キミとアイドルプリキュア♪ -朱蓮のダンサーとアイドル達-   作:寿垣遥生

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遥生です。また待たせてしまって申し訳ありません…実は昨日放送されたアニメの8話の様子を見ていて少し遅れましたけど、折り合いがついたので投稿に踏み込みました。しかし、8話はお泊まり回でしたね…僕の作品ももちろんやりますけど、どんな感じになるのやら?そもそも男のオリ主ものはこのお泊まりがターニングポイントになりますよね。

それはともかくとして、こちらの方はキュアキュンキュンがタイトル通りに覚醒しますのでお楽しみに!

それでは、また後書きで。


#16 心キュンキュン躍る、キュアキュンキュンデビュー!

side蓮

 

(何だこれは…)

 

 週末の朝、俺が散歩をしているとあるものを見かける。『本日開催!!キュアアイドルとキュアウインクとキュアブレイキンのなんかスゴいライブ!!』、ライブか?俺、田中さんから何も聞いてないけどな…誰かの悪質ないたずらだろう。俺達の画像を無断に使いやがって!

 

「とりあえず、会場に行ってみた方がいいヨイ!」

 

「分かってるよ。行こうぜ…」

 

 俺とヨーヨイはライブ会場に指定された場所へと向かう。もしも、この一件の犯人がここにいるとしたら一言文句を言うつもりだ。俺達を利用して詐欺をしてるものだからな…(正体は明かさないけど。)

 

(移動中…)

 

 それから俺はライブ会場がある場所へとたどり着く。そこには立派なステージがあり、お客さんも結構いる。俺達のライブと聞いてこんなにも集まるとは…あのCMの宣伝効果はかなりあるようだ。

 

「蓮先輩、おはようございます。」

 

 ちょうどその時、背後からこれまた通りかかった紫雨に声をかけられる。彼女もやはりこのライブに釣られたのだろう…ファンの心理を弄ぶこの詐欺は非常に許せない。

 

「おはよう。紫雨、お前もこのライブの宣伝に釣られたのか?」

 

「いや、宣伝文句からしてどこか怪しい気がして…確かめようと思ったんです。」

 

「俺も同じだよ。そもそもこんなライブをやるなんて俺は聞いてねえからな…でも、人が集まりすぎじゃねえか?」

 

「そうですね…あっ、寸田先輩もいますよ。」

 

「本当だ…」

 

 俺達がライブ会場の人達を見ていると、寸田先輩の姿を見かける。この人も宣伝文句に釣られたのだろうか?凄くワクワクしていてキラキラしていている…かなり楽しみにしているけど、この人はこれがデマだとはまだ気づいていない。もちろん、他のここにいるみんなも…

 

「うわああああっ!?」

 

「「…!?」」

 

 すると、寸田先輩が突然何かあったのか叫び出すと彼はどこかへと消えてしまう。あまりにも急な出来事に俺も紫雨も驚いた…一体何が起きてやがるんだ?

 

「マックランダー!!」

 

 そんなタイミングで何といきなりマックランダーが姿を現す。何がどうなってこうなっているかは知らねえけど、とにかく皮肉なことにこんな形で出番が回ってくるとはな…

 

「ぎゃあああっ!」

 

「何でキュアアイドルじゃなくて怪物が出てるんだよ!?」

 

「とにかく逃げろおおおお!!」

 

 そして、来場していたお客さんはみんな一斉に逃げていく。これじゃあ、俺が来ても意味がなくなってしまう…とにかく、ここはもう出るしかねえな。

 

「紫雨はここにいろ!俺が何とかするから。」

 

「蓮先輩…」

 

 俺はもう有無を言わずにマックランダーのいる方へと向かった。紫雨は心配そうにしていたが、俺はみんなが揃うまでの凌ぎ役をしなくてはならないのだ…1人だからとうたとななを待ってたらその間に世界が真っ暗闇になっちまうからな。

 

「誰かと思ったらザックリー!まさかこの罠を仕掛けたのはお前の仕業か?」

 

