キミとアイドルプリキュア♪ -朱蓮のダンサーとアイドル達-   作:寿垣遥生

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遥生です。前回からまたしばらく空きましたけど、投稿できました。しかし、前回の投稿当初からは予定変更してオリジナル回になっています。その背景に関しては後書きにて詳しく語りますが、ヒントを得た作品があるんです!

とりあえず、本編を読んでくださると見えてくるかな?また後書きにて。


#21 蓮、流行りのアレを始める!

side蓮

 

「蓮、一緒に帰ろう!」

 

「悪ぃな…今日はちょっと用事があるから先に帰るわ。プリキュアに関する話とかはまた明日にしてくれるか?こころにもそう伝えておいてくれ!」

 

「うん、また明日ね。」

 

 俺はうた達からの誘いを断って急いで帰ることに…実は今日は俺がプリキュアの活動の裏で密かに準備していたことを実行する日。ゆっくりなんかしてらんねえよ!とにかく急いで帰るのだった。

 

 

 

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 それから俺は自宅に帰ってからは自分の部屋に戻り、パソコンを起動してから色々準備を進めていく。カメラの位置を確かめたり、マイクを繋げて音質をチェックしたりする。何をするつもりなのかと言うと、子役時代に所属していた事務所のVTuberプロジェクトの演者に選ばれて、色々の準備や打ち合わせとかを乗り切った末に今日デビューすることになったのだ。パソコンに関しても事務所が買ってくれて、この日のためにプリキュア活動の水面下で色々やってきたんだ…オーディション受験から今日に至るまで。

 

「蓮、何をしてるのかヨイ?」

 

「ああ!実は今日、デビューするんだよ。随分前から準備してたんだ…VTuberの。」

 

「ぶい、ちゅーばー?」

 

「今流行ってるんだよ…人本人じゃなくてアニメみたいなキャラとして配信するコンテンツが。俺も実は俺が所属してた芸能事務所がVTuber事業を始めるという話をこの前聞いて、流行ってるし挑戦しようかなってコンタクト取ってオーディションも受けたんだ…そしたら合格して今日がデビュー配信なんだよ。お前、絶対邪魔すんじゃねえぞ?」

 

「分かってるヨイ。プリルンじゃねえんだからできるヨイ!」

 

 俺はヨーヨイに邪魔しないように釘を刺しつつ配信の下準備を進めていく。まあ、組んだのがプリルンじゃなくてヨーヨイだったのがある意味運が良い…プリルンだったら何をするか分からないからな。

 

『蓮ちゃん、お風呂できたよ。』

 

「ああ、もう終わるから入る!ちょっと待っててくれ。」

 

 部屋の向こうからひま姉が呼びかけると、俺は作業をしばらくしてから終えて風呂に向かう。初配信まであと2時間…でも、緊張は妙にしていない。やはり芸能活動をやってた分とアイドルプリキュアの活動としてブランクを埋めた分があるだろうな…

 

(風呂後…)

 

 それから風呂に入った俺はひま姉とニカ姉と一緒に3人で食卓で夜飯を食べていく。初配信前ということか成功するようにと今日はカツ丼をひま姉が作ってくれた…しかも俺は大盛りである。

 

「それにしても、蓮ちゃんがVTuberとしてだけどまた芸能活動を再開してくれるなんて…つい先月までからは考えられないよ。」

 

「本当ね、アイドルにハマったかと思ったらその水面下で事務所とこんな話をしてたなんて。姉である私達にも報告して良かったのに…」

 

「仕方ねえだろ…流川(るかわ)さんが『お姉さんにも詳しい情報が出るまでは内緒にしててください』って言ってたから。黙ってて悪かったよ…」

 

 ニカ姉は俺が今日から始めるVTuber活動を黙ってたことに文句を言う。ちなみに、『流川さん』というのは俺どころか姉達が『子役三姉弟』として人気だった時のマネージャーで今でもまだ芸能活動を続けているひま姉とニカ姉のマネージャーをそれぞれ活動ジャンルは違えどやってるから恐れ入る…そんな流川さんが今回、俺のマネージャーにまたなってくれたのだ。

