キミとアイドルプリキュア♪ -朱蓮のダンサーとアイドル達-   作:寿垣遥生

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遥生です。今日はまさかのキミプリが駅伝につき放送休止!世間のスポーツアンチもしくは子供のプリキュアファンはこれを嘆いていますが…まあ、僕はスポーツも好きなものですから特に苦じゃないですね。とりあえず、確かに言えることはスポーツ自体を悪にするなということです。それで喧嘩を売られては我々プリキュアファンの品位も下がるのでね…大人はくれぐれも駅伝ファンに喧嘩を売らないようにお願いいたします。ただ、まほプリの続編はこの後予定通りやるのでね…そちらを2倍ぐらいモチベーションを上げて楽しんで頂ければと思います。

さて、今回は予告通りにオリジナル回をお届けいたします。お察しというか読めば分かるんですけど、原作のストックが尽きてしまいました。そこでオリジナルストーリーで迂回して次の7話分に何とか繋げる所存です。上手くやっていくので、今作初のオリジナルストーリーも是非お楽しみください!

サブタイトルからも分かるように今回は蓮の人生初デートです。誰とデートするかはまあお分かりでしょうけど、一筋縄では行きません…どんな展開になるのかは本編を読んでくださると分かります。

それでは、また後書きにて!


#13 朱藤蓮、人生初デート!

side蓮

 

 紫雨にアイドルプリキュアの現実を見せてしまった次の日、俺達はいつも通り変わらないリズムで過ごしていた。あれから紫雨には会っても話してもいないが、元気にしているのだろうか?ともあれ、俺は放課後の今にあることを実行しようとしていた。

 

「蓮、いきなり私を呼んでどうしたの?ななちゃんとみことは先に帰ったけど…」

 

「悪ぃな…ちょっとうただけに話したいことがあって先に帰らせたんだ。今回のことは俺達だけの秘密ということで頼むぜ?」

 

「うん…私にしか話せないことだもんね。大丈夫、今回のことは私と蓮だけの秘密にするよ。」

 

「ありがとな…その、今週の土曜日は空いてるか?」

 

「うん、全然空いてるけど…」

 

「そうか。それで、その…」

 

 俺は肝心の本題を切り出そうとしたが、緊張のあまりに言葉が詰まってしまう。いつもはうたの顔を見て何でもハキハキ言えるはずなのに何故か今は緊張で心臓ドキドキ、頭はパニック、身体はバキバキ…これが恋ってやつなのか。

 

「蓮?」

 

「いや、えっと…俺の今度の土曜日に2人でお出かけしたいなぁって。だから、俺のためにその日を空けといてほしいんだ。俺、うたとどうしても出かけたくて…」

 

 俺は緊張して今にも逃げ出したいぐらい追い込まれていたが、勇気を振り絞ってうたに伝えたいことを全部言った。これで断られたら俺よりもカイトさんに完全に傾いているということで所詮はこの程度…でも、俺は負けたくない。どんな展開だろうとも俺は悔いのない選択をするだけだ!

 

「私と2人で?でも、それはちょっとななちゃんやみことに悪いよ…みんなとは駄目かな?」

 

「いや、2人が良い。お前にどうしても伝えなきゃいけないことがことがあってそれはななやみことには言えないんだ。うただからこそ話せることを言いたいから他の人は絶対に呼ばないでくれ…」

 

「蓮がそこまで言うなら…分かった。今週の土曜日、一緒にお出かけしようね。」

 

「よっしゃ!当日はよろしく頼むぜ?」

 

 こうして俺は今週の土曜日にデートの約束にこぎつけた。表向きにはデートと言えなかったが、デートと言ったらカイトさんに気持ちが傾いている中だから混乱するだろうし、直接お願いする感じは避けることに…ともあれ、俺の誘いに乗ってくれたのは凄く嬉しい話で当日がもう今から楽しみだ!

