戦場駆ける白き野兎   作:バサル

15 / 53
第十五話

 物音一つしない静寂の中、私は目を覚まします。

 

 どうやら私はあの後泣き疲れてそのまま眠ってしまっていたのでしょう、隣には一緒に毛布へ包まって寝ているエリカさんが居ました。

 

 エリカさんを起こさぬ様ズレてしまった毛布をエリカさんに掛け直し、私は外に出ます。

 

 外は完全な闇の世界で、どうやら私はかなりの時間眠ってしまっていた様です。

 

 それにしても私、最近ちょっと涙脆くなり過ぎではないでしょうか。

 

 戦場では水分はとにかく貴重、無駄な消費があってはならないというのに不甲斐ない限りです。

 

 泣きすぎて目が腫れてしまっていないか心配な所ではありますが、それよりも皆さんの前で大泣きしてしまった事実が恥ずかしくて、明日皆さんと顔を合わせるのがちょっと気まずいです。

 

 でも――――

 

 こんな私を必要としてくれる皆さんが居ると分かったので、もっともっと私は頑張れます。

 

 そう気づけた心は今でもポカポカ暖かくて、さっきの恥ずかしさを加味してもきっと大丈夫だと思える程に、今の私の心は晴れやかでした。

 

 

 

 さて、これからどうしましょうか。

 

 寝直すという選択肢もありますが、既に沢山休んだお陰で頭はバッチリ冴えています。

 

 ならば折角なので、皆さんのお役に立てることをするべきでしょう。

 

 では何をすれば皆さんの役に立てるかと考えて、思いついたのは薪拾いでした。

 

 正直薪は幾らあっても足りません。

 

 ここからどんどん寒くなってきますし、暖を取らねば凍死してしまいます。

 

 ですが雪が積もってきている現状では、薪は拾ってすぐ使える訳ではありません。

 

 しっかり乾燥させねば燃え難く、逆に火を絶やしてしまう危険性があります。

 

 可燃燃料をかければ話も変わってきますが、そういった物資は貴重なので出来るだけ節約する必要がるのです。

 

 裏ワザととしてはチョコレートを放り込むとビックリするほどよく燃えたりもしますが、チョコがあるなら燃料にするより食べたいのです。

 

 という訳で私はキャンプ陣地を離れ、森の中へ。

 

 幸い私は夜目が利くため、何とか動けそうです。

 

 しかし歩きづらいのは変わりなく、ちょっとした段差でも転んでしまう危険があるので細心の注意が必要ですね。

 

 野生の動物さん達は何故こんな条件下でも問題無く行動できるのでしょうか。

 

 そんな事を考えつつ、森を歩くこと数十分、お陰で幾つか使えそうな薪を拾うことが出来ました。

 

 そろそろ戻ろうかと考えていると、頬っぺたに何やら冷たい感触が。

 

 暗くてよく見えませんが、どうやら雪が降りだしてきたようです。

 

 風邪をひかぬ様エリカさんとアルちゃんに貰ったマフラーを深く被り、私は来た道を戻り始めます。

 

 マフラーの効果は抜群で、夜風に当たって冷え冷えだった頬っぺたを、じんわりと優しい暖かさが包み込みます。

 

 木々をかき分け進んでいる途中、よく見ると少し開けた場所があり、そこから山道の先である街の方向が見渡せました。

 

「本当なら、夜でも街の明かりが見えるはずだけど……」

 

 あそこにある街の名前はイフメヤルヴィ。

 

 近くに大きな湖があり、自然豊かな事もあって観光地として人気の街でした。

 

 しかし視線の先は殆ど真っ暗で、とても街があるようには思えません。

 

 恐らく敵の侵攻を鑑みて、街の人達は避難したのでしょう。

 

 なのであそこに居るのは怪我や事情があって避難できない人達と、トゥーリス軍の人間のみ。

 

 避難先は多分首都であるヘルキュアでしょうね。

 

