PERSONA EPISODE of SHADOW WORKER   作:漆竜 黒鍵 

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 荒れ果てた巌戸台寮、テーブルはなぎ倒され棚に置かれていた皿は地面に散乱としている。

 そして床に転がる空き缶空き缶缶缶缶…………その全てが余すことなく二十歳以下厳禁のdrink

 そしてそのど真ん中には3人の人物が温め合うように寄り添って眠っている。

 それを我関せずで見守る赤い目の忠犬。

 こんなヤツらでも彼の仲間であることには変わらないが

「ワフ……」

 見守る気力もない様だ。

 酒の匂いは犬にとっては激臭に近い、彼は普段は登らない階段を登り4回の部屋の前で眠ることにした。


総てに翻弄され踠き苦しみ進む愚者、総てを破綻させ抱腹し嘲笑う道化師。 中編

「塩の砂のように純白であれ、罪や穢れの一切を浄化する。」

 

 眠りについたことを目の前の光景で理解する。

 

  目の前にいる白い髪に身なりのいい純白のスーツとコートを纏う男の姿を見てこれが以前から続く夢の続きであると理解する。

 

 誠実で神聖、しかしその男には傲慢な思想が見えていた。

 

「愚かなり、天主たる神は既に腐っている。落ちている。穢れている。

故にその席には私こそが相応しい」

 

 男は科学者だった。その世界において非常に優れ、そして同時に何処までも傲慢で、自分こそが神であるに相応しいと微塵も疑うことがない。

 

 かつて見た黒い甲冑の狂気の騎士と同じ、無慙無愧。

 

 纏う雰囲気も吐き出す言葉もまき散らす影響も何もかもが違うのにこの白い男はあの狂気の騎士と根本が同じなのだ。

 

 故にこのふたりが世界の果てで出会うのもある意味必然。

 

 親子の宿命なのか、子が親を超えるという様式美なのか、理屈は色々あるんだろうが、それを外から見るだけの俺には何も分からない。

 

「ようこそ   ・     。お前のことはよく知っている。

 俺の名は  お前たちの祖に当たるものだ。

 

 そしてお前達が俺を殺すというのなら俺とは違うやり方で望む地平を目指せ、そうでなければ何も変わらないのだからな。」

 

黒の騎士だった男が白の科学者に語りかけ

 

「成程、やはり私の目に狂いは無かった、やはり我らの父は腐っている。

 良いだろう。お前を排す為ならば仕方ない、私は私のやり方で全ての悪を浄化する。」

 

 白の科学者が黒の騎士だったら男に返す。

 

 悪の浄化、ある種狂気の騎士と同じ思想を持っている子の塩の純白を持つ科学者はその一点こそが騎士と同じなのだ。

 

 そしてその白塩の科学者がいつの間にか認識するはずのない俺を見続けている。

 

「さて、次はお前だ、私の中から私を見ている少年よ。

 お前がどのような道を辿り悪滅を成すか、我等が父と共に見届けてやろう。」

 

─────────────────────

 

「ふがっ、?」

 

 目が覚める、夢の内容は今回も鮮明に覚えている。

 

 目が覚めたのだから起きよう。そして風呂に入ろうとして身体が動かない。

 

 自分の身体をよく見れば全身に巻き付く鎖、これが以前俺をもがき苦しむ状態に陥れたラビリスのチェーンナックルの鎖だと解る。

 そしてそのラビリス自体も俺に抱きついて離れない。

 

 そして同時にラビリスとは反対側からも圧力を感じる、そちら側を見ると服が半分はだけてる状態の綾崎が俺の腹に頭を乗せて眠っている。

 

 クソこいつ、俺にヨダレを垂らしてやがる……。

 

 ダメだ記憶が曖昧だ……確か俺がコイツらのあんまり過ぎる仕打ちにブチ切れたんだったな……。

 そこからの記憶が無い。そしてため息を吐くと自身の息が酒臭いのを感じる。

 

 まさか俺呑んだのか?

 

 よくよく匂いたどると俺だけでなく綾崎からも匂いが漂ってくる。

 

 まさか未成年飲酒か?なんということか……ってラビリスの奴迄酔ってたのか!?場酔いってやつか……?

 

 そして俺らに酒を飲ませたであろう張本人の気配はない、寮内のどこにも。

 

 ロビーで子供が眠ってるのに放置して帰ったんかあの女!?