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「おいっ、もう起きろヨイ!アラームが鳴ってるだろうが…」

 

「う、うーん…」

 

 いよいよ迎えたうたとのデート当日、俺はスマホのアラームとヨーヨイの声で目を覚ましてアラームを止める。いつもの土曜日は昼まで寝る生活をしてるからとにかく頭がぼーっとしてしまうんだよ…

 

「おはよう、ヨーヨイ。まだ眠い…」

 

「いつも土曜日に遅起きしてるからだヨイ!」

 

「仕方ねえだろ…今まで土曜日はやることがなかったんだから。とにかく、飯食ってくる…」

 

 そして、俺は朝飯を食べてから歯を磨いたり髪を整えたりして朝をの準備を済ませていくのであった…とりあえず、朝の9時半にグリッターの前で集合だから焦らないでも余裕があるのは大きい。とにかく、うたとのデートが楽しみで仕方ないんだよな…しかも人生初デート、ここで決めて俺は願わくばうたに告白するんだ!

 

(準備中…)

 

 それから9時28分になって俺は姉達が仕事で不在の中、無言で家を出る。今日のコーディネートはジーパンに白シャツの上からワインレッドのワイシャツを羽織ってネックレスも付けるという普段とは違う感じにしてみた。いつもなら赤のパーカーだけど、デートにはダサいんだよな…こういう日はよりオシャレに決めないと。

 

「あっ、蓮…おはよう〜!」

 

「おはようプリ〜!」

 

「おはよう、蓮くん♪」

 

「おはよ…って、えっ?」

 

 俺が待ち合わせ場所のグリッターにて合流すると、そこにはうただけじゃなくてななも一緒にいた。プリルンはまあパートナーだしいて当然だが、俺とうたのデート…だよな?どうしてななが…

 

「えっと…これは一体どういうこと?」

 

「ごめんね。やっぱり私…みんなを仲間外れにできなくて。みことは用事があって来れなくなったけど、ななちゃんも誘っちゃった。」

 

「ああ、そう…」

 

 何と、うたは仲間外れにはできないとしてななを誘ったのであった…本当に彼女はどんだけ優しすぎるんだ?まあ、デートと伝えなかった俺にも非はあるかもしれないけど…デートに友達を連れて来るって普通にありえねえって!(みことは用事があるとのことで断ったらしいが…)

 

「ごめんね…迷惑だったかな?」

 

「いや、全然…」

 

 ななは少し困ったような感じで俺に尋ねるも、とりあえずは気丈に振る舞った。ここでストレートに迷惑と答えたらななが可哀想すぎるしな…今日はこれで我慢しよう。

 

「それじゃあ、今日は3人で沢山楽しもうね♪」

 

「うん!」

 

「お、おう…」

 

 こうして、俺の人生初デート(?)は少し悪い雰囲気の中で始まった。いや、これをデートと扱って良いのだろうか…少し微妙なラインではあるが今日はとにかくこの状態でも楽しまないとな。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 まず最初にやって来たのは例によってアイドルグッズの置いてあるお店で色んなグッズを見て回る。特にうたは自分(キュアアイドル )のグッズがないのか鼻息荒く探し回っていた…まあ、この前紫雨と探してもなかったからそんな数日でできるわけがない。

 

「私のグッズ、どこにもないなぁ…」

 

「しょうがないよ、うたちゃん。私達はまだこの前CMに出たばかりだもん…それに、アイドルプリキュアは正体を秘密しないといけないから表立って活動できないし。グッズができるのは難しいかも?」

 

「そうだよね…」

 

「そんなことより、うた…俺、これからガチのアイドルのオタクになりたいと思ってるけど、オススメのアイドルグループがあったら教えてくれないか?」

 

 俺はうたにオススメのアイドルグループが何かを尋ねる。歌うのが好きならそれだけ沢山の曲も聴いているはずだろう…アイドルにも詳しそうだな。

 

「うーん、ごめんね…私、歌うのは好きだけどアイドルはよく分かんなくて。蓮は確かヒップホップが好きなんだよね?」

 

「まあ、そうだな。そういう系のアイドルっているのか?」

 

「それだったらEIGHTEENはどうですか?これ、最新シングルですけど…」

 

 すると、俺の目の前に突然と紫雨が現れてはCDを1枚持ってくる。あの時以来の再会とはなったが、あれから立ち直ったのだろうか?どうにしてもひとまずまた会えたことだけでも心が救われる。

