キミとアイドルプリキュア♪ -朱蓮のダンサーとアイドル達-   作:寿垣遥生

22 / 60
遥生です。ガチでお久しぶりで申し訳ありません…色々忙しくて執筆に余裕ができなかったこととさらにスランプに陥ったことが大きく響いてここまで待たせました。それに、オリジナル回も急遽挟んでリズムが崩れたのも大きいでしょうね…ただ、迂回した分ペースアップができそうなのでここから巻き返します。でも、無理はしませんからね…心と体はやっぱ第一なので。

さて、最近YouTubeショートで『愛♡スクリ~ム』というラブライブ!の楽曲を聴きますね…めちゃくちゃ流行ってますな。ルビィちゃんと歩夢ちゃんは虹ヶ咲の途中までは皆勤賞なので分かりますけど、3人目の四季ちゃんって誰やねん状態です…でも、お姉さんボイスをしてますよね。高校生の声ちゃうやんってなってますわw

まあ、それは置いといて今回はアニメの10話分…CDデビュー回をお送りいたします。果たして、蓮達はレコーディングを乗り切れるのやら?本編をご覧ください!


#22 アイドルプリキュア、CDデビュー!

side蓮

 

「うわぁ…ここがアイドルプリキュアの事務所ですか!」

 

 こころはキラキランドの出張所に案内されてはアイドルプリキュアの事務所だと思い目を光らせる。まあ、ある意味事務所でも間違いではないけどな…

 

「ううん、キラキランドの出張所だよ。」

 

「出張所?」

 

「ここはキラキランドとはなみちタウンを結ぶ拠点でここで田中さんは仕事をしてるんだ。まあ、アイドルプリキュアの事務所ってのもあながち間違いではねえけど…」

 

「さて…皆さんにはこちらに集まって頂きましたが、今日は大切なお話があります。」

 

 すると、田中さんは眼鏡をクイッと上げながら話を切り出す。大事な話…となると、アイドルプリキュアとしての活動についてだろう。前回のCMに続けて次の仕事が舞い降りたのか?いやぁ…俺達も有名人になったと思うと鼻が高いな!

 

「皆さんが歌っているあの歌がCDになることが決まりました。」

 

「「「「え〜っ!?」」」」

 

 俺達は声を揃えて驚く。アイドルプリキュアとしての2つ目の仕事はなんと…歌の仕事!まさかのあのステージ曲がCD化されるらしくて、いきなりの大仕事が到来したようだ。

 

「レコード会社からそれぞれの曲をレコーディングし、1枚のCDにしたいと依頼があったのです。」

 

「うわぁ…」

 

「凄い!」

 

「本当のアイドルみたい…」

 

「マジっすか?俺達、もう完全にアイドルですね!いやぁ…まさかこんな日がもう来るなんて。」

 

「レコーディングって何プリ?」

 

「まあ、簡単に言ってしまえば俺達の曲を録音するって訳だよ。プリルン…お前の布教活動がまさかこんな仕事を呼び寄せるとか見直したぜ!」

 

「プーリー♪ 」

 

「まあ、あれはルール違反だけどヨイ…みんながアイドルプリキュアでキラキラになってるなら問題ねえか。」

 

 俺がプリルンを褒めると、ヨーヨイは苦笑いしながらこのみんなが喜ぶ中を共に喜ぶ。最初はプリルンに俺のことを拡散されてありがた迷惑だったのだが、こうやって需要を求められると悪い気はしないどころか嬉しく思える。

 

「先輩達の曲がCDになるなんて…嬉しすぎます!」

 

「こころもだよ?」

 

「えっ?」

 

「こころもキュアキュンキュンでアイドルプリキュアの一員だろ…だったら、お前のもレコーディングしなくちゃな!」

 

「プーリー♪」

 

「だね!」

 

「あっ、そうか…はい、ですね!」

 

