「イオ・マグヌッソ?」
コロニーを出た
如何せん連邦系とジオン系では回路周りに結構な違いがあるため、発進する直前まで入念なチェックが欠かせない。
況してやそれがつい最近勝手に自律稼働したばかりなサイコガンダムのものだとすれば、警戒はしてもし足りないだろう──全天周囲モニターは喉から手が出るほど欲しかった技術だが、こうも調整に手間取るようでは面倒臭さの方が勝ってくる。
そんな訳で、ブリッジから通信を入れてきた親父さんとの会話も片手間になってしまっていたが──どうにも聞き慣れない響きの単語が耳に飛び込んできた。
『ああ……ココだけの話にして欲しいんだがな。キシリアがイズマに来ていたのはそれを建造するための資金援助をしてもらうためらしい』
「成る程、だから五年振りにグラナダを離れて……」
だが、その聞き馴染みの無さで逆に覚えていた。
確か、コロニー落としで寒冷化した地球環境を改善するための装置だったか──まあ、一年戦争はジオンに有利な形で停戦したとは言え殆ど痛み分けのような状態な訳で、スペースノイドが連邦に可能な補償としては妥当な部類に入るだろう。
しかし、そのイオ・マグヌッソがどうしたと言うのだろうか。
少なくとも、表面上はしがないジャンク屋の俺たちには関係のない話に思えるが。
『で、どう思う?』
「イオ・マグヌッソがですか?」
『おお、そうだよ。お前さん的にどうなんだ、アレは。何か感じるものがあるんじゃないのか』
どう思うも何も。
俺の持っている情報なんて、そこらの市民とそう変わらない。
先日のテロを事前察知した件から親父さんは俺のニュータイプ能力を信じているような節があるが、実際見た訳でもないものの善し悪しを判断するなんて、土台無理な話だろう。
だが、その上で率直な感想を述べるなら────
「胡散臭い、ですかね」
そう、胡散臭いの一言に尽きる。
確かに現状イオ・マグヌッソの是非を問える情報は無い。
しかし、この体に憑依する前はガンダムシリーズを嗜んでいた身としては、地球に向けられる巨大建造物というだけでもう胡散臭さが半端ない。
それに、これは単純な偏見なのだが──果たして、キシリアが「環境改善のための装置」なんてものを素直に作るだろうか。
何せあのキシリア・ザビだ。
フラナガン機関なんてろくでもないものを設立したり、ア・バオア・クーでの決戦中に兄を殺害して指揮権を奪うような輩が造ったものなど、これもまたろくでもない兵器に決まっている。
この宇宙ではそもそもア・バオア・クー戦が起きていないが、だからと言って人が早々変わる訳でもあるまい。
なので、平たく言ってしまえば「確たる根拠はないけど滅茶苦茶疑ってる」という訳だ。
「けど、何故今その話を?」
やたらと訊いてくるが、イオ・マグヌッソに対する所感を話したところでアレは俺たちでどうこうできるような──否、そもそも関われる話ではない。
いくら突撃機動軍採用MSの素体を運用しているとしても、こちらはちょっと稼ぎが良いだけの下請けジャンク屋──遠く地球軌道上で完成間近らしいそれとは、何の接点もないのだ。
だが、親父さんは深刻そうな顔をして首を横に振った。
『それがな……お呼ばれしてるんだ、ツキモリが』
「はぁ?それはどういう……」
『竣工式に参列して歴史に名を残す栄誉、だとよ。どうも先日のテロで活躍した褒賞代わりということらしい』
いや、それは──おかしい。
褒賞と言うなら普通に金を出せばいいだけだ。
いくらジオンの財政が傾きかけだからと言って、こんなジャンク屋一つに小金を出すことも出来ないほど切羽詰まっている訳ではないだろう。
もし仮にそうだったとしても、態々竣工式に参加などさせる必要はない。
適当に「よくやった、これからも励め」とでも声をかければ、それで褒賞としては一応機能する筈だ──何せジオンを二分するキシリア閣下の賛辞なのだから。
と、するといよいよ怪しい。
考え得る可能性としては、やはり暗殺か。
ギャンがいよいよ形になってきたから、用済みとなった俺たちは機密保持も兼ねて始末する──概ねそんなところだろう。
大体、本命のギャンが完成するための繋ぎがツキモリなのであって、そちらが歴史に名を残したって何の意味もないだろうに。
つまり、行くべきか行かないべきかで言えば間違いなく行くべきではない──のだが、そうもいかないから親父さんは俺に相談したのだろう。
「断れませんか」
『そうしたいのは山々だが、無理だな……ツィマッドからも辞退しないよう圧力かけられてるし、実質的な命令だ』
「ですよねぇ……まあ、いつでも尻尾を巻いて逃げ出せるよう準備しとくくらいしかやれることはないと思いますよ」
『いや、悪いな本当……これから試験運転だってのに』
親父さんはいつになく申し訳なさそうにしているが、仕方ない話だ。
ツキモリの従業員は皆良い人たちだが、如何せん技術者気質と言うか……「政治なぞ知らん」とぶった斬るような人が多い。