 

「大人としてどうなんだ……っ……頭いてぇ……」

 

 どうせ綾崎もラビリスも起きる気配ないし、テレジアももう自室に戻ってるみたいだし……仕方ないかぁ……

 

「寝よ」

 

 そして再び目を閉じればものの数秒で意識は闇の中に沈んで行った。

 

────────────────────────

 

 時間は経ち4月30日水曜日。

 

 4月最終日ということでゴールデンウィークまでの3日間の勤勉に対して不満を述べる学生達に紛れ、俺と綾崎は頭痛に悩まされながら登校する。

 

クソ……安酒だったか……。

 

「ダメだ玖城私今日サボる無理頭痛い……」

 

「ダメだ耐えろ……変にサボったりしたらみつ姉に何言われるかわかんねぇぞ……。

 あの人元生徒会長だからまじでその辺に厳しいからな……」

 

「ぐぇぇぇ…………」

 

 玄関を通過し下駄箱近くに設置されている冷水機で互いに代わる代わる

何度も水を飲んで漸く気分が落ち着いてくる。

 

 そんな様子を面白おかしく購買から眺める女がいる。

 

 あのババァ…………

 

「玖城、テレジアからパンツァーファウスト借りてきてくんない?あのババァ殺そうマジで」

 

「激しく俺もそうしたいが学校だ諦めろ」

 

 俺たちは購買部からニヤニヤ眺め続ける真千琉を人を殺せそうなほどの怒気を込めて睨みながら一年の教室棟へと歩いていく。

 

 綾崎はE組に向かい俺はF組、教室に入ればもはや恒例のメンバーが俺の席に集合している。

 

「おはよう玖城くん」

 

「やぁ玖城くん」

 

「遅刻ギリギリだぞぉ」

 

「お前は相変わらず元気で来るの早いな雨瀬、早死するぞ」

 

「また言ったねそれ!?」

 

 普通に挨拶をしてくれた緒方さんと倉橋くんには会釈を返し席に着く。

 

 早死しそうな雨瀬はワイワイギャーギャーと騒いでるが頭が痛いので適当にあしらう。

 

 ダメだ無理頭まじで痛い、雨瀬が喧しいが俺はそのまま机に突っ伏し目を閉じる。

 

 

 

 ────────────────

 

 そしてホームルームが終わったらしい、やべ完全に寝てた。

 

 一限の開始迄に倉橋くんか緒方さんに何が重要な連絡が無いか聞こうと顔を上げたら深緑の瞳とかち合う。

 赤い髪、深緑の瞳と来てそれが誰なのかは一瞬でわかる。

 

「なんでいるテレジア」

 

「今日からF組に編入するからです玖城さん、いえ玖城クラスメイト」

 

「長い」

 

 その様子に倉橋がやはりと頷く。

「二人は知り合いだったのか。いやそうか、同じ寮だもんな。」

 

「でも珍しいよね、男女共同の寮って、うちなんて女子だけだから毎晩騒がしいもん」

 と倉橋くんと緒方さんが話している一方雨瀬は次の準備の用意と何かメモを書いており、書き終わったのかそれを俺に渡してくる。

 

「これ連絡事項、も〜玖城ってば何しても起きないから私まで先生に怒られたじゃんか。」

 

「悪ぃ、後でジュース奢るわ」

 

 そう言ってメモを受け取って確認する。

 

 どうやらF組とE組にそれぞれ転校生が来たようだ。こっちにテレジアってことはもう片方はラビリスだな。

 

 ──────────────────────

 

同時刻巌戸台寮

 

「はぁぁぁぁ………」

 

 ロビーにて響くため息。それもそうだ、コロマルが居るとはいえ現在寮に居るのはラビリス1人。

 その様子を見兼ねたのかコロマルがラビリスの周囲でくるくると周り。

 

「クゥーン……ワン」

 

「わかってるんやけどね……それでもうちも学校行きたかったもん……」

 

以前八十稲羽での一件の際幻とはいえ体験した八十神高校の生徒としての一時、アレは本当に新鮮で楽しかった。

 色々あったが学校に行ってみたいというのはそれを鑑みれば当然だろう。

 

「それに樹下くんの勉強してるとこも見れるかもやし……隣の席とかでメガネをクイクイやって授業受けてるんやろなぁ……」

 

 その言葉を聞いた瞬間コロマルは呆れたのかため息のような短い鳴き声を放ちラビリスの元から離れる

 

 ──────────────────────

 

 俺は眠気眼のまま一限の準備を始める。

 

 確か一限は現代文だっけ……確か担任は鳥海教諭か。

 

「今日は4月30日……数合わせで7番……うっわ私当てられるんじゃ……」

 

 前の席の緒方さんからそんな声を聞きつつ予鈴がなり教室のドアが開けられる。

 本鈴前に鳥海教諭が入ってくることはまず無い、故に教室中の目がそちらへ向きその人物が誰かを認識すれば一気に静寂が訪れる。

 

「………ンだよ、なんか言いてぇ事でも?」

 

 青い髪、後ろ髪はやや持ち上げ気味でまとめ上げられており俗に言う盛りスタイルと言うやつか。

 そして顔した半分を覆う黒いマスクを降ろしながら周囲を睨む少女は久遠冬祈、俺は中等部三年の時にも同じクラスだった。

 