 こころは最初は他人事のように思っていたが、自分もキュアキュンキュンでアイドルプリキュアの一員だということを自覚する。まだ彼女はファンとしての感覚が抜け切れてないようだが、急に憧れのアイドルのメンバーになったのだからまだ現状への理解が追いついてない部分もあるんだろうな。

 

「皆さんならNOと言わないと思い既にレコーディングスタジオを用意しました。」

 

 そう言って田中さんが扉を開くと、そこにはいつの間にか作られていた大手のレコード会社と遜色のないレコーディングスタジオがあった。こんなのをどうやって作ったんだこの人は…田中さんはマジで謎が多い人だ。

 

「キラッキランラン〜♪」

 

「ここでレコーディングするんだ…」

 

「私、足を引っ張らないように頑張ります!」

 

「田中さん、このスタジオっていつ作ったんですか?」

 

「今回の案件が来てからなので昨日ですね…」

 

 田中さんはしれっとこのスタジオを昨日作ったと答える。1日でこの仕上げって半端ないな…しかもキュアホープフルの正体を特定する任務も与えているのにこれは凄いの一言。この人、もしかしたら流川さんより優秀なマネージャーかもしれない…

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 翌日、ついにレコーディングの当日を迎える。俺とうたとななは先に来て変身してレコーディングスタジオに入ったが、まだこころは来ていない…何があったんだろうか?

 

「いよいよレコーディングだ〜!」

 

「アイドルとウインクはこの日に向けて何か練習してきたのか?」

 

「私はもう楽しみすぎていっぱい練習しちゃったから準備万端!」

 

「私も…音を表現できるようにピアノを弾きながら練習したよ。ブレイキンも練習したの?」

 

「俺は昨日、夜に歌枠配信を1時間やったぜ!みんなからは沢山高評価を貰ったし、登録者も25万人の大台に乗ったからな…みんな俺の歌声に惚れて登録者爆上げでもう充実した練習ができたもんだよ。(ただ、この歌声では調整できてねえけどな…)」

 

「ごめんなさい!はぁ、はぁ…」

 

 3人で話しながらこころを待っていると、その本人が走ってきたのか息を切らしながらレコーディングスタジオに入ってきた。時間帯的にはギリギリだったが、走ってなかったら遅刻していただろうな…

 

「こころ、待ってたプリ!」

 

「まったく…心配させやがって。まあ、こころが無事で良かったヨイ。」

 

「遅れちゃいました…昨日眠れなくて。」

 

「ちょうど時間ピッタリ。」

 

「遅れてないから大丈夫!」

 

「とりあえず、お前も変身しといてくれ。今日はレコーディング指導のコーチがいらっしゃるからな…」

 

「分かりました。」

 

 そして、こころもキュアキュンキュンへと変身を済ませていく。これでひとまず4人全員揃ってレコーディングができる…俺は実を言うとレコーディングの経験が1回あるのでその経験を今日来られるコーチの方と共に3人に教えていければ良いな。

 

(こころ、変身完了…)

 

「さて、変身も済んだということで早速レコーディングを始めたいと思います。ただ、レコーディングに関しては私もそうですが皆さんも未経験でしょう…」

 

「俺は経験ありますよ。子役時代に姉達とシングルを出した時に経験があるので…」

 

「分かりました。しかし、キュアブレイキンだけでは心もとないのでレコーディングの指導をされるコーチを連れて来ました…お入りください。」

 

 田中さんがドアを開けて外に呼びかけると、レコーディングスタジオにコーチを担当する方が入って来る。しかし、その人物を見て俺は絶句した…ニカ姉とニカ姉が所属している『Pretty Fruits』のリーダーの七色希望(ななしきのぞみ)さんだ。何で絶句したのかって?そりゃあ、実の姉が来たことや売れっ子グループのリーダーがわざわざぽっと出の俺達のために来てくれるってヤバいだろ…両方の意味で。

 

