第二話中編(上)
長いですが話の区切りが悪かったのでこうなりました。
Side:識道→レジロ・現実→”夢”
布団に潜り込む、
______今日の客人はどの様な存在だろうか?
そう考えながら目を瞑り、夢へと向かう。
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いつもと変わらない探偵小説にでも出てきそうなシックな執務室で目を開いた。
この部屋は俺が現実に目覚めるための部屋でもあり、夢に出勤した時のスタート地点でもある。
机の上にはタイプライターなどこれまた探偵小説に出てきそうな品物の数々と電報による通信文が複数枚。
「……面倒なのが来ないと良いけど」
万が一の為の装備品を確認する。拳銃一丁じゃ正直心許ないが
向かいにある客人のスタート地点______応接室のドアを開けた。
客人は人間とは限らず、ファンタジー小説に出てくる様な獣人、エルフなども現れる。
昨日のように全身金ピカの90cmほどある魚*1が来たり、「凶」と刻まれた岩*2がソファーの上に鎮座していた事もある。
そして今回の客人はロバの様な耳の生えた女の子だった。
______性転換したミダス王かな?
既に目覚めている。
大抵の客人は部屋に入っても10分は寝ていることが多い。
此処が夢なのにだ。なにやらレム睡眠とノンレム睡眠の周期が関わりがあるらしいがそれはさておき
静かに呼吸を整えて彼女に声を掛けた。
Side:アーミヤ・現実→?・1
微睡む中でぱさりという音がして少し寒くなる、
ぱちりと目を開けると目に映るのは見覚えのない天井でした。
「ここは…………?」
どうやら私はソファーに寝転んでいたらしく、床には私にかけられていたと思わしきタオルケットが広がっています。
どうやらずり落ちたみたいです。
あ、私の靴も置いてある…………。
拘束されているわけでもないので、誘拐ということはまずないと考えていいでしょう。
周りを確かめてみますと、どこかのアパートやマンションの一室の様なシンプルな部屋の様で出口は一つしかありません。
安全とは限らないのでいつでも動けるようにソファーから起き出して靴を履いておきます。そしてタオルケットを畳んでいると、
「おや、もう目覚めてんのか」
「!? あなたは一体!?」
いつの間にか音もなく開いていたドア、
そこには私と歳が同じか少し下のように見える男の子がドアノブに手を掛けたまま立っていました。
「人の名前を聞くときは…………っと別に言わなくていいぞ。というか言うな。この部屋、というよりこの施設ではな」
私が名乗り掛けると慌てて彼に止められてしまいました。どういうことでしょうか?
「理由は聞くな。今はうまく説明するのが難しいから」
心底面倒臭い、そんな気持ちがアーツを使わなくてもよく分かりました。
「名乗るのなら仇名とか愛称とかかな? まあ、本名以外ならそれでいいと思うぞ」
そう言われてしまいましたがどうしたらいいでしょうか?
オペレーターとしての名前はCEOとしての責務もあるので本名です。
仕事でもないのにCEO呼びはされたくありません。
魔王やキメラもちょっと微妙です。
仕方ないのでCEOと呼んで貰おうとしました。が、
「決められないならロバ耳とかどうだ?」
「ふざけているのですか?」
ロバ? というのがなんだかよくわかりませんがなんとなく嫌です。
魔王の方がずっと良いです。そんな気がします。
「悪かった冗談です黒うさとかいかがです? 」
可愛い、採用!
「お気に召してくれたようで何より」
______ウサギだったかー
そんな呟きが聞こえてくる。そして更に
あ、しまった。という呟きも
「俺が先に名乗らなくでどうすんだよ …………(深呼吸する音)改めてシドu…………じゃなかったレジロだ」
結局ここはどこなのでしょうか?
ロドスの皆はどうしているのでしょうか?
そんなことを考えていますと
気を取り直して、という声が聞こえてきましたので意識をレジロと名乗った男の子の方に向けました。僅かに耳が赤いです
「単刀直入にいうと、あんたの今の状況は夢を見ているただそれだけなんだよ」
「夢?」
どういう事なのでしょうか?
