GENTILE BRAVERY ~Female ver.~   作:ヤガミ

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前回、ルリアンナという名前が出た所で終わりました。
果たして誰なのでしょうか。
それではどうぞ!


いざ依頼へ②

 アイリス「ルリアンナに会ったんだ。」

 

 

 

 

 

 エレナ「えっ…!?」

 

 その言葉で、エレナは驚く。

 

 マヒル「…ルリアンナ?」

 エレナ「この前、幼馴染の話をしたよね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「実は、そのルリアンナって子が、私の幼馴染なの…。」

 

 

 

 

 

 なるほど…、どうりでエレナが驚く訳ね。

 未だに誰がその人物なのかは見当もつかないけど。

 

 アイリス「エレナはそいつを“ルナ”って呼んでて、唯一親しくしていたんだ。だがある日、ルリアンナはグレーテから姿を消した…。」

 エレナ「…団長、ルナは今どうしているんですか?あの日以来ずっと会ってないから心配で…。」

 アイリス「あいつは元気でやってるよ。まあ、頑固で孤独なのは相変わらずだが…。」

 

 そんな事があったんだね…。

 

 

 

 

 

 考えた末、私はある事に気付いた。

 

 

 

 

 

 マヒル「…アイリス、彼女と話した場所は?」

 アイリス「ん?森だが。」

 

 

 

 マヒル「…やっぱり気の所為ではなかったのね。」

 

 

 

 私が思い出しているのは、森で彷徨っていた事、先程エレナと依頼をこなし、ギルドに向かう最中の事。

 特に後者の方は、低木が揺れていた。

 最初は小動物かと思っていたけど、アイリスとルリアンナが話した場所の事を考えてみると、辻褄が合う。

 

 マヒル「……もしたかしたらあれが…。」

 エレナ「マヒル?どうしたの?」

 

 

 

 

 

 マヒル「…聞きたいんだけど、そのルリアンナは仮面を着けていたの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…ああ。何でかは知らないけどな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …!という事はつまり─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『……ここ、危ないよ。……一般人が、ここにいて良い場所じゃない。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私がここに来るまでに出会った、あの少女こそが─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─────エレナの幼馴染、ルリアンナだったのか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マヒル「彼女は今どこに?」

 アイリス「そこまでは知らない。邪魔するなと言われたから、そっとしといてやったんだ…。」

 マヒル「……そっか…。」

 

 まあ、そうなってしまえば放っておく方が良いかもしれない。

 

 エレナ「何なに?よくわからないんだけど…。」

 

 ……ここは言った方が良いよね。

 私は、エレナに話す。

 

 マヒル「…私、実は彼女に会った事あるの。それこそグレーテに来るどころか、エレナと出会う前の話だけど…。」

 エレナ「えっ!?」

 

 私はそう言って、エレナはまた驚く。

 

 アイリス「なるほどな…。それでルリアンナの事を聞いてきたのか。」

 マヒル「ええ。まさかアイリスから振ってくるとは思わなかったけど。」

 エレナ「そうだったんだ…。」

 

 思わぬ所で繋がりがあった。

 少しでも彼女に近付けられるきっかけにもなったかも。

 

 エレナ「……という事は、ルナはまだ森に…?」

 アイリス「どうだろうな…。必ずしも森にいるとは限らないと思うぞ。」

 

 まあ、そうだろうね…。

 でも、私がルリアンナと出会った、将又2人が話した場所の事を考えると、そう遠くには行ってないはず。

 

 アイリス「あたしから言える事はここまでだ。後はお前らがどうしたいかに任せる。」

 エレナ「ありがとうございます、団長…。」

 

 そう言うと、アイリスは行ってしまった……。

 

 

 

 マヒル「…エレナ、大丈夫?」

 

 エレナの方を見てみると、表情が暗くなっているのがわかる。

 幼馴染の事が心配なのね…。

 

 エレナ「…ごめんね!暗くなっちゃって。ルナの事になるといつもこうなっちゃうからなぁ。しっかりしないと!」

 

 エレナは、とてもじゃないけど無理をしている。

 

 マヒル「…ルリアンナに会いたい?」

 エレナ「……。」

 

 そっと声をかけると、エレナは俯いた。

 

 エレナ「…できる事なら、ルナに会いたいよ。それは彼女もそう思ってるはず。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…あんな事が起きなかったら、私はずっとルナの傍にいてあげられたのに……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マヒル「…?あんな事って?」

 

 エレナは暗い顔で、そうポツポツと呟く。

 そして、エレナは私の方を見てこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…ねえマヒル、私達の昔話、聞いてくれる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マヒル「ん?ええ。」

 

 この表情で昔話をするという事は、きっと散々な目に遭ったんだろう。

 私はそう悟った。

 

 エレナ「…場所を変えよっか。」

 

 エレナはそう言い、私は後に続く事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私達は今、路地裏付近にいた。

 ここならすぐに表に戻れる。

 

 エレナ「…それじゃあ、話そうかな。」

 

 私はエレナの話を真剣に聞く事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~エレナ視点~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれは、10年くらい前の事。

 

 

 

 

 

 私には騎士の父と、僧侶の母がいた。

 

 

 

 

 

 一緒にグレーテの外に出かけていた時もあった。

 

 

 

 

 

 その時に、私は門の前でボロボロになっていた女の子を見つけた。

 

 

 

 

 