 

「紫雨…」

 

「こころちゃん!良かった、あれからずっと会えなくて心配したんだよ?あの時は本当にごめんね。」

 

「いえ、もう気にしてません。私の考えが甘かったんです…アイドルプリキュアの一部しか観てないのに全てを知ったつもりだったのが駄目だったんです。」

 

「こころちゃん…」

 

 紫雨は笑顔で謝るうたを許すのだが、紫雨の表情はどこか曇っていた。これに俺とななは見逃さない。相当辛かったんだろうな…憧れの現実を色々見てしまったのだから。

 

「紫雨、あんまり無理はするなよ。でも、ありがとな…お前のおすすめ買わせてもらうぜ?」

 

「ありがとうございます。このグループは韓国どころか世界を代表するグループでヒップホップ要素もありますし、メンバーも面白くてかっこいい人が集まっていて公式YouTubeチャンネルのコンテンツは面白いので蓮先輩におすすめですよ?」

 

「なるほど、それは楽しみだ…YouTubeも含めて楽しませてもらうよ。あっ!それとお前が作った缶バッジ、ウエストバッグに着けてるから。本当にありがとな!」

 

「いえいえ、それでは私はこれで…皆さん、お出かけなんですよね?楽しんでください。」

 

「うん、ありがとう!またね、こころちゃん♪」

 

 紫雨はそう言って立ち去り、うたが先頭でその背中を見送る。プリルンも何も言えない感じになっていた…こいつもこいつで結構反省してるんだろう。いつもなら俺達の会話に入ってくるのに紫雨の前だとそれができなかった…(まあ、ここが店内ってのもあるだろうが。)

 

「蓮くん、その缶バッジ…どこで貰ったの?キュアアイドルのでしょ…」

 

「これ、紫雨が作ってて研究会で貰ったんだ。あいつはダンスだけじゃなくてグッズ作りも天才なんだろうよ…」

 

「そうなんだ。私のがあったら着けてほしかったな…」

 

「何か言ったか?」

 

「ううん、何でも…」

 

 ななは俺のウエストバッグに着けているうた(キュアアイドル)がプリンティングされた缶バッジを見て何かを呟く。その感情から少し嫉妬が見えたのは気のせいだろうか?まあ、もしも機会があるとしたらなな(キュアウインク)のも紫雨から貰っておくことにしよう…

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 それから俺達はグッズを購入した後にまずショッピングモールの中にある服屋に立ち寄った。とりあえず、ネットで調べたら服屋に行くことが名物って出たもんだからそこで何か気に入ったものがあれば買ってやることに…お金は今日のことを見据えて沢山持ってきている。今はうたとななは買いたいと思って選んだ服を試着するために着替えているところだ。

 

「ねえ、蓮…これ似合ってる?」

 

 まず試着室から先に出てきたのはうたで彼女が選んだのはピンクのワンピース…普段は元気な女の子がこういった大人しい服を着てる姿はいつもと違う感じがして新しい魅力を発掘できそうな気がする。

 

「凄く似合ってるプリ〜!」

 

「ああ、いつもと違う雰囲気なのが新鮮で最高だヨイ!なあ、蓮?」

 

「お、おう…(やべぇな。ワンピース姿のうたが少し大人に見えてさらに惹かれちまう…服装だけでこんな変わるなんて聞いてねえぞ!?)」

 

「わ、私も着替え終わったよ…」

 

 すると、それに続いてななも着替え終わって少し恥ずかしそうにして試着室のカーテンを開ける。そこにいた彼女はミニスカに肌着のような水色のシャツというセクシーな組み合わせ…どうした、清楚であるべきななに何があったんだ!?

 

(やべぇ…この格好目のやり場に困るぞ!?ミニスカからスラッとした脚がこんにちはしてるし、肩がセクシーすぎるしボディーのラインもクッキリで犯罪級だって…何を血迷ってこの格好なんだ?)

