前話の前書き通り現在のストックはこれで最後となります
特殊タグの順序を間違えたのに直前で気付けて良かった‥‥‥‥。
それにしたって修正に時間がががががが
「「………………」」
浴室の中で大きなザリガニ______ムーンキャンサーとその主人であるレジロは無言で向かいあっていた。
使い魔の両鋏にはスルメ、対して主人の手にはルーペと小型のハンマーが握られていた。
「食欲自体は問題なさそうだな。ああ、それは全部お前が食べていいんだ。気持ちだけ受け取らせてくれ」
「そろそろ甲殻の方も検査していくぞ」
M.C.の甲殻をルーペで拡大して観察していく………………。
______ペレグリヌスのタロットを介して召喚、契約が為される使い魔達はどのような生態かまだ分かっていない*1。
名前に魔と付くが魔力で肉体が構成されていないものもいる。
______M.C.は最初は粘土のような不定形の存在だった。ペレグリヌス曰く生命エネルギーの集合体が意志を持ったものでそこから全く別の存在に派生______成長していくのだという
「甲殻に異常な斑点は見られないな、少し触れるぞ」
ゴム手袋越しに甲殻に触れ、感触がおかしい部分をハンマーを軽く当てて反響音を調べていく………………。
______使い魔達には基本的に食事や排泄などの新陳代謝のために必要な行動がないと訊いた。
主人の生命エネルギーなどから余剰分を吸い取って生命維持や成長の糧にするらしい。
しかし1日に吸収出来る分には限りがあるので過剰に食べても成長は促進されないそうだ。
「脱皮の兆候も見られないな」
______使い魔達は病気にもならない………といいたいが別にそうではない。
常時使い魔を外に出して世話をしないでおくと徐々に衰弱していき、病気に罹ったり、酷い時には仮死状態に陥る。
______不定形時代のM.C.でレジロは一度やらかした。真っ白なホワホワになって成長した!? と思ってセルヴィ達に見せたそれはただカビの胞子に覆われただけだったのだ。
梅雨の時期に空気中の水分を摂りすぎたらしい。ジュースを分けたのも良くなかったとも検査したセルヴィ______少年の後見人は言った。
いずれにせよ、レジロは特に問題なくM.C.
の点検を終えたのだった
「もう戻ってもいいぞ、M.C. 」
カードを取り出してM.C.に声をかける
検査の間に既にスルメを食べ終えていたM.C.は青い光となってカードに吸い込まれていった。
「とりあえず厄介なとこだけ掃除するか」
レジロは手始めに浴槽の栓を抜いた。
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お茶とお菓子を
「いや〜ごめんごめん、つい話し込んじゃって」
砂まみれになって必死に謝るペレグリヌスがそこにいた。
…………現在はレジロが浴室の掃除を終えてから実に30分ほど経過している。
「レジロ、貴方は今日はもう掃除しなくていいです。後でこの人に全部やらせますので」
ペレグリヌスの隣の女性______ヴィンコロはそう言うとフエンせんべいの袋を開けた。
「ほんっとに遅い! 結局一時間以上掛かってんじゃん! レジロくんもなんとか言ってよ!」
プンスコともりのようかんを切り分けながら怒るウシリーニャを横目にレジロはいかりまんじゅうを頬張っていた。そしてお茶を一口飲んで一言
「残念ながらいつものことだ」
「もっと怒って!」
「無理、だってこン人わりかし巻き込まれ体質だぞ? どうせトラブルに対応してたんじゃないの?」
目を逸らすペレグリヌス、図星らしい
「だって仕方ないじゃん! 帰りにお土産買おうと思ってジョインアベニュー寄ろうとしたらリゾートデザートで遭難してるコ見つけちゃったんだもん!」
「転移が事故ったのね………………」
「
「そうそう、お城の遺跡とかが埋まってるの! それでジョインアベニューは綺麗な大通りなんだけどたくさんのお店が並んでんの!」
目を輝かせながら話すペレグリヌス、だが君は今怒られているんだ。せめてもうちょっとしおらしくなさい。
「貴方の経緯は後で聞くとして………………ウシリーニャ、今日の分の仕事は終えているのですか」
にこりと微笑むヴィンコロだが目が笑っていない、しかしウシリーニャは一切気にかけなかった。
