キミとアイドルプリキュア♪ -朱蓮のダンサーとアイドル達-   作:寿垣遥生

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遥生です!今回から『キミとアイドルプリキュア♪』の二次創作の連載を開始いたしました。投稿時点ではまだ誰も投稿してなかったので僕が最初の二次創作ではないかと思っています。まだ1話のみではありますが、凄く楽しくて二次創作を書きたいという欲がそそられました…ややコミカルでハートフルな昨年度のわんぷりの雰囲気を踏襲しながらも肉弾戦を復活させたのは英断だと思います。そして、キャラも可愛いし声優もプリキュアチームはみんなお世話になってる人ばかりだし…さらに、うたちゃんの飼い犬のきゅーたろうがツダケンさんってどういうことですか!?声優の無駄遣いを公式がしてどうすんの?まあ、楽しみ要素は語れば語るほど長くなるのでここまでとしますけど…次回に向けて楽しみが膨らみますね♪

それでは、本編もどうぞお楽しみに!


#1 新天地と出会い

 ここはとある一家の朝の光景、今日は日曜日ながらもみんな早起きしてから朝ごはんを楽しそうに食べている。ここの家族は父と母に2人の娘と1人の息子という5人家族で過ごしていた…

 

「今日も聖子ちゃんの作るごはんは美味しいなぁ。特に卵焼きはもう最高…大好物補正を差し引いても最高だね。」

 

「ありがとう。ノリくんにそう言われるともっと美味しく作れそうかも…みんなも沢山食べて大きくなってね?」

 

「「「はーい♪」」」

 

 夫でアイドルの朱藤紀之(すとうのりゆき)は妻の聖子(せいこ)の料理を褒めながら作られた朝ごはんを美味しく食べていき、3人の子供…上から長女の陽葵(ひまり)、次女の笑華(にか)、末っ子(長男)の蓮(れん)も朝ごはんを食べる。この一家は芸能人一家で紀之は人気アイドルグループ『青年隊』のメンバーで聖子は今は引退してるものの結婚する前までは『増田聖子』としてヒット曲連発のアイドルとして活躍し、3人の子供はいずれも子役で『子役三姉弟』としてドラマ、バラエティー等に引っ張りだこだ。ただし、紀之と聖子が結婚していてその子供がこの姉弟であることは内緒で何とか漏れないように地域と事務所が協力して隠し通している。

 

「お母さん、ピンポン鳴ってるよ?」

 

「ありがとう、蓮くん。ちょっと待っててね?」

 

 インターホンが鳴り、末っ子の蓮に言われた聖子は食事を中断して玄関へと向かう。こんな朝ごはんの時間の来客とは何者だろうか…聖子は少し不満に思いながらもドアを開けるとそこにはここら辺の住人ではない茶髪の若い女性が聖子をじっと見ていた。

 

「…」

 

「あの、どちら様でしょうか?まだ取り込み中ですし用事があるにしても朝早すぎかと思いますよ?すみませんが、お引き取りください。」

 

「待ちなさい、あなた…聖子さんでしょ?朱藤くんと結婚した…」

 

「…!?どうしてそれを?」

 

 聖子が女性を追い出そうと扉を閉めて逃げようとすると、女性はとんでもないことを言い出した。紀之と結婚していることは世間には秘密のはず…聖子は動揺を隠せない。

 

「ネットの掲示板で見たの。朱藤くんとあなたが結婚していて3人の子供がいるって…しかも写真付きな上に子供達の名前付きで。許せない…朱藤くんは私の推しなのに、許せない、許せない、許せない…!こうなったら、あなたとその子供を殺してやる!!」

 

 すると、女性は背中に隠していた包丁を突き出して声を荒らげた。彼女の表情はかなり怒りを帯びていて何としても殺してやろうという覇気までもが出ていて、聖子も思わず1歩後退りしてしまう。

 

「ちょっ、落ち着いて…黙っていてごめんなさい。だけど、ここでそんなことをしたらあなたは二度と推しに会えなくなるんだよ?」

 

