藤丸立香に救われたいカグヤヒメ 作:二次元好きの匿名さん
前話の
これは、少し先の時間軸のお話。
「“ ──
特異点内、某刻某所にて。
「“
月光照らす廃村で、一つの人影が慣れた様子でサーヴァント召喚を試みていた。敷設された魔法陣は完璧に仕上げられており、降霊の詠唱も一切の澱みがない。魔力の流れも同様に。
「“
魔法陣が光を帯びる。同時に風が周囲に吹き荒れ始め、術者を中心に渦を巻く。
「“
漏れ出た魔力がバチバチと迸り、光が七色に変化する。風は強さを増し、一般人であれば立って目を開け続けることすら困難だろう。
「“
極端な話ではあるが、喚べるのであれば術者的に誰でもよかった。
「“
そう、喚べるのであれば。
「“
視界を極光が埋め尽くす。反射的に目を閉じ顔を背けたが、術者は悟る。失敗したか、と。
事実、目の前にはサーヴァントは居らず、サーヴァントとの繋がりすらも感じられなかった。
魔力が霧散し、ただの紋様と化した魔法陣を静かに見つめる。途中までは上手くいっており、間違いなく喚べる感覚があった。……しかし、失敗した。無言で腕を組み、思考に耽る。
(確かにこの霊脈はサーヴァントを喚ぶにはギリギリのラインだが、私の技量にかかれば問題にすらならぬ瑣末事。触媒はなくても我が身の縁でどうとでもなる。……つまり)
敵による妨害、或いは牽制と考えるのが妥当か。そう結論付ける。
「……舐められたものだな。この程度で此方の動きを封じたとでも? ならばその思い上がり、根元より切り捨ててくれる」
ふつふつと沸き上がる怒りに耐えつつ、右手に一振の剣を呼び出す。月明かりを受けて鈍く輝く両刃の剣は、主の意思に呼応するかのように光を纏う。元より誅伐の為に降り立ったのだ。それが狩りへと変わるだけのこと。
敵の位置は既に割れている。探すまでもない。……が、万全に万全を期すべきだろう。
左手で懐より一本の試験管を取り出し、ノータイムで投げ捨てる。カシャンという軽い硝子の割れた音と共に、中に込められていた水銀が爆発したかのように膨張した。
これこそはエルメロイの至上礼装、『
「さぁ、狩りの時間だ。一匹たりとも逃がさんぞ」
──そう、彼の名はケイネス・エルメロイ・アーチボルト。
早く登場させたかったんですよね。この、
ケ イ ネ ス ・ ツ ク ヨ ミ ・ ア ー チ ボ ル ト
を!