「現れたな、プリキュア…そうだ、俺がこのライブのポスターも会場も作ったんだぜ?プリキュアとキラキラを呼び寄せるためにな!」

 

「この野郎、俺達のファンをこんなことで危険な目に遭わせるとは…俺が食い止めてやる!」

 

「でも、お前1人だろ…こいつを倒せるのか?」

 

「俺1人だと勝てはしねえ…でも、凌いでみせる。みんなが着くまでは!プリキュア、ライトアップ!…キラキラドレスチェンジ!YEAH♪」

 

 そして、俺は凌ぎの覚悟を決めてキュアブレイキンへと変身していく。紫雨も見てるかもしれねえが、一度見られたから今さらだ…とにかく俺はうたとななが着くまで頑張るのみだ。

 

「キミとブレイクダンス、ハートの熱気!元気アツアツ、キュアブレイキン!」

 

「へっ…こうなったら凌ぐ前に倒してやるぜ!」

 

「キュアブレイキン、あのマックランダーの中に寸田が閉じ込められてるヨイ!」

 

「寸田先輩が?それなら、俺で決めてやる…ブレイクダンスにはブレイクダンスだ!」

 

「何をごちゃごちゃと…やれ、マックランダー!」

 

「マックランダー!」

 

 そして、ザックリーの指示でマックランダーは攻撃を仕掛けてきてそれを回避する。流石は寸田先輩の魂を媒体としているだけに身のこなしが俊敏だ。これは油断できねえな…

 

「ブレイキンタイフーン!」

 

 俺は通常の『ブレイキン・タイフーン』で攻撃を仕掛けるも相手もスピンで受け止める。流石は寸田先輩ってところか…そう簡単にはやられねえようだ。

 

「だったら、こいつはどうだ…ブレイキンタイフーン・BURNING!」

 

「マック…ランダー!?」

 

 これに負けじと俺はブーストをかけ進化技を繰り出すとマックランダーは少し後ろへと飛んでいく。ただ、これも踏ん張った。しぶといマックランダーだ…今回のは筋がかなりある。

 

(流石に簡単には倒れはしねえか…俺1人だもんな。ただ、ブレイクダンスを用いた戦いなら五分。どこかで隙があれば勝てるはず!)

 

「マックランダー!」

 

「おっと!」

 

 マックランダーは俺を蹴り潰そうとかかと落としを連発してくる。これを何とかこっちは避けるも威力が半端じゃねえな…地面がへこんでやがる。

 

「マックランダー!」

 

(こいつ、ライブ会場壊しやがった!まあ、ライブは俺達やんねえけど…)

 

 マックランダーの破壊本能は止まることを知らず、とうとうライブ会場を破壊してしまった。俺はもうこれを避けるしかできない…あまりにも威力が強すぎるのと殺気が高いからだ。下手に突っ込むとどうなるか分からない。

 

「やめて…やめてってば!!」

 

 すると、さっきまで隠れていた紫雨は前に出てきてから『やめて』とマックランダーに向けて叫ぶ。流石に推しのライブを楽しみにしていた人達の気持ちをめちゃくちゃにされたらファンとしては黙っちゃいられないのだが…

 

(馬鹿…何やってんだ!アイツ、死ぬ気か!?)

 

「ああん?」

 

「みんな楽しみにしてたんだよ?キュアアイドル達に会えるって…その気持ち、踏みにじって楽しいの!?」

 

「紫雨、ダメだ…俺が何とかするからお前は逃げろ!」

 

「何だ、お前…やられに来たのか?だったら望み通りにしてやるよ!マックランダー、やっちまえ!!」

 

「マックランダー!」

 

 マックランダーはザックリーの言う通りに容赦なく紫雨に向かって飛び蹴りを仕掛ける。彼女はビビって少し身構えた…まずい、あんなのが直撃したら並の人間は即死だぞ!?そんなことさせられねえ!

