藤丸立香に救われたいカグヤヒメ 作:二次元好きの匿名さん
生存報告兼ねて
最後のスレです
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カグヤヒメが奏章Ⅲに登場したの、アヴェ組との別れたあとの姿が自身と別れた後の翁達との姿に重なってしまって応援したかったから説より
スレ民たちの感想が聞きたかっただけである(白目)
奏章Ⅲに彼女が居たという強めの幻覚
「理由? 単純な話ですわ。見ていられなかった……ただそれだけです」
「──」
思いもしなかった答えに、無意識に呼吸が止まる。千里眼の所持者の中でも別格の視野を持ち、知りうる限りでも最上位に位置する計画立案能力を持つ彼女が、このタイミング、この舞台にわざわざ出てきた理由。それが、そんな些細なことだなんて、想像すらできなかった。
考えを巡らせようと、意識して深呼吸をしようとした瞬間、被せるように彼女が言葉を続ける。
「この地に降り立つ前、貴方が復讐者達と別れを告げた──いえ、逆ですわね。別れを告げられた後の姿が、あまりにも似ていたのですわ」
わたくしと別れた後の、あの2人の姿に。
そう続けられた言葉に思わず息を飲む。いつも超然とした雰囲気を崩さない彼女から出た声とは思えないほど、深い後悔を感じさせるものだった。
『竹取物語』にいわく、かぐや姫の最後は嘆き悲しむ2人を背に月の国へと帰ったという。英雄王と同等の未来視をも含む千里眼を持つ彼女が、それを知らずにいたとは思えない。
「それは……」
「わたくしが月へと帰ることは既定路線でした。仮にこれを抗った場合、先の未来よりも“その続き”はなく、“お終い”を迎えることになりますから」
この世界のように。
その言葉の意味は、まだギリギリ理解できた。でも、知りたいのはそこじゃない。
その思いは通じていないのか、彼女は落ち着きを払った声で/何かを悔いるように言葉を続ける。
「多少誤差は生まれてしまいますが、あの人達が天寿を全うするまで傍に居続ける“もしも”も有り得たでしょう。ですが、ふと考えてしまったのですわ」
「……なにを?」
「少しだけ疵にならないかな、と」
なんだ、それは。
「……我等の持つ千里眼由来の未来視とは、便利な先読みではなく強制的なネタバレですわ。故に、基本的に使用を制限しています。情報処理能力のキャパオーバーを防ぐような意味合いもありますが」
その言葉は言い訳のような、懺悔のような。
「月の国へ帰った後に知ったのです。あの2人の最期を。……わたくしとの離別後、悲観にくれる2人は衰弱していき亡くなりましたわ。紙で切ったような傷を与えたつもりが、その実、刀で斬り殺していたのです」
……加減とは、難しいですわね。
そう続けた彼女は、まっすぐに俺の目を見て言った。
「別れを惜しむのはいいですわ。嘆き、悲しみにくれるのも。それは人が持つ情によるモノであり、人が人たる所以。今まで連綿と紡がれてきた人理の原動力と言えるでしょう」
ですが。
「貴方の旅路は、既に7つの異聞帯を踏み越えてきたものでもあります。切り捨てられたものとはいえ、異聞帯とはひとつの世界。彼ら彼女らとの離別を惜しみ、立ち止まる事は赦されません。……それは、貴方が1番理解しているハズですわ。藤丸立香」
「……分かってる」
「ならば前を向きなさい。振り返り、過去を想うのには些か以上に時期尚早ですわよ」
「…………分かってる」
「ならば歩きなさい。立ち止まり、考える時間は十分あったでしょう。──貴方は、なぜ歩くのですか?」
「……」
──それは。
「生きる、為だ……!!」