現代にライブダンジョン作るッピ!   作:かりん2022

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ご招待された人々

神谷 遊戯は奇妙な男である。

いくつもの預言を残し、いくつもの企業を立ち上げた男。

ただし、予言は外れることも多々ある。

そんな遊戯は、今、ライブダンジョンという遊園地を作らんとしていた。

北海道の僻地。人が来るはずがないのに、広大な土地を買収。

持ちうる資金の全てを使って土地とホテルと遊興施設を作った。

誰もが言った。成功するはずがない。予言はいつも当たる訳ないではないか。

だが、強行した。

そして、神谷は狂人だとは思えなかった。

 

だから、武田首相は遥か、北海道の僻地まで自ら向かったのだ。

何かが起こる予感を抱き締めて。

朝9時。テーマパークとしては少し早い時間に開演する。

なんと、このテーマパークは年中無休、24時間運営らしい。

ありえない。あり得るはずがない。

掃除の時間など、絶対に必要なはずだし、そんなの採算が取れるはずがない。

これはもう、何かあると言っているようなものだ。

ちなみに、滞在時間によって料金は変わり、1時間千円である。

ただし、手付として入場時に1万円の支払いが必要になる。

 

事前に、演舞を見せる隊員達の台本を見せてもらっている。

魔物退治(スタッフが変装します)をしてもらうというものだ。

もちろん、魔物が現れるなんてありえない。それでも。

 

何かがあった場合に備え、警察や自衛隊もある程度動員していく。

そして、オープニングが始まった。

花火と共に、神殿が出現していく。

 

武田首相の胸は激しく高鳴った。

 

「さあ、テープカットを!」

 

非日常の始まりだった。

 

 

テープカットを終えて、演舞を披露してもらうと言っていた25人が、誘導されていく。

そして、しばらくして、現れた沢山のモニターに5人ずつのパーティとして映し出されていた。

 

『えー。実況のヨーチューバーの泉ちゃんです! 凄い、これは凄い! 時間まで開けるなと言われていた台本を開けますね! さー! 始まりました! 神の作りしダンジョン、ライブダンジョンの開演です! 第一階層はゴブリンの平原です。100階層まであり、10階層ごとにボスがいます。システムを説明すると、最大5名のパーティで戦い、見どころのあるパーティを神の目が広場に映し出します。モンスターと戦うとレベルが上がり、最大は100レベル、到達回数プラス10レベルまでレベルを上げられます。ダンジョン内で死亡すると黒門から吐き出されますが、アイテムを高価なもの一つ以外全部失います。半分じゃないのかー! キビシー! 情けとして、無地の服を恵んでもらえるそうです! 貴重品はダンジョン内に絶対持ち込まないように! ジョブは神が選んだもの一つを授けられるそうです。ちゃんと正規の方法で登録して入場しないと、ジョブも得られないし、ダンジョン内で死亡しても本当に死んでしまうという事なので、正規の登録を心がけましょう!』

 

 説明をしている間にも、25人はそれぞれ、いろいろ試している。

 

『ヒール! おお、手が光った!』

『俺はやるぜ俺はやるぜ』

『ひゃあああゴブリン!』

『カメラ持ってくれば良かったなぁ』

『とにかくゴブリンを倒せばいいのか!?』

 

『えーい、とにかくゴブリンを倒していくぞ! 他の隊には負けられん!』

『ゴブリンって実際に戦うの怖いな……』

『コンバットクライ! うわ、ゴブリンがいっぱい来た!』

『それ、挑発スキルだ、バカー!』

『足止めなら任せてください!』

 

『白魔道士2人に黒魔道士と召喚士と付与魔導士でどうしろっていうんだ……』

『あ! あっちに襲われている人達が!』

『合流するぞ! 陸さんだと前衛ばっかりで逆にバランスが良くなるはずだ!』

『あ、ファイア出た! いっけー!』

『バフ掛けますねー』

 

『私たちはどうしようか。万が一他のチームに勝つと大変だぞ』

『探索して植物とか持って帰ってはどうだろうか。幸い、袋も貰っているし、持ち帰りOKという事であれば……』

『まずはゴブリンのいないところまで逃げようか』

『私達は全員無事で帰還を目指しましょう』

 

『ゲームはやったことがなくてなぁ』

『とりあえずゴブリン倒せばいいんだよな?』

『中にスタッフがいるとかやめてくれよー?』

『怖いこと言うな』

『あ、死体消えた。大丈夫みたいだな』

『強いな!?』

 

「会話まで聞こえるのか……」

「これは注意しないとですね」

「13時から一般公開か。ぜひ中を視察したいが……」

「やめてください、首相。それに、警察か自衛隊しかダメだそうです」

 

 屋台の食事をいただきながら、ひたすら閣僚や官僚を呼ぶ。

 もちろん、友人である在日アメリカ大使も。

 せっかく広いし会議室もあるのだ。会議はここでしよう。

 北海道まで呼びつけるな? ならば来なくてよろしい。

 

 まずは、神谷くんから土地を買ったり、インフラを整えなければ。

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