キミとアイドルプリキュア♪ -朱蓮のダンサーとアイドル達-   作:寿垣遥生

23 / 60
遥生です。またまた長らくお待たせして申し訳ありません…疲れて寝落ちしたり、忙しかったりで執筆がままならなかったです。それでも限られた時間の中で頑張りましたよ!皆さんのおかげでもあるので心より感謝申し上げます。

今回はアニメの10話の後半戦ですね。レコーディングを終えたみんなですけど、その中でこころちゃんは果たして?続きは本編のお楽しみに!

それでは、また後書きで…




#23 アイドルとは…

side蓮

 

 CD発売当日の昼休み、俺はこころと今日は共に行動していた。実は今日は研究会があるということで俺も久しぶりに付き合うことに…

 

「蓮先輩も久しぶりに来てくれるなんて嬉しいです。ありがとうございます!」

 

「まあ、最近また研究会を再開したらしいからな…そう聞いたら顔出さねえと。俺も一応会員だしな…」

 

「そうですね。私も楽しみですけど、もっとアイドルとして頑張らないとって思います。」

 

「こころ…」

 

 こころはCD発売を楽しみにしつつもあの時のレコーディングでの失敗を思い出して反省する。そんな中で研究室の入口の扉に貼られてるポスターに少し変わったところを見つけてしまう…ポスターにはキュアキュンキュンの名前が足されて、『キュアアイドル&キュアブレイキン&キュアウインク&キュアキュンキュン研究会』に名前が変わっていた。もうキュンキュンが研究対象に加わるとは…でも、これはこころが書いたわけでもなさそう。誰が書き足しのだろう?

 

「えっ、キュアキュンキュン?」

 

「そう、キュアキュンキュン!」

 

 俺達がポスターに夢中になっていると、背後からみことが声をかけてくる。これには俺もこころも不意なことで驚いてしまった…寿命が縮むし、心臓に悪いぞこれは。

 

「ええっ、みこと先輩!?」

 

「いきなり脅かすなよ…それはそうと、このポスターにキュアキュンキュンを書き足したのはみことか?」

 

「うん!」

 

「キュアキュンキュンはまだまだです。研究対象外です!」

 

 こころは必死に研究対象外であると会長権限で研究を阻止しようとする。そりゃあ、そのキュアキュンキュンはこころ本人だからな…自分が研究するならまだしも、研究される立場に回ると恥ずかしいというか知られてまずいことは山ほどだろう。(俺は変身しても性別も変わるから怖いものはほぼない。)

 

「えーっ、研究したいなぁ…キュアキュンキュン可愛いし!会ってみたいなぁ♪」

 

「えっ?」

 

「私ね…キュアアイドルとキュアブレイキンに会ったことがあるんだ。」

 

「ええっ!?」

 

 みことが話したエピソードにこころは驚く。そういえば、あったな…俺とうたがまだプリキュアになりたての時、マックランダーにされたみことを救った後に俺達は変身後の姿で彼女に会って話してファンサもした。これが俺のアイドルとしての覚悟も芽生えた瞬間だったから今でも忘れていない…

 

「いきなり名前を呼ばれちゃってびっくりしたけど、すっごく嬉しかった。だから、キュアキュンキュンにも会ってみたいの!もう一度キュアアイドルやキュアブレイキンだけじゃなくてキュアウインクだけじゃなくて最近また出てきたキュアホープフルにも会いたいなぁ…今度CDが出るってネットに出てたでしょ?ライブとかイベントとかあるかもしれないね!」

 

 みことはまだ会ってないキュアウインクやキュアキュンキュンやキュアホープフルに会いたいと希望を膨らませる。ライブとかイベントか…やりたいとは思うけど、こうやってプリキュアを布教する活動をピカリーネさんに目をつけられたら意とルールに反して怒られるのではというのが少し気がかりだ。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 それから俺達は田中さんに呼ばれてグリッターに集合する。そこで手渡されたのはCDのパッケージでそこには俺達がプリンティングされてあった…これがこの前レコーディングしたCDである。

 

「すごーい、本当にCDだ!」

 

「これが私達のCD…」

 

「心キュンキュンしてます…!」

 

