設定とストックを練り直しながらの2話目
探偵小説にでも出てきそうなシックな部屋で識道は目を開ける。
「知ってる天丼だ!」
自分の口から出てきた言葉の内容を認識するや否や、顔をしかめた。
「‥‥‥‥ちょっと急いだほうがいいか?」
寝転んでいたソファから慎重に起き出して机へと向かう、古めかしい黒電話から受話器を取り、ダイヤルを回そうとする。
急に手の震えが大きくなって受話器を取り落とす、シャワー前に重ねがけしたが効き目が悪い、効果時間も半分以下といったところだ。
「今日は最後に
嫌な汗がどっと出てくる、足から力が抜け床にへたり込んでしまい、ダイヤルから指が離れそうになる。
ギリギリ爪をダイヤルの穴に引っ掛けて何とか筐体を床に落とすが‥‥‥‥、
「痛った!?」
幸いなことに膝の上に落ちた。痛みでだいぶ正気を取り戻す。
再びダイヤルに指をかけ、回線を繋げる。
「こちら秘密結社T.A.R.O.T.S. CALIX:虚実館管理者のヴィンコロです。所属とコードネーム、ご用件をどうぞ」
女性の声が聞こえてきた‥‥‥‥上司のヴィンコロだ
「CALIX所属、案内人のレジロです‥‥‥‥医療部の所属のええと誰だっけ‥‥‥‥とにかく人をよこしてください。もうすぐ精神汚染の反動で動けなくなるので人をよこしてください。場所は俺が使用している執務室です」
「医療部から人員の派遣、精神汚染の反動、レジロの執務室‥‥‥‥前回………………該当人物の所在を確認、少々お待ちください」
受話器から保留音が流れ出す、1分経つかどうかという短い間をおいて、再びヴィンコロの声が聞こえてくる
「5分程かかります、持ち堪えて下さい」
あ、まずい、安心したら、維持が、
「ありがと、ござい、ます」
ガチャン! ツー ツー
どうにか乱れた維持を戻して受話器を置いて足に力を入れてなんとか立ち上がる、電話を机の上に置いてベルトを引き抜く、護身用のリボルバー(元・爆弾:おもちゃの拳銃)もホルスターに入れたまま置いてすぐに離れる
椅子側に回り込んで新品のエチケット袋を引き出しから取り出してすぐに使えるよう広げておく。最後に壁と鎖で繋がれた足枷をつけて凶器に手が届かないようにしてからマウスピースを口に入れて舌を噛まないようにして準備完了
精神汚染を解除______
視界が歪み___
「あ、ああ、あああfrf絵j;グェ;アh;やめてfbfふたりbfryhtじゃまrbczすんdb!!!!!」
何か叫んでるけどよく聞こえない、天地がひっくり返ったような気がしたと思った瞬間、世界が縮んでいくような感覚に陥る
気分が悪い、ムカつく、悲しい、ふざけんな、楽しい、苦しい、いやダイヤダイヤダイヤだやめろやめろやめろ死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない!
「pl沖たす樹hygtけてfrでス誰ァ」
「やっほー、レジロくん! あ」
\\ゴッ//
あれ、ナんか後頭buに鈍い板みが、
____
_______
___________
「痛ぇ‥‥‥‥て仕事は!?」
おれは しょうきに もどった! *1
後頭部が痛いし冷たい、ソファとの隙間に手を差し込むと冷たい布の感触と氷の音がする、大方氷嚢だろう。
ふと人の気配を感じ、あまり頭を動かさないように目線を気配の方へと向けると、執務机の上に奇妙な物体が浮かんでいた。
そのまま少し待ってみると奇妙な物体と机の間から人の頭が見え始めた。
「あ、起きた」
そう聞こえるや否や振り向く、少女の顔が引っ込む
少し待つとまた出てきた、起き上がって近づく、引っ込む
「‥‥‥‥」
「あ、あのー、レ、レジロくん?」
執務机に置いておいたリボルバーを手を伸ばそうとする、少女の顔が青ざめる。
ガババッ! ビリビリッ!
「ほんっとにゴメンなさい! まさか転移場所に君の頭があるなん‥‥‥‥あれ?」
滑らかな前転移動と土下座の組み合わせ、それでいて執務机には引っ掛からない見事な体捌き、どこでどうやって練習したのか興味が湧いてきた、湧いてきたのだが‥‥‥‥
「ね、ねえレジロさん? もしかして今あたし」
顔が熱い、耳まで熱い、どうしてこうなった
「ウシリーニャちゃん」
ビクン!