「Pretty Fruitの七色希望さんと朱藤笑華さんです。普段はお忙しい中ながらもあなた達のサポートをしたいと逆オファーを頂いて、来てくださいました。」

 

「リーダーの七色希望です。今日が初めてのレコーディングだと思いますけど、私達がサポートするので今日はよろしくお願いします。」

 

「とりあえず、私としてはあんた達の存在はマジでムカつくけどウチのリーダーの希望ちゃんがどうしてもって言うから協力してあげる…売れてる中でも来た私達に泣いて感謝しなさいよね?」

 

「こらっ、笑華!ごめんね…この子、どうもあなた達のことを目の敵にしていて。でも、根は良い子だから気にしないでね?」

 

 七色さんは俺達のことを見下すことなく優しく挨拶をするもニカ姉は敵意剥き出しでツンツンしている。どうせニカ姉からいびられるんだろうなぁ…そこを七色さんがリーダーとして彼女の手綱をコントロールしてほしいところだ。

 

「それでは、早速レコーディングを始めましょうか。まずはキュアブレイキンからお願いします。」

 

「分かりました…私が先陣切りますね!」

 

 そんなこんなでまずは俺からレコーディングが始まっていく。とりあえず、初めての3人にお手本を示したいところだ…芸能人としての先輩の意地ってのを見せねえとな!そんな気持ちでヘッドホンを付けてマイクに向かう。

 

「準備は良いですか?」

 

「はい。お願いします!」

 

 俺が合図を送ると、田中さんは自分のステージ曲を流す。曲名が『Coming Smileラップ』ということだけど、改めて曲調を意識して曲名を聞いたらなかなか良い響きじゃないかと思った。

 

「元気がいっぱいハイテンション、笑顔いっぱい最高っしょ、平和いっぱい幸せじゃん、暗い暗いはもうダメよ!Don't cry, 明るいくらいにしていこうぜ♪」

 

 そして、俺は流れてくる曲に生歌を吹き込む。昨日の歌枠配信でヒップホップの楽曲も歌ってて本当に良かったと思ってる…ちゃんと調整も合ってたし、久しぶりのレコーディングでも関係なかった。歌い終わってみたらアイドル、ウインク、キュンキュンが拍手していてお手本を見せれたのではなかろうか?

 

「OKです、流石経験者ですね。」

 

「ありがとうございます!」

 

 俺はヘッドホンを外してから一礼をして収録部屋を後にする。すると、真っ先に出迎えに来たのはプリキュアの仲間ではなくよりにもよってニカ姉だった…

 

「あんた、初めてのレコーディングにしてはやるじゃない…まあまあね。」

 

「ありがとう…ございます?」

 

「しかし、歌い方を聴いてるとどうも蓮に似てる気がするのよ…気のせいかしら?」

 

「き、気のせいですよ。蓮ってそもそも誰ですかね?」

 

 すると、ニカ姉は歌い方だけで俺の正体を当てかけようとする。やっぱり声や姿が変わっていても歌い方の癖って修正できないんだろうな…それも、俺の歌声を何回も聴いてる実姉相手ならもう尚更バレやすいのかもしれない。とりあえず、俺は何とか誤魔化そうとする。

 

「ああ、まだあんたは会ったことないのよね…蓮は私の弟で最近色々やってて何かと歌い方とかかっこづけてる馬鹿なの。まさか、あんなやつから歌とか教わった?」

 

「ぐっ…いや、たまたまですね。それと、自分の弟を馬鹿とか言うのはどうかと思いますよ?」

 

「良いの良いの…あいつだって私のことを馬鹿にしてるんだから!それで、次は誰のレコーディングをするんですか?」

 

「次はキュアウインクですね…キュアウインク、お願いします。」

 

「はい!」

 

 そして、次はウインクがレコーディングに向かうことに…しかしながら、さっきからニカ姉は本人が目の前にいるにも関わらず俺のことを言いたい放題。変身解いて文句を言いたいところだが、プリキュアの正体は明かしたらダメなので我慢である。凄く歯がゆい…

