もう一人の僕状態の存在の憑依先は   作:黒旗

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第5話

俺は今、本拠(ホーム)にて愛剣(ヴィクティム・アビス)の手入れをしている。

 

いよいよベルとの修行を開始しようと気合を入れる。

 

「ねぇ、ベル・クラネルを本当に鍛えるの?」

 

【あぁ、女神からも頼まれただろ】

 

「それはそうだけど・・・」

 

フレイヤ自らが伴侶(オーズ)と見定めたベルのことをヘグニは認めたくないし鍛えたくもないだろう。

 

【納得できないのならそれでいい。ただ俺達は女神の神意に従って動けばいい。今はな】

 

「・・・・・・うん」

 

こうして、俺達の葛藤が逡巡する会話は終わり行動に移すのだった。

 

ダンジョン六階層、既に中身は俺に変わってベルに接触する事になった。

 

『ねぇ、ベル・クラネルって一月前に冒険者になったばかりなんでしょ。だったら、もっと上の階層で探索してるんじゃないの?』

 

『普通ならな・・・だが、あの白兎(うさぎ)は女神様が伴侶(オーズ)に選んだだけの理由があるんだろうさ』

 

そうやって六階層を進んでいると、白髪の冒険者もといベルを見つけた。

 

「はぁああああああああああああッ!!」

 

猛り声を上げながら三体のウォーシャドウを両断した。

 

『嘘・・・でしょ・・・』

 

『阿呆、今目の前で起こっていることは全部現実だ』

 

ヘグニの言葉に俺がツッコミを入れる。

 

まぁ、ヘグニが信じられないのも無理もない。

 

なんせ、事前に集めた情報ではベルは新人冒険者それも駆け出しも駆け出しというのがヘグニも頭に入れていた。

 

しかし、眼の前でウォーシャドウと戦うベルはいくらLv.1でも速すぎる。

 

まぁ、俺は原作知識があるから大丈夫だけど・・・。

 

『なにあれ本当に駆け出しなの!?本当はどこかで戦闘訓練受けたとかじゃないの!?』

 

『いや、まだまだ動きに隙が多いし前に集中しすぎて背後への警戒が疎かだ。迷いのなさは見事だが・・・そういう意味では駆け出しの域ではないかもな』

 

『これなら俺達が鍛えることもないよね、帰ろう!!』

 

『馬鹿、それだと女神の神意に背くことになるぞ』

 

『うぅ〜〜〜〜っ』

 

『割り切れ、今はただ愚者を演じればいい』

 

『!! はぁ、解ったよぉ・・・』

 

愚図るヘグニを無理矢理納得させ俺は行動に移すのだった。

 

俺とヘグニはベルに近づくと、振り返ると同時にナイフを構えられた。どうやらモンスターと勘違いしたようだ。

 

えっ、泣きそう・・・。

 

「ヘグニ・ラグナールさん!? ごごご、ごめんなさいぃいいいいいいいいいいっ!!」

 

ベルもモンスターでないことに気づき、すぐさま謝罪してくれた。

 

「いや、気にしていない。さっきまでモンスターと戦っていたみたいだからな、しょうがない」

 

俺がそう言うとベルは安心した表情を見せる。

 

「だが、今のように前にだけ集中することは悪いことではないがさっきのように間違いが起きかねない上にダンジョンは狡猾で悪辣だから背後からの襲撃を警戒しなくてはならない」

 

「!! はい、ありがとうございます!!」

 

『何この子、めっちゃ素直で良い子』

 

『それな』

 

思わずヘグニの言葉に反応してしまったが、俺はあることに気づく。

 

それはベルの武器が短刀(ナイフ)から(ショートソード)になっていた。

 

それを聞くためにまずはきっかけづくりだ。

 

「そう言えば君傷はもういいの?」

 

「はい、昨日は助けてもらったのにお礼も言えずにすみませんでした」

 

「気にすることはない、それだけ精魂使い果たしていたのだろう。しかし、君は・・・そういえば君の名前をまだ聞いていなかったな。君の主神・・・神ヘスティアはベルと言っていたけど・・・」

 

「あっ、自己紹介もせずすみません。僕の名前はベル・クラネルといいます」

 