まあ、ギャンのためにキャリアを放り捨てた人やツィマッドの社内政治に疲れた人が大半を占めているので当然だが──俺たちに黙ってギャンを採用していたことを知った時など、ツィマッド本社に殴り込みに行こうとする社員までいたのだから、今や社内でキシリア関連のワードは極めてセンシティブとなっている。
そんなだから、多少フラットな視点を持っている俺に相談するしかないのだろう。
だが、何を言われたとてモビルスーツの操縦に支障を出すつもりはない。
ザビーネ・シャルに学ぶならば、平時の感情と切り離し、目の前の戦いに集中することで初めて戦場で生き残れるのであり……いや、よく考えれば最近はそうでもないか。
軍警に憤って勝手にギャンを動かしたり、アマテ相手だからと手を緩めそうになったり、私情丸出しでサイコガンダムと戦ったり──寧ろ俺自身感情に振り回されてばかりな気がしてきた。
けど、だけどもだ。
もう説得力に欠けているが、兎に角ギャンを動かすに当たってはポテンシャルが感情でブレることは無い訳で。
漸く一通りのチェックが終わった俺は、コックピットのハッチを閉めようとして────
「あ、ちょっと待って。僕も乗るから」
「────は?」
ひょい、と小柄な痩身を滑り込ませてきたドゥー。
船室で待機していた筈が、当たり前のようにサイコスーツを着用したその姿に思わず間抜けな声を漏らしてしまっていた。
「いや──待て待て待て!待ってくれ!何で乗ろうとしてるんだ!?」
「何でって……僕はキネティクスの心臓だし。この子も認めてるよ?」
「はぁっ!?モビルスーツは子供が遊びで乗るようなモンじゃないんだよ!早く降りろ!」
「ふーん、他の子が乗るのは許容したのに?」
「ぐっ……!痛い所突くなこのガキ……!」
必死の制止も何のその。
無重力下なのを良いことに、捕まえようとする俺の腕をひょいひょいと掻い潜って背後に回ったドゥーは、勝手知ったるとばかりに収納から補助席を引き出す。
一口に補助席と言っても、それはただ座るための座席ではなく、情報分析のために設けられたもう一つの操縦席のようなもの。
前席に比べれば幾分制限されるが、緊急時はギャンの操縦も代理可能で──そこにすっぽりと収まった彼女は、たちまちサブモニターやコントロールパネルを展開し、その操作プログラムを立ち上げていく。
しかも、器用に俺の腕を躱しながら。
「親父さんも何とか言ってくださいよ!」
『いやぁ……あの子にあんな真面目な顔で頼み込まれたら、そりゃあ……なぁ、お前なら分かるだろ?』
「アンタもグルかよ畜生!」
頼みの綱の親父さんも、どうやら既に陥落していたらしい──というか、ついこの前「社員がドゥーにデレデレしてて気色悪い」みたいなことを言っていた癖に、当人が一番やられているではないか。
普段の彼だったらこう言うのは頑として認めない筈なのに、ドゥーの薄幸系美少女振りに速攻で絆されていやがる。
だが、こちらとしても彼女の同乗を容認する訳にはいかないのだ。
「冗談じゃない……!お前をまたモビルスーツに縛り付けるために、あのコックピットから引き摺り出したんじゃないんだぞ!」
そう、こんな事のために──またモビルスーツに乗せるために危険な橋を渡ってドゥーを助けた訳ではない。
寧ろ、その逆。
彼女がサイコガンダムという檻から解き放たれ、自分自身を心臓に貶めない人生を生きられることを願って戦ったのだ。
それなのに、これでは何の意味もないじゃないか。
彼女を強化人間にし、帰り道のない片道切符に乗せたムラサメ研の連中と結局俺は何も変わらない────
「それは違うよ、ミカボシ」
補助席から身を乗り出したドゥーが、両手で俺の頬を挟み込む。
「これは僕が自分の意思でやりたいと思ったこと」
「これが、か?別にMSなんて乗らなくても生きていけるのに」
「どうだろう、その実感はまだ無いかな」
彼女の碧眼は相変わらず空虚で、こちらを捉えているようで捉えていない──その内側にある「何か」を見ている。
けれど、そんな彼女なりに真剣に俺と向き合おうとしている……そんな意図は感じられる。
故にドゥーの言葉に嘘はなく、彼女自身が語る通りまだ自分を心臓と考えているのは事実なのだろう。
染み付いた固定観念は、ほんの数週間で引き剥がせるほど容易なものではない。
でも、と彼女は続けた。
「僕はミカボシと一緒に新しい自分を探したい」
「……」
「それじゃ、ダメかな」
そう告げるドゥーの口調は僅かに震えていて。
それが如何に彼女にとって勇気を必要とする言葉なのかを如実に示していた。
で、あるならば。
彼女を保護し、導く大人としてするべきことは────
「……今回だけだからな」
「……ありがとう」
やはり、ドゥーの自由意思を尊重するか。
まあ、どうせ今回だけでは済まないだろう。
しかし、これまで抑圧され、キラキラ以外に価値を見出だせないほど偏った情緒を植え付けられていた彼女が「自分探しをしたい」と言うのであれば、それを見守るのが大人の役割に違いない。
不幸中の幸いと言うべきか、今のギャンはそんじょそこらのモビルスーツより圧倒的な性能をしているのだし、多少の冒険をしても許される筈だ。
何より、明らかに先程より生き生きとした様子でセッティングに戻る彼女の顔を見れば、この軽率な判断にも多少は価値があるように思えて────