 

「紫雨、危ない!」

 

「蓮先輩…!?」

 

「ぐわあああああっ!?」

 

 俺は紫雨を咄嗟に突き飛ばして守ることに成功するも代わりに飛び蹴りを受けてしまう。結構飛ばされてしまい受け身も取れずに地面に叩きつけられる…かなり痛くてしばらく立ち上がれそうもない。

 

「よっしゃ〜!良いぞ〜、マックランダー!」

 

「蓮先輩!大丈夫ですか?」

 

「キュアブレイキン!」

 

「いっ…とりあえず、紫雨だけでも無事で良かった。」

 

「ブレイキン!こころちゃん!?」

 

 ちょうどこのタイミングで遅れてうたとななとプリルンもやって来た。しかし、彼女達は驚いていた…戦場に紫雨がいたのだから。

 

「とにかく、ここはもう逃げるんだ…うたとななも来たことだから後は任せろ!」

 

「いいえ、もう逃げません…蓮先輩は私を守ってくれた、今度は私が守ります。もう心に蓋はしません!」

 

「紫雨…」

 

 そう言って紫雨は俺の前に立って動かない。危険なはずなのにどうして動かないんだ?俺を助けたいという気持ち、戦うという気持ち。この2つが今の活力となっているのだが…

 

「なにぃ?」

 

「忘れるのなんて無理。可愛い、かっこいい3人みたいになりたい!戦うとしたって一緒にステージに立ちたい…好きは止められないんです!!」

 

「だから、何なんだよ!行けぇ!!」

 

「ラララ、マックランダー!」

 

 マックランダーは紫雨に向かってビームを撃ち放つ。俺を守りたい気持ちがあるにしてもこいつはただの人間だ…直撃したら今度こそ即死。でも、俺は痛みで身体を動かせない…どうすれば!?

 

「「こころちゃん!」」

 

「プリ!?」

 

「私、心キュンキュンしてますッ!!」

 

 その時、紫雨の身体から光が生まれてそれがバリアとなってビームを弾く。もしかして、彼女も…!?おそらくそうに違いない。ついにこの時が来たんだ!

 

「ま、まさか!?」

 

 その光は紫色のリボンになってプリキュアリボンとして具現化する。紫雨も選ばれたんだ…4人目のプリキュアに!同じステージに立つ夢をもう叶えるとかまさに言霊が生きていると言えよう。

 

「プリキュアリボンプリ!…プリ!?」

 

 喜ぶプリルンのポシェットからアイドルハートブローチが飛び出し、それをノールックで紫雨はキャッチする。これで全てが揃った…

 

「蓮先輩、私も同じステージに立ちます。見ててください!」

 

「ああ、お前の研究成果…見せてもらうぞ?精一杯やってこい!」

 

「ありがとうございます。…行くよ!」

 

 紫雨は俺の言うことにお礼を言ってから相手の方に向き合う。もう覚悟も決まったようだな…あの時のマックランダーに怯えていた彼女とは違う。間違いなく俺達を超える何かになりそうな気がした…後輩だからとは侮れない。

 

「プリキュア、ライトアップ!…キラキラドレスチェンジ、YEAH♪」

 

 そして、紫雨はアイドルハートブローチに紫のプリキュアリボンをつけてプリキュアへの変身を始める。ブローチを3回タップした後にボタンを押すと髪型から変わっていく…

 

「キミと〜!YEAH!…一緒に〜!YEAH!」

 

 それから2度間を挟んで紫雨はあっという間にプリキュアへの変身が完了する。俺から見れば後ろ姿かもしれないが、その背中はどこか凛々しくも思えた。

 

「キミと踊る、ハートのリズム!心キュンキュン、キュアキュンキュン!」

 

 こうして名乗りも決めて新しいプリキュアが誕生した…キュアキュンキュン、紫雨らしいとも言える。『心キュンキュン、キュアキュンキュン』で『キュン』が多すぎかもしれないが、響きが可愛いからな…

 

「はあっ…!?」

 

「プリ!」

 

「キュア、キュンキュン。」

 

「私、アイドルプリキュアだ…蓮先輩、似合ってますか?」

 

 自分がアイドルプリキュアになれたことを実感した後に紫雨…キュアキュンキュンは俺の方を向いて似合ってるかどうかを尋ねる。水色のメッシュが入っているお団子ツインになったライトパープルの髪(相変わらずアホ毛は健在)に黄色の瞳、コスチュームは紫を基調とした左肩がオフショルダーになったアシンメトリーのワンピースでスカートはふんわりしたバルーンスカート。手には紫のフィンガーレスグローブ、靴は白いブーツに紫のニーハイの組み合わせ…俺は彼女の可愛さに俺は目を奪われた。(武器的な)可愛さではうたより上なんじゃねえか!?