「そうか、俺もベルと呼ばせて貰っても良いかな」

 

「はい、構いません!!」

 

よし、自然に名前を聞き出せたぞ。

 

「ベル、俺の名前はもう知ってたな。俺のことも名前で呼んでくれ」

 

「は、はい、ヘグニさん!!」

 

よし、これで知り合えた感じになったぞ。

 

「それでベル、助けた時はナイフで戦ってたのに今回は剣なんだね」

 

「へっ、あっはい。ヘグニさんみたいになりたいなぁと思って・・・」

 

『ねぇ、この子可愛すぎない?』

 

『そうだな、こんなコミュ障の陰険残念妖精のことを憧憬にしてくれるくらいにはいい子だな』

 

『相棒が毒舌すぎる・・・』

 

フレイヤ・ファミリア(身内)よりはマシだろ』

 

『うん、そうだね・・・』

 

その発言に対して毒を吐く俺がある一言を告げると、ヘグニは同意する。

 

「でも、ベルの動きを見ている限り剣を握ったのは初めてだよね」

 

「はい、今までは短刀(ナイフ)とかだったので振り回されている感じはあります」

 

「それじゃあ俺が教えてあげようか?」

 

「えっ!?」

 

俺の一言にベルは大きく反応する。

 

「理由はまぁ・・・濁さずに言うなら下手すぎて見てられないから」

 

「ぐふっ!!」

 

俺の言葉にベルは傷つくも本当にそうだから否定も出来ない。

 

「それで・・・どうする、俺の指導受けてみる?」

 

「はい、よろしくお願いします!!」

 

「うん、良い返事だ」

 

こうして、俺は無事にベルを弟子にした。

 

「それじゃあ早速だけど一階層に戻って一番端の広間(ルーム)で素振りをしようか」

 

「素振りですか?」

 

「これにはちゃんとした理由があってね、短刀(ナイフ)から剣に変えたばかりだから振り回されているって言っていただろ。だから、まずは剣の扱いに慣れるための素振りと襲ってくるモンスターの対処ね」

 

「解りました、何回振れば良いんですか?」

 

「精魂尽き果てるまで」

 

「え」

 

ベルが素振りの回数について聞いてくるので答えるとドン引きしていた。

 

「ダンジョンではいつ理不尽な状況に陥るか解らない・・・疲労も溜まってくる。そしたら体は言うことを聞かなくなってくるし精神(こころ)を強く持たなくてはならないし、剣も重く感じてくる。それを前提として冒険をする、それが冒険者だ。それに・・・己の身を賭してこそ、それが一番格好のいい(おのこ)だろ、ベル?」

 

「!!」

 

少し狡いがゼウスの言葉を借り、ベルのやる気を出させる

 

「はい、僕頑張って強くなります師匠(マスター)!!」

 

「良い返事だ」

 

ヘディンより先に師匠(マスター)って呼ばれちゃったけど・・・気分がいいから気にしないことにした!!

 

ベルって本当にめっちゃ良い子だ。

 

『なんか騙してる感じで物凄く罪悪感があるんだけど・・・』

 

『黙れ、対人能力(コミュ障)残念黒妖精(ダークエルフ)

 

『酷い!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

酒場での一件の後、軽装というか装備無しでダンジョンに潜っていたことを神様に凄く怒られて一日ダンジョン禁止令を言い渡されてしまった。

 

そうして、時間が出来てしまった僕は壊してしまった武器(ナイフ)を新調するべくエイナさんに安い武器を販売している場所を聞き、【ヘファイストス・ファミリア】の新米鍛冶師のお店を紹介してもらった。

 

一つのお店に入ると、そこである一本の剣を見つけた。

 

不思議と手に馴染んだその剣を僕は即買いし、翌日のダンジョン探索に望んだ。

 

一階層でゴブリンを倒して少なからず手応えを感じた僕は下の階層へを進む。

 

「はぁあああああああああああああッ!!」

 

僕が三体のウォーシャドウを撃破した後、後ろから気配を感じ武器を構えて振り返るとヘグニさんがいた。

 

「ヘグニ・ラグナールさん!? ごごご、ごめんなさいぃいいいいいいいいいいっ!!」

 