「準備は?」
「バッチリ」
ハッチがドゥーの操作で閉じられる。
これで本当に、彼女を追い出すことは出来なくなった。
要するに、一蓮托生──正真正銘、二つの命を一機のモビルスーツで共有する形となった訳だ。
だが、不思議と悪い気はしない。
この子の成長を、最も近い場所で見守れるならば。
『ハッチを開放するぞ!あくまでも試験稼働だからな、適当に飛んで戻ってこい!』
ゴゴン、と鈍い音と共にサンフラワーのハッチが開く。
その向こうに広がるのは──最近はコロニー近辺で活動していたからあまり見なかった、何処までも広い宇宙。
かつてアマテに語ったその光景は、今でも変わらず此処にある。
「ドゥー・ムラサメ」
「ミカボシ・ツヅラ」
だったら、彼女が帰ってくる前にもう一度その広さを確認しておく必要があるだろう。
話すネタが尽きかけていた頃だし、丁度良い。
「ギャン・キネティクス、発進する────」
そうして、俺たちは宇宙の彼方へと飛び出す。
ギャンという鋼鉄の四肢に、その身を委ねて。
「私が料理をするのが、それほど意外か?」
「あ、いえ……はい」
この人に、生半可な嘘は通じない。
月面都市グラナダ──その主であるキシリア・ザビと対面したニャアンは、即座にそれを悟った。
積み重ねてきた、人生の重みが違う。
身一つでコロニーを脱出し、違法難民として五年間闇バイトに勤しんできたニャアンのそれも決して軽くはない。
だが、今やジオン公国を牛耳るザビ家の娘として生まれ、数多の謀略を巡らせてきた彼女のそれは、ニャアンと比べて密度が違う。
実年齢より老けて見えるのも、そうしたニャアンには想像も付かないような苦労がのし掛かっている証拠だった。
「確か、大学への進学を希望しているのだったな」
そのキシリアが、どういう訳か自分を優遇している──これは、「普通の生活」を夢見ていたニャアンにとって千載一遇のチャンスに他ならない。
見事にジークアクスの兄弟機だというモビルスーツを乗りこなすことが出来れば、サイド3の市民権を得ることが出来るのだ。
そればかりか、軍属になったことでニャアンが想像していた以上の「普通」が訪れる可能性だってある。
これまでの不幸を補って余りある、ニャアンが望んでいた未来よりも更によりよい形で訪れる──そんな局面を彼女は迎えようとしているのだ。
──だが、これで本当にいいのか
思えば、ニャアンは流されてばかりだ。
ギャンに同乗した時も、黒い三連星と対決した時も、咄嗟にジークアクスに乗り込んだマチュの代わりに走り出した時も──言語化出来ないその場の衝動に流され、自らの意志で何かを成し遂げたことなど殆どない。
少なくともニャアン自身はそう考えていて、その果てに彼女はグラナダへと辿り着いた。
そうして、棚から牡丹餅的な幸運によって当初の望みを得ようとしている。
しかし、それは「今の」ニャアンが本当に望んでいることなのか。
(──違う)
キシリアと会話を重ねながらも、ニャアンの心はそうではないと断言していた。
グライダーを買って、四人で地球へ行く。
それが、ニャアンが描いた夢だった筈だ。
最早状況は大きく変わり、最初に見た時とはその形も変わっているが──それでも、この夢だけは間違いなくニャアンが自分の意志によって望んだ未来だった筈なのだ。
「……」
フォークに刺したアップルパイを口に運ぶ。
口に広がる甘みとこれまでの食生活では味わえなかった食感に、ニャアンは「美味しい」と素直に感じた。
しかし──恐らく、この美味しさを望んでいたのではない。
この食べ物は間違いなく難民のニャアンが口にすることが出来ないものだが、それを此処で食べられないような人生の先にこそ自分が欲しかったものはあった……ような気がするのだ。
(──皆に、会いたい)
マチュに。
ミカボシに。
そしてキラキラの向こうに消えたシュウジに。
今度こそ逃げない強さを手にして、また巡り会いたい。
「あの、キシリア様……」
その先に例えどんな結末が待っているとしても。
ニャアンは、自分の選択を後悔したくなかった。
一方、その頃────
「あぁあああぁっ!?」
アマテ・ユズリハは赤熱化するジークアクスの中で、激震に揺さぶられながら渾身の悲鳴を上げていた。
背後から伸びるジークアクスの「腕」がアマテを抱き締めるようにして保護しているが、そんなものは何の気休めにもならない。
「ちょ、ちょっと……ホントに大丈夫なのコレ!?」
端末に届く謎のメッセージに従い、地球の軌道上まで接近したソドンから脱出したまではいい。
イズマコロニーまで戻ろうと試みるも、どう考えても推進剤が足りないので──加えて「間も無く薔薇が咲く」という一文に興味を抱いたから、一旦地球に逃れようと方針を転換するのもまだいい。
しかし、これで本当に地球に降下出来るのか。
イズマに帰る云々以前に、摩擦熱で燃え尽きてしまうのではないか。
行動に移してからそんな不安に苛まれ始めたアマテは、年頃の少女らしい悲鳴を上げるしかなかった。
(どうしよう……?どうすればいい?)