 彼女の睨みと声に対して誰も反応しない、目を合わせようともしていない。

 

「はんっ、根性無し共がよ……」

 

 そう悪態を着きながら久遠は自身の席に鞄を叩きつけ椅子にどっかりと座り込む。

 

「……こっわ……玖城……あの人」

 

「ん?あぁアイツは中学の時からあぁだよ、名前は久遠冬祈って言って「おい玖城!!!」

 

雨瀬に久遠のことを説明しようとしていたら当の本人から大声で呼び掛けられる。

 

「個人情報だぜ?」

 

「別に名前くらいいいじゃねぇかよ」

 

「アァ?」

 

…………くそ

 

「わかったよ、ったく。

 すまんな、姫はご機嫌が悪いらしい、知りたいなら自分で調べてくれ。」

 

「わ、わかった……」

 

 雨瀬に会釈で詫びながら再び授業の準備に戻る。

 

 そして本鈴の後一限が始まる。

 

 

 

 

「ってことで最近の若い子達の話し方聞いてるとほんと先生頭痛くなるわ、特に本来の意味とは違うのを使ってたりね。

 失笑とかその最たる例よ?みんなも気づかないうちに使ってると思うわよ?

 そうね、1回確認してみようかしら……じゃぁ良く遅刻してしまう久遠さん、失笑の意味答えてみて」

 

「はぁ?なんで私が……ったく……」

 

 そう言いながら斜め左前の席俺に対して答えを教えろと言うような睨みをしてくる。

 

はぁ………………

 

 仕方なく俺は答えの書いた紙を久遠の足下に投げ滑り込ませる。大丈夫、鳥海教諭にはバレてない。

 

「ァ………あぁそうそう、思わず笑っちまうって意味っスねぇ」

 

 それを目線を下げるだけで確認した久遠が回答する。

 

「そうよその通り、なんだ意外と物知りなのね。

 失笑って言葉は本来は思わず笑ってしまうや不意に吹き出してしまうって事よ。

 最近だと笑いが止まるとか笑えないって意味だと勘違いしてる人多いから気をつけるのよ」

 

 周囲がざわめく

 

「今の玖城くんが教えてたんだってさ」

 

「うっわ、やっさしいな玖城」

 

 クラスメイトからの評判が少し上がった気がする。

 

─────────────────────

 

 昼休み

 

 学生達が皆持ち寄った弁当や購買のパンなどを食している時間、そして今の俺にとっては食事を取れないという現状なので拷問的な時間となる。

 

 余計に腹が減る、しかし食えないということがこれ程のストレスになるとは4月7日以前の俺からしたら想像も出来なかったことだ。

 

 四限の終了と共に俺は教室から退室し、今は本校舎と運動部活動棟を繋ぐ渡り廊下から行ける去年建てられたらしい新校舎、その脇から入ることの出来る中庭の柿の木の下で寝転んでいる。

 日当たりが良く、されど柿の木や周囲の木々によって影が作られており、4月の陽気を最も程よく保っている。

 

 しかしこの中庭は他の校舎とのアクセスは良いが、自販機やトイレなどへ行くのは不便な為昼休みにここで昼食を摂る人間は所謂一匹狼気質な奴が多い。

 

 

 

 

 そう……一匹狼気質な奴がよく使うことを失念していたので柿の木を挟んだ反対側には我等1年F組一匹狼代表、久遠冬祈がアンパンと牛乳、そして苺1パックを貪っている。

 

「ハンっ、湿気たツラ見ながら飯食う羽目になるとはな。来るんじゃなかったぜ、飯が不味くなる」

 

「るっせぇな……ならどっか行けよ久遠」

 

「は?ここは私のお気に入りなんだよお前がどっか行け」

 

「嫌だね。大人しく不味い飯食ってろスットコドッコイ」

 

 久遠と共に互いに罵りあい時間が消化していく。

 

 クソ、あんぱんはどうでもいいけど苺を噛む音が耳に届くのはキツイな………。

 

「つか」

 

 罵りあいに飽きたのか久遠の声のトーンが切り替わる。

 

 ちっ、罵りあってりゃ気が紛れたのに……

 

「お前のことあの赤髪の転校生?が探してたぞ」

 

 赤髪………?該当する赤髪の転校生が二人いるんだが………

 

「どっちだ?」

 

「今日転校してきたって言う赤髪の外人だっつの。」

 

 テレジアの方か……、あーアイツのこと案内するって名目で飯から逃げることもできたじゃねぇか……忘れてたわ。

 

「聞いても動く気配なしかよ、性根悪いなお前」

 

「高等部の入学式サボった挙句毎日のように遅刻してるお前には言われたかねぇよ不良少女が。

 つかよ久遠、お前こそどうしたんだよ?今日もどうせほんとは昼くらいから来るつもりだったろ?なんかあったんか」

 