「黙れ、黙れ、黙れえええええええ!!」

 

 聖子の説得で発狂した女性は彼女の腹部を包丁で刺しつけた。これには声にならない痛みが走り、聖子の腹部は赤く染まり口からも血が流れて尻もちをつく。

 

「お前なんかに何が分かる!私は朱藤くんに会いたくて会いたくて努力をしたのに会えない…でも、お前は音楽番組やドラマで共演した時から仲良くして定期的に会えてて腹が立つんだ!!でも、増田聖子を殺せば朱藤くんは振り向いてくれる…朱藤くんと結婚できるの。だから、死んで…」

 

「っく…」

 

「何の騒ぎだ…って、聖子ちゃん!」

 

「ママ!」

 

「「お母さん!?」」

 

 女性が聖子にとどめを刺そうとしたその時、この騒ぎを聞きつけて紀之と子供達も合流して、子供達は満身創痍の母親に駆け寄って聖子のことを心配する。

 

「朱藤くん、やっと会えた…もうすぐこの女は死ぬんだよ。そうすれば私と結婚してくれるよね?」

 

「何を馬鹿なことを言ってるんだ?僕は君とは結婚できない…僕の妻は聖子ちゃんだけだし、そもそも君は誰なの?ライブや握手会で会ったことないけど…」

 

「酷いよ、朱藤くん…確かに私はあなたと実際に会ったことはないけど、私がやってる青年隊の恋愛シミュレーションゲームの中では付き合ってるでしょ?そこでは結婚していて2人でイチャイチャしてるの…だから、現実でもそうなろう?ねっ♪」

 

 女性は紀之達の青年隊が出てる恋愛シミュレーションゲームでの関係を引き合いにしてプロポーズをする。しかし、彼女の目は焦点が合っておらずどこか狂っていた。

 

「お母さん、大丈夫?」

 

「ママ、すぐに救急車呼ぶからね…」

 

「お母さん、僕達の声…聞こえるよね?」

 

「陽葵ちゃん、笑華ちゃん、蓮くん…ごめんね。」

 

「「「お母さん(ママ)!!」」」

 

 聖子が声を振り絞って子供達に謝ると彼女は意識を失って目を閉じる。子供達からすればどうして謝るのかという心境だが、とにかく大きな声で呼び、身体を揺すってから起こそうとした…

 

「さあ、次は子供達の番ね…まずは1番小さい蓮からよ!!」

 

「蓮ちゃん、危ない!」

 

「蓮!」

 

 女性は聖子だけに留まらず、今度は子供…その中でも末っ子の蓮から始末しようとする。これに気づいた陽葵と笑華は呼びかけるが、もう女性の勢いは止まらない。だが、彼は死ぬことはなかった。何故なら…

 

「がはっ…」

 

「えっ、す…朱藤くん?」

 

 そう、父親である紀之が盾になったからだ。女性の包丁は心臓を突き刺して、紀之は苦悶の表情を浮かべる…しかし、彼は血を出しながらも笑っていた。胸は赤く染まり、痛みは相当のはずなのに彼は女性の包丁を持つ手を握って宥める。

 

「ごめんね…君のことを今まで裏切って。これで気は済んだかな?」

 

「あっ、あっ…その、ごめんなさい!」

 

 女性は気が動転したのか包丁を抜いてからそのまま逃げ去る。彼女からしたら子供を殺すつもりがまさか推しをやってしまうとはまさに悪夢としか言えない…女性はドアを閉めることなくそのまま姿を消し、それと同時に紀之はその場に倒れる。

 

「お父さん、お父さん!」

 

「蓮…お前が無事で良かったよ。やっと父親らしいことができた。みんなもそうだけど、本当に仕事が忙しかったり嘘で隠し通さないといけなかったから肩身の狭い思いをさせてごめんな…」

 

「何を言ってるの、お父さん…お母さんも死にかけてるのに、お父さんも死んだらダメだよ!」

 

