状に酔いしれた。

 

 メサイア・影神の召喚に伴い目の前の化け物と同じような存在が至る所から湧き出てくる。

その光景に普通のペルソナ使いならば臆するのだろうが、今の俺にそんな感情は一切無い。

殺してやる、滅ぼしてやる、見つけたぞ屑が、呼吸をするな世界が腐る。

 

 さぁ殺戮の荒野を創造しよう。

 

 

───────────────

 

「はははははは、ははははははははははははははははははははははは!!!!!

ァァッ!殺してぇ滅ぼしてぇ!!!ははははははははははは

 

 斬って殴って蹴り飛ばす、押し倒し掴んで縊り殺す。

てめぇもてめぇも貴様も貴様も一人残らず滅ぼしてやる!!」

 

 玖城のそんな言葉が影時間の中に響き渡る。

 

 そんな光景を寮から異変を察知して飛び出した天田とそれに着いてきたコロマル、綾崎、

そして巌戸台寮に向かっていた途中で影時間の発現を確認し走っていた美鶴が目の当たりにする。。

 

 玖城が湧き続ける化け物、シャドウの群れを相手に殺戮を繰り返すその姿に皆は共に戦慄した。

 

そして玖城が最後のシャドウをペルソナを使わず己の膂力のみで絞め殺す。

 

 その瞬間玖城は自身のペルソナと共に叫喚する。

 

 その声は総てに怒り、総てに憎悪している。

その姿は玖城が夢で見たあの戦士と非常に酷似しており、自身に近寄る気配を感じてその憎悪と憤怒が渦巻き爆発する眼光を向け────

 

──頬に強烈な殴打を受けてそれらが消え去る。

 

「ぇ……ぁ…」

 

 殴られた。

それをきっかけにぐちゃぐちゃになっていた玖城の思考が正常になっていく。

 そして自身を殴った相手の顔を見る。

 

「……みつ…姉」

 

 そして美鶴が呆然とする玖城を泣きながら抱き締める。

 

「すまない、すまない…すまない…ごめん…樹下…」

 

 みつ…姉………そんな顔しないでくれよ…やめてくれ…そんな顔………見たくねぇよ俺。

 

 みつ姉の腕の中…暖かい…安心する。

今までのことが全部夢なんじゃないかと思う程に落ち着く。

 

「…………」

「……樹下…」

 

 美鶴の腕の中で眠る玖城。その寝顔はここ数日の中で最も穏やかなものだ。

 

──────────

 

 美鶴が玖城をおぶって歩き出す。

美鶴に伝わる玖城の重さはとても弱々しく、身体的に酷く衰弱しているのがよくわかって泣きそうになる。

 

「美鶴さん…玖城はもしかして」

 

「あぁ、私も把握していなかったが、どうやら制御しきれていないらしい。」

 

「玖城…私がロビーにいても気づいてなかった…もしかしてあの時からずっと…」

 

 三者三様に玖城の意識回復からの様子を思い出す。

今思えばその行動や言動の至る所に限界を示すものがあったのかもしれないと。

 

 しかしそんな思案を許さない状況が訪れる。

 

「……っ!美鶴さん…!」

 

「……あぁ、囲まれたようだ…っ!」

 

周囲を取り囲む黒服達。

 

「く、エルゴノミクスめ、こんなタイミングでとは…まさか測っていたのか…!?」

 

「綾崎さん、戦える?」

 

「こんな状況じゃ、やらないなんて無理でしょ?

大丈夫、さっきの玖城に比べたら…!」

 

そして一斉に襲いかかる黒服の集団。

 

「っ!!カーラ・ネミ!!」

 

 迫るそれらに対し天田がペルソナ、カーラ・ネミを以て相対する。

その隙に美鶴は玖城を背負ったまま走り出しその後をコロマルが続いて護衛となる。

 

 カーラ・ネミの電撃属性の魔法が発動されて黒服達の接近を妨げつつ、その後ろで召喚器を手に持って前を睨む綾崎が居る。

 

「玖城だってあんな状態でも頑張ってたんだ、私だって!!来て!ペルソナ!!」

 

 そしてトリガーを引きペルソナの召喚を果たす。

綾崎が召喚したペルソナは白と緑を基調とした色合いに逆立つ白髪のの女人型。

その両手には共に大鎌を備えており、その鎌の色は赤とオレンジを織り交ぜている。

 

「お願い、今ここで戦う力を貸して!オグニイェナ!!」

 

 その言葉と共に両手の大鎌を旋回させ炎を撒き散らすペルソナ・オグニイェナ。

 雷と炎の双璧により黒服達は為す術無しと思われたが、その全員が懐より召喚器を取り出したのを見て天田と綾崎両名に緊張が走る。

 