「別に……なんでもねぇよ。

 ただ単に姉貴に釘刺されただけなのと、昨日の夜中の間色々準備してて寝付きが悪かっただけだ」

 

「準備?」

「お前に言う必要はねぇ」

 

せやね。

 

 なんの準備かは知らねぇが、こいつの事だしそうそうやばいところに行くことは無いだろう。

 その辺の分別は俺らよりもちゃんとしてたはずだ。

 

 等と考えていれば柿の木の反対側から久遠が立ち上がる音が聞こえる。

 

「もう行くのか?昼休みまだあるだろ」

 

「昼ギリだと姉貴が帰るんだよ。

 その前じゃねぇとゴミ渡せずに自分でどっか寄って捨てなきゃなんねぇし。」

 

 ふーん……ん?てことは今久遠の姉貴がこの学校の中にいるのか………あれ?

 

「お前の苗字久遠だよな?」

 

「中等部の時から人を散々その苗字で呼んどいて今更何聞いてんだお前、ボケたか?」

 

「お前の姉貴って真千琉って名前か?」

 

「なんで知ってんだお前!?まさか狙ってんのか!?」

 

「趣味じゃねぇよあんなババア!!!」

 

でも朝は狙っていたな、命を。

 

「おま!?人の姉貴捕まえといてババアはねぇだろババアは!!!」

 

「ババアはババアだろうが!うちの親戚と同級生らしいから23か!?にしちゃ随分老けてますねぇ!!!」

 

「てめぇ玖城立ちやがれ!!人の姉貴そこまで言ったんだ、ぶん殴られる覚悟できてんだろぉな!?」

 

「やってみろや!!言っとくが反撃されねぇと思うなよ!?俺は男だろうが女だろうが子供だろうが爺婆だろうが敵になるなら容赦なく開幕でドロップキックぶちかますからな!!!!」

 

    しばらく後

 

「玖城さん……なぜそんなにボロボロに」

 

「黙秘権」

 

「久遠さんも」

 

「プライバシー」

 

 俺と久遠の状態の理由を聞くテレジアだが俺達の態度から聞くのは無理だと諦めたようだ。

 

 テレジアが俺の傍に寄ってきて小声で話しかけてくる。

 

「玖城さん……あの、食事は」

 

「いつも通り、食ってねぇ。」

 

 そんな様子を見ていた久遠が大きな声を出す。

 

「オーオー女相手に初発ドロップキック決めた玖城くんは女侍らせてさぞ充実しておりますなぁ!!!」

 

 教室がざわめく、俺の評判が落ちた気がする。

 

────────────────────────

 

 

 そして放課後、久遠は我先にと教室を飛び出す。

 

 あいつの事だ、どうせまた巌戸台の居酒屋でバイトだろう。

 

「じゃぁお先に」

 

「また明日ね」

 

 倉橋くんと緒方さんも自分達の部活に向かう。

 

「ぐへへ、今日はついにワックで新作バーガーが出る!あ、バイバイ玖城、テレジアさんも」

 

 そしてぐへぐへ笑いながら雨瀬が教室から出ていき、気がつけば教室には俺とテレジアだけが残される。

 

「あの、玖城さんは久遠冬祈さんが嫌いですか?」

 

 聞かれるとは思ってたが直球だな、しかしその回答には特に困らない。

 

「いや?寧ろ好ましい部類だよ」

 

「では何故あの様に喧嘩をするのですか?」

 

 ………ふむ

 

「簡単な話だ。俺とアイツは相性が悪い、水と油なんかよりも余っ程な」

 

「相性ですか……?」

 

「そう、相性だ。ぶっちゃけた話俺とアイツは多分似てるんだよ。人間性っていうか性根って言うか、多分そう言う本質的なとこで」

 

「分かりません……似ているというのなら互いに補い合え相性が良くなりそうなのに。」

 

「そうだな、大体はそうなのかもしれない。

 でも俺とアイツの場合似てるからダメなんだよ。」

 

 そこで1度自分の唾液で口内を潤す、こういう話はあまり得意じゃない。

 

「俺もアイツも実の所自分のことが嫌いなんだよ。

 だから自分に似てる相手に対してその嫌悪を向ける、同族嫌悪って言うやつだ。

 だから俺とアイツは互いが互いを好ましく感じることがあっても嫌悪の対象として捉えてしまう、だから相性が悪いんだ。」

 

「よく分かりません」

 

「まぁ人間ってやつの面倒くささよ、ほら帰ろうぜ」

 

 そう言って俺は荷物を手に持って教室を出る、テレジアも自身の荷物を持ち後に続く。

 

 下校や部活への参加等で先程まで賑わっていた廊下も俺達ふたりの会話中にその喧騒を終えている。

 