「いや、気にしてない。さっきまでモンスターと戦ってたんだからな、しょうがない」

 

優しい・・・そう思っていた時、ヘグニさんがこう言ってくる。

 

「だが、今のように前にだけ集中することは悪いことではないがさっきのように間違いが起きかねない上にダンジョンは狡猾で悪辣だから背後からの襲撃を警戒しなくてはならない」

 

「!! はい、ありがとうございます!!」

 

間違えて斬り掛かってしまいそうになったのに助言をくれたヘグニさんにお礼を言う。

 

「そう言えば君傷はもう良いの?」

 

「はい、昨日は助けてもらったのにお礼も言えずすみませんでした」

 

「気にすることはない、それだけ精魂使い果たしていたのだろう。しかし、君は・・・そういえば君の名前を聞いていなかったな。君の主神・・・神ヘスティアはベルと言っていたけど・・・」

 

その言葉に僕は自己紹介をしていないことに気づいた。

 

「あっ、自己紹介もせずにすみません。僕の名前はベル・クラネルといいます」

 

「そうか、それじゃあ俺もベルと呼ばせて貰っても良いかな」

 

「はい、構いません!!」

 

ヘグニさんの言葉に僕はつい力が入ってしまった。

 

「ベルは俺の名前はもう知っていたな。俺のことも名前で呼んでくれ」

 

「は、はい、ヘグニさん!!」

 

こうして、僕はヘグニさんと知り合うことが出来た。

 

すると、ヘグニさんがあることに気づいてこう言ってくる。

 

「それでベル、助けた時は短刀(ナイフ)で戦っていたのに今回は剣なんだね」

 

「へっ、あっはい、あの時助けてくれたヘグニさんみたいになりたいなぁと思って・・・」

 

質問に対して正直に答えるとヘグニさんがこう言ってくる。

 

「でも、ベルの動きを見ている限り剣を握ったのは初めてだよね」

 

「はい、今までは短刀(ナイフ)だったので振り回されている感じはあります」

 

「それじゃあ俺が剣を教えてあげようか?」

 

「えっ!?」

 

正直に伝えると、ヘグニさんから驚きの提案をされて驚きのあまり声を上げてしまう。

 

「理由はまぁ・・・濁さずに言うなら下手すぎて見てられないから」

 

「ぐふっ!!」

 

確かにそうだけど。少しくらい濁してほしかったなぁ・・・と思わなくはない僕だった。

 

「それで・・・どうする、俺の指導受けてみる?」

 

その問いに対しての答えは決まっている・・・!!

 

「はいよろしくお願いします、師匠(マスター)!!」

 

「うん、良い返事だ」

 

こうして、僕ことベル・クラネルは【フレイヤ・ファミリア】の第一級冒険者【黒妖の魔剣(ダインスレイヴ)】ヘグニ・ラグナールさんの弟子になった。

 

「それじゃあ早速だけど一階層に戻って一番端の広間(ルーム)で素振りをしようか」

 

「素振りですか?」

 

ヘグニさんの言葉に僕は疑問を抱いた。

 

「これにはちゃんとした理由がある、短刀(ナイフ)から剣に変えたばかりで振り回されているって言っていたでしょ。だから、剣の扱いに慣れるための素振りと襲ってくるモンスターの対処をする」

 

「解りました、何回振れば良いんですか?」

 

「精魂付き果てるまで」

 

「え」

 

その理由を聞いて納得をした僕が回数を聞くととんでもない返答がきたため、声が漏れてしまう。

 

「ダンジョンではいつ理不尽な状況に陥るか解らない・・・疲労も溜まってくる。そしたら体は言うことを聞かなくなってくるし精神(こころ)を強く持たなくてはならないし、剣も重く感じてくる。それを前提として冒険をする、それが冒険者だ。それに・・・己の身を賭してこそ、それが一番格好のいい(おのこ)だろ、ベル?」

 

「!!」

 

僕はその言葉を知っている、おじいちゃんが言っていた言葉だったから・・・。

 

「はい、僕頑張って強くなります!!」

 

「良い返事だ」

 

僕は強くなるための修行を開始した。

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