好感度測定器だよ   作:ガスト

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ミレニアムサイエンススクール
エンジニア部


 

 

「出来てしまった…」

 

 ミレニアムサイエンススクールのエンジニア部、部長白石ウタハは手に持ったタブレットを眺めながら静かに呟いた。

 諸々な理由でお釈迦になってしまったタブレットに脳波を測定する機能やらなんやらを詰め込んでみたら対象の好感度を測る事ができるの代物が出来上がってしまった。

 

「どうしたんだい?」

 

 完全に趣味であり、できたら良いなと言う軽い気持ちで作っていたらついつい熱が入ってしまい出来上がった測定器(タブレット)を眺めていると後ろからたまたま顔を出していた先生が歩み寄ってきていた。

 

「あぁ、先生。実は…」

 

 好感度測定器の説明をするウタハ。

 タブレットのホームボタンを押すと押した人物を周りの人間がどう思っているか数値として表示するシステムであることを伝えた。

 

「脳波を測る関係で本当に近い人物しか測定できないが充分だろう」

 

「なるほど、面白いけどあくまで参考程度と言う事だね」

 

「話が早くて助かるよ。好感度を正確に測るためにはより多くのデータが必要だからね。まぁ、先生と言う職業柄、生徒たちからどれ程思われているか見てみても良いんじゃないかな?」

 

「そうだね。ものは試しだ」

 

 そう言うと先生はタブレットのホームボタンを押すと画面の中にウタハの名前と数字が表示された。

 

 白石ウタハ 13

 

「これは…どれ程なのかな?」

 

「うーん。上限が100、下限が1だからかなり低いね」

 

「うぐ」

 

 淡々と言われてダメージを食らう先生。これは案外精神的なダメージが大きいかもしれない。

 

「ちなみにこの数値を言葉に表すと?」

 

「うーん。そこの床にナットが落ちてるだろう?」

 

 ウタハは床に転がっている小さなナットを指差す。

 

「それより少し下ぐらいかな」

 

「ぐっ!」

 

 初手からかなりキツイがそれが現実なので受け入れるしかない。

 

「仕方ないよ、私はマイスターだ。機械関係以外の人物はあまり興味が湧かなくてね。それにあくまで参考程度だからね」

 

 ウタハの励ましに少し元気になるとコトリとヒビキが何事かと寄ってくる。 

 

「なにやら面白そうなものを!」

 

「正直、嫌な予感しかしないけど…」

 

「あぁ、これは…」

 

ーー説明中ーー

 

「では早速押してみようか」

 

 

猫塚ヒビキ 62

 

豊見コトリ 62

 

「二人の好感度は良いじゃないか」

 

「精度は悪くはないのかな?」

 

「まさかの一緒ですね!」

 

 そこそこ良い結果に胸を撫で下ろす先生。

 

「ちなみにその数値だと異性としてそこそこに意識している程度の数値だ」

 

 ウタハの言葉に顔を赤らめる二人。

 それに対して複雑な表情をうかべる先生。

 

「まぁ、先生は試したんだ。私達もやってみようじゃないか」

 

 ウタハは先生からタブレットを受け取るとボタンを押す。

 

先生 46

猫塚ヒビキ 99

豊見コトリ 22

 

「先生は模範的な数値だがヒビキ?」

 

「…///」

 

「ちなみにこれほどの数値は?」

 

「好意を寄せているのは勿論だが。チャンスがあれば性的に襲われるレベルだね…」

 

「……」

 

「……」

 

 照れるヒビキを見てウタハも照れ始めモジモジし出す。

 

「これは私は触れられないパターンですね!」

 

「ちなみにコトリは思ったより低かったね」

 

「嫌いではないのですがつい先日、作品の方向性で衝突しまして。まだ決着が着いていないのです…」

 

「なるほど」

 

 二人が不思議な空間を醸し出しているのを横目に今度はコトリがボタンを押す。

 

「いきますよ!」

 

先生 4

白石ウタハ 35

猫塚ヒビキ 56

 

「ふむふむ…ん?先生?」

 

「………」

 

「先生!先生!?」

 

 ユサユサと先生を揺らすコトリ。

 それを見ていたウタハとヒビキの思いは一致していた。

 

((説明が長すぎだからだろうな))

 

「まぁ、先生も感情のある人間だと言うことだね」

 

 いつも最後まで聞いてあげてる先生だったが聞いてあげてる代わりに好感度が徐々に下がっていったんだろうなと二人は小さく頷くのだった。

 

「緊張するな…」

 

(これでウタハの好感度が死ぬほど低かったら…)

 

(大惨事ですね…)

 

 ヒビキは片眼を閉じながら恐る恐るボタンを押す

 

先生 56

白石ウタハ 82

豊見コトリ 72

 

「おっ…」

 

「ヒビキ」

 

「は、はい…」

 

 ウタハはヒビキの手を優しく包むと彼女の目を見て話す。

 

「次の休み、私が贔屓にしている工具屋を紹介するよ」

 

「はい…」

 

 ひとまず大惨事にならなくて済み、ホッとする先生とコトリ。

 

「結果的に上手く行って良かった…」

 

「私はせめて二桁になるように努力します…」

 

「うっ…」

 

 やはりコトリは好感度一桁はキツかったようで先生も気まずそうに顔を伏せるのだった。

 

「え、なにこれ?」

 

「ユウカちゃん。一言目にそれは流石に…」

 

「にはは!」

 

 奇妙な空間が出来上がっていた頃、コユキを引き連れたユウカとノアが現れたのだった。

 

 

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