夢にしては現実味があり過ぎます。
「夢として此処に来ている、というのが近いかもな。…………それはそうと、この空間の説明をしないといけないか」
そう言って彼の口から語られたルールというのが、
・客人と案内人は互いに危害を加えることが出来ない。なお、例外は存在するものとする。
・客人はその時が訪れるまで空間から目覚めることは出来ない。
・案内人は客人が目覚めるまで目覚めることは出来ず、客人が目覚めても次の客人が来るまでに後片付けをしなければならない。
といったものでした。
そして、
「どれくらい過ごさなくてはならないのですか?」
私はそう聞かずにはいられませんでした。
明日一日のお休みが無くなるのはまだ我慢できます。
ですが、ですが、明後日もその次の日も目覚めなかったら?
私の責務は誰が背負うのでしょうか?
思考がグルグルと周り、不安がのしかかってきました。
「そうだな…………。この施設に関して幾つかの分かっている事柄があるからそれをもって答えとさせて欲しい」
レジロさんから分かっている事柄は、
・この施設内で入浴などを行なっても現実側の肉体が清潔になるわけでは無い。
・この施設内でトイレを利用しても現実側の肉体が粗相を起こす事は無い。
・この施設内で受けた肉体的、精神的苦痛は度合いによっては幻痛など
の形で現実に持ち越される。これにはあまりにも酷い味の食物も該当する。
・この施設内でどれだけ時間が経過しようとも客人、案内人共に目覚めた時の時間は平常の起床時間となる。
という事でした。
「つまり、何日も眠り続ける事は無いという事ですね!?」
やや食い気味に答えてしまいました。申し訳ありません…………。
しかし、
「現実側のアンタの肉体の状況やアンタ自身の精神状況にもよる。
アンタが夜更かしをしていたり疲労していたりすりゃ、当然遅く起きる事になるが…………その様子なら問題は無さそうだな」
どこか遠い目をして私を見るレジロさん。一体どうしたのでしょうか?
「レジロさん?」
「おっと!ちょっとボーッとしてた‥‥‥‥これから此処の案内をするから着いて来て」
レジロさんはそう言いながら部屋を出ていきました。
「アンタが目覚めた此処の部屋は応接室」
私が部屋を出てドアを閉めると説明を始めてくれます。
「向かいのこの扉が執務室…………もし俺がこの部屋にいて必要ならノックして欲しい」
ちょうど目の前にあるシックな扉を指し示してそう言いました。
「んで」
レジロさんが私の右手側を指差すとそこには両開きの扉が。とても豪華です。
「あの無駄に豪華な扉の向こうが特別応接室、特殊な対応が必要な客人用に用意されたけど前任者が2、3回使った程度らしい」
「前任者さんはどの様な方なのですか?」
「仕事を休まない所為で此処を一時的に出禁になるぐらいには働き者」
呆れた様な返答でした。
「今度はアンタから見て左に向かうぞ」
そう言うとそちらを向いて歩き出しました。
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「此処が脱衣所。それでその奥が浴室、2〜3人は余裕で入れるけど
どこか呆れた顔のレジロさん。心なしか先程以上に呆れている気がします。
「シンプルな脱衣所にかなり広い浴室ですね!
でも湯舟で泳ぐのは…………確かにやってみたくなります」
お湯が大量に使えることで少し興奮してしまいました。
「俺も昔泳いだけど実は別の施設にプールがあるらしいんだよな。
ちなみにここの設計者、今は一日中サウナで過ごしているとか。
ああ、そうそう。使うときは事前に伝えて欲しい。
バスタオルとかの用意が必要だから」
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「見ての通りだがトイレだ。全部水洗式だが一番手前はどちらのトイレも和式トイレだ」
扉を開けずにそう説明するレジロさん。
あれ? 男性トイレのマークが動いたような…………?
「‥‥‥‥次のとこへ行くよ」
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「何の変哲もない大型エレベーター、資材の搬入や階層の移動に使われる。対荷重250kgと書いてあるけど本当は5tだとか」
「確かめた事が?」
「そこまで重いものをここまで持ってこれないし壊れても非常階段無いから基本的にこの階から降りられないんだ」
「え!? 大丈夫なのですか?」
移動都市であるロドスにも万が一のことを考えて非常階段は設置されています。
それでも侵入経路に使われないように普段は格納されていますが…………。
「案内人である俺も客人であるアンタもここは基本夢の中だからな。死んでも基本現実に放りだされる仕組みにはなってる。まあ俺は後から事後処理で呼び出されるけれどね」
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「ここは………………?」
廊下の突き当たり、何の変哲もない扉があるだけなのにどこか不自然な空間です。どういう事でしょうか?