 

「ななちゃん、大胆だね!」

 

「ななの格好凄く大人プリ〜♪」

 

「ああ、めちゃくちゃセクシーだヨイ…」

 

「そ、その…変じゃないよね?」

 

「いや、まあ…似合ってるんじゃねえの?たまにはこんな風なのも良いと思うよ…」

 

「そ、そうかな…でも、実際に選んで着てみたら恥ずかしいかも。あんまり見ないでほしいな…」

 

 ななは今にも消え入りそうな声で俺らの感想に返事をしつつ身体をカーテンで隠す。自分でも恥ずかしいのならどうして選んだのかは疑問に思うが、恐らくはこれだけ肌面積が多くてボディーのラインも出てしまう服とは本人も考えてなかったのだろう…これに関してはドンマイの一言に尽きるけど、危うく俺はそのセクシーさに吸い込まれるところだった。

 

(ななはスタイル良いからこういう格好が映えちまうんだよな。でも、こっちもいきなりで驚いたぜ…)

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 それから俺達は会計を終えてから服屋を出てお昼ごはんを食べようとフードコートへと向かう。服に関してはうたの分もななの分もどっちも俺が約束通りに購入した…ななの方は別の服にしたいと恥ずかしそうに言ってたが、流石に試着しといて買わないというのはお店に失礼なので試着したのとは別に選んだ服と2着買っている。

 

「とりあえず、今日は何食べたいんだ?フードコート内はマクドナルド、丸亀製麺、すき家、ミスタードーナツってあるけど…」

 

「うーん、そうだなぁ…「うわあああんっ、キュアアイドルに会いたいよ〜!!」…えっ?」

 

 うたが俺の質問に答えようとしたその時、『キュアアイドルに会いたい』と泣きじゃくる女の子とその子を慰めるお母さんの横を通りかかる。うたに続いて俺とななもその子の方を向いた。

 

「そんなことを言っても…どこを探してもいないんだから。今日は帰ろう?」

 

「だって、だってぇ…」

 

「どうされたんですか?」

 

 これは流石に放置できないと思ったら俺は先頭に立って女の子のお母さんに声をかける。しかし、キュアアイドルがここへ現れるってどういうことだろうか?その正体のうたはここにいるのだが…

 

「実は…キュアアイドルがSNSにこのショッピングモールに遊びに行くよってボイスメッセージを投稿していて。」

 

「「「キュアアイドルがSNSに!?」」」

 

「はい…」

 

「すみません、その投稿を見せてください!」

 

「わ、分かりました…」

 

 うたにそう言われた女の子のお母さんはスマホでSNSのアプリを開いてからその投稿を俺達に見せる。そのアカウント名はやはり『キュアアイドル』でアイコンもまさに本人だ…しかし、うた自身はどのSNSのアカウントをどっちにしても持っていない。つまりはこのキュアアイドルは偽者によるなりすましだ。

 

「音声も再生してもらえますか?」

 

「はい…」

 

『良い子のみんな、おはよう!キュアアイドルだよ。今日ははなみちプラザ(このショッピングモールの施設名)に遊び行くから、みんなも私を見かけたら声をかけてね!先着100人に私のサインをあげるよ。待ってるね♪』

 

 お母さんはななの指示通りにボイスメッセージを再生する。ぱっと聞けば本人の声にも思えるがアクセントが妙に不自然だ…これは間違いなくキュアアイドルの声をAIで学習させたものが読み上げた嘘情報である。まさか、キュアアイドルの声をこのように使う輩が現れてしまうとは…それだけ人気になったということにしてもアイドルプリキュアの正体である俺達の気は良くならない。

 

(参ったな…これは明らかななりすましによるデマ情報だけど、事実を言ってしまうと女の子が余計に悲しんでしまう。どうすれば良いんだ…)

 

「うわああん、キュアアイドルとお歌を歌いたい!一緒に遊びたいよおおお!!」

 

「こんにちは、君のお名前は何かな?」

 

「えっ…瞳。」

 

「瞳ちゃんだね?ちょっと待ってて…今からお姉ちゃんがキュアアイドルを呼んでくる!」

 

 うたがそう瞳と名乗った女の子に語りかけると、すぐさまどこかへと走って行った。まさか、どこかで変身してここに戻って来るつもりなのだろうか?そんなことをしたらここが大パニックになるか変身するところを見られて正体がバレるの2択しかねえぞ!?