「グループ名はそのまま『アイドルプリキュア』か。田中さん、大丈夫ですかね?俺達、プリキュアとアイドルでも名乗ってて…」

 

「まあ、正体がバレるわけではありませんから。」

 

 みんながそれぞれCDデビューを喜ぶ中で俺はグループ名がそのまま『アイドルプリキュア』だったことに疑問を覚えて不安に思うも、田中さんは冷静に答える。あくまでもグループ名だもんな…これで正体が割れるわけじゃねえし。

 

「キラッキランラン〜♪」

 

「あの…握手会やりませんか?」

 

「「「握手会?」」」

 

 すると、こころは突然と握手会を提案してきた。みことに言われたことを気にしてたんだろうな…『ライブとかイベントがあるかもしれないね』と。

 

「アイドルがファンと握手するイベントです!」

 

「それは俺達でも意味自体は分かるけど…そういえば、昼休みの研究会でもみんなにイベントについてを訊いてみたらみんな『会いたい!』の一点張りだったな。やっぱり、やりたいのか?」

 

「もちろんです。CDリリースの記念でちょうどいいですし、やりたいです!」

 

「やるとなれば必要なものは準備しておきます。」

 

「いいね!来てくれた人達をキラッキランランにしちゃおう♪」

 

「少し緊張しちゃうけど、喜んでもらえるなら…」

 

「俺は子役の時に握手会を何回か経験してるぜ?極意とかがあったら俺に訊いてくれ!ちゃんと教えてやるから。」

 

「ありがとうございます!」

 

 こうして俺達は握手会をすることが正式に決まった。田中さんも協力してくれることとなり、俺は時間の限り握手会の極意を素人上がりの3人に叩き込んだ。こころはその後、プリルンをうたから借りて自宅で握手の練習をしたらしいのだが、彼女もどうやら踊るだけじゃダメだと危機感を持ったのだろう。そんなこんなで握手会までの日々を過ごすのであった…

 

(数日後…)

 

「起きろ、起きろヨイ!」

 

「う、うーん…」

 

 数日経って握手会当日、俺はヨーヨイに叩き起されて目を覚ます。時計を見ると朝の9時20分、握手会は10時半…これってやばくねえか?

 

「おいっ、何でもっと早く起こさなかった!?俺の相棒だろうが!」

 

「俺は起こしたヨイ!それでも起きなかった蓮が悪いだろうが。お前、いつも休みの日は遅起きしやがって…」

 

「仕方ねえだろ?アイドル活動もプリキュア活動も同時進行でやり始めてから疲れは溜まりやすいし、勉強とかも重なると大変で…とにかく今は喧嘩してる場合じゃねえ、急ぐぞ!」

 

 俺は大急ぎで朝飯を食べてから歯磨きしたり髪を整えたり顔を洗ったりして着替えまで済ませて家を飛び出す。この時点で9時50分…とにかく俺は急いだ。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「おはよう、こころ!」

 

 俺が急いでいる道中、偶然に会場へと向かっているこころを見かけて声をかける。しかし、彼女は焦ってる様子がなく歩いていた…これで間に合うのだろうか?

 

「おはようございます。蓮先輩、何をそんなに急いでるんですか?」

 

「何って握手会に決まってるだろ!お前、何時だと思ってるんだ?早くしねえと…」

 

「まだ10時ですよ?十分時間はありますけど…蓮先輩、もしかして現場に早く入らないといけない癖とか残ってませんか?」

 

「えっ…そりゃあ残るだろ、俺が子役やってた当時は1時間前から現場に入れとスタッフとか先輩に言われたんだから。大御所の役者さんが来る前に現地入りしとかないとその人から何言われるか分からねえぞ?」

 

「先輩、時代が古いですよ…あなたが芸能界を引退していた間に時代も変わったんですから。芸能人でない私でも今の現場を知ってるんですよ?色んな準備に余裕ができるなら時間内でいつ来ても文句は言われませんし、そんな大御所の人も来ませんよ…ただ、遅刻はダメですけどね。」

 

「そうなのか…」

 

 こころは俺に身についているマナーが時代遅れだと言い張る。まさかこんなにも時代が変わっていたとは…俺はヨーヨイに『現場に1時間前に入れるような時間帯に起こせ』と言っていたが、どうやらアップデートが必要のようだ。