「扉があるだけなのに不自然、か? 殆どの客人がそう考えるらしいぞ」
そう言うとレジロさんは扉を開けました。
そこには、部屋がありませんでした。
空が広がっていたのです。
恐る恐る下を見せてもらうと、遥か下に地面が見えました。
「ここは4階建てらしくてな、客人がいる状態で案内人が開くとこうなる」
だが、そう付け加えて扉を閉めるレジロさん
「客人が開くと、だ」
開けてみろ、言外にそう促され、開けてみますが_______開きません。ノブが動きすらしないのです。
「目覚める『その時』が来るまで開かないけどな」
…………揶揄われたのでしょうか?
「揶揄ったわけじゃ無い、開くようならこの後最低限の説明を聞いてから目覚めてもらう、開かないならその分お喋りの時間が長くなる。そのための確認をさせてもらっただけだ。だからその菱形の魔法陣? みたいなやつはしまってください」
…………まあいいでしょう。
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「最後にキッチン。給湯室の方が近いかもしれない」
来た道を少し戻りキッチンに入り、そう締めくくられて施設の案内が終わると、キッチンの戸棚を開けてこう言いました。
「コーヒーとお茶。どっちが良いかい?」
「…………」
そこには様々な種類のコーヒー豆入りの瓶と茶葉入りの缶がズラリと。思わず言葉に詰まりました。
コピ・ルアクと言うのはどういったコーヒーでしょうか?
「もちろん普通の水とかジュースもあるぞ?」
慌てた様子で付け加えるレジロさん。探しているコーヒーが見当たらないだけでコーヒーが苦手なわけではありませんよ?
「では……私はコレを」
インスタントコーヒーを手に取る私。レジロさんはほうじ茶を選んだようです。
「砂糖とミルクが必要ならそこの壺から必要な分取ればいい。申し訳ないけどこのキッチン、飲み物はこの通り無駄に種類はあるんだけど、今は茶菓子はこのプレーンクッキーしかないんだ」
隣のワゴンから壺とクッキーの入ったガラス瓶を指し示したレジロさん。そのままコーヒーの瓶を渡すよう促されたのでそのまま手渡しします。
「じゃ、最初にアンタがいた部屋______応接室で飲みながら話すぞ」
ワゴンを押してレジロさんが出ていきましたので私も後についていきます
Side:レジロ・“夢” ・2
あっぶねー、案内をしながらも背中に冷や汗を感じた
本名を名乗りかけちょっとした冗談のつもりが相手を不快にさせるわトイレにヤバいのいるしまた怒らせるわで今日はやらかしまくっている。
‥‥‥‥紹介してない場所の抜けとかないよね?
とりあえず
手間だけどメンテしてもらった武器向こうから持ってきてもらうか?
ないよりはマシかもしれないし
なんにせよ流星はマズイ
Side:レジロ・夢
インスタントコーヒーに関しては好みの分量というものがあるので黒うさにマグカップと粉の入った瓶を渡す______もちろん匙も忘れずに‥‥‥‥砂糖も先にいれるタイプなのか。
自分もお茶の用意をしなければならないので土瓶に茶葉を入れる、
一人分でいいので3gほどでいいだろう。
ポットから土瓶に少し少なめにお湯を注ぎ、黒うさに話しかける。
「遅くなった、お湯をどうぞ」
「ありがとうございます」
そういって彼女はポットを受け取るとお湯を少しだけマグカップに注ぐと、
粉とお湯を練り合わせてから再度お湯を注ぎ、ミルクを混ぜた。
黒うさに断りを入れて応接室から出ていく______電話をしなくてはならない
「もしもし______」
一部システムの定期メンテでこっちに人員を寄越せないが黒うさが帰る準備ができた時の電話と同じタイミングで俺の武器を廊下に置いてくれるそうだ。ありがたい!