 

「お、おいっ…うた!?」

 

「蓮くん、うたちゃんにもきっと何か考えがあるはず…だから、今は信じよう?」

 

「そ、そうだな…」

 

 俺はうたの背中を追おうとしたが、ななからは信じるように言われて静観することにした。エンターティナー気質のうたのことだ…きっと何か策があるのだろう。

 

(5分後…)

 

 それから5分が経った。引き続きうたのことを待つもなかなか帰って来ない…キュアアイドル本人は彼女なのだが、マジで何をするつもりなのかよく分からない。

 

「蓮くん、LINE見て!」

 

 そんな中、ななから言われて俺はLINEのアプリを開くと…うたのアカウント名がキュアアイドルになってアイコンもそれになっていた。なるほど、こういうことか…そう思っていると俺のスマホにうたからLINE通話が来た。

 

「お兄ちゃん、スマホ鳴ってるよ?」

 

「おおっ…どうやらキュアアイドルから通話が来たみたいだ。瞳ちゃん、出てごらん?」

 

「えっ、良いの?」

 

「うん。ほら、キュアアイドルが待ってるよ?」

 

「分かった!もしもし?」

 

『こんにちは、瞳ちゃん。キュアアイドルだよ〜♪』

 

「キュアアイドル!どうして瞳のことを知ってるの!?」

 

『ファンの人の顔と名前は覚えてるからね!もちろん瞳ちゃんのことも知ってるよ?』

 

「そうなんだ、ありがとう!!」

 

 俺が渡したスマホを瞳ちゃんが受け取ってすぐに通話に出てキュアアイドル(うた)の声を聞くと、瞳ちゃんは嬉しそうな表情になって興奮しだす。そう、うたは狙ってこの手を仕込んでたんだ!歌だけじゃなくて演出も上手いとは…アイドルだけじゃなく演出業もできるとかもう芸能デビューしたら人生安泰だろうな。

 

『私も瞳ちゃんとこうしてお話しができて嬉しいよ。でも、ごめんね…お仕事が忙しくてこっちには行けなくなったんだ。』

 

「えっ…でも、SNSでははなみちプラザに遊びに行くって。」

 

『私も行きたかったけど、急にお仕事が入っちゃって行けなくなって…それで、マネージャーさんに頼んで通話はできるって言われたから瞳ちゃんとこうしてお話しできてるんだ。今回はこれで許してくれるかな?』

 

「分かった。でも、次はキュアアイドルと一緒に歌ったり遊んだりしたいなぁ…瞳のところにいつか来てくれるよね?」

 

『瞳ちゃんが会いたいと思ってたらいつでも行くよ!だから、これからも病気とかに気をつけていつも元気でいてね?キュアアイドルとのお約束♪』

 

「うん、お約束!」

 

『ありがとう。瞳ちゃん、大好きだよ!またね♪』

 

「またね〜!」

 

 そして、別れの挨拶をした後に通話が切れる。短い時間のやり取りだったかもしれないが、瞳ちゃんは満足そうな表情していた…もう涙の跡すら残っておらず、とても晴れ晴れしている。俺とななと瞳ちゃんのお母さんもそれを見て嬉しく思った。

 

「終わったよ?お兄ちゃん、スマホありがとう。」

 

「どういたしまして。良かったね、キュアアイドルと話せて…仲良くなれたかな?」

 

「うん。瞳ね…大きくなったらキュアアイドルと一緒にアイドルになるの!だから、ダンスとお歌を頑張ってるんだ♪」

 

「凄いね、瞳ちゃん。頑張ってね!」

 

「お姉ちゃんもありがとう!!」

 

 瞳ちゃんは俺とななにお礼を言いつつ自分の夢と頑張ってることも話す。夢とやってることは紫雨と同じだ…でも、この子もいつの日かは俺達アイドルプリキュアの現実を知る日が来てしまう。その時が来ても瞳ちゃんは推しでいられるのか?紫雨と同じ末路…いや、瞳ちゃんは幼いものだからダメージは何倍になるか分からない。だからこそ、こういう俺達をアイドルとして見ている一般人を戦いに巻き込みたくないとなおさら思うのだ。二度と紫雨のように現実を見せて辛い気持ちにさせないように…