 

「多分、ヨーヨイにもそう言ってたのかもしれませんね。ヨーヨイもそこまで早く起こさないで大丈夫だよ?こういう理由だからね…」

 

「了解だヨイ。」

 

「ママ、早く〜!うわっ…!」

 

 俺達が話しながら歩くと、その横を1人の女の子が走ってきては転けてしまう。その子は紫のリボンで髪を結んでいて紫の服、紫の靴…紫コーデだ。

 

「うええ…」

 

「大丈夫ですか?」

 

 転んだ女の子は泣き出してしまいこころが真っ先に声をかけ、俺もサポートに入る。何をこの子は急いでいたのだろうか?それと、紫コーデに統一している理由もよく分からない。

 

「痛いぃ…」

 

「どこが痛むのかな…俺とお姉ちゃんに教えてくれる?」

 

「みゆ!」

 

 女の子が痛そうにしていると、そのお母さんと思われる女性が名前を呼んで駆け寄る。凄く神妙な表情をしているから間違いないだろう…そりゃあ娘が転んだら母親は心配するものだ。

 

「大丈夫?いきなり走ったら危ないでしょ…」

 

「この子、みゆちゃんって言うんですね?」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

「いえ、私達は別に…」

 

「だって、キュアキュンキュンに早く会いたかったんだもん。」

 

 すると、女の子…みゆちゃんは急いでいた理由をお母さんや俺達に明かす。なるほど、キュアキュンキュンに会いたいってことは握手会に向かってたのか。それなら紫コーデにしてたのも納得がいく…

 

「えっ?」

 

「みゆも私もキュアキュンキュンってアイドルが大好きなんです。」

 

「ファンなの♪」

 

「ファン…?」

 

 みゆちゃんと彼女のお母さんがキュアキュンキュンのファンだと話すと、こころはそれに思わず反応してしまう。自分のファンが目の前にいることを知ったら何も言えなくなるのも無理はない。

 

「そうなんですか。みゆちゃん、キュアキュンキュンにすぐにでも会いたい気持ちは分かるよ?でもね、君が怪我をしてしまったらキュアキュンキュンに会えなくなることもあるんだ…これからは急に走らないこと。お兄ちゃん達と約束できるかな?」

 

「うん、約束!」

 

「良い子だ…」

 

「ありがとうございました。それでは…」

 

「お兄ちゃん、お姉ちゃん、ばいばーい!」

 

「ばいばーい!」

 

「ばいばーい…」

 

 そして、俺達はみゆちゃんとお母さんを見送ることに…この親子、特にみゆちゃんはキュアキュンキュンのかなりのファンだということがよく伝わった。こころもこれを受けて何か感じるものはきっとあるはずだ…自分のファンの人って意外と身近にいるものである。

 

「ファン…?」

 

「そうだ、お前にもファンがいるってことだよ。こんなところで油を売ってる暇はねえぜ?主役の俺達がいねえと握手会は始まらないんだから…行くぞ?」

 

「は、はい。」

 

 これに続いて俺達も握手会の会場へと向かうことに…みゆちゃんだけじゃない。会場には今頃、こころだけじゃなくて俺やうたやななのファンが沢山待っているはず…その人達と会えるのが今か今かと待ち遠しいものだ。俺も久しぶりの握手会で心キュンキュンである…こころには負けちゃいねえな、きっと。

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「やっは〜!」

 

 その頃、チョッキリ団のアジトでは今日も今日とでいつもと変わらぬ日常が繰り広げられていて、ザックリーはダーツで真ん中を射抜き喜ぶもその一方ではある話が浮上していた。

 

「握手会だって?」

 

「ギクッ…チョッキリーヌ様!そうなんすよ〜、(アイドルプリキュアが)CD出すだけでもマジかって感じなんすけど、おまけに握手会とかザックリ言えばなめんな〜って感じっす。」

 

「まったくですぞ…」

 

 ザックリーがチョッキリーヌにアイドルプリキュアが握手会をやることを報告する中でカッティーはカウンターで爪切りで爪を整える。口では呆れていながらも何だかんだで行きたいのだろうか…ここ最近のカッティーは何気にアイドルプリキュアのファンになったのではという行動が目立っている。