 その中を俺達は二人だけで歩き始める。

 

    そういえば

 

「E組の転校生ってラビリスだろ?ならついでにラビリスや綾崎、天田も回収して全員で帰るか」

 

「?いえ、今回月光館学園に編入したの私だけです。お姉ちゃんは寮で待機しているはずです」

 

「何?」

 

 その疑問を抱いた瞬間俺の左半身に走る鋭い痛み、それに顔を顰めてその場で倒れると同時にE組の廊下側の窓の1枚が粉砕する音が遅れて届き同時に不愉快な声が俺の耳に届いた。

 

「よぉ玖城、久しぶりだな」

 

 左腕、左肩、左足、そして左頬に刺さるガラス片。

 

 窓ガラスが割られ飛散することで起こった自身の損傷の痛みと届くこの声を俺は知っている。

 

 なんでてめぇがここに居やがる……

 

「………っ……」

 

「なんだァ?懐かしくて声も出せねぇか?こりゃいいや幼馴染冥利に尽きるぜ」

 

 そう言ってソイツは俺の左肩を踏むように蹴りつける。

 

 服の上に刺さっていたガラス片が肉に突き刺さるのを感じる。

 

 俺は此方に近づこうとするテレジアを右手を翳し制止する。

 

 お前が関わったら最悪死人が出るだろぉが……

 

「ァん?おいおい女連れだったのかよ、玖城お前女には興味無いとか言ってなかったか?」

 

「…………」

 

俺は肩を踏み続けるそいつの足を払い除けその場にゆっくりと立ち上がる。

 

「いってぇなぁ………」

 

 ガラス片や自分の血で汚れた制服を眺めているとどす黒い感情が湧くのを感じる。

「しかしこの学校は退屈だなぁ、窮屈だ。煙草1本吸うのも出来やしねぇ。 

 なぁ玖城、お前煙草持ってるやつに心当たりないか?昔から俺らみてぇなのに好かれやすいお前だ、一人二人そういう知り合いがいても「うるっせぇよごちゃごちゃと、そもそも誰さんでしたっけ?いちいち名無しのモブ風情覚えてねぇぞ」……」

 

「第一煙草なんぞ普通の学校じゃ吸えるわけねぇだろ。消えろ狂犬馬鹿、そんなに暴れてぇなら田舎に帰れ」

 

「そう言うなよ玖城、また俺らで仲良く暴れて殺し合おうや!!!」

 

 そう言ってソイツは狂った笑顔で俺に殴りかかってくる。

 

 嗚呼ダメだわァ……コイツ殺してやりてぇわ。

 

 そう思考した刹那俺は行動していた。

 

「げぇぁっ!?」

 

 そいつの拳を避けて左手でその腕を、そして右手でソイツの首を掴めばそのまま推し進む。

 

 E組の引き戸をそのまま突き破り更に前進。

 

 目指す先は窓、その勢いのまま窓を突き破り外に飛び出し頚椎から地面に叩きつけて息の根を確実に─ ───!!!!!

 

   しかしそれは実行しきれなかった。

 

「ぐっがぁっ!?」

 

 俺の襟首を掴み後ろへ凄まじい力で引っ張る乱入者によって俺の行動は中断、そのまま後ろに引き倒され多くの机を薙ぎ倒す。

 

 そして俺が今確実に殺そうとした奴は窓からの落下こそしないが俺の前進の勢いのままバランスを崩し窓に後頭部を激突させる。

 

 それによって窓は大きくひび割れる。

 

「何しようとしてるんですか玖城さん!!」

 

 俺を止めたそいつ、テレジアは俺の顔を見て怒りを顔に浮かべている。

 その顔を見た時、俺は何故かみつ姉の姿を重ねた。

 

「今何をしようとしたんですか!?それは貴方がやっちゃダメなことでしょう!!」

 

 機械的で人間味の少ないと思っていたテレジアの本気の怒声、それを聞いて今自分がしようと考えていたことを思い出し

 

「うっ……っぐ……」

 

 急激な吐き気を覚え自身の口を右手で抑える。

 

「おい……おいおいおいおい!!何停めてんだ女ァ!!!」

 

 後頭部を窓が大きく割れる程の勢いで激突させた筈の男がそのまますぐに立ち上がりテレジアを睨みつける。

 

「おい玖城!萎えてねぇだろ!?なぁもっとやろうぜ、あの時と一緒だ!本気の殺し合いをやろうぜ、なぁ!!!」

 

   「黙れ!!!!!!」

 

 そして再び響くテレジアの大声に俺だけでなくソイツも息を飲む。

 

「黙れ、何も喋るな。今回のことは全て学校側や貴方の保護者に全て報告します。」

 