 

「それで、蓮ちゃんがやるVTuberは確か事務所のVTuberの1号なんだよね?キャラデザの人も凄く有名な人で確かVTuber業界にも顔が広い人で色んな事務所にその人がデザインしたVTuberがいるって聞いてるよ。」

 

「まあ、それだけ事務所も本気なんだろうな…俺もその期待に応えないと!」

 

「でも、身バレとかには気をつけなさいよね?VTuberって声とか人間性とかで魂が割れるんだから…特にあんたの知り合いとかには注意した方が良いわよ?」

 

「それは分かってるって…流川さんからも言われたんだから。変装してもすぐ正体明かしてファンサしまくるニカ姉に言われたくねえよ。」

 

「くっ、何も言い返せない…」

 

 ニカ姉は俺から自分の痛いところを突かれて何も言えなくなる。まあ、彼女がそれだけアイドルとしてのサービスを忘れないってことだろう…そういう意味ではアイドルの鑑と言えるが、身バレでヒヤヒヤさせられた人間に指摘される資格はない。

 

「とりあえず、私…応援してるよ!蓮ちゃんの晴れ姿、見に行くね。」

 

「ひま姉…それは嬉しいけど、本名を絶対コメントするなよ?」

 

「大丈夫だよ。私、長女なんだから!しっかりするところはしてるからね?」

 

 ひま姉はドヤ顔して『長女だ』と威張って安心させる。彼女は長女にして親的存在ではあるが、たまにポンコツなところがあるんだよな…それが働かないか不安である。マジで大丈夫かと配信前から心配になってきた…

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 そして、夜飯を食べて部屋に戻ってからはパソコンを立ち上げてカメラの具合とかOBSを再チェックする。配信枠を見てみると既に1万以上もの待機者がチャットにコメントしていてチャンネル登録者数も配信前から10万人突破…これはやはり、ひま姉やニカ姉の事務所という期待度と俺が演じるキャラのキャラデザに惹かれたファン達の期待から出た数値と言える。俺もSNSで合間を縫って告知の投稿とか色々したけど、俺では対応できないほどの応援のリプが来ていてこれが俺の人気と期待なんだな…そう思うと子役時代にファンからお手紙を沢山貰ったことを思い出した。

 

(みんなが俺のことを待ってると思うと凄く嬉しいな…まあ、画面に映るのは俺じゃなくてキャラクターだけどな。)

 

 そして、俺はカメラの前で最後のモデルの動作確認を行う。俺がこの度担当することになったVTuberは『西片エレン』というキャラで金髪蒼眼の王子様キャラ…キャラデザは大手事務所のVTuberのキャラデザを数多く担当しているみなと先生、ライブ2Dのモデルにも力が入っている。表情も変えられるし、こんな新人はまあいねえだろうよ…そこはもうウチの事務所の資金力だろう。

 

(流川さんからLINEだ…『5分前なので待機画面開いてください』か。よし、開始完了…あとは始まるのを待つのみだ!)

 

 俺は待機画面を起動して、配信開始までを待つ。コメント欄を見るとみんな凄く楽しみにしているのが伝わるコメントが怒涛の勢いで流れていく…何しろ、この配信は現段階で15000人もの視聴者がいるのだから。それはもうコメントも早く流れるだろう…登録者もますます増えていく。これはもう期待を裏切れねえな…俺は配信が始まるまで自分がなりきるエレンのデザインを確認してどんな声、キャラにするかをまとめあげる。

 

(5分後…)

 

(よし、配信スタートだ!)