 

「ああ、似合ってるよ。心キュンキュンだ!」

 

「ありがとうございます。ただ、そんな下から見られると結構恥ずかしいんですけど…」

 

「仕方ねえだろ!今、痛くて身体起こせねえんだよ!!」

 

 キュンキュンは俺から下から見られてスカートを手で押さえてから恥ずかしがる。そうは言われてもこれは理不尽すぎやしねえか?俺の状況を考えてもらいたいと思った…

 

「まあ、ともあれキュアキュンキュン誕生だヨイ!」

 

「くっ…4人目かよ!」

 

「マックランダー!」

 

 そうこうしていると、マックランダーが駒のように回って攻撃を仕掛ける。もう相手もかなりやけくそだ…4人目が出てきたことへの危機感が分かりやすい。

 

「キュンキュン、来てるぞ!」

 

「はい!…行っくよ〜!!」

 

 ここからスイッチを入れたキュンキュンは回るマックランダーに向かって走っていき、攻撃をひらりと軽く避けて背中側に回る…何という身軽な動きなんだ!日頃からガチで運動している彼女は俺らよりも身体能力が抜けている。

 

「マック、ランダー!」

 

 一方のマックランダーもパンチを続けて打つもキュンキュンはこれまた身軽なステップで避けていく。きちんと動きを見てるし、完全に見えている…これはもう天性のセンスだろうな。実際に勇気さえ出ればまともに戦えているどころか俺達よりも強いんじゃないかと思った。

 

「マックランダー!」

 

 マックランダーは叩き潰そうと上から拳を振り下ろすもキュンキュンはこれも回避、そしてその手を伝ってジャンプをしてからひねりを入れつつ飛び上がる。いやいや、こんな動きは俺にはできねえって…うたとななでさえ変身しててもこれは無理だろう。

 

「はああっ!」

 

 そのままの勢いでキュンキュンは回し蹴りを一撃、これでマックランダーを沈めた。類まれなる身体能力が変身補正も重なりとんでもない身体能力モンスターを生み出してしまった…こんな後輩の頑張りを見てたら俺も痛みが吹っ飛んだ。プリキュアになったばかりの新人が元気なのに先輩がへばってるようじゃダメだよな!

 

「やった〜♪」

 

「キュアキュンキュン、最高プリ〜!」

 

「キュンキュン、凄い…」

 

「私達も頑張らないと…ブレイキン、立てる?」

 

「大丈夫、後輩の頑張りを見てたら痛みも平気になったよ。ありがとな!」

 

 俺はうたに手を差し伸べられて、その手を握って立ち上がる。うたの手は本当にスベスベしてて触り心地が良い…って思ってる場合じゃねえ!とりあえず、俺らも高みの見物はしていられない場面だ。

 

「良かった…ななちゃん、私達も!」

 

「うん♪」

 

「「プリキュア、ライトアップ!…キラキラドレスチェンジ、YEAH♪」」

 

 これに続いてうたとななもプリキュアへと変身していく。何はともあれプリキュアが4人揃う…本当にこの時を俺は待っていたんだ!