「はっ、だからどうした?好きにしやがれ、おい玖城、お前とはまた別の形で絶対に殺し合うぞ。

 

 お前はいつだってそうだった。無害そうな顔しといてその実、俺らのことをいつでも見下してやがった。

 だから嫌いだったんだよてめぇが、だからお前にも生き死にの駆け引きを強要してやるのさ俺は。絶対に殺してやるぞ、玖城樹下」

 

「うるせぇ……てめぇみてぇな狂った馬鹿に付き纏われたくねぇ。

だからもう二度と俺の前に現れるな……南雲李独」

 

 そしてそいつ、南雲は教室の窓を蹴破りそのまま去っていく。

 

 俺もその場で立ち上がり、しかし急激に視界が揺らぎその場に倒れる。

 

「っ!玖城さん!!」

 

 遠のく意識の中、テレジアの声がどうしても

 

 昔泣きそうな顔をしていた時のみつ姉の声と重なる……。

 

─────────────────────────────

 

 

 ……………!

 

「がァァァァ!!!」

 

 意識がはっきりして起き上がる。ここはどこだ……?

 

 当たりを見回せば身体測定器具や視力検査のシート、そして色とりどりの化学薬品。

 

  そして

 

「おや、目を覚ましたかい1年F組玖城樹下くん」

 

「ぎゃぁああああ!?!?」

 

「おいおい人の顔を見てその反応は失礼じゃないかい?」

 

「ぁ、あ、すんません……江戸川先生……」

 

「んー、よろしい、汝また人として歩めると天の意思が語りかけるであろう」

 

 怪しげなことを言ってるが、これでも保健医としての腕は確かだ。俺の腕の出血は既に止血されている。

 

「随分勢いよく血が出てたからね、応急処置で対応出来たけど暫くは安静にして気をつけて帰りなさい。

 お連れの女学生も心配だとさ、ほら帰った帰った」

 

 保健室から出れば(追い出された)目の前にいるテレジアと目が合う。

 

「おいなんだよ……お前そんなキャラじゃないんだからそんな泣きそうな顔して見続けないでくれよ……」

 

「ごめんなさい……けど何故か……こんな悲しくなって……なんででしょうか……」

 

 ………

 

「とりあえず帰ろう、さっきの馬鹿のことは忘れていい。もうお前は関わったらダメだ。」

 

「何故ですか?私許せません……貴方をあんな目に合わせた彼を見逃すなんて」

 

「無駄だ、アイツは南条の……………。

 とにかく手を出すのは不味いんだよ、桐条としての立場じゃな。

だからアイツのことはもう忘れよう。ほら、帰ろうぜ」

 

「はい……」

 

───────────────────────────

 

 ……空気が重い、あとガラスが刺さってたところが痛い……。

 

「つか……これよく考えたら制服ワンセット買い直しじゃんよ……あーくそ……」

 

「…………」

 

 くそ……これが天田か綾崎かラビリスなら乗ってくるのに………ってもう巌戸台の商店街か……

 

「………?」

 

「…………?どうしたテレジア………ん?………なんだあの暖簾がに来なるのか……?」

 

「はい、とても気になります。」

 

 そう言って俺たちふたりが眺めるのは巌戸台商店街のアーケード2階にあるはがくれのラーメン大盛りキャンペーンを知らせる暖簾。

 

   だが

 

「食えるのか?」

 

「……え?あ、はい、食すだけなら問題ありません、後々に体内から自分の手で取り出すことも可能ですし」

 

「そうか…………あー、なら……食ってみるか?」

 

「良いんですか?」

 

「まぁ……心配掛けた詫びってことで。他の奴には内緒な?」

 

 さて、はがくれに入った俺達はとりあえずカウンター席に並んで座る。

 

「へい、らっしゃいってなんだ少年、久しぶりに来たな」

 

「え?あ、どうも」

 

店主に話しかけられて少し焦った、案外覚えてるもんなんだな。

 

「暫く来てなかったから心配してたんだぜ?最後に丼食った時も体調悪そうにしてたしよ。」

 

「えっと、実はあの後からちょっと胃腸やらかしちゃって」

 

「あーそりゃ大変だな……。んで?今日は復帰祝いにデートで此処をってか?デートならもっと他にあるだろぉによぉ?」

 

 いや店長がそれを言うのか!?