 

「皆さん、本当にウチの娘のために色々ありがとうございました。このご恩は忘れません…行くわよ、瞳。」

 

「お兄ちゃん、お姉ちゃん、またね!」

 

 そして、瞳ちゃんはお母さんに連れられてこの場を後にする。本当に瞳ちゃんが笑顔を取り戻してくれて良かった…うたのアイドル力にはもう一生勝てねえな。元芸能人の俺を凌駕しててもう半端ねえって…この一言に尽きる。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「お待たせ、ただいま!」

 

 それからしばらくして、電話していた場所からうたが戻ってくる。どこから通話してたかはまあ触れないけど、勇者の帰還を俺は心の中で褒め称えた。

 

「おかえり。とりあえず、昼飯にすっか!腹も減ったしさ…」

 

「それじゃあ、私が空いてる席があるか探しに行くね。うたちゃんと蓮くんはここで待ってて?」

 

「ああ…行ってこい!」

 

 ななはひとまずフードコートの中に入り、空いてる席がないかを探し回る。その間に俺とうたは2人きりというシチュエーションができあがってしまう…これは神が与えたチャンスなのだろうか?ここで勝負をかけるべきか否か。

 

「…」

 

 すると、横でヨーヨイが無言でグッドラックのハンドサインとその表情でGOサインを出す。もうこうなったら行くしかねえのか…ななが戻ってくる前に決めてみせる!ななには悪いかもだけど、これが俺の決めた道だ…何も後悔はしない。

 

「2人きり、だな…」

 

「うん、私と蓮だけだね。」

 

「それで、その…今日、お前と出かけたいと思った理由だけど…」

 

「分かってるよ。私とデートをしたかったんだよね?」

 

「えっ?」

 

 俺がうたに今日誘った理由を打ち明けようとすると、彼女は既に気づいていたのだろうか…それを見事に言い当てた。ななを誘った時点でそれを知らないかと思っていたが、知ってて…なのだろうか?

 

「お前、知ってたのか…」

 

「何となくそう思ってたんだ。私だけをどうして誘ったのか、それで蓮はどうして緊張してたのか…色々考えてそうじゃないかって。もしかして、当たってた?」

 

「ああ、大当たりだよ。お前には隠し事すらできねえな…俺はあの時、うたを人生初のデートに誘ったんだ。でも、直接デートしたいなんて言う勇気がなくてお前を騙す格好になっちまってたと思ってたけど、知ってたのか。」

 

「蓮はクールそうに見えて考えてることが顔に出やすいからね。」

 

「マジか…でも、どうしてななやみことを誘おうとしたんだ?実際に来たのはななだけだったけど…」

 

「実は私も男の子とデートするのが初めてで誘われた時は不安だったんだ…だから、お友達と一緒なら気持ちが楽になると思って。私だけだったら緊張して蓮に嫌われるようなことをしてたかもしれなかった…だから、みことはいなくてもななちゃんがいたからこそ私は今日、普通でいられたんだ。」

 

 うたはなな達も誘った理由を真剣な表情で語る。なるほど、うたもこれが人生初のデートだったのか…お互い様でお互い緊張してたってわけだ。でも、それを俺はどうとは言わない。俺も人のことを言える立場じゃないからな…

 

「なるほど。俺はデートの意味を分かってないかと心の中で思ってたよ…ごめん!」

 

「蓮は謝らなくて大丈夫だよ。私がこういうことに慣れてないのが悪いから…でも、嬉しいな。私とそれだけデートしたいと思ってくれてありがとう!」

 

 うたは騙す格好になった俺を許すどころか笑顔で俺にデートに誘ってくれたことのお礼を言う。さっきまでの不安は消えてその笑顔はとても可愛くてキラキラしていた。それを見てるとむしろ俺の方が緊張してしまう。

 

「あ、あの…うた、俺…」

 

「ん?」

 

「俺、俺は…うた、お前のことがす、す…」

 

「蓮くん、うたちゃん…ごめん!」

 