 

「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」

 

「キミと瞬く、ハートの勇気!お目目パッチン、キュアウインク!」

 

「キュンキュン!」

 

「キュアブレイキン、キュアアイドル、キュアウインク!ブレイキン、怪我の方は?」

 

「お前の覚悟と戦いっぷりを見てたら先輩として負けてらんねーと思って痛みはすっかり飛んだよ。」

 

「私のために…あの時はすみませんでした。」

 

「気にすんなって、人間誰しもミスはある。それで迷惑をかけても軽いやつならクヨクヨすんな!」

 

「は、はい!」

 

「超キラッキランラン〜だね、キュアキュンキュン♪」

 

「本当ですか?」

 

「うん!」

 

「見た目だけじゃねえ…戦い方もキラキラしているぜ?先輩の俺達も頑張るから一緒に戦ってくれ!」

 

「もちろんです…どうぞよろしくお願いします!」

 

 俺達に褒められたキュンキュンは嬉しそうな表情を浮かべては俺の…いや、俺達の願いをあっさり受諾した。まあ、同じプリキュアだから一緒に戦わなくちゃならないだろうが、憧れの存在から認められるというのは何よりも嬉しいイベントだろう。

 

「ゾロゾロと増えやがって!」

 

「マックラン、ダー!」

 

 マックランダーは地面を踏みしめてからその破片を蹴飛ばす。とんでもない威力だったが、俺達は息を合わせて回避した。そのままの勢いで俺達は逆にカウンターを仕掛ける。

 

「はあああっ!」

 

「はああっ!」

 

「たああっ!」

 

「「「たああっ!」」」

 

 アイドルは右でパンチ、ウインクは左足、俺は右足でそれぞれキックを浴びせるもこれはマックランダーに受け止められる。ただ、このマックランダーは忘れていた…もう1人のプリキュアの存在を。

 

「キュンキュンレーザー!」

 

 そのタイミングに満を持してキュンキュンがレーザー攻撃を放つ。これにはマックランダーは対応しきれずに直撃してダウン…遠距離攻撃もできるとかマジで頼もしすぎる。とんでもない後輩が入ったものだ。

 

「やるじゃねえか、キュンキュン!」

 

「ふぅ…行きます!」

 

 キュンキュンが一呼吸置くといよいよ締めの雰囲気が漂ってくる。ここからキュンキュンオンステージだな…どんな感じなのか俺達も楽しみだ。

 

「クライマックスは私…準備はOK?」

 

♪:ココロレボリューション

 

「ねえ君もかわいーな(キュンキュン)かっこいーな(キュンキュン)完全同意にアガるテンションコーレスプリーズ(イェイ)とびきりキュンキュン響かせて踊ろっ(Let's dance)もう1回(キュンキュン)アンコール(キュンキュン)完全ダイスキハイなステップがナンバーワン、もっと夢中になれるね〜、こころビートYESキュンキュン♪…プリキュア・キュンキュンビート!」

 

「「キラッキラッター♪」」

 

 そして、キュンキュンはライブの後に浄化技で包み込んでマックランダーを消滅させ、寸田先輩のキラキラも取り戻した。しかしながら、ロックが彼女の曲なのか…研究した方向性とは全く違ったもののノリノリになるものだったと言える。俺の心ももうキュンキュン跳ね上がって仕方がない…最後のファンサも最高!こいつの日々磨いてきたアイドル力は無駄にはならなかった。

 

「何てこった…ザックリ最悪だぜ!」

 

 ザックリーはこの現実に絶望して撤収する。リボンも回収したことだしこれで一件落着…新しい仲間も増えたという収穫もできたから今日は満足だ。

 

「お疲れさん…紫雨。ナイスファイト!」

 

 変身を解除して、まず真っ先に俺は1番頑張った紫雨に声をかける。やっぱりあのヘタレっぷりというか絶望感を見たらここまで気持ちを持っていけた勇気は褒め称えるべきだろう。

 

「蓮先輩、ありがとうございます!」

 

「こころちゃん、ようこそ…アイドルプリキュアへ。」

 

「これからもよろしくね、こころちゃん!」

 

「うた先輩、なな先輩…あっ、ちょっと待ってくださいね?私、寸田先輩と話をしてきます。」

 

 そう言って紫雨は寸田先輩が目を覚ましたのを確認してからその方へと向かっていく。どんな話をするんだろうか…まあ、『プリキュアをする』という報告は流石にしないだろうがな。

 

「ねえ、蓮…蓮はキュアキュンキュン、こころちゃんのことをどう思ってるの?」

 