 そしてその全員がペルソナを同時に召喚、それらは全て同じ姿をしており、黒と白の色合いに人型と言うシンプルなものであった。

 

「く、コイツら…!」

 

「こんな数を相手にするの…!?」

 

 そしてその全てから放たれる無属性のエネルギー弾が天田と綾崎を吹き飛ばし美鶴とコロマルの元まで届かせる。

 

「っ!ワゥッワン!!!グルルルルルル」

「天田!綾崎!!……っ!?ぐぁああっ!!!」

 

 そして同様の攻撃が美鶴とコロマルにも注がれ吹き飛ばされ、玖城は美鶴から離れた場所に落ちる。

 

────────

 

 全身に走る痛みに目が覚める。

目を開き倒れる身体を起こして目に入るのは傷だらけで倒れる美鶴、そしてそれに付随するように傷ついている天田、綾崎、コロマル。

 

 そして今まさに再び攻撃を仕掛けようとしている黒服の集団を見て玖城の全身が震える。

 

また殺すことになることへの恐怖(歓喜)が彼の脳裏と精神を満たしていく。

歯がガチガチと音を鳴らす、手が自身の召喚器へと伸びて行き───

 

「ダメ…っ!」

 

 その手を掴んで止める綾崎がいた。

 

「ダメ…玖城は戦わないで良いから、大丈夫、私達はまだ負けてないから…っ」

 

 そして立ち上がる綾崎は再びオグニイェナを召喚し立ち向かう。

しかし圧倒的物量の前にオグニイェナは撃墜、そのダメージが綾崎へとフィードバックされてその場に崩れ落ちる。

 

「綾崎!!」

 

 崩れ落ちる綾崎を抱きとめ、その身体から滲む血が手に付着する。

その血を見た時、身体から震えが止まった。狂いそうだった心が鎮まった。

 

「き、樹下…!」

 

「っ……玖城…」

 

 そして傷つきながらも此方へと手を伸ばすみつ姉と天田、そして

 

「クゥーン……」

 

 その前足を膝に載せてくる傷だらけのコロマルを見た瞬間

 

 俺は完全にブチ切れた。

 

「っ……ぐっぉぉぉおおおぉぉおおおおおお」

 

 慟哭。

この現状に対する怒りと、自分の精神的な弱さに対する情けなさから来るそれはその場の総ての注意を引く。

 

 そして気を失った綾崎をその場に寝かせて立ち上がり前に出る。

 

 脳裏で声が響く。

 

    (行くのか、小僧)

 

 いつかの夢の中の戦士の声だ。

確かにこの世界は敵と敵の敵だけなのかもしれない。

 

 然しだからといって、敵の敵でしか無いとはいえ。

 

「俺の事をこんなにも思ってくれる奴らを、見捨てて見殺しにして平気で狂って居られるような外道になるのだけはゴメンなんだよ!!!!」

 

そして召喚器をコメカミに突きつけ叫ぶ。

 

「分かったらてめぇの力を貸せ!!無慙無愧だろぉがなんだろぉが付き合ってやる!!俺は俺のやりたいようにやる!!今俺が悔いずに恥じずにやりたいと思うのは!!

 

 コイツらから俺の大切な奴らを守ることだ!!!」

 

 そしてトリガーが引かれペルソナが召喚される。

 

 

(成程…それがお前の罪の形か、まぁ好きにしろ小僧。

お前に俺が使えるのなら使ってみせるがいい)

 

「使って見せろだァ?偉そうに言いやがって、テメェは俺に黙って着いてこい!!!

メサイア・影神!!!!」

 

 そして玖城とペルソナの叫喚が再び影時間の闇の中に響き渡る。

今回は殺戮の為の狂気ではなく、守る為の狂気だ!!!!

 

 そして顕現する冥府魔道の救世主。

その姿は以前と同様酷く荒み狂気に満ちていても、それが発していた無差別な怒りと憎悪は収束している。

 

 そしてその力の対象はただ一点。

 

「テメェら何俺の大事な奴らに手ぇ出してんだ、殺すぞ!!!」

 

 極大の殺意をもって黒服達全員をその一撃、発火現象や放熱現象を伴わない物理法則外の純粋な爆発現象をもって諸共に吹き飛ばす。

 

その魔法の属性は爆発属性。

 

「ギガオン!!!!」

 

 その一撃は纏まっていた黒服を強制的に散開させる程の威力を持っておりこれにより黒服達の連携が取れなくなったところをメサイア・影神が超接近、その拳から放たれる殴打の一撃を以て1人、また一人と意識を刈り取っていく。

 

 そして仮にメサイア・影神へと反撃や迎撃のための無属性エネルギー弾が放たれようとも血濡れの大剣を振るい裁断することで無効化、後に急接近しカウンターの拳を決めて気絶させていく。