「僕はもうダメだ…心臓に穴が空いてる。だから、最後に言わせてほしいな…聖子ちゃん、陽葵、笑華、蓮、こんな僕を、愛してくれて、ありがとう。」

 

 そう言い残し、紀之は涙を流して安らかな表情のまま目を閉じた。涙はツーと流れ床に落ち、力なく首はこくんと落ちて、顔色も青白くなり、唇も紫色になっていく。

 

「何をしてるの、蓮…早く救急車を呼んで!そうしないと、パパとママが…!!」

 

「あっ、ああ…」

 

「蓮ちゃん?」

 

「はあ、はあ、はあ…ああっ、うわあああああああ!!」

 

 笑華と陽葵が救急車を呼ぶように言うと、蓮はこの状況にパニックになったのか過呼吸を起こして叫んだ後に発作を起こして気を失ってしまう。結局は近所の人が騒ぎを聞きつけて救急車は呼ばれたものの既に手遅れで両親は亡くなった…その後、逮捕された女性の事情聴取での内容や週刊誌並びに各メディアの取材により結婚していたことや子供がいたことが明らかになり、子役三姉弟は売れっ子から転落して世間からのバッシングを受け、表舞台から姿を消した。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

8年後・side主人公

 

「蓮、蓮…いい加減起きなさい!」

 

「う、うーん…」

 

 あれから俺はどれだけ車の中で寝ていただろうか。起こされた俺は目を開けて景色を眺めていると、『ようこそ、はなみちタウンへ』という看板が見えた。どうやら俺達は引越し先であるはなみちタウンに入ったらしい…

 

「本当に随分と良いご身分ね?引越しの原因なのにあんたはのうのうと寝ちゃって…」

 

 俺の隣に座って俺を起こしたのは朱藤笑華、俺より2つ上の姉で『ニカ姉』と俺は呼んでいる。彼女は現在、アイドルをやっていて5人組グループの『Pretty Fruits(プリティーフルーツ)』の最年少メンバーながらも亡くなった両親譲りの圧倒的なアイドル力で人気を確保し、不動のセンターに君臨中。世間からは愛想の良さでかなり愛されているのだが…家に帰ったら性格が悪くて無愛想な女に豹変し、そのレベルはアイドルモードしか知らないファンにこの真実の顔を見せたら幻滅するぐらいだ。正直言って俺はそんなニカ姉があまり好きではない…(むしろ嫌いかも?)

 

「別に俺だけのせいじゃねえだろ…事務所に近いところに引越したいのもあってこうなったのを忘れたか?マジで性格悪ぃな…」

 

「何ですって!?このファンサ満々の売れっ子アイドルであるこの私のどこが性格悪いのよ、このクソガキが!!」

 

「こらこら、喧嘩しないの…それと、笑華ちゃんは人気のアイドルなんだから『クソ』とか『ガキ』とか言っちゃダメだよ?言葉遣いには気をつけないとね。蓮ちゃんの言う通りにもうちょっと家でも優しくなった方が良いかな?」

 

 車を運転しながら仲介に入った彼女は朱藤陽葵、ウチの長女にして両親亡き今では大黒柱として家計を支えていて、俺は『ひま姉』と呼んでいる。年齢は20歳(早生まれ)と家族の中の唯一の成人で女優としてドラマ、映画、バラエティーに引っ張りだこの売れっ子だ。両親が亡くなって俺達はバッシングもあり一時期芸能界から干されたが、姉達は挫折を乗り越えた末にそれぞれ芸能界に戻って復活を果たした。しかし、俺はこの当時6歳だったからトラウマが強く残り芸能界を引退して一般人として生活することを選んだ…それでも俺の知名度は良くも悪くもあってかいじめを受け、家族以外の人を信じられなくなった末にトラブルを起こすようになって現在に至る。

 

「もう、お姉ちゃんはどうして蓮に甘いの?いつも私ばっかり悪いように言われてマジだるいんだけど…」

 