 

「おい…カッティーお前、爪まで切ってザックリ握手会に行く気満々じゃね?」

 

「これはただのエチケット。情報収集のためにCDを手に入れに行くのですぞ?握手会はただのおまけですぞ…」

 

「アイドルプリキュアの握手会ですか…まさに絶好のチャンスですねぇ。」

 

「「す、スパット様!?」」

 

 すると、どこからともなくスパットが姿を現す。これにはチョッキリーヌもザックリーもびっくりしてしまう。本当にこの男は神出鬼没である。

 

「カッティーさんはどうやら行く気満々なのでここはカッティーさんに任せましょう…アイドルプリキュアを倒して世界を真っ暗闇にするのもお忘れなく。よろしくお願いしますね?」

 

「お任せください…ですぞ。」

 

 そう言ってカッティーは現場へと向かうのであった。スパットはカッティーの背中を見送るもスパットからは特に何も言葉をかけることはしない…何か思うことがあるのだろうか。

 

(カッティーは明らかにアイドルプリキュアの虜になってますねぇ…まあ、これでどうにかなってしまえば私が始末しときましょうか。無能な部下はいりませんからね…私はダークイーネ様に良いところを見せて出世しないと。せいぜい足を引っ張らないでくださいね?)

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

side蓮

 

 それから俺とこころはうたやななと合流してテントの中で変身を済ませて握手会を待つファンが目の前で待つステージに立つ。会場の様子も見えてたけど、既に長蛇の列ができていてみんなが俺達のことを待っていた…とにかく、楽しみでしかない。

 

「「「「こんにちは〜!」」」」

 

 俺達が姿を現して挨拶をすると場内は黄色い歓声で大盛り上がり…この人達の中には恐らくこの前(こころがキュアキュンキュンになった日)のザックリーが仕掛けた罠のライブ会に騙された人もいたと思うが、それでも信じてみんなが集まってくれたことが何よりも嬉しい。

 

「お待たせしました。ただいまより、アイドルプリキュアの握手会を始めます。」

 

 田中さんの司会進行によって握手会はこうして幕を開けた。これを合図に待っていた人達が次々と俺達と握手を交わしていく。その中でキュンキュンは…

 

「キュアキュンキュン、握手してください!」

 

「あっ、はい…」

 

 キュンキュンは緊張しながらも目の前の女性と握手を交わしていく。握手会の練習を家でもしてきたと言ってたけど、なかなか難しいよな…俺も最初はこうだったから気持ちはよく分かる。

 

「可愛い♪ 」

 

「えっ、あの…」

 

「ありがとう!」

 

 女性は握った手をブンブン振ったところで満足したか次は横のアイドルとも握手をしようとする。キュンキュンも何か言葉をかけたかっただろうが、緊張のあまりに言葉が出てこなかった…彼女には少し落ち込んでいる様子が見えた。

 

「キラッキランラン〜♪」

 

「わああっ、キュアアイドルの歌聴くと元気が出るの!」

 

「嬉しい!キラッキ〜…」

 

「「ランラン〜♪」」

 

 女性とアイドルは握手どころかハイタッチまでもを交わしていく。この人のノリとアイドルのノリがちょうどいいバランスになったのだろうな…見事に仲良くなった。

 

「キュアブレイキンもかっこ可愛くて大好きでラップとダンスが特に素敵です!」

 

「ありがとうございます。これからも私達、アイドルプリキュアを応援してくださいね?」

 

「はい♪」

 

 その女性はさらに俺とも握手を交わす。本当にこの人は熱心なファンだなと握手してみて伝わり、表情を見てもまさにそんな感じだ…愛が強くて眩しすぎる。

 

「キュ、キュアキュンキュンのダンス…かっこいいっす!」

 

「あっ、えっと、その…ごっつぁんです。」

 

 キュンキュンは今度はガタイの良さそうな男と握手を交わすも感謝が何故かお相撲さんみたいになってしまいタジタジになる…彼女は異性からの握手は流石に練習してなかったのだろう。まあ、練習台がプリルンだったからなぁ…