「10分もあれば終わりま〜す。というか滅多に捕まらない盟主サマに質問できるチャンスとか逃せないって!」
しかし、
「掲示板に書き込めば割と出没して答えてくれますよ? 質問専用のスレがあるぐらいですし」
「えっ………………あの、転移を失敗する原因ではないのですか?」
思わず敬語になるウシリーニャ
「スキマ時間に開くと良く見つけるだけだよ?」
情報収集も兼ねてるし、そうペレグリヌスは呟くと新しいお茶を注いだ
「ヴィンコロさん、俺はアンタの特典でその掲示板が見えないのですが?」
「………………そういえばそうでした」
「なら今聞くしかないよな」
「ウシリーニャちゃんもいいよ〜」
「やった! 盟主サマ太っ腹!」
ウシリーニャ、ガッツポーズ
「質問によっては答えをお出しできないことはわかっていますよね?」
「大丈夫わかってるから! とりあえず、聞きたいことは何だい?」
「レジロ君お先にどうぞ!」
「いいの? ありがと………………俺からの質問は、
この二つだな」
そこでヴィンコロが手を挙げた
「最初の質問に関しましては私からお話しします。今回のお客様が当館と相性が悪い理由ですが彼らの種族に問題がございます」
「確か、ポケモンとか言ってたっけ」
「ポケモンで合ってるよ〜」
「え、ポケモン!? どんな子が来たの!?」
「色違いのコイキングくん」
「『くん』てことはヒゲまで金色じゃん! なんかすんごいめでたい感じ!」
………………会話に参加していない二人がなにやら話し込んでいるが無視してレジロは説明を聞いた
「______そしてポケモンを6体以上捕獲した場合、パソコンや専用の機器を介して、預かり機能______ボックスに繋いで預けることが出来ます。このポケモン達をボックスに預ける仕組みが問題でした」
「この館の原理とかなり似通った部分があるのです。そしてポケモン達はボックス内とは違い、自由に動けます。これは私の特典による行動制限の対象外となります」
「行動制限っていうと、此処じゃ互いに攻撃出来ないとかそういうやつだっけ?」
「その通りです。更にポケモン達は一定の条件を満たすと、さらに強く成長______彼らの住む世界では進化と呼ばれる現象を起こします」
「あのコイキングってやつの場合はどうなるんです?」
「ギャラドスと呼ばれる凶暴なポケモンに進化します。しかも今回の場合、進化寸前*2でした」
「え、もしかしてなにかのきっかけでアイツ暴れ出しかねなかったの?」
「ええ、強い感情が進化の引き金になる場合もあります。また、コイキングの場合、進化の際には脳細胞の構造が組み変わるので貴方に悪感情を抱いていた場合は………………」
「真っ先に攻撃の対象になりかねないですね」
「残念ながら現在のルール上、反撃には一度耐えなければなりません。今後も来るとなればルールを敷き直す必要が出てきますね」
「闘う*3ことになったら攻撃に耐えられますかね?」
「今の貴方の実力とルールでは彼らの連続で繰り出される『あばれる』、『げきりん』あたりは避け続けてわざの終了を待たないと無理ですね」
ゴクリ、とレジロの喉から音が鳴った。
「素早さと攻撃力を同時に増強させる『りゅうのまい』を使われても詰むでしょう。
攻撃以外の行動が阻害される『ちょうはつ』を使われてしまうとどうしようもないですが野生の個体ではほぼあり得ないので除外します」
スラスラと返答を述べ、ヴィンコロは湯呑みを手に取った。
「遭遇したら大人しく増援を待ちます」
うん、無理だな、とレジロは結論付けた
「_____ふぅ、ええ、それが一番です」
お茶を飲み干したヴィンコロはそう答えると、お菓子を一つつまんだ。
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「二人とも終わった?」
「二人の話は完全に世間話じゃないですか」
「「バレた?」」
「隠す気ないでしょ!?」
「レジロ、もう突っ込まずにごり押してしまいなさい」
「はいはい、答えるから怒らないで〜」
じゃあ、とペレグリヌスは話を切り出した。
「とりあえず体積と容積の違いはわかる人は?」
早く話してくれよ、そう言いたげにレジロは答えた。