 ニカ姉はひま姉から注意されて不貞腐れてしまう。ひま姉は強く怒ったりはしないけど、俺が嫌味を言われてる時はいつも味方してくれるのだ…過保護かもとたまに自分でも思う時もあるが、味方されないよりは何倍もマシだ。

 

「それで、蓮ちゃんはどんな夢を見てたの?」

 

「昔の夢だよ、またあのトラウマが甦ちまって。考えないようにはしてるんだけどな…」

 

「そうなんだ…でも大丈夫、この新天地なら蓮ちゃんはきっと悪夢を見なくて済むようになるはずだよ?あの時は地元だったから世間の熱りが冷めても騒ぎは収まらなかったからね…もう時間も経ってるし場所も離れてるから心配しないで。」

 

「ひま姉…ありがとう。俺、立ち直れるように頑張るよ…」

 

「ふふっ、どういたしまして…それはそうと、音楽聴いて気分を上げていこっか。蓮ちゃんは何か聴きたい曲はあるの?」

 

「アイドルの曲以外で…」

 

「OK、CD入れるね。」

 

 そして、ひま姉は赤信号の停車中にCDを入れてから音楽を流してそれからは音楽を聴きながら新しく住む家へと向かうのだった。あっ、名乗りが遅くなったな…俺は朱藤蓮、13歳(満14歳)。趣味はブレイクダンスとヒップホップ、嫌いなのはアイドルとその音楽…ニカ姉も現役アイドルだがはっきり言ってアイドルは嫌いである。昔はアイドルを夢見ていたが、両親を殺されたトラウマでアイドルが嫌いになった…本当にあの事件がなければな。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 それから車で走ること15分…俺達は新居にたどり着いた。隣には喫茶店があるし、見たところお店とかも揃ってるから最高の立地である。それに家自体も新築でセキュリティも前の家よりもさらにしっかりしてる一軒家…これならもう何も怖くないだろう。

 

「やっと着いた。もう1時間半も座りっぱなしだったから背中バッキバッキよ…」

 

「とりあえず、荷物はまだ届いてないから届くまで待ちましょうか…」

 

「じゃあ、俺はちょっと近くの公園で踊ってくるよ。待ってるのも暇だからな…荷物が届いてたら業者さんに荷物を部屋まで運ぶように言っといてくれるか?」

 

「あっ…こらっ、唯一の男がサボる気!?」

 

「ふふっ、大丈夫だよ。でも、夕方までには帰ってきてね?」

 

「お姉ちゃん!どこまで蓮のことを甘やかしてるの?アイツ、どう考えたって運搬作業をサボる気満々じゃない!ウチの男は蓮だけなのに何考えてるの!?」

 

「荷物を運ぶのは業者さんのお仕事で蓮ちゃんのお仕事じゃないでしょ?それに、整理整頓なら夜でも問題ないと思うけどね…とにかく今は蓮ちゃんのしたいことをさせてあげて?」

 

「分かったわよ…お姉ちゃんがそこまで言うのなら好きにすれば?」

 

「ありがとう、行ってくる!」

 

 そして、俺は近くの公園へと走って向かう。車で通りかかったけど、見た感じだとここが俺の踊り場となりそうだ…早く踊りたくてウズウズが止まらないぜ!

 

(5分後…)

 

 走ること5分、俺は『はなみち運動公園』にやって来た。そこは野球とかサッカーをやる土のグラウンドだけでなくアスファルトでできたバスケ場(3on3用)もあり、ここはブレイクダンスをするには最良のグラウンドである。

 

(とりあえず、バスケをしてる人はこの時間いないから踊り放題だ!ギャラリーがいた方が盛り上がるんだけどな…まっ、好きに踊ってやらぁ!)