 

 俺は待機画面を切り、画面を切り替えてまずは職人が作ってくれたアニメーションを流す。声なしではあるが、エレンの日常が描かれた導入のストーリーである…設定が『バーチャル学園の王子様』ということで俺と同じ学生ということだ。バーチャル学園での日常も描かれていてそこではモテモテ。俺よりも輝いてる学生生活をしやがって!これを上手く演じられるかどうか…このアニメーションを初めて見た時から不安である。そして、導入のアニメーションが終わり配信画面へと移行…ここでマイクのスイッチをONにする。

 

「みんな…聞こえてるかい?…おおっ、コメントが流れてるってことは聞こえてるってことだよね。嬉しいなぁ…はじめまして。168(イロハ)プロダクション所属、バーチャル学園の王子様の西片エレンです。やっと会えたね♪」

 

 配信が始まり、キャラであるエレンが映ると俺は爽やかな声で彼になりきって視聴者に挨拶をする。キャラを見た時からこの声でやろうと決めてたのだ…素じゃ一度も出したことない声だけど、アニメを観て研究した結果この声にたどり着いたのだ。ちなみに、168プロダクションは子役当時から所属していた事務所のことである。

 

「僕はずっと君達に会いたいと思ってたけど、やっと叶って凄く嬉しいんだ。情報が出てからXを開設して告知をしてきてみんなからの応援リプを貰って、フォロワーも登録者も増えてもう10万超えちゃって驚いたよ。僕のことをそれだけ待ってくれて嬉しいなぁ…みんなありがとう!」

 

 俺はみんなのコメントを見ながらもデビュー配信に至るまでのことを話す。コメントは同接が2万に到達しているからか流れは早いが、その中には『かっこいい』とか『可愛い』とかの声か見た目かは不明だけども褒めているコメントやら『私も会いたかった!』とか歓迎してくれてるコメントもあった。こういう雰囲気を味わってるとVTuberやることを決めて良かったなと思わされる…

 

「とりあえず、前置きはここまでにしてここからは自己紹介をするね。僕は西片エレン、年齢は秘密だけどバーチャル学園に通う学生をやってるんだ。学校の中ではそうだなぁ…女の子にモテモテでラブレターは毎日貰ってるよ。出身は秘密かな?教えたらファンがみんな押しかけちゃうし…身長は182cm(そんなにない)で体重は61kg(そんなにない)、それで趣味は歌とダンスでヒップホップが特に好きだけど、最近はアイドルの曲を歌ったり踊ったりするのが好きだなぁ…みんなはどんなアイドルが好きかな?コメントに打ち込んでみて。」

 

 俺が視聴者のみんなに好きなアイドルを質問すると、それぞれの好きなアイドルの名前を打ち込んでいく。その中には今の王道なグループや人の名前が沢山飛び交っている…その中にはもちろんあのカイトさんもいるのだが、その中に『キュアアイドル』、『キュアウインク』、『キュアブレイキン』、『キュアキュンキュン』と俺達の名前もあった。

 

「キュアアイドル…うんうん、最近出てきたよね。僕も結構注目してるよ!キュアアイドルは正統派のアイドル、キュアウインクは清純派のアイドル、キュアブレイキンはワイルド系かな?この前出てきたキュアキュンキュンは元気いっぱいだよね。凄く分かるよ!」

 

 視聴者のみんなはコメントで俺達の魅力を語りまくり、俺も嬉しくなってその話題に乗る。もうこんなにも人気者なんだな…そのブームに乗った話題ができてみんなのハートを掴めたことも嬉しい。

 

「『この前出てきたキュアホープフルはどう思うの?』…えっ、キュアホープフル?えっ、どうしてみんなが知って…」

 

 そんな時にコメントの中でキュアホープフルについてのコメントを見かけてそれに反応してしまい動揺してしまう。嘘だろ…俺達しか知らないプリキュアのはずなのにどうして一般人に知られてるんだ!?思わず反応したからみんなが『えっ?』、『何その反応は?』とか不穏な反応をしている。

 

「いや、何でもないよ。大丈夫…それにしても、そのキュアホープフルってアイドルもいるってみんなどうやって知ったの?うん、うん…『はなみちタウンの公式チャンネルにライブ映像が上がってる』?調べてみるね…本当だ。」

 

 俺はキュアホープフルのことをどうやって知ったのかを視聴者に質問するとコメントの中にはなみちタウンの公式チャンネルにライブ映像が上がってるというのを見かけてそれを調べると、マジでそれが出てきた。誰がまた上げたんだ…プリルンじゃねえのなら恐らくは出間のせいだろう。俺はそのアドレスをメモに残した…

 

(とりあえず、このことに関しては明日田中さんに報告しとかねえとな…そして、正体を調べてもらおう。良い手がかりを残してくれたことは感謝するぜ!)