 

♪:まばたきの五線譜

 

「きらめきへ踏み出そう、受け取った勇気つないで、まばたきの数だけ、五線譜に焼きつけていく、今日の優しい音、ずっと忘れないよ、出会えたキミへと奏でたい、いつまでも鳴り止まないメロディー♪」

 

 そして、次にキュアウインクのレコーディングの番になる。彼女の歌声は清純さに溢れていて、心が癒されるものだ…母さんの曲を聴いてる時と同じ気分になるのだが、同じアイドルの系統だから凄くシンパシーを感じている。

 

「綺麗な声…」

 

「流石です!」

 

「凄い新人も現れたね…笑華、私達も負けてられないよ?」

 

「ふんっ…1人や2人凄いのがいたところで私は認めないから。希望ちゃんは危機感がないからあれこれ褒めれるのよ。」

 

「もう、素直じゃないんだから。」

 

 ニカ姉は相変わらず俺達を認めまいと七色さんの前でも頑固な姿勢を貫く。凄いと思ってる2人って、俺とウインクか…そこは認めてるのなら本当に素直になれば良いのに。この姉貴は典型的な(ツン強めの)ツンデレなのだ。

 

「OKです。」

 

「ありがとうございます!」

 

 田中さんがOKを出すと、ウインクは一礼をする。本当に良い歌声だった…これはもう七色さんとニカ姉もこの反応からしてケチをつけられることもないだろう。

 

「お二人はキュアウインクの歌声を聴いて何かアドバイスはありますか?」

 

「そうですね…伝説のアイドルの増田聖子さんのような感じで清純で透き通った歌声が最高だと思いました。これで大丈夫じゃないですか?笑華もそう思うよね?」

 

「えっ、うん…そうだね。」

 

 七色さんがウインクの歌声を母さんに例えて褒めて話題をニカ姉に振るが、振られた彼女は動揺してしどろもどろになる。それもそうだ…母さんの話題は事務所からなるべくするなと言われてるのもあるが、何より大きいのは母さんが世間的には悪い印象を出間のせいで植え付けられていることだろう。それでニカ姉は七色さん相手とて動揺してしまった…

 

「それでは、次はキュアキュンキュン…お願いします。」

 

「は、はい!」

 

 キュンキュンは返事をしてからウインクと入れ替わるように収録部屋へと向かうが身体の動きも表情もガチガチだ…かなり緊張している様子なのが目に見えている。この状態でヘッドホンを付けるも、もう今にも早退してしまいそうなぐらい深刻な様子だ…学校だったら間違いなく帰ってるな。

 

「じゅ、準備OKです!」

 

「大丈夫かな、あの子…声も震えてるし緊張してるよね?まるで最初の時の笑華みたい。」

 

「希望ちゃん、それ言わないでよ。恥ずかしいから…」

 

♪:ココロレボリューション

 

 七色さんが心配する中でキュンキュンの曲が流れて収録が始まる。彼女も言ってたが、ニカ姉も初のレコーディングでは今のキュンキュンぐらい緊張していたのはドキュメンタリー映像で観たことがあり、もちろん俺も初めての時は緊張していた…とりあえず、何とかなれと外から見てる俺達は祈ることしかできない。頑張れ、キュンキュン!

 

「ねえきびも、かわ…ああっ!?すみません!」

 

「もう一度行きましょう。」

 

 すると、案の定キュンキュンはトチってしまって頭を下げて謝る。これでとりあえずもう1回のやり直しに…まあ、彼女は今までダンスは極めてきたものの歌に関してはロクにやってこなかったから仕方ない面もあるだろう。慣れてないだろうし…それと緊張が重なるとこういう最悪な事態は避けられない。

 

「ねえ君もか、かわ、かわわ、わわっ、ああっ、ごべんなしゃい…」

 