 その女の子は、青みがかった銀髪で、凛として整った顔立ちに、躑躅色の瞳を持っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それがルナ……ルリアンナだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は彼女を両親と一緒に助け、何故あそこにいたのかを本人から聞いてみた。

 

 

 

 

 

 最初は口ごもってなかなか答えてくれなかった。でも、少し時間を経ってから、彼女の口から理由を聞かされた。

 

 

 

 

 

 その理由とは、とても壮絶なものだった。

 

 

 

 

 

 同じ歳の女の子にしては、扱いが酷すぎると思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ルナは、両親に捨てられた子だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その理由は、ルナが不幸体質であるという事だった。

 

 

 

 

 

 彼女と関わった人は、皆危ない目に遭っていたみたい。

 

 

 

 

 

 それもあって、ルナはずっと“死神”と呼ばれ続けていた。グレーテにいた頃もずっと、死神呼ばわりされていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてある日、グレーテに襲撃が起こった。

 

 

 

 

 

 被害は不特定多数で、私の両親もその1人だった。

 

 

 

 

 

 ルナと一緒に、両親を失った子供になった私は、ある人に拾われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それが、アイリスだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 当時の彼女はまだ団長と言われてない、つまり駆け出しの頃のアイリスだった。

 

 

 

 

 

 両親を失った事を話すと、アイリスは過去の団長に話し、その団長も快く私達を引き取ってくれた。

 

 

 

 

 

 それから私達はすくすくと育ち、やがて騎士になった。

 

 

 

 

 

 私はお陰で、グレーテ騎士団に入れた。だがしかし、そこで1つ問題があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ルナは、騎士団に入らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何で騎士団に入らなかったのか、私は必死に問い詰めた。

 

 

 

 

 

 でも、ルナは答えてくれなかった。

 

 

 

 

 

 そんなある日、ルナはグレーテの門の前に行っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう、ルナがグレーテから去ろうとしたあの日。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エレナ『待ってルナ!本当に行っちゃうの…?』

 

 ルリアンナ『……うん。……じゃないと、私はずっと悪く言われる。』

 

 エレナ『それなら、私が守ってあげるから!1人でどこかに行かないでよ…!』

 

 ルリアンナ『……心配してくれてありがとう、エレナ。……でもごめん、これは私が決めた事だから。』

 

 エレナ「ルナ…!そんな…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『……エレナ、私がいなくても、エレナはずっと……エレナのままでいてね。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これが私達の、最後の会話だった。

 

 

 

 

 

 今思えば、あれはルナなりの優しさだろうけど、やっぱり私は寂しさに耐えられなかった。

 

 

 

 

 

 だってルナは─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─────私が唯一、“親友”と呼べる存在だったのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~マヒル視点~

 私は、エレナの話を最後まで聞いた。

 エレナとルリアンナに、そんな事があったのね…。

 ルリアンナは、他人を不幸にさせてしまうから、グレーテを離れた……という事か。

 

 エレナ「ルナは…、ずっと怖かったんだと思う。自分が死神と呼ばれ続けていく事が、ルナにとってどれだけ苦痛なのか……。」

 

 エレナの方も、ルリアンナを大切に想っているのがわかる。

 ルリアンナは、エレナの事を想って、森まで行ってたんだね。

 

 マヒル「…話してくれてありがとう、エレナ。」

 エレナ「気にしないで。いつか話そうって思ってたから。」

 

 2人の事情はわかった。

 後はどうするか…。おいおい考えておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ルリアンナ視点~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『エレナの成長ぶりを見て、グレーテに帰ろうと思わないか?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ルリアンナ「……。」

 

 アイリスさんに言われた、あの言葉が離れない。

 

 ルリアンナ「……帰れるなら、帰りたいよ。」

 

 もうここ最近、グレーテには帰ってない。

 エレナも、もしかしたら心配してるかもしれない。

 でも、まだ怖いんだ。

 

 

 

 

 

 だって私は、人を不幸にさせてしまうのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『また1人死んだ…。お前がいるからだ!』

 

 

 

 

 

 『返してよ!!私の家族を!!』

 

 

 

 

 

 『お前は死神だ!!とっとと失せろ!!』

 

 

 

 

 

 『ここはお前が居て良い場所じゃねえんだよ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人々の悲痛な叫びが、今日もまた聞こえる。

 

 私は、誰からも愛されなかった。

 

 両親も、私が不幸体質だとわかった時、私を突き放した。

 

 その後は処刑されたみたいで、私は孤独になった。

 

 

 

 

 

 私は、何で生まれたのだろう。

 

 

 

 

 

 こんな事になるなら、生まれるべきではなかったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 騎士になって貢献しようとも、人々に待っていたのは、結局不幸だけだった。

 

 

 

 

 

 それから私は、死神と呼ばれるようになってしまった。

 

 

 

 

 

 そんな私に、唯一手を差し伸べてくれたのは────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─────親友のエレナだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は、エレナまで手放してしまった。

 

 親友とまで呼んでくれた彼女を裏切ってしまった。

 

 私は、救いようのない罪人だ。

 

 だって今の私は、死神という汚名を着せられた人間。

 

 

 

 

 

 その罪人の顔を隠す為に─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は、仮面を着けたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ごめんね、エレナ、みんな─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─────ごめんなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、ルリアンナとは主人公が最初に出会った人物、そしてエレナの幼馴染でした。
壮絶な過去を経験してきたようです。

次回もお楽しみに。
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