 

 そして、音楽を流すためにスマホの音楽プレイヤーを開いて曲を選んでから再生ボタンを押してダンスを始める。ヒップホップのビートとパッションが俺の胸を高鳴らせステップを弾ませていく…どこのチームにも属せず大会も出ておらず趣味の範囲で暇さえあればいつも踊っていたのだが、新天地ということで心も身体もイキイキしているんだろうな…

 

(倒立系もスピン系も完璧だな…心も身体もスッキリしていて今は踊るのが楽しいぜ!踊ってる時は前から楽しかったけど、今はもう何のしがらみも感じられねえ…新天地最高〜♪)

 

「あなたのダンスかっこいい!キラッキランランだよ〜♪」

 

 すると、ある1人の俺と同い年ぐらいで犬の散歩をしていた女の子が大音量の音楽を聞いてか様子を見ていたらしく、俺のダンスを拍手して褒める。『キラッキランラン』、何か可愛いようで力の抜けるような表現だな…とりあえず、音楽とダンスを止めてから女の子と向き合うことにした。

 

「あ、ありがとう…あんた、ここら辺の人なのか?」

 

「この公園は家から5分ぐらいだからそうだね…私、咲良うた。この子はきゅーたろう…きゅーちゃんって呼んでるんだ。きゅーちゃん、挨拶して?」

 

「ワン!」

 

「咲良ときゅーたろうか。俺は朱藤蓮…趣味は見て分かるようにブレイクダンスだ、よろしく。」

 

「よろしくね!何なら名前でうたって呼んでほしいんだけどなぁ…」

 

「いや、まだファーストコンタクトだし流石に馴れ馴れしすぎだろ…それはともかく、さっき家から5分って言ってなかったか?俺も大体そこら辺にさっき引越してきたんだよ。」

 

「そうなんだ。じゃあ、近所同士かもしれないね!ところで蓮くんはいくつなの?見たところ私と同い年っぽいけど…」

 

「もう下の名で呼ぶか!?まあとりあえず、俺は今年で14の中学2年生だけど…咲良も中2なのか?」

 

「うん、この前誕生日を迎えて13(早生まれ)だから同じ学年だよ!中学校も同じだったら友達になろうね♪」

 

「お、おう…」

 

 咲良は(恐らく)近所同士で同学年ということで嬉しくなってか笑顔で俺と握手を交わす。何だこいつ…かなり馴れ馴れしすぎて調子が狂っちまいそうだ。でも、凄く可愛いところが憎めないどころかその笑顔に少しドキドキしてしまう…こんな感情は初めてで、これが恋ってやつなのだろうか?恋する余裕がこれまでなかったからよく分かんねえけど。

 

「ねえ、蓮くんはどんな音楽が好きなの?やっぱり、さっき流してた音楽のようにヒップホップとか?」

 

「当たり前だろ?俺はブレイクダンスを好む人間だからな…それがヒップホップが1番じゃねえとかマジありえねえって!そう言う咲良はどんな曲が好きなんだ?」

 

「私はやっぱりアイドルソングかな?曲も好きだけど、それを歌うアイドルの女の子も見てて凄くキラッキランランで可愛くて素敵だと思うの!それに、私は歌うことが好きだからね…蓮くんもアイドル好きだったりする?」

 

「…」

 

 俺の質問に対して咲良は目を光らせながら楽しそうに答える。しかし、その内容は『アイドルが好き』、この一言で俺は幻滅した。咲良に恋しかけていた自分が馬鹿みたいに思えてしまう…いくら可愛くてもこいつは俺の好みには合わない人間だったらしい。

 

「蓮くん、どうしたの?怖そうな顔をして…」

 

「悪ぃな、どうやら俺とお前は友達になれそうにねえようだ。気分悪いし帰るよ…」

 

「待ってよ、何か怒らせることを言ったかな…謝るから、もっとお話ししよう?」

 

「もうお前と話すことはねえよ…簡潔に言う、俺はアイドルが嫌いだ!たとえ近所だとしても二度と俺に話しかけるな…以上。」

 

「蓮くん、蓮くん!」

 