 もう1回やり直すもキュンキュンはさらに崩壊してしまいスライムのように溶けてしまう。やはり、アイドルってのは歌うことにも慣れてないとだな…そりゃあ緊張するよ。

 

「この程度でダメになるとか先が心配ね。」

 

「少し休憩にしましょう…先にキュアアイドルのレコーディングをします。」

 

「はいぃ…」

 

 こうして、ひとまずキュンキュンのレコーディングは保留となって先にアイドルのレコーディングから先にすることに…ニカ姉は不安をぼやき、何かとキュンキュンのことを心配する。口ではぶっきらぼうなことを言ってても根は良い人間なんだよな…それは実の弟である俺が1番よく知っている。

 

「よーし、歌うぞ歌うぞ〜!あっ、ちょっとタンマ…私、こっちで歌いま〜す。」

 

 アイドルはそう言うとコンデンサーマイクではなくハンドマイクで歌いたいと注文をつけてそれを持ってくる。まあ、彼女はこっちの方が歌いやすいだろうな…いつもグリッターではスプーンをマイクにして持って歌ってるからその癖というかマイクを手に持って歌うのが彼女には合ってるのかもしれない。

 

「「自由な人だ…」」

 

 俺と田中さんは声を揃えてアイドルの自由さを見て思ったことがつい口に出てしまう。彼女の自由さは特に不快ではなくむしろこうやって楽しんでるところを見てると、みんなも楽しくなるんだ。アイドル…うたはウチのチームに必要不可欠なムードメーカーである。

 

「では、始めます。」

 

♪:笑顔のユニゾン

 

 そして、曲が流れるとアイドルはリズムを取りながら歌う準備を整える。ここのところの流れはもうプロの歌手と遜色がない…実際にマジで歌手としてもやっていけそうな雰囲気が出ていて、シングルを子役時代に出したことある俺でも彼女は次元が違うなと色んな意味で思っている。

 

「キミのハートにとびっきり元気をあげるね、ゼッタイ!」

 

「「「ゼッタイ!」」」

 

「アイドル!」

 

「「「アイドル!」」」

 

「ドキドキが止まらない!急接近、笑顔のユニゾン、応えてほしいなっ、サンキュー、最高のステージでキミと歌を咲かそう〜♪」

 

 そんなこんなでアイドルも緊張感が全くなく歌い切った。俺、ウインク、キュンキュンも思わずファンのノリで向こう側で合いの手を入れてしまう…それだけアイドルの曲は聴く側もノリノリになるものだ。

 

「凄い、流石キュアアイドル…」

 

「凄くキラキラしてるね、キュアアイドルちゃん。ステージ上の笑華みたい…」

 

「そんなに?だったら私もキャラ被りとして負けてられないかも…打倒キュアアイドルね、燃えてきたわ!」

 

 キュンキュンが見とれて放心状態になってる中で七色さんはアイドルを見てシンパシーを感じ、ニカ姉も同じ系統として負けられないと対抗心を燃やす。ニカ姉は普段がこれでもアイドルのスイッチが入ったらマジでアイドル並みか凌駕できる愛嬌とカリスマ性があるからな…そこは俺でも認めてる。

 

「お疲れ様でした。七色さんと朱藤さん、何かキュアアイドルにアドバイスは?」

 

「特にありません。もう天才的なアイドルって感じでした!キュアアイドルちゃんの歌声もまっすぐでしたし、気持ちが伝わってきます…」

 

「同じくですね。悔しいですけど、とんでもない新人が現れたなって…私も危機感を覚えたぐらい凄かったです。」

 

「分かりました。それでは、キュアキュンキュン…よろしくお願いします。」

 

「は、はい。えっと、その…」

 

 キュンキュンは緊張が止まらずにしどろもどろになり身体も震え出す…歌に慣れてないから怖いだろうし、失敗のイメージがまだ残っている。そりゃあ緊張するのも無理ないよな…そう思っているとウインクがキュンキュンに近寄って手を握り、ウインクして笑顔を見せる。

