GENTILE BRAVERY   作:ヤガミ

7 / 10
長らく投稿していなくてすみません汗
前回の続きからになります!
それではどうぞ!


死神②

 俺がギルドを出ようとした途端、仮面の少女がいた。

 その少女とは、ルリアンナだったのだ。

 

 マヒロ「ルリアンナ…?」

 ルリアンナ「…私の名前、知ってたんだ。…誰かから聞いた?」

 マヒロ「…エレナから。」

 ルリアンナ「…そっか。…エレナってば何でもかんでも話そうとするからね。」

 

 この感じ、あの時のままだ。

 あの時の彼女のままで、クールな印象が見受けられる。

 

 受付嬢「…?マヒロ様?そこにいらっしゃるのは…?」

 ルリアンナ「…あ、受付嬢さん、久しぶり……と言っても、仮面着けてちゃわかんないよね。」

 

 ルリアンナは、仮面を外す。

 俺には見せないように。

 

 受付嬢「ル、ルリアンナ様!?どうしてここに…?」

 ルリアンナ「…今日はマヒロに会いに来たの。」

 マヒロ「俺に?」

 

 ルリアンナが俺に用があると?一体何だろう?

 

 ルリアンナ「…ここじゃ目立つから、付いて来て。」

 

 俺は、彼女に従う事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ギルドから少し離れた路地裏で、俺はルリアンナと2人でいた。

 

 ルリアンナ「…改めて初めまして。…私はルリアンナ。……知ってると思うけど、エレナとは幼馴染だよ。」

 

 今目の前にいる少女が、エレナの幼馴染のルリアンナ。

 死神と呼ばれていた少女だ。

 

 マヒロ「あの時はありがとう。亜人から助けてくれて。」

 ルリアンナ「…気にしないで。…私が助けたいと思ってああしただけだから。」

 

 ルリアンナは透き通った声でそう言う。

 仮面の下の顔も、きっと整っているのだろう。

 

 マヒロ「…ところで、何故仮面を?」

 ルリアンナ「……。」

 

 俺がそう聞くと、彼女は黙り込む。

 …言いたくない事だったか?

 

 マヒロ「…あ、もしかしてあまり知られたくないか?」

 ルリアンナ「…ううん。…ごめんね、黙っちゃって。…ちゃんと理由はあるから。」

 

 どうやら、そんな事はないらしい。

 …心して聞いてみるとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ルリアンナ「…君も知ってるでしょ?私が死神って言われてるの。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ルリアンナはそう聞いてきた。

 それには重々承知している。

 

 マヒロ「…ああ。不幸体質だとな。大変だったよな……。」

 ルリアンナ「…そう。…死神の顔を隠すために仮面を着けた。…それだけだよ。」

 

 なるほど、そんな理由だったのか…。

 アイリスの話を聞いた時から気になっていた。

 

 ルリアンナ「…失望したでしょ?…あの時助けた人間が、死神だのなんだのって、言いたい放題にされてさ……。」

 

 ルリアンナは、暗い声でそう言う。

 きっと、死神呼ばわりされている事を気にしているのだろう。

 

 

 

 

 

 マヒロ「……俺はそう思わない。」

 

 

 

 

 

 ルリアンナ「…え?」

 

 マヒロ「俺はお前と会うのは今日で2回目なのだが、お前を死神だとは思わない。あの受付嬢から聞いた話なのだが、駆け出しの頃は依頼も受けていたりしていたんだろう?それに彼女も、お前を死神なんて思ってないようだぞ。だから不幸体質だからではなく、奴等の思い込みなだけなんじゃないのか?」

 

 俺は自分の意見を彼女に伝えた。

 俺は元々この世界の人間ではないが、彼女を信じているからこそ言える。

 

 ルリアンナ「…そっか。…君の気持ち、伝わったよ。」

 

 ルリアンナはそう返した。

 多分、仮面の下では微笑んでいるのだろう。

 

 マヒロ「…?どこに行くんだ?」

 