 

 そして

 

「これで、ラストォ!!!!」

 

 最後の一人の首をメサイア・影神が締め上げて失神させれば地面に捨てる。

 

 玖城はこの圧倒的とも言える物量差をたった一人で鎮圧し、その瞬間膝を着く。

 

 そして気絶している綾崎の頭を自身の膝に乗せてその頭を撫で、そのまま玖城も同様に気を失うのだった。

 

─────────────

 

「小僧」

 

 その声に意識のみが覚醒する。

声の主は俺の夢に出てきたあの戦士であり、メサイア・影神の思念そのものだ。

 

「小僧とはまた結構な言い方だな、一応お前俺だろ?」

 

「今はだがな。

しかし随分と無茶をするものだ、本来殺戮の俺の力をまさかあのような寸止めで使うとはな」

 

「なんだ?感心してんのか?呆れてんのか?」

 

「さぁな」

 

煮え切らないメサイア・影神の言葉にムッとするも、すぐに失笑する。

 

「それだ」

 

「あん?」

 

「お前は近頃その失笑をしていなかった。

俺の影響から来るものだろうが、出てきているのなら問題無いだろう。」

 

「いや元はと言えばお前の」

 

「貫いて見せろ」

 

 その言葉に俺は目を見開き、自然と首を縦に振っていた。

 

「恥じるな悔いるな、無慙無愧。お前の罪と罰、時が来るまで見続けてやる」

 

─────────────

 

 意識だけでなく感覚も覚醒する、おそらくまた気絶していたんだろう。

 

そして感覚が戻ったことを確認するために手を動かせば伝わる柔らかい感触。

 

「んっ…ちょっと…ダメ」

 

 綾崎の声が聞こえるが、やけに色っぽい…俺は目を開いて現状を確認する。

 

 目の前にある紅潮した綾崎の顔、そして綾崎の体を抱き締める弄る俺の現状。

 

 天田は目を背け、みつ姉はやれやれという顔、コロマルは…わからん。

 

 さてこの状況から推測される次に起こることに対して俺ができることといえば。

 

 歯を食いしばることだk「このド変態がァァああああああああぁぁぁ!!!」

 

 そして影時間の闇の中に何度目かの音として綾崎の叫びと頬を打つ音が響く。

 

  頬、明日腫れてるなこれ

 

───────────────

 

「ようこそ、我がベルベットルームへ」

 

 青い壁、青い床、青い座席に青い机、風景は黒一色のこの空間、ベルベットルームでまた長い鼻の老人と顔を合わせる。

 

「ふふふ、男子3日会わねば刮目してみよとはよく言ったものですな。

お客人は随分とこの数日で逞しくなられたご様子。」

 

 こちらの成長がさぞ嬉しいことのように老人は笑う。

 

「そういえば、自己紹介がまだでしたな。

わたくしの名はイゴール、以後お見知りおきを、そして此方に居るのは」

 

「エルフリーデでございます。

主共々お客人のお手伝いをさせていただきます。」

 

 黄色い瞳に後ろで束ねられた長い銀髪。青い正装に身を包んだ女性は礼儀正しく頭を下げてきた。

 

「さて、貴方は自身のお目覚めになられた力と向き合い、上手く順応したご様子。

これでいよいよ、貴方に降かかる困難への備えの第1段階が出来ましたな。」

 

 第1段階…アレでか。

自身が体験したあの地獄がまだ始まりだと言うのか。

 

「我々はその困難に立ち向かう客人の手助けを行うものです。

そしてこの先に進まれる貴方に一つアドバイスを差し上げます。

 

 ペルソナとは己の心の鎧、精神の物質化という名の力であり、その強化は多くの絆によって行われるものです。

 コミュニティの力は必ずや貴方をこの先の困難や無明の絶望へ打ち勝つ為の剣となることでしょう。

 

 さて、それでは貴方の物語は次の段階へと進むご様子。

おそらくまた近いうちに貴方はここへと訪れるでしょう。

その時を我々は心待ちにさせていただきます。

 

 ではその時まで、ごきげんよう。」




綾崎凛

基本情報
年齢 16歳
性別 女性
誕生日 8月30日
学校 月光館学園高等部
クラス E組(天田と同じクラス)
居住地 巌戸台寮(玖城と同じ寮)

外見
身長 平均的な女子高校生の身長
体型 普通体型
髪色 明るい緑色
目 緑色
服装 個性的でカジュアルなスタイルを好む。学校生活ではブレザーの下に白色のカーディガンを着用。

性格
明るくて元気、でも芯が強い。玖城に対してツッコミを入れることが多い。
状況に応じて臨機応変さを発揮し、友人を守る。
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