「はい、入れ物の大きさと入れ物いっぱいに入る水の容量」
「うーん、ざっくりしすぎ! ウシリーニャちゃんどうぞ!」
「物体が空間に占める大きさが体積で容器の容量を表す大きさが容積でしょ?」
「うん、ボクの求めてた答えがそれだね! ヒウンアイスをプレゼント!」
「やった!」
「それで、アイテムボックス機能の場合はどんな感じに違うんだ?」
「うん、それなんだけど、まだどっちも細かい仕様の方はわかってないからざっくり説明するね?」
「お願いします」
ああやっぱりか、レジロはちょっとがっかりした。
「まず体積の方の説明だね? 初期状態の設定で内部の時間も止まっていて、容量や入れるものを制限することでボックス内部の時間を逆に進めたり、温度を一定に出来たりもするよ!」
「時間が停止している場合、内部で物質同士が衝突して破損することがありません。これは衝突したという時間が存在していないためと考えられています。また、他転生者組織によるアイテムボックス研究の大半がこの形式です」
ヴィンコロからの補足が入った
「ただ入れたものの体積は大まかに埋まるから初期状態なら限界を越えて入れてもちょっとなら大丈夫だよ!」
「いやそれ表示*4される容量が少なめになってるだけでは?」
「多分そうだね!」
「まだ分からない部分です」
「そろそろ容積について話そっか! こっちは容量以上のものをしまえないし内部の時間が停止したまま弄れないけど体積に設定した場合よりもずっと多くのものをしまえ \\ミシッ//‥‥るんだ」
なにやら音のした方向を3人が向くと、ウシリーニャがワッフルコーンを握り潰していた。
「だ、大丈夫!?」
「えと、はい。ちょっとびっくりしました」
「布巾を持ってきますね」
ヴィンコロが部屋を出て行く、レジロはとりあえずテーブルの上のものが邪魔にならないよう片付けた。
「何かおかしいと思う部分があったのかな?」
ペレグリヌスが問いかける
「あたしのアイテムボックス、容積設定以外デフォルトなのにクローゼットぐらいの容量しかなくって‥‥‥」
「タロットのアルカナは? 場合によっては関係があるかも」
「あたしのアルカナはじょ「戻りました、これで拭くとよいでしょう」‥‥‥」
折悪くヴィンコロが戻ってきてしまい、そこからは会話が長続きせず、最終的にヴィンコロがレジロを締めて解散となった。
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解散してレジロが何やら悩みながら執務室に入っていく様子を見届け終えたペレグリヌスは応接室に踵を返した。
使用した食器類を給湯室のシンクに転移させると自身が撒き散らした砂を片づけた。
廊下に飛び散った水を拭き取りつつ給湯室に向かい、皿洗いを済ませると今度は浴室に向かい浴室を掃除し終える。
「どっちだったかな〜?」
そう呟きながら廊下を進んでいく______方向は執務室とは反対の方向だ。彼の視界にはやがて廊下の突き当たりにある扉が見えてきた。
開くと扉の向こうは殺風景な部屋の中にベッドが一つ、こちら側とはまるで印象が違うあまり戸惑いを覚えそうな程だが気にせずペレグリヌスは部屋に入り、ベットに飛び込むと彼の目の前にメッセージウインドウが出現した。
ペレグリヌスの指先が〈yes〉に触れると彼の肉体が急速に光の粒へと変わっていき、その意識も次第に遠ざかっていった。
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数多の機械音と人々の話声が耳に入る中でペレグリヌスは意識を覚醒させる。頭が重く、視界は塞がれているが何のことはない。ヘッドセットを着用しているだけである。
此処は実館と名付けられた施設の内部であり先ほどまで居た洋館______此方の方は虚館と呼ばれている______の維持・管理を主な機能の一つとして備えている。
ペレグリヌスが伸びをしてヘッドセットを取り外し、人の視線を感じた方向へ振り向くと執事服の老人がそこにいた。
「おかえりなさいませ、ペレグリヌス様」
「おはようセルヴィ」
「改めてお聞きしますがウシリーニャ達はどうでしたか?」
老人______セルヴィは何やら紙に書き込みながら問いかけた。