 すると、ルリアンナは背を向けてどこかへ行こうとしていた。

 

 ルリアンナ「…言ったでしょ?…君に会いに来ただけって。…それに私もやる事があるから。」

 マヒロ「エレナに会わなくて良いのか?」

 ルリアンナ「……そうしたいけど、ちょっとね…。…まあ、君がグレーテにいたら、そのうち戻ってくるよ。」

 

 そう言って、ルリアンナは行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ルリアンナ「……本当は、エレナに会う事も、ちょっと怖いんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女は何か呟いていたようだが、よく聞こえなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~グレーテ街中~

 「よお、マヒロ!」

 

 表に戻ると、アイリスがいた。

 

 マヒロ「アイリス?何してたんだ?」

 アイリス「ちょいと森の安全確保にな。亜人達をぶっ倒してきたんだ。」

 

 どうやら、アイリスは森に行っていたらしい。

 しかし、安全確保とは?

 

 アイリス「ああ、そういやあんたには言ってなかったっけ…。実は後日、グレーテ闘技大会ってのがあってな。それの準備をしていたんだ。」

 

 闘技大会……って事は、人間同士が戦うって事だよな?

 

 アイリス「場所なんだが、森の奥にある闘技場なんだよな。森には亜人達が彷徨いているし、事前に安全確保をしたって訳だ。」

 

 そうか、だからアイリスは森へ行ってたんだな。

 それにしても、闘技大会か…。

 

 

 

 アイリス「…その顔、興味あるって顔だな?」

 

 

 

 …どうやらアイリスにはお見通しみたいだ。

 

 マヒロ「まあ…、ないと言ったら嘘になるな。これは誰でも参加できるのか?」

 アイリス「そうだな。事前にエントリーしておけば参加できるぞ。あんたは依頼もやってるし、腕試しには良い機会なんじゃないか?」

 

 それなら、参加してみようかな。

 せっかくグレーテに来たんだし、やってみるか。

 

 マヒロ「なら、エントリーしてくるよ。森の奥と言っていたよな?」

 アイリス「ああ。1人で大丈夫か?」

 マヒロ「問題ない。もう慣れたしな。」

 

 俺はアイリスを後にし、闘技場へ向かった。

 それにしても大会か。どんな人々が参加するのだろうか。

 楽しみだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~闘技場 門前~

 マヒロ「でっけぇ…。」

 

 俺は今、闘技場へやってきている。

 グレーテの拠点ほどではないが、でかい壁が立っていた。

 大会はここでやるんだよな?

 俺は早速中に入り、エントリーをする事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 受付「はい、マヒロ様のエントリーが完了しました!頑張ってくださいね!」

 マヒロ「ありがとう。」

 

 これで俺は、大会の参加者となった。

 ここにいる者達は皆、大会に出る者だろうか?

 見るからに腕自慢な者達がいるのがわかる。

 

 

 

 

 

 「…マヒロ?」

 

 

 

 

 

 すると、俺に話しかけたであろう声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 マヒロ「…ルリアンナか?」

 

 

 

 

 

 ルリアンナ「…そうだよ。…また会ったね。」

 

 声の主は、やはりルリアンナだった。

 彼女がここにいるという事はつまり…。

 

 マヒロ「お前も参加するのか?」

 ルリアンナ「…まあね。…まさかここで君と会うなんて思いもしなかったけど。」

 

 やはりそういう事か。

 ルリアンナもこの大会に参加するという事は、相当な腕前なんだろうな。

 

 ルリアンナ「……でも、私が来ると罵詈雑言ばかり響くけどね…。」

 マヒロ「やっぱり、死神の事でか?」

 ルリアンナ「…そう。……まあ事実だし、仕方ないんだけど…。」

 

 闘技場でも、死神という汚名は広まっているんだな…。

 あまりにも気の毒だな…。

 

 ルリアンナ「…信じていない人がいるだけまだマシだよ。…あなたもその1人で良かった。」

 