 

「大丈夫のおまじない。」

 

「ありがとうございます!」

 

「キュンキュン、大丈夫だよ…私もついてるから。頑張ってね!」

 

「ブレイキン…でも、いつもと様子が違いますけど?」

 

「仕方ねえだろ。ここでいつもの調子で話してたらおかしいと思われるだろうが…とにかく、行ってこい!(小声)」

 

「わ、分かりました。」

 

 俺はキュンキュンが感じた違和感を一蹴してレコーディングへと送り出す。ただでさえニカ姉から俺の正体をバラされかけてるんだからいつもの口調で話したらますます疑われちまうし…正直な話をすると、レコーディング指導のコーチは別の人達が良かったと今になって思う。

 

「キュンキュンも楽しんじゃって!」

 

「はいっ!」

 

 そして、入口でアイドルとすれ違いざまに励まされてからキュンキュンは彼女とハイタッチを交わしてレコーディングへと向かう。もう既に緊張は解けて気合の入った表情に変わっていた。

 

♪:ココロレボリューション(リテイク)

 

「…完全ダイスキハイなステップがナンバーワン、もっと夢中になれるね〜、こころビートYESキュンキュン♪」

 

 こうしてキュンキュンの曲のレコーディングも無事に終了。あの失敗も緊張も何だったのだろうか?これにはニカ姉も七色さんも何も文句を言うことはなく、田中さんからは無事にOKを頂けた。みんな完璧だったし、CDデビューは間違いなく成功だろうな…店に置かれて売られていくのが今か今かと楽しみだ。

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

「お待たせしました。タン塩、ロース、カルビですね…それと、生ビールと烏龍茶です。ごゆっくりどうぞ♪」

 

「はーい。」

 

「…」

 

 アイドルプリキュアのレコーディング指導を終え、笑華と希望は個室のある焼肉屋でランチをしていた。希望の方は楽しげであるが、笑華の方は不安そうな表情を浮かべている。

 

「希望ちゃん、こんな高い焼肉屋さんでランチって…それに、まだ昼間なのに生ビールって大丈夫なの?」

 

「大丈夫だよ。私の奢りなんだし、この店はランチの食べ放題は夜に食べるより安いんだから。お金のことは気にしないで?それに、今日はもう私達はオフなんだしさ…2時間ゆっくり楽しもうよ♪」

 

「そう言うけど…家に帰って蓮から文句言われたら希望ちゃんのせいにするからね?」

 

「本当に笑華は弟想いだね。蓮くんにも美味しいお肉を食べさせてあげたいと思ってるなんて…」

 

「違うわよ!私はただ匂いから焼肉食べてたことがバレて馬鹿弟から文句言われるのが嫌なだけだから…それよりも早くお肉焼きましょ?私もお腹ぺこぺこだし。」

 

「もう、笑華は本当に素直じゃないんだね。」

 

 笑華と希望は一緒に食べたい肉を網の上で焼いていく。まずは両者共に牛タンをチョイスして焼きながらもレモン汁を皿に搾り、両面が焼けてからそれを頬張っていく。

 

「うん…美味しい!ここの牛タン、厚さもちょうどいいし歯ごたえも風味も最高。」

 

「でしょ?ここ、私がプライベートで食べてるお店なんだけど…メンバーを連れて来たのは初めてなんだ。ここのお店は精肉店から良いお肉を買ってるからはなみちタウンの焼肉屋さんの中では1番美味しいんだよ?」

 

「マジ?今度、メンバー全員誘ってここで食べようよ!忘年会も新年会もここでパーッと開いちゃおう?」

 

「そ、そうだね…(大丈夫かな?ここのお店、宴会コースとなるとめちゃくちゃ高いんだよね…それをメンバーの5人分でしょ?うっ、お金貯めないと。)」

 