 

 それから俺は通常通りの雰囲気に戻し、雑談をしながら自分の魅力を視聴者に伝えたり活動方針とか色々伝えて初配信の1時間を終えた。まさかキュアホープフルの手がかりを今回の配信で掴むことになるとは…配信自体も高評価がかなりついたし、同接も最大25000人ぐらいになったから大成功と言える。登録者も寝る前には20万人に伸びたし、VTuber活動も順調すぎるスタートだ。この調子で色々頑張るぞ!

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 翌日の昼休み、俺はいつも通りにうた、なな、こころと一緒に弁当を食べている。今日は教室の中で俺が演じたエレンに関する話題で持ちきり…こいつらもその話を今、してる最中だ。

 

「ところで、先輩達はあの話題持ち切りのVTuber、西片エレンの初配信を観たんですか?」

 

「うん!プリルンと一緒に観ててエレンくん、凄くキラッキランラン〜ってしてたよ。ねっ、プリルン?」

 

「プリ!それに、アイドルプリキュアの話もしてたから嬉しかったプリ♪」

 

「まさか私達が大手事務所のVTuberに認知されてたなんて…蓮くんも観てたの?」

 

「お、おう…」

 

 ななは俺にエレンの配信を観たかどうかを尋ねてくる。観たも何も俺がその本人なんだけどな…でも、それを言えないもどかしさ。ここは話を合わせるべきなのだろうか?そこで本人故に口を滑らせないかが不安になってくる。

 

「観てたっていうか、この蓮ことがそのVTuber本人だヨイ。いやぁ…蓮ってなりきりが上手すぎて、流石は元役者だヨイ!」

 

「あっ…」

 

「「「えっ?」」」

 

 その時、俺じゃなくてヨーヨイが口を滑らせてエレンの正体が俺であることを明かしてしまう。まさかプリルンじゃなくてこれまでポカをしなかった相棒がやらかすとは…衝撃が半端ない。

 

「あれ、これは言っちゃダメなのかヨイ?今のはなしってことに…」

 

「ならないよ!?ええっ、あのエレンくんって蓮だったの?」

 

「うた…声でかいって、少し落ち着け!」

 

 うたは俺がエレンの正体だと知ってパニックになり大きな声で訊いてきたが、ここはとにかく静かにと落ち着かせる。何てことだ…ヨーヨイのせいで1日足らずで身バレしてしまった。まあ、バレたのがこいつらだったことは不幸中の幸いと言える。

 

「でも、蓮くんの声とエレンくんの声って違うから…そんなことないよね?」

 

「なな、その通りなんだよ。あれは俺だ…」

 

「そうなんですか!?でも、蓮先輩がどうしてVTuberに?」

 

「こころには初めて話すけど、俺は小さい時に俳優…子役をやってたんだ。色々あって辞めたけど、アイドルプリキュアとしてCMに出て久しぶりに芸能人の仕事をやった時に芸能界への気持ちが再燃して、何かできないかと思って調べたら所属していた168プロダクションがVTuber事業を始めるとあって応募したら合格したってわけ。」

 

「子役、168プロダクション?もしかして、蓮先輩ってあの『子役三姉弟』の蓮くん!?」

 

「あのかどうかは分かんねえが、そうだけど?もうこのやり取り3回目だな。うたもななも同じ反応だよ…」

 

「そ、そうなんですか。じ、実は私…ずっと大ファンでした!テレビで観てて可愛さの中にかっこよさがあって…王子様みたいだと思ってたんです!」

 

 こころは目を光らせて憧れてたであろう俺に当時思ってたことをぶつける。まさか俺の身の回りに自分のファンだったのが3人もいたとは…案外世間って狭いもんだな。

 