応接室へ戻り湯呑みにほうじ茶を注ぐ。
湯飲みの三分の二程ほうじ茶を注ぐと、
残りをワゴンに積んでおいたピッチャーの水で満たした。
せっかくの香りが勿体ないという人もいるだろうが火傷したくない。
そして、
ゴクリ‥‥‥‥
「「ふう‥‥‥‥」」
お互い飲み物を一口、相変わらず此処のお茶はいい茶葉を選んでいると思う。
目の前の彼女の様にコーヒーはあまり飲めないので好みに合ったかは分からない。
そもそもインスタントコーヒーに特別な美味しさがあるのか飲み比べたことがないので何ともいえないが‥‥‥‥。
「一息ついたし、話をしよう」
ようやく俺は話を切り出せた。
ここまで約30分、長かった‥‥‥‥。
「まずは、何故アンタが此処に招かれたかだ」
「黒うさ、アンタは『別世界からの来訪者』に心当たりはあるか?」
………………もっと分かりやすい言葉があったかもしれない。
Side:アーミヤ・夢
『別世界からの来訪者』その言葉を聞いて、私はレインボー小隊の皆さんを思い出しました。
源石を使用しない銃弾、
それに使用されていたというニトロセルロースという未知の物質。
なによりも彼女達全員の能力測定・健康診断の結果は私達では______私達の生きる
それらを思い出して私は心あたりがあると答えました。
「………………どういう存在だったかは聞いてもいいかい? 無理ならば構わない」
__
___
_____
「そうか、そんな人達が‥‥‥‥」
私の説明を聞くと、そう言ったきりレジロさんは黙り込んでメモを取り出しました。
一体何のための質問だったのでしょうか?