今のアマテに、導いてくれる大人はいない。
母はイズマコロニーで、ミカボシは死んだ。
頼りになる友人もいない。
ニャアンは自分の代わりにテロリストとして指名手配され、シュウジは何処かに消えてしまった。
正真正銘孤独な状態で飛び出したアマテからすれば、予定外の大気圏突入で気が動転してしまうのも当然の話だった。
しかし──ふと、過ぎるものがあった。
「盾……そっか、盾か!」
思えば、ミカボシは盾の扱いに熟達していた。
ただ突き出して受け止めるだけのアマテとは違って、常にビームや攻撃を受け流すことを意識していて──あの盾捌きを、どうにかして活かせないか。
盾を使って、本体にかかる摩擦熱をどうにか軽減するのだ。
ツキモリから提供されたランチャーシールドは破壊されてしまったが、幸い代わりに今のジークアクスには本来の盾が装備されている。
避弾経始とビームのエネルギーを効率良く逃すことを重視した曲線的な形状のシールドであれば、大気圏の突入にも耐える見込みがあるだろう。
そうして、左腕に装着されたシールドを前に突き出し──先ほどからひっきりなしに鳴り続けていたアラートが次第に減っていくのを確認したアマテは、シートに背中を預けてほっと一息ついた。
「……な、なんとかなったぁ」
降下してからのことはまた考えなければならないが、それはそれとして差し迫った危機は退けらた。
ミカボシの知恵……と言うよりは連想に近いが、それでも彼の教えは今でもアマテの中に生きている。
そう、ミカボシは────
「……私、まだ生きてるよ。ミカボシ……」
震える吐息をぐっと抑え込み、無理矢理にでも気を張る。
まだ彼の死を処理出来ていない。
そんなアマテにとって、彼の言葉と情景は残された縁の一つだった。
○ミカボシ・ツヅラ
薄幸系美少女とMSに同乗する破廉恥なニュータイプのなりそこない。
イオ・マグヌッソは巨大要塞枠なんだろうなと思っているし、キシリアのことは滅茶苦茶信用していない。
しかしニャアンがそのキシリアのところにいるとは考えもしていないし、イオ・マグヌッソの発射権が委ねられようとしているとは想像もしていない。
「ドゥーはまだサイコガンダムに囚われてるしもしかしたらギャンに乗せた方が精神的にも良いのかもしれないけど乗って欲しくなかった(十話以上振り二度目の錯乱)」。
○ドゥー・ムラサメ
割と悠々自適な人の造ったニュータイプ。
持ち前の薄幸美少女振りを無意識に活かし、厳つい面子だらけなツキモリの社員をその可愛らしさの毒牙で骨抜きにしていく。
もう終わりだよこの企業。
まだキラキラ中毒だしサイコガンダムに心が囚われているが、それはそれとして新しい自分を探そうとするなど今の生活にはかなり前向き。
○ニャアン
グラナダでキシリアと食事中。
本編より色々片付いているので多少わけわか状態からは脱却しており、キシリア様に「料理するの意外か?」と訊かれた際の返答が「いいえ」から「はい」になっている。
この後ミゲルケーキを返り討ちにするのは本編通り。
○アマテ・ユズリハ
色々あって地球行きが早まった。
一度イズマコロニーに帰ろうとするがどう考えても無理なので地球行きを決行する。
ミカボシの死(生きてる)からはまだ立ち直れておらず、空元気。