「あ、ありがとう…それは初めて言われたよ。俺、王子なんだな。」

 

「それはもう王子様も王子様でしたよ…そんな人と一緒だったなんて、心キュンキュンしてます!…それで、先輩のことを当時のように『蓮くん』って呼んで良いですか?」

 

「良いわけねえだろ、調子に乗るな。」

 

「あふっ!?」

 

 俺は調子に乗るこころのおでこを人差し指で小突く。こころって反応も可愛いんだよな。何をしても許したくなるこの気持ちは何だろうか?彼女も彼女で俺の中では特別な存在になりつつある。

 

「それで、蓮くん…」

 

「だから蓮せんぱ…って、ななは良いか。それで、何が訊きたいんだ?」

 

「蓮くんは芸能界にこうして復帰したけど、どうしてVTuberとしての復帰を選んだの?蓮くんのかっこよさと知名度なら普通に復帰したら凄く盛り上がると思うのに…」

 

「その選択もないことはなかったけど、俺…両親を亡くした時に週刊誌から悪いように書かれてしまって。だから、あんまり『朱藤蓮』という名前で活動したくなかったし顔も出したくなかったんだ。その中でVTuber事業を始めたと聞いたし、前からVTuberの配信とか色々興味があったからこれなら本名じゃなくても顔を出さなくても活動できるって思い、俺は西片エレンになったってわけ。」

 

「そうなんだ。でも、その時の蓮…凄くキラッキランラン〜って輝いてたよ!私、これからも応援するからね。VTuberとしても頑張って!」

 

「ありがとう、うた…頑張るよ。」

 

 うたは握手をして俺のことを激励する。こうして芸能活動に関して家族以外から励まされたのはこれが初めてだ…しかも俺の初恋の相手からこう言われると嬉しさは倍増である。

 

「朱藤、ちょっとお前に会いたいという方が来ている。悪いが、応接室に行ってくれないか?」

 

「会いたい人?分かりました。ちょっと待っててくれ…」

 

「大丈夫ですよ、お気をつけて。」

 

 生徒指導の先生に呼ばれて俺は応接室へと向かう。こんな学校の時間中に誰なのだろうか?俺の中での予想は2人しか考えられない…1人はマネージャーの流川さん、もう1人は出間だろう。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「わざわざすみません…お昼休みの中であなたを呼び出して。」

 

 俺が応接室に入ると、そこにはマネージャーの流川光(るかわひかる)さんが中にいた。彼は本当に長年お世話になっていて俺が家族とか友達以外で数少ない中の信頼している人間の1人で、そう思うぐらいこの人にはお世話になった。流川さんほどの敏腕マネージャーは恐らくマネージャー界隈を探してもいないだろう…俺が子役として活動していた時はまだ新人マネージャーだったながらもその時から頼りになってたんだよな。

 

「いえ、俺も何となく流川さんから話があるんじゃないかと思ってましたよ。まさか放課後じゃなくて今来るとは想定外でしたけど…」

 

「そうですか。蓮くんもそんな予感がしてたんですね…それで、本題に移りますけど昨日は初配信お疲れ様でした。」

 

「どうも。反応の方はどうでしたか?」

 

「まさにその話題をしようとしてました。まず、初配信の同接は最大25000人で登録者も配信前から配信時間中にかなり増えて現時点で登録者は23万人に到達しています…しかも数多くのコメントも頂いており、高評価の数も6万を超えてます。さらに、急上昇ランキングにも入っていて再生数も爆上がり…このペースだと近いうちに収益化はできることでしょう。」

 

「そうなんですね!いやぁ…ここまで伸びるとは思ってなかったです。」

 

「ただし、これは社長から1つ注意してほしいことを預かったのですが…キュアアイドル達の話は極力しないようにお願いできますか?」

 

「えっ、まあ…言いたいことは分かりますけど、俺はコメントを拾っただけですよ。別にセンシティブな話題でもないでしょう?」

 

「しかし、彼女達は笑華さん達の『Pretty Fruits』の競合相手です…事務所にメンバーがいるアイドルグループのライバルを話に出すのはちょっとよろしくないとおっしゃってました。あなたは個人勢ではなくウチに所属している企業VTuberですからね?」