「話が逸れちまった、申し訳ない」
__説明に戻ろう。
そう言うとメモ帳をしまったレジロさん
「今のアンタの状態について話さなくてはならない」
何故でしょう、悪い予感が背中を這いまわりました。
「このままだとアンタは元いた世界から居なくなってしまう」
「強制的に別の世界に飛ばされる」
「どういう‥‥‥‥ことですか」
やっとの思いで声を絞り出せました。喉がカラカラです
「原因に関しては分かっていない」
「でも対処は可能だ。そしてアンタはそのために此処に招かれた」
「改めまして自己紹介を、俺の呼び名はレジロ、今は此処での案内人を務めている」
「貴女を元いた家に帰す手伝いが俺の仕事だ」
Side:レジロ・夢
_____心あたりがあります
ビンゴ、そう思った。更に絞り込む。
「…………どんなヒト達だったかは聞いてもいいか? 無理ならば構わない」
__
___
_____
「そうか、そんな人達が‥‥‥‥」
いや誰だよ其奴ら、多分転生者の可能性は無さそうだな。とりあえず報告書にもあげとかないと
話にでてきた人物達のメモに書き留めながら心の中で嘆く。
前例がある以上、この先の説明を多少は受け入れやすくはなるだろうけどさ………………。
「話が逸れちまった、申し訳ない」
「説明に戻ろう」
そう言ってメモ帳をしまいつつ、改めて彼女の方を向く
「今のアンタの状態について話さなくてはならない」
次の一言までの間が永遠であるかのように感じられた。
「このままだとアンタは元いた世界から居なくなってしまう」
「強制的に別の世界に飛ばされちまうんだ」
いわゆる異世界転移と呼ばれる現象だ。
「どういう‥‥‥‥ことですか」
やっとの思いで絞り出せたのだろう、かすれた様な声だった。
「原因に関しては分かっていない」
それでも望みはある。
「対処は可能だ。そしてアンタはそのために此処に招かれた」
「改めて自己紹介を、俺の呼び名はレジロ。今は此処で案内人を務めさせてもらっている」
「アンタを元いた家に帰す手伝いが俺の仕事だ」
正確には『俺たちの』になるけれど、
基本的に案内人以外は客人と顔を合わせることはない。
「だがそのための原理や方法に関しては聞かないでくれ」
「過去に悪用されかけたせいで此処の案内人である俺自身、探られないように知らされていない」
仮に知ってても理解できるよう説明できるかは怪しいけれど。
そんなことを考えながらお茶を一口、次に話すべきことは______
「次に
の前に前提知識の確認が必要だったか
「_____について話す前に、だ。前提として並行世界という概念を知っているだろうか?」
Side:アーミヤ・夢
並行世界、別名をパラレルワールド。
時空のある時点を分岐して、それに並行に並行して存在する「もしも」の世界 タイムパラドックスの解決にも用いられる概念です。
私はレジロさんにその旨を伝えました。
「そうそうそう、その並行世界を知っているなら前提知識は充分だな」
説明の手間が省けたのか嬉しそうなレジロさん
「じゃあコードネームの理由について話そう」
「結論から言うとアンタとアンタの暮らす世界_____大地と言ったか? との間にある“繋がり"を強めるためだ」
_____
「此処に来て、お互いに偽の名を名乗り、好きな飲み物を選ぶ。
それらを行ったのは他の並行世界のアンタじゃなく、他でもないアンタ自身だ」
「そして元の世界から別の世界へ居なくなろうとしているのもアンタだけなんだ」
「同一のアンタなんだ」
「………………わかるような、そうでないような」
「無理に理解しなくていい、重要なのは此処で行う行動だからな」
______説明を続けても?
私は頷きました。
「そして最後に行うべき行動だが、言うだけなら割と簡単だ」
______だが、
「だがすごく難しいことでもある」
______ヒトによってはすっごい酷なことを強いることになる
「ただの日常の雑談______いわゆる世間話だ」
side:レジロ・夢
俺が世間話が酷と考える要因は大きく分けて3つあると思っている
性格、言語、常識 この3つだ
性格______これはお互いの相性と考えた方がいいかもしれない。
人と話すのが苦手な人間もいれば好む話の内容が著しく合わない人間もいる。『最初の対応のおかげでレジロ氏とはどうにか話せるケド初対面相手に自分語りとか陰キャの拙者にはマジ無理ゲー』ってちょっと前に客人のネクラ侍*4が言ってた。今のところ一人の客人に対して複数の案内人を用意して相性が良い組み合わせを採用しているのだとか
言語______タロットカードを中継して翻訳機能を付与されているから問題ないけれどそれでも存在しない概念を伝える場合は困難を極めるし、複数言語に堪能な人物だと聞こえる言語が勝手に切り替わることがあるそうだ。
常識______控えめに言ってコレが一番クソ。なにがお互いの地雷になりうるかさっぱり分からない! 心を読んで回避しても自分が踏まれたら気不味くなるしなんなら読心行為そのものが地雷という客人もいらっしゃるようで‥‥‥‥ところで致死率100%、死んだら肉体が拡散して新たな感染源になる、罹ったら差別される、感染者の暴動、心を読んだ*5けどそれ以外にも厄ネタ満載‥‥‥‥色々と詰んでないか?
「取り敢えず、アンタの話を聞いて思ったよ」
「‥‥‥‥」
不安そうな顔をしている黒うさだが多分拍子抜けするだろう
「此処に来たのがアンタでよかった」
「‥‥‥‥え?」
「元々俺は人に話を聞いてもらいにくいんだけれどさ、アンタの話を聞く限り、暴動を起こす人物がきていたら殺し合うしかなかったと思うよ」
生憎殺されかけてやり返さずにいられるほど俺は
「そう‥‥‥‥ですか」
「ああ、そうだとも」
「ありがとう、ございます」
「お礼をいうのはむしろこっちの方なんだけどね」
懐からハンカチを取り出して黒うさに渡す
「最近、以前ほどではないけどとっても忙しくって、ドクターが、ケルシー先生が、皆さんが力を、尽くして下さっているのに」
「なかなか成果が出なくって、辛くって‥‥‥‥」
嗚咽の音が二人だけの部屋に響く、
「でもなんだか、元気が出てきた気がします」
泣きながら笑顔になるなよ、全く
「報われているかどうかわからないのって辛いよな」
どうしようもらい泣きしてきた、もう一枚ハンカチ持ってないかな‥‥‥‥。
side:アーミヤ・夢
「ごめんなさいいきなり泣き出してしまって‥‥‥‥」
涙を拭き終えたハンカチを畳みながら私はレジロさんに謝った。
「ズビッ‥‥‥俺も泣いたからおあいこで」
ティッシュで鼻を噛んだレジロさんがそう答えてくれましたが若干顔が赤いです。どうしたのでしょうか? いいえ、それよりも
「あの______」
ジリリリリリンッ!