 すると、うたはいきなり紫雨のことについてを俺に質問する。あまりにも急すぎる話だからびっくりしてしまう…これって異性としての感想なのか、プリキュアとしての感想なのか?線引きがよく分からない。

 

「えっ…いや、凄い新人だなっては思ってるよ。アイドル力も俺達の研究の成果がかなり光ってたし、何よりも遠距離攻撃がすげー頼りになるなって。それに、可愛いかったぜ…こんな彼女が俺達のように世に出てしまうとしたら人気食われそうかもな。」

 

「そうなんだ。」

 

「でも、その…俺の中ではうたもななも負けちゃいねえよ。まだまだ先輩として意地見せていこうぜ?あはは。」

 

 俺は一瞬、『うたも負けてねえよ』とうただけ挙げようとしたが、ななもいたことを思い出してななも入れることにした。ここでうただけだったら嫉妬が色んな方向に向いて修羅場になりそうだからな…あの雰囲気からしてただじゃ済まなかっただろう。

 

「そうだね!私達もこころちゃんに負けないぐらい頑張ろう…ねっ、ななちゃん?」

 

「うん!」

 

「すみません。戻りました!」

 

「おかえり、ダンス部の件を話したのか?」

 

「はい。私、ダンス部には入りません…これからは先輩達と一緒に同じプリキュアとして3人の背中を追いかけます!」

 

「もちろん、そうだよな…これからもよろしく頼むぜ?」

 

「ただ、追いかけるだけでは終わりません。私はもうファンではなく同じアイドルですから…いつか、先輩達の背中を追い抜きます!負けませんよ?」

 

 紫雨はまっすぐな目をして俺達にアイドルとしての宣戦布告をする。彼女の目はまさにアイドルデビューをしたばかりのニカ姉と同じ目をしていて、ドキュメンタリーで見たニカ姉も仲間でも先輩達に負けたくない気持ちを熱く燃やしていた。きっとこいつは間違いなく大物になるはず…間違いないだろう。

 

「うん!良いよ、追っかけてきて。私ももっと頑張っちゃうから!!」

 

「私も!よろしくね、こころちゃん。」

 

「俺も。ダンスだけでも絶対負けねえから…一緒に高め合いつつダンスバトルしようぜ?」

 

「よろしくプリ!」

 

「俺もよろしくだヨイ!」

 

「はいっ!あの…うた先輩、なな先輩、蓮先輩!私のこと、『こころ』って呼んでください!!」

 

「ああ、よろしくな…こころ!」

 

 こうして、紫雨…こころは俺達の仲間でもあり、アイドルとしてのライバルになった。この先、どんな出来事が起きるのだろうか?とにかくこうしてできた縁は大事にしていきたい…そう願うのであった。

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

side笑華

 

『はい、OKでーす!笑華さん、葵衣さん…お疲れ様でした!』

 

「「ありがとうございました!」」

 

 私は朝の9時から正午まで毎週土曜日に生放送されているラジオ番組の収録を終えてスタッフにお礼を言ってから一息つく。ちなみに番組の内容としては私が所属しているグループである『Pretty Fruits』の歳が近いメンバーでグループ内のミニユニット『TOMATO Lady』のプチトマト担当(私は大きなトマト担当)の小玉葵衣(こだまあおい)ちゃんとメインパーソナリティーを務める朝から昼まで充実した時間をお届けする3時間番組でタイトルが『TOMATO Ladyの昼までラジオ』。かなり人気の番組で当初は半年の限定放送だったのが今日に至るまで2年続く人気番組として定着した…それでいて番組収録は毎週楽しいからこの時間は不思議と疲れないのよね。

 

「笑華ちゃん、今週もお疲れ様!」

 

「ありがとう、あおちゃん。ねえ、今週も近くにあるいつものお店でお昼食べて行かない?」

 

「ごめんね…私、ソロのお仕事がさっきのCMの時に急に入っちゃって。今週は無理かな?また来週行こうね。」

 