 

「それは分かってますけど…気をつけます。」

 

 流川さんから注意され、俺は少し納得はいかないながらも同意する。アイドルプリキュアがニカ姉達のグループの競合相手なのは分かっていたが、コメントで名前が出てきた以上は放置できなかった…でも、やっぱりニカ姉がグループにいる以上は他のアイドルグループの話はNGなんだろう。そこは俺も馬鹿じゃないから理解するしかない。

 

「お願いしますね…それで、今日の予定は特にないので放課後とかはいつも通りにゆっくりされて大丈夫ですよ。昨日、いつものお友達と遊べなかったのでしょう?その埋め合わせをした方が良いと思います。」

 

「ありがとうございます。でも、いつものって…もしかして、俺の尾行とかしてたんですか?」

 

「尾行ではありませんよ…社長からは『蓮くんを見守っていてくれ』という命を受けて見張っていたんです。蓮くんが芸能界を離れてからずっと…この芸能界に戻ってくるのを我々は待っていました。蓮くんは稀の天才子役でしたからね…黙って消えるにはもったいない存在です。」

 

「そう言われるのは嬉しい限りです。ただ、油断できないっすね…あなたに監視されてると思うと変なことできないですよ。」

 

「社長はそれだけ蓮くんのことが心配なのでしょうね。もちろん、私もですけど…とにかくあなたは気にしないで普通に過ごしていてください。私はそれさえ見れれば幸せですから…」

 

「まあ、ちょっと不気味ですけど…分かりました。これからもお世話になりますね、流川さん!」

 

 俺は流川さんと握手を交わしてからまた午後の授業へと戻った。とりあえず、嬉しいような迷惑なような…複雑な感じだけど、社長と流川さんが芸能界を離れていた俺のことをいつも気にかけてたと思うとやっぱり嬉しい気持ちが勝ってしまう。これだけ俺の才能を買って愛してくれる人達には感謝してもしきれない…その喜びを噛みしめるのであった。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 そして、放課後…俺は昨日の埋め合わせということでうた達と一緒の時間を過ごすことに。俺達は一緒に帰る中でいつも通りにうたの家であるグリッターに招かれる。

 

「ただいま!」

 

「「「こんにちは!」」」

 

「おかえり、うた…おおっ、今回は蓮くんも一緒なのか。」

 

「すみません…ちょっと昨日は急用があったもので。」

 

 うたのお父さんは俺達を歓迎しつつ俺に声をかける。うたのお母さんとはもりちゃんは何か用があって店を離れているのだろう…いつもいるのにいなかったら心配するのも仕方ないだろうとは思ったが、こうやって異性の俺をここまで受け入れてくれていることは凄く嬉しい話だ。普通は異性が入ってきたら娘の友達とて平然とはしていられないだろうに…

 

「蓮さん、少しお時間よろしいですか?」

 

「えっ、田中さん!?は、はい…」

 

 そんな風な話をしてると、背後から突然と田中さんが現れて店の裏へと導かれる。本当に流川さんといい田中さんといいマネージャーやってる人って不気味なのが多い…

 

「それで、いきなり何の用ですか?あまりにも急すぎて理解が追いつかないんですけど…」

 

「昨日デビューしたVTuberの西片エレンについてですけど、蓮さん…ですよね?」

 

「ええっ!?あいつら、田中さんに…!」

 

「いえ、私はうたさん達から何も聞いておりませんが…もしかして認めるんですね?」

 

「はい。ヨーヨイの手によってあいつらにバレましたけど、それとは別で分かってたんですか?」

 

「私がたまたまYouTubeを観ていたら、西片エレンというVTuberの配信を見かけまして…その中でアイドルプリキュアの話をしていたから関係者なのかと思い声紋を調べたのですが、それが蓮さんのと一致したのです。」

 

「凄いっすね、田中さん…ハイスペックすぎますよ。」

 