 俺は『二度と話しかけるな』と忠告して公園を後にした。咲良はそれから呼び止めようとするが完全無視…もうこいつの声も聞きたくないし、顔も見たくない。俺の中で咲良は出会って最速でブラックリスト入りを果たしたのだ。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 そして俺はモヤモヤとイライラを抱えながら街の中をしばらく歩いた末に河川敷に座り心と身体を休める。何も考えないようにしようとはするが、悪いことをずっと引きずるのは俺の悪い癖だ。あのトラウマもそうだし、いじめられた上に家族を侮辱されたことに加えてまた1つ悪いことが増えてしまった…

 

(本当に何だあいつは…咲良も俺の前でアイドルの話をしやがって!アイドルになったってろくな目にも遭わねえのに…親父と母さんがアイドルじゃなかったらもっと色んなところで自由に遊べたし、ストーカーから殺されることもなかった。そんなアイドルなんて好きになれねえよ…それを好きな人間の思考なんて理解できるかっての!)

 

 俺は心の中で咲良への怒りをボヤく。ただ、あいつはわざと言ったつもりはない…そもそも初対面だし、雰囲気からしてもっと仲良くなりたいという気持ちは伝わっていた。でも、俺の中でアイドルのことが好きでアイドルの話をやつはみんな害悪だと思っている…どんな人だろうとこの線引きを変えるつもりはない。アイドルやアイドルの話をするやつは大嫌いだ!

 

(ただ、マジで可愛かったよな。あの笑顔と気さくなところ、アイドルの話さえしなかったら俺は咲良に恋してたはず…でも、仕方ねえよな。)

 

「そこの少年、何を迷ってんだ…シャキッとするんだヨイ。」

 

「えっ?」

 

 その時、どこかから男の声がしてその方を振り向くと…そこには目つきが鋭くパイナップル頭に獣耳がついた黄色い生き物が歩み寄ってきた。見た目的にも声的にも既視感はあるが、まあそこは気にしない方が得だろう…

 

「お前は一体…まさか、妖精か?」

 

「初見で俺の種族を当てるとは流石だヨイ。俺はヨーヨイ、キラキランドから使命を与えられてこの世界を旅してたってところだヨイ。」

 

「キラキランド?どういう世界だよ…」

 

「まあ、詳しいことは後で話すヨイ。それで、お前さんこそ何者だ?名乗ったら名乗るのが礼儀じゃねえのか?」

 

「俺は朱藤蓮、趣味はブレイクダンスとヒップホップ…習い事としてはブレイキンをやってる。」

 

「蓮か…趣味がブレイクダンスにヒップホップ、良い名前だし気に入ったヨイ!それはそうと、どこかゆっくり話せるところはあるかヨイ?俺は今からお前さんに頼みたいことを話してえんだ…これは秘密の任務だからな。」

 

「じゃあ、俺の家に来いよ。俺で良かったらお前の力になってやる…困ってるやつを放置できねえしな。」

 

「恩に着る…ありがとうヨイ。」

 

 そして、俺はキラキランドから任務を背負ってきたヨーヨイを新居へと案内する。色々と信じられない話をしていたが、小説より奇なりということわざがあるようにファンタジーのような話が現実に起こる可能性は0ではない…知らない世界だろうが秘密の任務だろうがこいつからは嘘をついている雰囲気はなかったので、俺はヨーヨイを信じることにした。しかし、この出会いが俺の日常を180度変えることになるとは…この時はまだ俺自身ですら想像できなかった。




いかがでしたか?いやぁ…原作と比べるとかなり重たい話になってしまいましたね。まるでプリキュアの台本を井上敏樹先生か虚淵玄先生が書いたような感じだと我ながら思ってます。まあ、僕のキミプリはこんな感じなシリアスなところもありますのでね…でも、ハートフルでコミカルなところは残しますよ。それも消したらキミプリの魅力台無しやんけ…ってな感じで今回は1話の序盤か前半辺りまで終わりました。次回の2話はその続き相当からになります!もちろん、蓮も…とそこは楽しみにお待ちください。

キャラ紹介は次回の後書きにまとめて載せますので、キャラのことで疑問はあるでしょうけども…我慢してくださると幸いです。感想、お気に入り登録、高評価の3点セットお待ちしてますね!
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