「うーん、ウシリーニャの方はもうちょっと後で厄介なことになりそう。無駄話に見せかけて情報抜き取りにきてたし、タロットの方が当人の思いの拠らない成長をしたみたいだから一度鑑定系のコ呼んだ方がいいかも?」
「と申しますと?」
「彼女のアイテムボックス、容積タイプなのですがクローゼットぐらいの容量しかないそうです。当人が扱いきれないような機能にリソースが割かれている可能性がございます」
「相変わらずレジロは
「もう一つ私からも」
隣のベッドから声がした______ペレグリヌスが振り向くとそこにはヴィンコロが腰掛けていた。一足先に目醒めていたのだろう。
「ウシリーニャの報告になりますがレジロが“狂月夜”を前にも使用していたのにも関わらず報告を怠っていました。既に締めて後日反省文の提出することを言い渡しました。悪影響が出ていないか念のためカウンセリングの準備をお願いします」
「左様ですか、手配をしておきましょう…………話は変わりますが、いくら電子空間内とはいえマナーを忘れるのはいただけませんな?」
「げ、お説教はやめて! ヴィンコロとレジロので充分懲りたから!」
______そういうとこ本当に、前と変わんないよアイツ。
「………………より一層の反省が必要なようですね」
ヴィンコロに首根っこを掴まれ、部屋の外へと引き摺られていく。
「あ、やべ。ふ、服が伸びちゃう! 助けてセルヴィ!」
「待ちなさいヴィンコロ」
「セルヴィ!」
ペレグリヌスの表情が輝いた
「掲示板経由で面接の予定が入りましたので予定の調整をお願いします」
「セルヴィ‥‥‥‥」
ペレグリヌスの表情が萎れた
「スレの管理コードを控えておきたいのですが」
セルヴィが一枚のメモを取り出してヴィンコロに手渡した。
ペレグリヌスを逃がさないまま彼女はメモの内容を確認すると今度は一枚のタロットカードを取り出した。タロットからほのかな光が放たれ、メモが跡形もなく吸い込まれていくのを確認するとセルヴィに一礼し、そのまま荷物を引きずって出て行った。
「‥‥‥‥まあいっか、またね〜二人共!」
そう言ってセルヴィの後ろにある水槽に彼は手を振った。
_________正確には、それらのうちどれか一つが少年達の
「ああそうだ、ペレグリヌス。面接に貴方も出て貰いますから」
「なんて?」
なんで?
設定
秘密結社T.A.R.O.T.S. の部署の一つで構成人数は二番目に多い
主に複数の洋館から構成されている
洋館は現実に存在する
トリップ現象による被害を防ぐため、虚館に転移者を客人として一時的に保護・隔離した上で案内人によって状況説明、客人の精神ケアを執り行う
その間に実館では客人の肉体の保護、更なる転移の食い止めを行いながら転移前の肉体、魂の座標の解析・送還を実行する
探査装置の性能がまだ不安定のため、客人の肉体を直接移動させるために転移先の世界に人員が配置されることもある。
肉体が転移し過ぎたり、おかしな場所に移動してしまった際は他部署との連携も必要となる。
人物紹介
ヴィンコロ/制約者/????/女
特典:「制約」
身体的・外見的特徴
メガネとゆったりした服装の穏やかな女性
コルセットとか大嫌い
特定の人物・場所に対して禁止行為を設定する。彼女が死亡しても継続するがそれでも抜け道や例外が存在する
紹介
レジロが勤務する電子空間内の施設等を維持、管理する部署”CALIX“の管理者
事務能力の高さと冷静さを買われてセルヴィから推薦された。
自身の生まれた世界での境遇から仕事熱心
とある事情からレジロの特典の一部と掲示板の利用を制限している
Vincoli イタリア語
セルヴィ/奉仕者/????/男
身体的・外見的特徴
白髪の老執事
多分180cmぐらいある
特典:■■
非公開
紹介
ただひたすらに働いて過労で死ぬのが生きがいもとい死にがいなお方だが現在は自重している
コテハンが時々NGワードに引っかかるので現在のものに変えたらしい
Servizio イタリア語
狂月夜 くるいつきよ
レジロが使用した特典(の一欠片)
精神汚染による強制的な沈静、奮起であり解除後に反動として抑え込まれていた感情が一気に押し寄せる
はよクロスオーバー要素を書きたいけど主人公陣営の設定はしっかり書いておきたいどうしようタスケテ