 希望は笑華からのお願いを聞き、顔を引き攣らて心の中で不安になってしまう。宴会コースは何しろ5人分で15万…これは流石に貯金が必要になってくるものだ。笑華は知ってて言ったつもりはなかったものの希望からしたら悪魔の囁きのように感じれてしまう…

 

「それよりも、笑華…今日レコーディングしたアイドルプリキュアの子達はどうだった?」

 

「まあ、何とかやってたわよね。みんなで励ましあったからこそやれたもののはっきり言って決定力不足…特にキュアキュンキュンは不安かな?あの子は間違いなく足を引っ張ることになりそうね。」

 

「でも、あの子達…プリキュアとして戦ってる時は一生懸命やって打ち勝ってるでしょ?見た限りでも。」

 

「ふんっ…そんなの個の力じゃないからノーカンよ。チームワークとか団結とか綺麗事ではいくらでも語れるけど、私から言わせれば弱いし一緒くたにされたくないわ。」

 

「でも、タナカーンさんが見込んだ子達だから…きっと何かあると私は思うな。笑華もみんなのことを信じてみない?」

 

「…」

 

「まあ、そうだよね。笑華は…うん。」

 

 笑華は希望からの質問を聞くと、表情が曇って黙り込んでしまって希望もどういう考えなのかを察して深く聞くのをやめ、焼肉を食べてビールを飲むのであった。しかしながら、田中のことをアイドルプリキュアのマネージャー妖精であるタナカーンであることを分かりきってたりプリキュアの存在も知っている希望は一体…笑華がどうしてプリキュアのことに関わっているのだろうか?この2人の行動には謎が多いものだ。

 

(とにかく、蓮をこれ以上危険な目に遭わせるわけにはいかない…蓮を守るために邪魔なものは全て排除する。たとえ嫌われたって構わない、姉としての役目を全うするだけ。私は蓮のことが大好きだから…どんな手を使ってでも守ってみせる!)




七色希望(ななしきのぞみ)

(脳内)CV:佐倉綾音

身長:174cm

体重:55kg

誕生日:1月29日

年齢:25歳

笑華が所属している『Pretty Fruits』の最年長メンバーにしてリーダーを務め、歌唱力はメンバー内で屈指のものを誇り、ファンからは『歌姫』と呼ばれている。アイドル経験も豊富というチームのあらゆる面での頼れる存在としてみんな尊敬している。最初は厳しくて笑華を一時挫折させるぐらいストイックだったもののメンバー達の仲介やら色々あり優しくなった。そんな彼女にはある秘密がある…それは!?

いかがでしたか?何か最後はミステリアスな終わり方でしたね。どうして笑華と希望がプリキュアのあれこれを知ってるのか?その謎はいずれか明かされることになります。ただ、田中さんをタナカーンと見抜いていた希望はキラキランドに関係していることは確かでしょう…あと、笑華は蓮を守るために何かをしています。果たして…!?

そして、レコーディングに関してはキュンキュンのグダグダあったりもしましたけども…彼女以外は順調だったと思いますけど、原作もそうでしたよね。うたちゃん、ななちゃんは先輩のアドバンテージもあるでしょうけど、音楽関係に強いのが大きいです。こころちゃんはね…ダンスしかしてこなかったんですよ。それが良くも悪くも今回に影響したかなって感じです。緊張もあったでしょうけど、慣れてない歌に焦りが生まれてスライム化したのでしょう…それでも、アイドルことうたちゃんの歌声とウインクことななちゃんの励ましで立ち直って歌い切りました。本当にプリキュアって一致団結すればどうにでもなるんですな…敵も味方も。蓮もその中で調和させました!これからもアイドルもプリキュアもまっすぐに書いていきますのでね…次回もまたよろしくお願いします!

こちらもいよいよ後半戦、そしてまた次回へと繋がります。そこに向けて頑張ってきますね!感想、お気に入り登録、高評価の3点セットは励みになるのでお待ちしております。

では、また次回!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。