 しかしヘルキュアまではここからだとまだかなりの距離があります。

 

 ガルド小隊長が言っていました。

 

 一般市民が安全に避難できるまで、私達はここで出来るだけ踏ん張り、時間を稼ぐ必要があるのだと。

 

 私はふと、ニルバ村を追われてアルちゃんと一緒に逃げたあの日の事を思い出します。

 

 何とか助かった事による安心感。

 

 自分の生まれ育った場所を、理不尽によって離れなければならない悲しさ。

 

 これから自分はどうなってしまうのだろうという不安。

 

 いろんな感情がごちゃ混ぜになったあの時の気分は、もう二度と経験したくないものです。

 

 あの時と同じような気持ちを、大勢の人が味わっている。

 

 そう思うと、胸が締め付けられるように苦しくなります。

 

 私がもっと頑張れば、そんな悲しい気持ちになる人も少しは減らせるのでしょうか。

 

 私にはもうお父さんもお母さんも居ません。

 

 でも、ガルド小隊の皆にはまだまだ家族が居ます。

 

 ガルド小隊長は言っていました。

 

 自分達兵士には、命を懸けてでも皆を守らなければならない義務があると。

 

 私は死ぬのがとても怖いです。

 

 それは一度味わってしまったが故の恐怖。

 

 あの恐怖に立ち向かう勇気なんて、私にはありません。

 

 だけど――――守りたいという気持ちは理解できますし、私に出来る事ならば力になりたいとも思うのです。

 

 死ぬ覚悟を持てない臆病な私だけど、それでも出来る事があるのならば――――

 

 

 

 その時、森の奥から物音が聞こえた気がしました。

 

 しかしジッと目を凝らしても、何かがいる様子はありません。

 

 野生の動物の可能性もありますが、気になった私はふと音がした方に声を掛けました。

 

「誰か居るんですか?」

 

 暗闇の中に私の声が響きますが、返す言葉は何もありません。

 

 暫く周りをウロウロしてみましたが、誰かが居る様子もなし。

 

 やはり動物か何かだったのでしょう。そう私が結論付けて戻ろうとした瞬間――――

 

 闇の中から、大きな黒い影が飛び出してきて私に覆いかぶさったのです。

 

 いきなりのしかかられた事によってその場に倒れ込んでしまい、背中を強打。

 

 身体に走る激痛に叫び声をあげようとしますが、何故か上手く声が出せません。

 

 

「ン――――――ッ!?」

 

 

 その理由はすぐに分かってしまいました。

 

 それは私にのしかかっている黒い影、そこから伸びる大きな手が私の口を塞いでいたのです。

 

 私は何とか抜け出そうと暴れますが、非力な私では拘束から抜け出すことが出来ません。

 

 それ処か、影の手はより一層力を込めて私の口を押さえつけます。

 

 

 メリメリメリッ

 

 

 身体の中を電気の様に駆け巡る激痛。

 

 何とか痛みに耐えつつも状況を理解するため目を凝らすと、段々とその影の正体が見えてきました。

 

 闇から這い出てきたような黒い軍服に、獣様な荒い息遣い。

 

 それは、この戦場に来てから幾度となく目にしてきたオーガ兵の姿その物。

 

 つまり私は、森の中で敵であるオーガ兵と鉢合わせしてしまったのです。

 

 

 

 状況を理解した瞬間、自分が何と不用心だったかを思い知らされました。

 

 ここは戦場だというのに、一人で行動してしまった事。

 

 あまつさえ違和感を感じたのにも関わらず、そこから声を掛けて近づいてしまった事。

 

 痛みと恐怖と情けなさで、ポロポロと涙が零れていきます。

 

 そんな私の姿がどう映ったのかは分かりませんが、口を拘束していた腕の力が緩むとともに、私の額に銃が突き付けられます。

 

 

「騒ぐな、暴れるな。少しでも抵抗したら殺す」

 

 

 淡々と告げられた言葉に、私は唯頷く事しか出来ませんでした。

 