名前を呼ばれた彼女___ウシリーニャの体が跳ねる
「頭をそのまま、いいね?」
慎重にズボンだった布から足を抜いていく、よかった、パンツは無事だ
「本当にごめんなさい」
「いいんだよ、何度も掻き毟って耐久性が落ちてたんだ‥‥‥‥多分」
「それでもとどめ刺したのあたし「見るな!」ゴメン!?」
咄嗟にズボンの残骸を顔に投げて視界を塞ぐ
「「‥‥‥‥」」
__何というか、色々と逆じゃないか?
偏見か、はたまた偶然か、何となく二人はそう思った
「これ以上の補修は無理! これで許して!」
「いやいやいやいや、待って、待って! このレベルなら普段使いにも十分すぎるぞ!?」
俺の目の前で両手を合わせて謝るウシリーニャ、
彼女の特典は『増幅』___今回は布地と糸の量を増やして糊で貼り合わせ、ドライヤーで乾燥、硬化を促進、さらにミシンで補強したそうだが‥‥‥‥、埋め合わせとして補修を頼んでから20分も経ってない。
「ところでどうやったらこんなに早く出来るんだ?」
腕捲りとかしてないのに
「んー? 慣れ、かな」
影のある微笑み__うん地雷だこれ、読心とか考えちゃあかん奴だ*2。
「あたし達転生者はさ、転生したときの肉体の寿命が長ければその分、次の転生までの空白期間が長引くらしいっていうのは誰かから聞いた?」
「セルヴィから聞いた___基本的に俺たちの存在する時間軸がバラバラで転生先が不明だから観測しようがない説でしょ? 空白期間も結局体感時間らしいし」
「天寿より早く死んだりすると更に転生までの空白期間が短くなるんだってね。しかも人によっては死因がほぼ固定化されているとか」
何それ初耳、逆に延びた場合どうなるの?
「あたしは前回まで生きた世界じゃ寿命か病気以外で死んだ経験ないけどさ、今までのどの人生もお婆ちゃんって呼ばれても違和感なくなるぐらいには長生きしてんだよね」
「割ととんでもない幸運じゃないですか」
先程のものと同様の微笑み__
「実際はもっと幸運でね、どの人生でも昼夜問わず殆ど働き詰めの生活だったりしてさ、時には従軍することになったんだよ? おのれ
一体全体何があったんだ‥‥‥‥
「まあいろんな仕事やってきたから生活に必要なことは大体すぐに済ませられるぐらい慣れてるってワケ」
______早く終わればその分仕事出来るからね!
キャハハと笑うウシリーニャだがその目は死んでいる………………どうしよう、本当はこの人がカウンセリング受ける側だったりしない?
「あ、そうだ! 会ったら聞こうと思ってたんだけどさ」
「何ですか?」
「レジロ君最近はどんな感じ?」
最近、最近かあ
「そうだな‥‥‥‥爆弾に遭遇する頻度は前と変わらない感じ」
「‥‥‥‥ごめんねレジロ君、普段の暮らしのことを聞きたかったの」
「普段の暮らしなんて爆弾の解体以外には家事と学校に通うぐらいですよ?」
「やだこの子すっかり爆弾に毒されてる」
何やら頭を抱えるウシリーニャ、特典の反動がきたのだろうか? *4
「大丈夫?」
「あたしのセリフよ! じゃなくて学校はどんな感じなの?」
学校‥‥‥‥ああそうだ
「なんでかさ、物理と数学の成績がいまいち奮わないんだよね、
「何それ、普通逆じゃない? それとも精神汚染で恐怖とか緊張を抑制してるから?」
「実は2学期の中間の時にこっそり使う羽目になったんだけど」
「うんうん‥‥‥‥それで?」
部屋の温度が下がった気がする、これは‥‥‥‥殺気?
「筆は止まらなかったけどいつもと同じぐらいの結果だったよ」
「そっかあ‥‥‥‥残念だね〜。うん、ところでさ」
モーレツに嫌な予感がする
「その時の件、ちゃんと報告した?」
にっこりと笑うウシリーニャ、笑顔とは威嚇のためにあるというのは本当だったのか! すごく怖い
「まさかだけどさ、反動がなかったからって報告、すっぽかしたりしてないよね? 」
「‥‥‥‥すっぽかしました」
「そこにせいざ」
「だからこれからはきちんと報告すること、ヴィンコロさんとセルヴィさんにはあたしから伝えとくわ」
「は、はい‥‥‥‥」
年下に叱られるのって、恥ずかしいね!
‥‥‥‥時々思考が思いもよらない方向に飛んでるけどコレやっぱり精神汚染を重ね掛けした反動が更におかしくなったみたいだ。咄嗟に使うことになったせいで何も調整していないのが原因だと思われる