「そうなんだ…とりあえず、家に帰ったら蓮をとにかくこき使って美味しいお昼を作ってもらわないと。ふふっ…わがまま言って困らせちゃおっかな?」

 

「本当に笑華ちゃんって弟くんが好きだよね…気持ち分かるよ。弟くん、凄いイケメンだもんね♪」

 

「そ、そんなんじゃないから…確かにイケメンだけどね。」

 

 あおちゃんは私がこれからどうするかの話を聞いて共感しつつ私の弟である蓮を褒める。過去に蓮の写真を見せたことがあるけど、彼女は『会いたい!』って言うぐらいに気に入っていた。まあ、本人の前では言えないけどアイツはカイトくんと同じレベルのイケメンだし家事もできるし凄く優しい(ちょっと私に対しては意地悪だけど…)から自慢の弟なのよね♪

 

「それじゃあ、また次は月曜日のダンスレッスンかな?またね!」

 

「うん、じゃあね…あおちゃん!」

 

 私はあおちゃんと別れてこれからタクシーを呼ぼうとスマホを手に取ろうとしたタイミングであるものが目に入る。蓮があの時持っていたぬいぐるみと同じ大きさで似たような何かが落ちてあった。

 

(何これ…ぬいぐるみ?それにしては綿や布の感触じゃない。何かしら?)

 

 それは目を閉じていて身体はボロボロ…見たり触ったりした感じからぬいぐるみとは思えないし行き倒れ?しかし、可哀想に見たところ動物なのにそれを捨てるだなんて…こんな死にかけの姿を見て飼い主は心を痛めないのだろうか?

 

(とりあえず、私が持ち帰らないと。この子を死なせるわけにはいかないわ!)

 

 私は瀕死状態の生き物をバッグの中に入れ、そしてタクシーを呼んでから大急ぎで帰ることにした。とにかく、この子には無事でいてもらわないと…ただ、この出会いが私の運命を変えてしまうことはまだこの時は予想できなかった。




小玉葵衣(こだまあおい)

(脳内)CV:悠木碧(脳内特別出演)

身長:153cm

体重:45kg

誕生日:3月27日

年齢:17歳

笑華が所属しているPretty Fruitsのメンバーで彼女と同じ高校に通う3年生。笑華とは歳が近い(下から2番目の年少メンバー)ことから仲が良く『TOMATO Lady(トマトレディー)』というミニユニットも組んでいて笑華からは『あおちゃん』と呼ばれている。性格は少し大人しいが、活動初期から笑華の相談役をやったりと頼りになるところも…身長はメンバーの中で1番小さくてプチトマト担当をされてるのを内心少し嫌がっている。

いかがでしたか?今回はキュアキュンキュン覚醒回でしたけど、変身バンクは実に3人の中で1番気に入っているんですよ。特にツインテールを下ろしたこころちゃんは大人びていて髪が伸びる時の横顔は目を閉じてることも相まってか神秘的ですよね…見た目と声は幼い(声優の高森さんはプリキュアチーム最年長だけど…)のにこれはギャップを感じますね。しかも、変身したらいつもはしっかり者(時々限界オタク)ながらもあざとくなるところもギャップがあってその上にライブがあざとい見た目に反してロックの曲をライブでするというのもどこまでもキュンキュンさせてくれるなと思ってます。うたちゃんもななちゃんもこころちゃんもそれぞれに魅力があって推し争いは部門別に分けないとどうしようもないですね…今作は完全的に1人だけなんて選べません!心キュンキュンしてますよ。

その変身に至る経緯が原作の先輩プリキュアのようになりたい気持ちの芽生えやアイドルプリキュアを推しにしている人達の気持ちを踏みにじられた怒りに加えてここでは蓮を助けたいという気持ち…それがキュアキュンキュンになるための鍵でした。それと、最後に笑華の行動もピックアップされましたけど…これは凄い重要なのです。笑華は一体どうなるのか?それはいずれ分かるのでお楽しみに。

次回は放送されたばかりの8話相当をお送りいたします。蓮は果たして…どんな仕上がりになるのかはお楽しみに。

感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをお待ちしてますね!また次回お会いしましょう。
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