 俺が覚悟を決めてうたに告白しようとしたその時、空席を探していたななが戻ってきた。こんな時にこれは空気読めよと内心思ってしまうよな…熱く燃えていた心が急激に冷めてしまった。

 

「ななちゃん、もしかしてどこも(席が)空いてなかった?」

 

「そうみたい。とりあえず、この辺りのお店に行かなきゃだけど…蓮くんはどこか行きたいお店とかあるの?」

 

「ああ、ここら辺に最近俺の行きつけだったチェーン店ができたからそこに行こうかと思ってるよ。混んでるかどうかは分かんねえけど、味は保証するぜ?」

 

「そんなお店あるんだ…私、行ってみたい!そこに決定♪」

 

「よしっ、それじゃあ行こうか!場所は俺が知ってるから案内するよ。」

 

「蓮くんの行きつけか。楽しみ…」

 

 こうして、俺は2人を連れて昼飯を食べるお店へと案内することに…この場でうたに告白をすることはできなかったけど、まだアピールチャンスは十分ある!ここからはさらに攻めてうたのハートを撃ち抜いていこうと心に誓った。デートはまだまだこれから…頑張るぞ!




いかがでしたか?今回は蓮の人生初デートの前半戦をお送りしました。

最初はうたちゃんだけ誘ったもののうたちゃんの都合でななちゃんも誘いWデートみたいな感じになって…そして気落ちしたこころちゃんも絡んだりしたもののその中で試着イベントに遭遇。うたちゃんはいつもと違い清純な雰囲気を感じるワンピースを選ぶもななちゃんがまさかの肌の露出の多くボディーのラインがくっきりしているものをチョイス。これにはまあ理由があるのでまた後半戦で明かされますけど、ここからはちょっとR-15程度の話をしますね。

ななちゃんはセクシーな服とスカートを身に纏ったわけではありますが、どこがセクシーなのかに関しては読者のご想像にお任せしています。有力なのは胸や肩や太ももでしょうけど、原作アニメのプリキュアだとこういう要素ってナーフされてますよね…胸も太ももも。やはり、小さい女の子がメインの顧客というか視聴者なのでそういう性的表現は良くないって判断でしょう…ただ、悪役の女幹部は巨乳で太ももムッチムチですけどね。悪役は良いのにプリキュアがダメなのはちょっと物議を醸しそうな気もします…だけど、今YouTubeで全話配信中のフレプリはプリキュア全員胸の形がくっきりしてて特にキュアパインこと山吹祈里ちゃんは巨乳なんですよ。でも、他の作品は大方ナーフされてますからね…なので、本来雰囲気からして巨乳であるべきキャラまでもその対象です。10年以内で言うならば昨年のわんぷりのキュアニャミーことユキ、ひろプリのキュアバタフライことあげはちゃん、プリアラのキュアマカロンことゆかりさん…彼女らはpixivのイラストでは解釈一致で巨乳で描かれることが多いです。これはもう悪く言えばイラストレーターの欲望、真実を言えばナーフ抜きにした真実のバストサイズでしょう。ただ、そんなプリキュア達も大人になった続編(オトナプリキュアやまほプリ続編)ではナーフ解除で胸の形はくっきり出ていて中には巨乳になるのもしばしばです。そんな中でななちゃんの本当のバストサイズってどれぐらいなんでしょうね?スタイルとしてはうたちゃんより頭5分の1ぐらい身長が高くて手足がスラッと長いのでね…スレンダー派か(中学生にしては)高身長巨乳派かに分かれそうです。皆さんはどっちだと思いますか?感想にてご意見をお聞かせください。(ついでにうたちゃんやこころちゃんのスタイルに関してもご意見待ってます!)

ちょっと話が長くなりましたね…失礼しました。そして、キュアアイドルに会いたい少女との出会いも経てついに蓮がうたちゃんに告白…を試みたもののななちゃんに邪魔されて頓挫。まあ、先が長いのにここで上手くいくわけないでしょうよ…しかし、まだアピールチャンスはあるので次回でどうなるのか、そしてななちゃんはどう動くのかを楽しみにしていてくださいね。(次回はデートの後半戦でまたオリジナル回です。)

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