 オーガ兵は私の返答に満足すると、口を拘束していた腕を放し、そのまま私の下部を弄り始めます。

 

 最初は武器を持っていないか調べているのかと思いましたが、どうやらそういう訳でもないようで、ズボンのベルト部分を無理やり外すと、そのまま力任せに私のズボンを引きづり下ろします。

 

 元々サイズが合って無かった事もあり、ズボンは簡単に脱がされ、私の下半身は下着のみになってしまいました。

 

 私にはこのオーガ兵が何を考えているのかが分かりませんでしたが、どんどん荒くなっていく呼吸と、私を見つめるその視線に、背筋の凍るような寒気に襲われます。

 

 何とも言えない不快感、そして込み上げてくる恐怖。

 

 怖くて怖くて仕方ない状況。

 

 ですが、何故か私の中にはこの状況を酷く冷静に見ている部分がありました。

 

 その理由は既視感。

 

 

 前にも似たような事があった

 

 それは一体何処でだろう?

 

 

 私の中に色々な経験が駆け巡っていき、そして――――

 

 ガブを殺して私に手を伸ばしたオーガと、目の前のオーガの姿が完全に重なりました。

 

 あの時、私は何の力も無い唯の子供で、晒された暴力にただ屈する事しか出来ませんでした。

 

 だけど、今は違います。違わなければいけないのです。

 

 色んな人の力を借りて、鍛えてきた兵士としての力。

 

 そして何より、今の私にはたった一つですが秘めた特別な力があるのです。

 

 なのに何故、あの時の様に私は唯されるがままになってしまっているのか。

 

 今の私は兵士なのです。

 

 兵士ならば、敵を前に怯えるだけで良い筈がありません。

 

 このままでいい筈がない、ならば今の私のやるべき事は――――

 

 

 

 索敵魔法

 

 

 

 気づくと私は索敵魔法を発動していました。

 

 目の前のオーガ兵から感じる私に向けられた強い敵意。

 

 しかしその敵意が少しだけ、まるで陽炎の様に揺らぐのを私は感じ取りました。

 

 その揺らぎの原因は、きっとこのオーガ兵の注意が別に向けられている為だと私は直観で理解し、それを踏まえて私は改めて周囲を確認します。

 

 オーガ兵はいつの間にか私に銃を突きつけることすら止めており、私の下半身に最後に残った下着を剝ぎ取ろうとしています。

 

 私の目の前には先程脱がされて放り投げられた私のズボン。

 

 そしてベルト部分に備え付けれたホルスターに収まったT-35 。

 

 私はゆっくりと腕をホルスターへと伸ばします。

 

 バクバクと跳ね上がる私の心臓。

 

 気づかれたらどうしよう。

 

 動かなければもしかしたら殺されないかもしれません。

 

 でも……それでも

 

 私はもうあの時の様に弱いままで居たくない!

 

 手がホルスターに届くのと、オーガ兵の手が私の下着を掴むのは同時。

 

 そして、私は掴んだT-35のセーフティを素早く解除した後、オーガ兵に向けトリガーを引きました。

 

 

 

 パァン!! パァン!! パァン!!

 

 

 

 

 

 3発の銃声の後、目の前に居たオーガ兵が崩れ落ちます。

 

 倒れたオーガ兵はピクリとも動かず、さっきまで感じていた目の前からの敵意も完全に消えていきました。

 

 敵意の喪失 = 敵の死

 

 今まで戦場で何度も確認してきた事柄。

 

 しかし今までと一つだけ違うのは、その命を奪ったのが正真正銘私自身の手によってという事です。

 

 初めて人を殺した感触。

 

 アルちゃんがあんなに苦しんでいた行為。

 

 しかし私は思っていた程罪の意識を感じる事はありませんでした。

 

 無事生き残れた安心感、皆の敵を倒せた事による達成感。

 

 その二つが他に渦巻いていた感情を全て押しのけ、私の中に何ともいえない高揚感を与えてくれます。

 