「それと」
「ハイ」
「今日のお客さん、盟主さんが替わりに対応するって君が気絶している合間にヴィンコロさんから聞いたけどさ」
「待って、帰らないで」
「最後まで聞いて? さっき更衣室にドライヤー取りに行ったらさ、浴室から鼻歌聞こえたんだよね」
「え? ちょっと!?」
______骨拾う趣味とかないから死なないでよ!
そう言うと彼女はカードをポケットから取り出して姿を消した
「無事に済んだら連絡入れよう‥‥‥‥」
床から立ちあがり、執務室のドアノブに指をかけようとしたが、
「足が‥‥‥‥というか他の予定はどうなったの?」
‥‥‥‥どうやら反対方向に引き返さないとならないようだ。
コードネーム/コテハン/現在の名前/性別等
コードネーム:大抵コテハンから名づけられる
コテハン:掲示板の固定ハンドルネームのこと
デフォルトの名前が特典に関連したものとなっている
現在の名前:今の肉体の戸籍上の名前
出てくる機会はそこまで多くない
性別等:有機物の肉体を持つとは限らない
ウシリーニャ/増幅者/千歳 サシエ/女
特徴
尖った耳
y型の枝が6本接合されたようなヘイロー*5
枝の色はオレンジとピンク、茶色がそれぞれ2本ずつ
萌え袖
紹介
ゲヘナ系列の中学校に通う少女 現在3年生
自分で作るご飯はどれだけ材料と時間を無駄にしないかを重視するタイプ
未来では給食部への食材調達と配達の手伝いに追われる日々となることを彼女は知らない
使用武器はハンドガン「可能性の枝」*6
実は肉体の神秘の影響で「何かを繋ぐ」側面が強化されている
усиление ロシア語
特典:『増幅』
非生物を増やすことが出来る
彼女の解釈では生体物質*7は生物に入らないので身体だけなら生物も増やせる
弱点
・殆どのものが目に見える形でしか増やせない
例)100gの塩水の中に塩が1g溶け込んでいる。特典で塩のみを増やして濃度を濃くしようとしても何故か200gの塩水に塩が2g溶け込んだ状態となる。同じように果汁20%ジュースの濃度が40%になることもなかった 塩水が飽和している状態ならば飽和した部分を増やすことは可能
・魂の入ったクローンは作れない
全身を造ると細胞が全て死んだ状態で生成される。
検証として羊を増やして解体して食べたがとてもまずく
料理系の特典持ちが久々に挫折を味わったレベルだった
*可食部は全て
・一度増やしたものは消費、廃棄する形でしか減らすことはできない
レジロ「ハギス*8 おいしいです」(おめめぐるぐる)
みんな「(味覚が狂ったか‥‥‥‥)」
・構造が複雑な場合、特に一気に増やそうとした場合消耗は高まる
ウシリーニャ「筋肉痛で動けない‥‥‥‥」
レジロ「はいあーん」
ウシリーニャ「あーん‥‥‥‥まずい、てか野菜ちょうだいよ!」
ジンギスカン鍋「(もう肉しか無いで)」
ウシリーニャ「(絶句)」
利点
・増やしたいものの詳細な構造、材質を知る必要がない
知識があればより少ない時間、少ない消耗で増やせる
増やしたら危険なものでも調べずに増やせるのでストッパーが存在しないともいえる
・特定のものなら増やすものを選べる
例)ロープなら長さや本数を伸ばせ、それらを同時に行うことも可能
・充分な設備と時間があれば細胞一つからでも部位を造ることはできる。
生体パーツが楽に作れます! 新鮮な細胞なら上記の特定のものに該当します! でも単細胞生物は生きたまま増やせません!
生体物質を細胞という見える形で増やしているから可能らしい
・生物の増殖を促進出来る
自分の生命力(他の生物で代替可能)を注ぐことが条件
肉体の再生や媚薬代わりにも使えるが弱いので実用的ではないのだが‥‥‥‥
レジロ/拝読者/識道 夜夢 男
身体的特徴
薄紫の髪と目(何故か誰も気にしない)
肉体年齢は10代後半だが背は低い
敬語だと胡散臭い
特典:『読む』の記憶精度強化(読め)黙読、音読時のみ発動
この能力で記憶した知識はその時に目標とした行動時以外は思い出すことが困難になる。
・もしレジロが好成績目的で使用しようとした場合
→解体時に補正がかからない
→思い出せないので解体失敗
→
実際は別目的で学び直せば済む話だが本人含め周囲は気づいていない
???
特典ではあるが少年が元から持っていたものではなく
別の誰かの特典の一欠片
発動中は時々フォントが別のものに変わっている。
冷静さを保つために使用した。
あの状態を冷静と呼べるかというと‥‥‥実際は精神汚染による強制的な沈静、奮起であり解除後に反動として抑え込まれていた感情が一気に押し寄せる
カードのようなもの
特典だったりそうじゃなかったりするもの
ウシリーニャの使用したものは特典の一欠片
指定の座標への転移を可能にする
ただし時々何かにぶつかる
レジロも使えるかもしれない
秘密結社T.A.R.O.T.S.
転生者組織の一つ レジロが所属している
組織としての活動は
・特典の原理解明
・異世界転移の防止、対策、原因解明
・他転生者組織の収監、取り締まり
など多岐にわたる。
本拠地は何処かの世界にある地球と同サイズの惑星
組織名は
t:tripper 旅人
a:assassin 暗殺者
r:reader 読み手
o:operetor 指揮者
s:scholar 学者
t:tailor 仕立て屋
といった感じで初期メンバー特典から連想された職業名の頭文字から名付けられた。
提案者の盟主がかなりのトラブルメーカーだったため何か不幸なことが起こるのでは? 槍でも降るのか? となったので真剣な時以外は
t:旅を続ける
a:アホの子と
r :ろくでもなくて
o:おっかない
t:転生者の
s:組織
の省略と外部には説明しているとかしていないとか。
虚実館
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CALIS:ポストガル語で聖杯
トランプのハート