藤丸立香に救われたいカグヤヒメ 作:二次元好きの匿名さん
「この特異点には、幾つかの特徴と一つの
「……もしかして、このずっと聞こえる祭囃子?」
「はい。わたくしが召喚された時には既に」
まるでゲームのBGMのように聞こえ続けるソレ。始めは違和感しかなかったが、慣れて気にしなくなった旋律。確かに、今までの特異点では見られなかったものだ。
何かしらの儀式に必要なものなのか、あるいは副産物なのか。今の自分達に止める手立てがない以上、そういうものと受け入れるしかない。
「そしてこの特異点には“日中”──“昼間”、と呼ばれるものがございません。北極圏や南極圏等の高緯度地域でみられる白夜の逆バージョン、と思っていただければ」
「それは、つまり……
「仰る通りですわ」
あまりにもインパクトのある内容で思わず言葉を失う。嘘……じゃないのか?
まじまじと疑念混じりにかぐやを見詰めるが、目の前の少女は微動だにしない。俺からの言葉がないと判断したのか、続けて口を開いた。
「これがどのような方法によって引き起された現象なのか、全く分かりません。ただ、紛うことなき事実として、この特異点に日が昇ることは無く、あの月と無数の星々が地上を照らしています」
これはこれで、わたくし好みの美しい風景ですが、と最後に付け加えた。
「……無茶苦茶だ」
思わずボソリと呟く。事実を事実として受け入れるにしても、それができるのは、それこそ──。
最後に、と、かぐやの声で思考の渦に溺れそうになった意識が浮上する。
「この特異点において重要な
「それは?」
僅かな間。何か困った様に目尻を下げ、数瞬視線を虚空へ彷徨わせる。
(……?)
「いえ、失礼致しました。どう説明すればよいのか、言葉を考えておりました。ですが、そうですわね。端的に申し上げるならば──」
言葉と共に片手を掲げ、空中に術式を刻み始める。澱みなく描かれたソレは僅かに輝き、瞬きの間に消失した。そして。
「この特異点において、
「はい?」
反射的に素っ頓狂な声が漏れたと同時、かぐやの手のひらに浴衣が畳まれた状態で現れた。それを机の上にそっと下ろすと、静かにこちらへ進めてくる。恐る恐る手に取り広げてみると、黒を基調に朝顔があしらってある。
「これは?」
「この特異点で魔獣に襲われ続けながら黒幕を打倒するのは困難ですわ。故に、貴方様がいらっしゃると分かっていたので事前に準備いたしました。どうぞ後でお着替えなさってください」
「あ、ありがとう」
目の前の少女がにこりと微笑む。
それにしても意味不明な
「さて、次に申し上げねばならない事実ですが」
「黒幕について?」
「はい」
無意識の内に居住まいを正す。初めから元凶が分かっている、というのは希望かもしれない。自分が知っている名前だと助かるのだが、どうだろうか。
「この地に特異点を発生させ、常夜の世界を生み出した者。藤丸様も日本人であるならば、恐らく一度は耳にした事があるのではないでしょうか」
その名は。
「──
我、復活ッッ!!
選択肢
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ツクヨミノミコト!?
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ツクヨミノミコト……?