ハンカチについてお礼を伝える前に電話が鳴った。
「はい、こちら案内人のレジロです____ 」
どうしよう、タイミングが
「 _____かしこまりました。ありがとうございます。‥‥‥‥ふう」
ガチャン
受話器を置きました、今です!
「「黒うs/レジr」」
「「‥‥‥‥‥」」
‥‥‥‥どうしましょう、すごく気まずいです。
「ええと、こっちが伝えることが二つあるんだ。一つはアンタの肉体の座標が特定できたこと。もう一つは今廊下g\\ドスン!//」
なにやら重い物が落ちる音がしました。何があったのでしょう?
「‥‥‥‥ちょっと廊下見てくる」
そのまま表情を硬くして出ていきましたが直ぐに戻ってきました。そして、
「もう一つなんだけど廊下が危険な状態な箇所があるせいで黒うさには一気に通り抜けて貰わないと行けないかもしれないってこと」
案内された時に感じた違和感を思いだします。
「もしかしてトイレに何かあるのですか?」
「気づいてたの? ‥‥‥‥そういえば世間話とか言っておいて黒うさにばっかり話させてしまったよな? そのお詫びにと言っては微妙だが聞いてほしい話があるんだ」
そう言ってレジロさんはもう一度ソファーに座りました。
「あの‥‥‥‥私は直ぐに帰らなくて大丈夫なんですか?」
「座標がちゃんと補足されてるから大丈夫! それに話している間に他の人達が対処してくれるかもしれないから」
なんとなくそんなことにはならない気がしますが取り敢えず私も座り直しました。
「では先にコレを食べてほしい」
そう言ったレジロさんがワゴンから取り出したのはお皿に乗ったおせんべいでした。
「どうしてですか?」
「コレがこの状況を理解するのに一番無難だから」
そういうとレジロさんが先に一枚取ってパリパリと小気味いい音をさせて食べました。そして______
「甘ぁ‥‥‥‥」
______しょぼしょぼした顔でほうじ茶を一気に飲み干すのでした。‥‥‥‥私もコーヒーのおかわりが必要そうですね。
___
______
_________
「おせんべいですよね」
「おせんべいだよ? 見た目は」
「甘いです」
「甘いだろ?」
「チョコチップクッキーですよね?」
「味はね」
「それでいて青のりの香りがします」
「不思議だろ?」
「‥‥‥‥」
「‥‥‥‥」
「いやなんですかコレ!? ‥‥‥‥あの、もしかしてですが、他の食べ物も‥‥‥‥」
「正解! まあ飲み物とプレーンクッキーは無事だけどさ、いつからか知らないけどこうなった。最初は煎餅が湿気ってたりクッキーの味が入れ替わったりしただけだったのが修正に失敗して更に複雑に入れ替わった」
「‥‥‥‥修正?」
「この空間を構築するシステムに介入しようとしたんだけど防衛プログラムを打ち破れなかったらしい、自分達で作っておいて難しくしすぎたんだとか」
「なんでそんなに難しくしちゃったんですか!?」
「楽しくてやりすぎたんだって」
______ウチはそんなヒトばっかり何だってさ
「あの‥‥‥‥レジロさんもそうだったりするんですか?」
「昔は一日中本を読んでいられたけど今は心音が気になってそれどころじゃないかな‥‥‥‥話を戻すと実は更に悪化させた奴がいて防衛プログラムの防御機能までおかしくなったんだ」
「え?」
「具体的にはこの空間内に不定期に敵性存在______通称エネミーが出現するようになった」
「もしかして」
「それの一部が君のいうトイレの違和感の原因ってことだ。とりあえず
「そんな‥‥‥‥」
「ちなみに此処で死んだりするとすっごく
設定
電子空間内での食事
劇中で語られた通り度を過ぎた量・味でなければ現実には影響しない。
調理に関してはまだ実験段階のため、キッチンにあるコンロは飾りとなっている。これは料理の過程で客人にできる限り違和感を持たせないようにするためにはどこまでを本格的に作り込むか、そのために必要な容量はどれくらいかなどの検証が不足しているためである。
プログラマーの一人が電子空間つながりで料理システムの存在するVRMMOから何かヒントを得られないか? と何人かの転生者に協力を仰いだものの、すぐにサービス終了した、デスゲーム化してそれどころじゃない、或いは死んで来世待ち、ゲームが楽しすぎてログインしたきり掲示板ですら連絡がついていない、などの理由で難航している。
お茶を淹れるためのお湯は部屋に置いてあるポットから必要分容器に移し替えてから使用することになっている。ポットから容器の容積分水が出るようになっているが、これは初期段階でポットから溢した場合、部屋が熱湯で満たされるまで止まらなくなったため。現在は10L以上は出ないように調整された。
| 現在虚館内の食糧はバグの発生などにより飲料とプレーンクッキー以外ほぼ摂取できません。 バグの具体例としては煎餅が湿気っていたり、チョコチップクッキーとレーズン入りクッキーの味が入れ替わったりなどです。 ちなみに濡れ煎餅はサクサクの食感でしたすっごい残念です
byバグ発生に居合わせた掲示板管理人
原因究明のためもう少し話を詳しく、なんなら更に試食を______あ、逃げた!待ちなさい!