 暫く私はその場にボーっと座り込んでいました。

 

 どれぐらいの時間が流れたのでしょう。

 

 雪に触れる冷たさで、私は自分がまだ下半身が下着1枚だった事を思い出します。

 

 このままでは凍傷になってしまう、そう考えて放り投げられたズボンに手を掛けようとした時――――

 

 

 ――ザザザッ――

 

 

 それは間違いなく、人が歩いてくる音。

 

 しかもその音は複数でこちらに向かってきます。

 

 直後跳ねる私の心臓。

 

 ここは危険――――早く逃げなきゃ!!

 

 

 私はズボンを回収するのを諦め、すぐ音の反対方向に走ります。

 

 森の茂みに低く身を屈めて息を殺し潜む。

 

 元々身体が小さい事もあり、こういう時に隠れるのは得意中の得意です。

 

 そうして隠れつつ様子を伺っていると、先程殺したオーガ兵の近くに人の気配を感じ始めます。

 

 すかさず索敵魔法を発動。

 

 目を介しない私の感覚が、すぐ近くに四つの敵意がある事を知らせてくれます。

 

 恐らく先程のオーガ兵の仲間でしょう。

 

 仲間の死体を確かめている様で、彼らの敵意がどんどん濃くなっていくのを感じます。

 

 敵意の揺らぎが警戒の薄れならば、濃くなるのは逆に強まっている証拠。

 

 今撃ったばかりの死体はまだ暖かいでしょうし、すぐ近くには私のズボンが投げ捨てられています。

 

 この近くに私が潜んでいるのは間違いなくバレているでしょうが、流石に位置までは敵も分からない筈。

 

 現状数では絶対不利な状況ですが、私は索敵魔法のお陰で敵の位置を完璧に理解することが出来ます。

 

 そして今手に持っているT-35の残弾は十分にあり、この闇の中なら敵に完璧な奇襲を行うことが可能。

 

 この機に乗じて奇襲を掛けるか、このままやり過ごすか。

 

 でも敵が一向に退かない所を見ると、恐らく私を逃がすつもりはないのでしょう。

 

 ならばこのまま隠れ続けていても、いずれ見つかって殺されてしまうのは明らかです。

 

 

 「隠れていても状況は良くならない……それなら!」

 

 

 そう考え銃を握りなおした瞬間、私は妙な事に気づいてしまいました。

 

「さっきからずっと索敵魔法を使ってるのに頭痛がしない……?」

 

 私は目の前の敵に注視する為、先程からずっと索敵魔法で敵の動きを視ています。

 

 しかし索敵魔法の継続使用は肉体への負担が凄まじく、連続して10秒も使えば激しい頭痛であの時の様に意識を失ってしまうのです。なのに今は、ずっと索敵魔法を継続しているというのに頭痛が起きる様子はありません。

 

「コンディションの問題? ううん、それにしたってこれはおかしい。もう1分近くずっと使ってるのに全然頭が痛くならないなんて」

 

 そして妙な点はもう一つありました。

 

 それは私が、先程オーガ兵を撃つ前にも索敵魔法を使っていた事。

 

 一度索敵魔法を使用すれば、周囲200M程の敵意は間違いなく感知出来るはず。

 

 なのにあの時、私はこの4人の存在を全く感知できなかったのです。

 

 索敵の範囲外に居た? 

 

 でも彼がここまで迷いなくやってきたのは先程の銃声を聞いての事でしょうし、そう離れた所に居たとは思えません。

 

 索敵魔法は戦場において私の生死を握る重要な力。その力に現れた異常は、敵に仕掛けようとしていた私の身体を抑えます。

 

 もし突然索敵魔法が使えなくなったら、今までの負担がいきなり現れたら、とてもこの状況で満足に戦えるとは思えません。

 

 

 ――ザザッ――

 

 

 私が迷っている間に、敵はオーガ兵から離れて周囲を調べ始めます。

 

