藤丸立香に救われたいカグヤヒメ   作:二次元好きの匿名さん

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なんか評価バー赤くなってる……。評価して下さった皆様、本当にありがとうございます!!

不定期亀更新ではありますが、最後までお付き合い頂ければ幸いです!!


特異点へ(2/2)

 最初に感じたのは穏やかな風と、葉が擦れ合う優しい自然音。次いで身体を支える大地の存在。瞼を開け、目に飛び込んできた数多の星の輝きと純白の満月を視界に収めたところで、ようやく安堵の息をつく。経験上、レイシフト直後の緊張感は特異点攻略時の中でもトップ5には入ると思う。実体験として、遥か上空から強制紐なしバンジーになったり、敵勢力に包囲されていたりするからだ。……正直勘弁して欲しい。

 無事にレイシフトが完了した事を伝えるべく、通信用の礼装を起動しようとして──思考が完全に停止した。敵勢力やエネミーに囲まれていることに気付いたから、ではない。それならばまだ反応できた自負がある。原因は、自分が立っている場所の環境だ。

 時間が夜であること。それはいい。だが、周囲の植生はどう考えてもギリシャに存在していいものではなかった。自分にとっては非常に見慣れた植物──イネ目イネ科タケ亜科、即ち「竹」が、鬱蒼と生い茂っていたのである。

 

「……は?」

 

 思わず声が出る。

 純粋な日本人としては慣れ親しんだものだが、海を越えた海外では侵略的外来種としても知られている竹。その存在の影響で、ここはレイシフト先としてちゃんと合っているのか、そもそも本当にここはギリシャなのか。疑問が尽きないまま通信用の礼装を改めて起動しようとするが、一切の反応を示さないことに気付く。

 通信妨害。

 単純だが間違いなくカルデアという組織の強みが消えてしまう状況に、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべてしまう。

 

「参ったな。皆、どうしよう? ……皆?」

 

 返事はない。

 風と竹が織り成す騒めきだけが周囲を満たす。そして、微かに聞こえる祭囃子に遅れて気が付く。

 

「……いや、なんで祭囃子が聞こえてくるんだ……?」

 

 風情はあるが、正直今は求めていない。という言葉が喉元までせり上がってくる。それを無理やり飲み込んで深呼吸を1つ。疑問符だらけの脳内が、マスターとしての意識へ完全に切り替わる。

 

(まず考えなきゃいけないのは、ここが本当にギリシャに発生した微小特異点なのかどうか。だけど……)

 

 現状、それを確認する方法はない。よって一旦後回し、そう結論付ける。問題の棚上げとも言うが、正直どうしようもない。

 

(次に、カルデアとの通信妨害とサーヴァントの皆との離散。通信妨害だけなら特異点の性質だったりする可能性もあるけど、皆と離れ離れになっているのはマズい。仮に、両方とも敵からの妨害だとしたら……)

 

 今回の敵は、カルデアに対してある程度の理解がある可能性が出てくる。カルデアとの通信は知識面のカバーや周囲の索敵といったものが完全に封じられたことを意味するし、サーヴァント達との離散はシンプルに戦力の低下だ。最悪の場合、そもそも一緒にレイシフトできていない可能性もある。

 じわりと焦燥感が鎌首をもたげる。どこまでが敵の術中で、何か想定外があるのか。あるいは全て思い通りに事が進んでいるのか、全て想定外なのか。

 

「よし、切り替えていこう」

 

 常に最悪な状況を想定することは大切だが、何も分かっていない状況でそう考えてしまうのはよろしくない。そう自分に言い聞かせ、慎重に周囲を探る。

 竹しか生えていない周囲には違和感しか感じられなかったが、自身が立っていた場所から3時の方向にうっすらと灯りが見えた。注意しないと気付かないほど小さな光だったが、今からの行動指針になりそうなものを見つけることができてホッと胸を撫で下ろす。

 

「行くか」

 

 小さな声で、そうポツリと呟く。

 まずは情報だ。灯りがあると言うことは現地民が居るはず。鬼と出るか蛇と出るか、微かな不安を抱えつつゆっくりと歩き始める。月明かりが照らす中、祭囃子に導かれるように。




そういや皆様、グランドセイバーはどなたにされますか?
自分はまっっっったく決まりません。タスケテ……。
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