byヴィンコロ
______ある日の監視カメラの音声記録より
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入れ替わりバク
虚館内において食べ物の外見と味が入れ替わるバグ 原因はまだ公開されていない
最初は飲み物を含めた全ての食物の味と外見が入れ替わった。バグに備えて各種パラメーターを紙の書類でも保管しておいた飲み物はデータを削除して一から作りなおすことでバグから復旧した。
面倒臭くなったので早く直そうと食べ物はバグ発生前の記録を探る為に統括サーバーからログを閲覧しようとしたら何故か防衛プログラムに弾かれた。焦った構成員が強引に突破しようとしたが失敗して更に悪化。噂には虚館そのもののデータの全てが一回吹っ飛んだとか‥‥‥‥。
なんとかセルヴィが復旧したもののセキュリティも同様に復活。
結局収監していた転生者に取引をする事で防衛プログラムが
飲み物も再びバグったがこちらはあらかじめバックアップをとっておいたので一ヵ月経たず完全復旧。更にバグの対象から外すことに成功した。 現在は食べ物を一から作り直しているところである。
実はバグ自体はセルヴィが全てどうにか出来たが不確定要素が多くて実行に移すのは危険なため断念された。
敵性存在 通称エネミー
防衛プログラムが中途半端に発動していることにより発生したナニカ
やられても死ぬことはないが目醒めてから丸一日は不快な思いをすることになるし、倒さないでいると増えるので厄介。
幸いなことに増えるペースは遅い。
バグなのか仕様なのかまだ分からないが少なくとも案内人達には戦闘訓練が課せられることになったので余計な仕事増やしやがってと恨まれているのは確かだ。 客人は待ってくれない
人物紹介
アーミヤ/黒うさ (原作:アークナイツ) 客人
製薬会社ロドスのCEO 此処での
色々背負ってる
ほぼ最初に手に入る
本人は気づいていないけれど精神的には殆どの事情を知らないレジロにアンタでよかったと言われて涙がでるぐらいに疲れていた模様。
レジロ/拝読者/識道 夜夢 男
ボーッとしていたのはウシリーニャのジンギスカンの味を思い出していたため 本当に美味しくなかった
名前を名乗らないようアーミヤに伝えておいて自爆しかけた案内人
案内人側には基本的にデメリットはないが客人の場合
重要な場面など所々で若干丁寧になるのは前任者であるセルヴィの教育の成果でもある。
時々「胡散臭いって言われた!」と泣きながらセルヴィに相談するることがあるが今話のレジロはもらい泣きした。
回収した武器はタロットカードに収納した
アウスパイト/搾取者/
/
今話ではただの湯たんぽ______彼女にとってはレジロが湯たんぽだが
ネクラ侍 本名:■■■・■■■■■ 客人
レジロが案内人に成り立ての時からの客人
最近はお互いに面白かった漫画をどうやったら布教できるか、具体的には現物を夢の中に持ち込んで相手に現実で読むにはどうしたらいいかを話し合うことが殆ど
最初はお互いに背を向けて一方的にレジロが必要な情報を少しずつ伝えるだけだった。
此処のポテチが食えなくなってちょっと残念
トイレのアレはちょっとひねって調べてみてください
原作名:母
流星は正式な名前ではありません
答え合わせは次回にて