 

「いやその、俺まだ調子悪くて、でもコイツがラーメンあんまり食べたことなくて興味あるみたいで、ならラーメンならここかなって思って、デートじゃないっす。」

 

「なーんだデートじゃないのかァ。んじゃご注文は?」

 

「とりあえず特製1つで」

 

「あいよぉ!特製入りまぁす!!!」

 

 厨房へと引っ込む店長を見送ればテレジアが俺に耳打ちしてくる。

 

「えっとすみません玖城さん……変な誤解されちゃいましたね。」

 

「いや構わねぇさ。しかしもっかい聞くが食えるんだよな?無理だったとしても俺食えねぇからな??」

 

「はい、それに関しては問題ありません」

 

 ────────────────────

 

 沈黙が続く。俺とテレジアの間には会話はなく、ただラーメンが作られる音が響く…………あーくそ、食いてぇ……でも食ったら絶対吐くしなぁ……くそ拒食症め…………

 

「すみません……」

 

「……なんで謝るんだよ?」

 

「玖城さんも食べたいはずなのに、私だけ頂くことになったので」

 

「何度も言うが構わねぇよ。それより俺が拒食症だってこと……誰にも言ってないだろうな?」

 

「はい、そこは抜かりなくです。」

 

「ならそれでいいさ。」

 

 そういうと俺は店内に置かれているテレビに目を向ける。

 

《昨日未明、辰己ポートアイランド駅近辺の路地で若者同士の暴力事件が発生、関係者と思われる人物のうち一人が未だ見つかって居ないとの事ですので周辺住民の方はお気をつけください。

 

 続いて明日以降の天気予報です。明日から5月ということもあり、梅雨の時期も手前。湿度などが高くなり洗濯物が乾きにくくなる日が多くなるでしょう。

 しかしゴールデンウィーク中は梅雨入りは本格化はせず、過ごしやすい天気となる予想です。》

 

「へい、特製いっちょ上がり!!

 それと少年、ラーメンの代わりってわけじゃねぇけどコーラをサービスだ、また丼食いに来てくれよ?」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 店長からのコーラを有難く頂き、ラーメンを食い入るように見つめるテレジアを見る。

 

「これがラーメン……これが美味しそうという感情…………」

 

「早く食わねぇと伸びるぞ?」

 

「伸びる?…………!?伸びるのですか!?どれほど長く………!?」

 

「いや伸びるってのはそういう意味じゃ……とにかく出来たてが美味いから早くお食べよ。」

 

「そうですね、では頂きます。」

 

 そういうと箸を器用に使いラーメンを持ち上げ啜る。

 

   !?

 

 余程気に入ったのかテレジアの手が止まることなく進んでいく。

 

 えっと……

 

「テレジア……アレならコーラも飲む?」

 

「んっ、んぐっ……よろしいのですかっ!?」

 

「え、あ、はいどうぞ」

 

「ありがとうございます!!んぐっ……グッ……プハァっ!あむっ!ジュルル……」

 

 す、すごい気に入ったみたいだ……。

 

「……店長、コーラもう一杯」

 

「……え、あ、おう」

 

 ……すごいなコイツ。

 

何処で学んだのか汁まで…………どっかのパーツの隙間から漏れたりしないだろうな?

 

「んっ……んく……プハァ!ご馳走様でした。」

 

 そう言って汁の一滴すら残さず食べ尽くしたテレジアに俺と店長は共に拍手を無意識にしてしまった。

 

「少年……凄い彼女だな……」

 

「はい…………?あ、いや彼女じゃないです。」

 

──────────────────────────

 

 会計を済ませて店を出る。

 

 最近やけに色々なところでお金を使っている気がする、気分のいい使い方だから別に惜しくは無いが。

 

「玖城さん、ご馳走様でした」

 

「いやいいよ、気に入ってくれたなら良かったよ。今度ははがくれ丼を奢ってやるよ」

 

「!?良いのですか?また私と食事をしてもらっても……?」

 

「んー?なんかお前の食いっぷりを見てたらなんか色々味合わせてやりたくなって来たんだよ。

 この商店街は料理屋が多いからな、この表のアーケードだけでも定食屋にバーガー屋、たこ焼き。

 あ、そういや俺は行ったことないけど小豆を使った甘味処もあったな。」

 

「な、なんという……ここがヘブンというものですか!?」

 

 いや大袈裟な……いやでもそうか、初めての体験だもんな。

 

「えっとその……では玖城さん」

 

「おん?」

 

「また一緒に食事に連れて行って貰えますか?」

 

「もちろんだよ」

 

 その時脳裏に声が響く

 

『我は汝、汝は我。

 汝、新たな絆を見出したり。

 汝、悪魔のペルソナを生み出せし時、我ら更なる祝福を与えん』

 

 玖城樹下は新たなコミュニティ、テレジアとの絆である『悪魔』のコミュを手に入れた。

 

「んじゃ帰るか」

 

「はい」

 

──────────────────────────

 

 そして俺達は巌戸台寮に帰宅する。

 

「あ、おかえり…………って!?」

 

「ちょっと玖城あんたどうしたのその左腕!?」

 

 帰宅早々天田と綾崎両名が俺の腕を見て慌て出す。

 

「え、ちょっと何したの!?」

 

「あーなんだろうな、明日お前らのクラス行ったらわかる」

 