 どんどん濃く、近づいてくる敵意。

 

 ここに来て私は、さっきが戦闘を仕掛ける最初で最後のチャンスだったことに気づいてしまいました。

 

 ここまで警戒されてしまっていては、もはや不意打ちをしても効果は半減。

 

 せめて奴らが死体に気を取られてる内に仕掛けていれば、もっと可能性があったかもしれないのに。

 

 どんどんと後悔が頭を巡りますが、もはや私にはどうする事も出来ません。今私に出来るのは、相手が私に気づかず去ってくれる事に一部の望みを賭けるしか無いのです。

 

 出来るだけ音を立てないように、私は身を潜めたまま手に持ったT-35を握りしめます。

 

 

 ――――お願い、気づかないで――――

 

 

 しかし私の思いも空しく、敵はどんどんこちらに近づいてきます。

 

 もう駄目だ、そう思い私がギュッと目を瞑った瞬間――――

 

 

 パァン!!   ドサッ

 

 

 

 一発の銃声音と、直後に何かが倒れる音。

 

「なんだっ!? 今の銃声は何処からだ!?」

「畜生! どこから狙ってやがる!?」

「何かの後ろに隠れろ! 敵はすぐちかッ……!?」

 

 銃声によって慌ただしくなったオーガ兵を他所に、2発目の銃声とまたもや何かが倒れる音。

 

 ですが私は索敵魔法によって、今この場に何が起こっているのかを正確に把握していました。

 

 銃声の後、一つ、また一つと消えていった敵意。

 

 そしてこの場に残る敵意は後二つ、ならばっ!

 

 

 私はすぐ様自分に近い方に居る敵意に狙いを付け、T-35のトリガーを引きます。

 

 

 パァン!! パァン!! パァン!! パァン!!    ドサッ

 

 

 はじめて索敵魔法で得た情報だけを頼りに撃った私の弾丸は、何発か外れてしまった様ですが何とかオーガ兵を仕留める事に成功し、これで残る敵意は後一つ。

 

 しかし残る最後の敵意に私が意識を向けた時にはもう、その敵意も消えかけていました。

 

 何かが倒れる音と、それに止めを刺す為の銃声。

 

 そして訪れる静寂の後、誰かがこちらへまっすぐ歩いてきます。

 

 

「そこに居るのナナシちゃんだろ、無事かい?」

 

 

 聞こえて来たヘルシェさんの声に、私は全身の力が抜けるのと同時に、その場にへたり込んでしまいました。

 

 あのオーガ兵は何故こんな所に居たのか、索敵魔法の違和感、突然のヘルシェさんの登場、色んな事が頭を駆け巡っていきますが、その中でも一際大きく私を支配した感情、それは――――

 

 

 ――――生き残った。まだ私は生きていける――――

 

 

 死、それは誰にでも平等に訪れ、けれど今を生きる誰もが経験した事の無い事柄。

 

 けれど私は、その死を一度経験しています。

 

 あの深い闇に只管落ちていく様な絶望感は、あれから何年経っても私の奥底に刻まれ続けているのです。

 

 私は死を知っています。

 

 だからこそ、その恐怖を身に染みて分かっているのです。

 

 もう二度とあの恐怖は味わいたくありません。

 

 だからこそ、無事助かり生き残ったことが、明日がある事が何より嬉しくて。

 

 そう思うと今まで張りつめていた緊張が全部解けてしまい、私はその場で泣きだしてしまいました。

 

「ナナシちゃん!? もしかしてオーガの奴に何かされたのか!?」

 

 私の泣き声に焦った様子でこちらに駆け寄ってくるヘルシェさん。

 

「ひぐっ……いえっ……唯っ……私……」

 

 心配を掛けるのは本意では無かったので何とか弁解しようと思ったのですが、上手く言葉を紡ぐことが出来ません。

 

 結局私はそのまま暫く泣き続けてしまい、落ち着くまでの間、ヘルシェさんは優しく私を励まし続けてくれました。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。