「恐れ入ります。しかし、アイドルプリキュアの話をなるべくするのは控えた方がよろしいかと思いまして…それを伝えようとあなたを呼びました。あなたはキュアブレイキン本人です…隠せる範囲にも限度が出てくるでしょう。とにかく、危機を回避するためにアイドルプリキュアの話を生配信とかでするのは私としてはお勧めできません。」

 

「それは理由は違いますけど事務所のマネージャーからも言われましたよ…それはそうと、田中さんはさっきの話からして声紋を鑑定できるソフトがあるんですよね?」

 

「はい…ありますけど。」

 

「それならこの動画の声を鑑定してもらえませんか?」

 

 そう言って俺は昨日の配信でメモを取ったキュアホープフルのライブ映像のアドレスを田中さんに渡す。手がかりがあるのならそれを有効活用して、鑑定できるならそれも有効活用してもらう…そうじゃねえと宝の持ち腐れだからな。

 

「これは?」

 

「昨日の配信で優秀な視聴者が見つけたキュアホープフルのライブ映像のアドレスです。この歌声からキュアホープフルの正体を調べ上げて頂けますか?」

 

「承知しました…リーダーのご依頼なら私はいくらでも力を貸します。アルバイトが一段落したら出張所の方で調べるのでお時間は少し頂きますが、よろしいでしょうか?」

 

「お願いします!それじゃあ、俺はうた達との時間を過ごしてくるので…報告待ってますね。」

 

 それだけ言い残して俺はうた達と合流するのであった。今日はまあ俺が秘密でやってたことがバレてしまったり、配信内容のことで注意されたりと色々あったけど、キュアホープフルの正体に迫れることは大きな前進だろう。田中さん…頼みましたよ!




流川光(るかわひかる)

(脳内)CV:緑川光

身長:184cm

体重:62kg

誕生日:5月2日

年齢:満32歳

三姉弟のマネージャー。みんなが子役の時にマネージャーデビューして以降、蓮は途中で引退したものの今に至るまでジャンルは違えど女優の陽葵とアイドルの笑華のマネージャーを務め、そして所属である168プロダクションのVTuberタレントである『西片エレン』の役になった蓮のマネージャーにもまたなった。社長の指示は絶対ながらも三姉弟のことをその中でも大事にしている。蓮のことに関しては一時引退していた時から命令がありがらも見守り続けていた。


こんな感じでいかがでしたか?蓮がVTuberデビューしましたね。今後もVTuberとしての活躍も時折挟んでいきますのでね…そこら辺も楽しんでくださると嬉しいです。

ちなみに、蓮をVTuberとして芸能界復帰させようとしたのには訳があるんですよ…実は同じキミプリ作品を書いているBURNING先生の作品に感化されたのが大きな理由で、作品の中には主人公の影人の妹に夢乃がいるんですけど…夢乃がVTuberをやってるってのにヒントを得て、蓮をVTuberにすることを決めました。とりあえず、今のところはあっちにVTuberとしての動きはありませんけども…この先コラボする機会とかあったら、蓮の『西片エレン』と夢乃の『ドリーム・アイ』のコラボ配信のシーンを入れたいなって思ってますね。さっきから許可なく宣伝して申し訳ありません…でも、素敵な設定なものだしVTuberも好きですし。VTuberの色んな知り得た情報と知識を活かしていきたいなと思ってますね。

ちなみに、西片エレンの名前の由来はどっちも梶くんの担当キャラから取ってます。『西片』が高木さんの西片、『エレン』が進撃の巨人のエレン・イェーガーですね!

さて、作品の大きな展開としては蓮がVTuberを始めたことに加えてキュアホープフルの正体に迫ったことでしょうか?優秀な視聴者によって見つかったキュアホープフルのライブ映像…その歌声から田中さんに特定を依頼しました。これでキュアホープフルの正体がついに割れます!果たして、その正体は?

次回こそはアニメ10話分を今度こそやります!もうずらしません。今回は9.5話相当として1話でまとめましたから…ついに来たCDデビュー!どうなることやら?

感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをして次回もお楽しみに!
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