「どういうこと!?」

 

 天田と綾崎をとりあえず落ち着かせ、もう一人からの声が聞こえていないことに気がつく。

 

「あの、お姉ちゃんどうしたんですか?」

 

 テレジアも気がついたようで、ロビーの奥のカウンターで一人黄昏ているラビリスに目が向く。

 

「いや、僕達が帰ってきた時にはもうああだったんだよ」

 

「しょんぼりっていうか……ねぇ?」

 

 ふーん、つまり拗ねてるわけか。1人だけ寮に居残りだから。

 

 そして俺はラビリスの傍まで行き隣の椅子に座り、黄昏れるラビリスの顔を覗き込み一言

 

「お客さん、ブブ漬けでも如何どすか?」

 

「それウチに帰れってこと!?」

 

 はい元通り

 

「樹下くんアカンて……京都ネタはアカンてぇ!」

 

「知らん存ぜん、こんな安いネタで反応するお前が悪い。」

 

 ケタケタと笑いながら俺はカウンターから離れ机に備えられている椅子を引いて座り込む。

 

 しかし何故か天田が俺に不味いよというような顔をして慌てている。

 

   なんだよ……?

 

「く、玖城、とりあえず着替えてきたらどうかな!?早くお風呂に入るとか」

 

「いや今女湯の時間じゃねぇか!!」

 

「えっとその」

 

「天田お前何が言いたいんだよ?……なんだよもう手遅れかみたいなその諦め顔」

 

「樹下?」

 

 俺も凍り付いた、背後から聞こえてくるみつ姉の声に全身が硬直する。

 

 天田ァ……もっと直接言えやァ……

 

「…………っ!?」

 

 俺の左腕の怪我に気がついたみつ姉がものすごい剣幕で俺に近づいてくる。

 

  や、やばい殺されるっ!?

 

「いやみつ姉、これちゃうんすよ!?

単純にちょっと学校で窓が割れてその破片が……ってのわぁっ!?」

 

 そして俺の言い訳など一切聞きもせずに俺の身体を抱き締める。

 

「ちょっ!?みつ姉!?」

 

「樹下……危ない目にあったのかと心配したじゃないか……あまり心臓に悪い姿をしないでくれ……!」

 

「あ………うん、とりあえず離れて……恥ずかしいから」

 

「………………」

 

「あ、あの……みつ姉?聞こえてる?」

 

 抱き締めたまま何も話さないみつ姉、余程心配を掛けたのかもしれない……。

 

 これはちょっと反省しないとな……

 

「はぁ……はぁ……くんかくんか、あー癒されるぅー、ブラザニウム大量に補給…………!!」

 

「くっそ、俺の反省返せバカ鶴!!」

 

 そういうと無理やりみつ姉を引き剥がして距離をとる。

 

「く、バカ鶴だと!?まさか反抗期か樹下!!よし今日は赤飯だ!!小豆を用意しよう!!」

 

「辞めろ!!反抗期を祝うな!!反抗期即終了シーケンスじゃねぇか、祝うなら辞めさせるな!!

 そして俺は赤飯が嫌いだァァァァァァってそうじゃねぇだろバカ鶴がァァァァァァァ!!!!!」

 

   もうヤダこの従姉!!!!!!

 




美鶴のキャラがジェットコースターの高低差並みなんよ

さて今回はテレジアのペルソナと前回登場した玖城の三体目のペルソナを語ろう。

バートリー
アルカナ 悪魔
覚醒者 テレジア
概要
 ハンガリー王国の貴族。史上名高い連続殺人者とされ、吸血鬼伝説のモデルともなった。「血の伯爵夫人」という異名を持つ。
 古今東西に伝わる拷問器具を携え、または背後に付き従わせる血濡れの機械式令嬢。
能力
拷問器具 
 様々な拷問器具を用いて攻撃。
 例えば、ファラリスの雄牛による高熱を用いた攻撃や、アイアン・メイデンとパンツァーファウストの組み合わせによる大型シャドウの制圧。
 また直接使用せずともこれらの拷問器具は敵を心理的に圧倒し、物理的なダメージだけでなく恐怖も与える。


カズィクル・ベイ
アルカナ 悪魔
覚醒者 玖城樹下
概要 
 15世紀のワラキア公国の君主、ヴラド・ツェペシュ。その通称串刺し公のトルコ語表記。
 白面痩躯の吸血鬼の姿を象っており、吸血鬼ドラキュラ公のモデルとなったことが反映されている模様。
能力
 非常に優れた制圧力を有し周囲の床から闇を吹き出させ、それが杭の形を取り、敵を捕縛する。
 その杭による捕縛は他のペルソナとの連携攻撃の機転としての利用も可能。
 また闇や杭自体にも持続的に相手の体を蝕む性能を有しており、単独での制圧戦も可能。

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