 ルリアンナはそう言った。

 そりゃあ、事情も知らない奴が言いたい放題にしているのを見たら、放っておけない。

 彼女はエレナの友人、将又アイリスに育てられたからこそ言えるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ルナ……だよね……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 すると、奥の方で声が聞こえた。

 

 ルリアンナに声をかけたのは─────。

 

 ルリアンナ「…っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─────エレナだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エレナ「本当にルナだよね!?人違いじゃないよね!?」

 ルリアンナ「…あっ…、えっと……。」

 エレナ「…ルナ…?」

 

 エレナを目の前にしたルリアンナは、何か言いたそうにしていたが、黙ってしまっていた。

 

 マヒロ「…ルリアンナ。」

 ルリアンナ「…っ!」

 マヒロ「お前の事情は知ってる。だがいつまでも会話が進まないと、逆に心配されるぞ。」

 

 俺はルリアンナにそう言った。

 そしてルリアンナは、エレナと向き合う。

 

 ルリアンナ「………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…そうだよ、エレナ。…ルナ…ルリアンナだよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エレナ「…!やっぱり!そうだと思った…!」

 ルリアンナ「…ごめん。…あの時、勝手にいなくなって……。」

 エレナ「…それはもう良いよ。ルナが元気そうで安心した。」

 

 エレナはそう言うと、ルリアンナに微笑みをかけた。

 余程幼馴染が心配だったんだろう。

 

 ルリアンナ「…エレナ、私、ここの大会に出るの。…あの時より強くなった私を見てほしい。」

 エレナ「…!そっか。もちろん見に行くよ。」

 

 ルリアンナはそう言って、向こうに行ってしまった。

 

 マヒロ「…良かったな、エレナ。」

 エレナ「うん。相変わらず物静かだけど、もう心配ないみたいだね。」

 

 会って日は浅いが、ルリアンナは立派な騎士だと俺も思う。

 あんなのが罵声を受けているとはとても考えられない。

 

 マヒロ「…そうだエレナ、実は俺も闘技大会に出る事にしたよ。」

 エレナ「え?大丈夫なの?強者揃いだよ?」

 マヒロ「腕試しに良いと思ってな。自分の限界を確かめてみたいんだ。」

 

 エレナに、そう事情を伝えた。

 

 エレナ「…わかった。応援してるね。」

 

 エレナは微笑んで、俺にそう言った。

 だが、少し心配そうな表情だ。

 何せ俺は新参者だからな…。そう考えるのも難くない。

 

 エレナ「じゃあ私、会場の準備してくるから!マヒロも体勢を整えるんだよ?」

 マヒロ「ありがとう。」

 

 エレナはそう言うと、颯爽と行ってしまった。

 

 マヒロ「…さて。」

 

 そうと決まれば、俺も出場する準備をしないとな。

 何せ強者揃いだ。気を引き締めて行かなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~後日~

 グレーテ闘技大会。

 これから開会式が始まる。

 

 アイリス『皆の衆!よく来てくれた!これよりグレーテ闘技大会を開会する!参加者は腕を振舞って、己の実力を存分に見せるが良いッ!!』

 

 アイリスの声が、会場全体に響く。

 アイリスが司会担当…という訳だな。

 

 アイリス『大会は1対1こトーナメント形式で進めていく!従来通り初戦、準決勝戦、決勝戦という順番でやっていくぞッ!!』

 

 OK、1対1だな。

 目の前の相手に集中する。俺のやる事はそれだけだ。

 

 アイリス『そんじゃ、今から初戦を始めるッ!トップバッターの2人よ、位置に着けッ!!』

 

 確かトップバッターは…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は位置に着き、相手を見る。

 相手は片手剣を持った戦士のようだ。

 鎧を身に付けているが、そこまでガチガチではない。

 

 

 

 アイリス『始めッ!!』

 

 

 

 アイリスの合図で、試合が始まった。

 

 

 

 ─────お手並み拝見と行こうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。