 

「ありがとうございます!」

 

「今日は来てくれてありがとう♪」

 

「はああっ、ときめきアラート発令中…」

 

 その中であの女性は今度はウインクと握手をしたものの愛が限界突破してふにゃふにゃになってしまった。ウインクのウインクが効いたようだな…本当に彼女のは俺でもドキッしてしまうもので同性にも効くのか。もう兵器だろ、彼女のウインクは…

 

「大丈夫ですか?」

 

「こ、こんにちは…!」

 

「来てくれてありがとう!」

 

 先ほどキュンキュンと握手をした男は今度はアイドルと握手をすべく向き合う。彼も彼で緊張してるんだな…そりゃあ、好きなアイドルを目の前にしたら誰だってカチコチだ。キュンキュンに関してはファンとの接し方を掴めずに緊張状態…キュンキュンの方はマジで何とかしたいのだが、なかなか助け舟を出せない状況だ。

 

「キュアキュンキュン?」

 

「あっ、みこ…」

 

「ああっ、会えて嬉しい〜♪」

 

「ありがとうございます…」

 

 そんなタイミングで今度はみことがやって来ては手を握ってグイグイと迫る。あの時からキュンキュンに会いたくてたまらなそうにしてたからな…念願の出会いということでかなり興奮している様子だ。ここまでグイグイ来られたら緊張も重なって何も言えない。

 

「マックランダー!」

 

「ひゃあああっ!」

 

「怪物だあああっ!?」

 

 すると、いきなり空が真っ暗になったかと思いきやマックランダーが現れる…今回のはCDのマックランダーである。握手会に来ていたみんなはみことも含めて全員逃げ惑う。こんな時に現れるとか空気読めねえのか、チョッキリ団は!

 

「こちらに避難してください!」

 

 この騒ぎの中でも田中さんは冷静な判断で全員を避難誘導する。とりあえず、これでイベント参加者は全員無事に助かりそうだ…

 

「余計なことを…まあ、このまま大暴れしてクラクラの真っ暗闇にすれば問題なしですな。」

 

「また現れたプリ!」

 

「チョッキリ団!」

 

「カッティーか…少しは空気を読めよ!」

 

「お、おい…あのマックランダー、さっき会ったみゆって子とその母親が閉じ込められてやがるヨイ!」

 

「何だって!?」

 

「みゆちゃんが…助けないと!」

 

「キュンキュン、待って!」

 

 みゆちゃんとそのお母さんがマックランダーに閉じ込められていることを知ったキュンキュンは真っ先に敵に向かって突撃を仕掛ける。アイドルは止めようとするも言うことを聞かず…助けたい気持ちは分かるが、あまりにも無鉄砲すぎる。

 

「マック、ランダー!」

 

 マックランダーは突っ込んできたキュンキュンに対してディスク攻撃を仕掛ける。ただ、そう簡単には当たらずに回避して周辺の建物を伝って上へ上へと上がっていき負けじと攻撃を続けていく。

 

「危ないプリ〜!」

 

「キュンキュン、慌てるな!少し冷静になれ!!」

 

「…!?」

 

 俺は何とかキュンキュンに忠告をするも時すでに遅し…ディスクが彼女に目掛けて飛んできて避けるにも避けれない。もうダメだ、そう思ったその時…誰かが横から飛んでくる。

 

「はあっ!」

 

 その人物はキュンキュンを抱きかかえてからディスクを蹴り飛ばし、カウンター攻撃のような感じでマックランダーに命中。キュンキュンを助けたのは…そう、キュアホープフルだった。彼女はキュンキュンを抱いたまま地上へと降り立つ。

 

「キュンキュン!」

 

「大丈夫?ホープフル、キュンキュンを助けてくれてありがとう。」

 

「勘違いしないで。私はこの子を助けたわけじゃない…本当にキュアキュンキュンは足手まといよね。アイドルとしてもプリキュアとしても…」

 

「なっ…俺の仲間をバカにするんじゃねえ!一匹狼のお前に仲間の何が分かるんだ!!」

 

「落ち着いて、ブレイキン!」

 

「プリキュア同士喧嘩はダメだよ?」

 

 俺がキュアホープフルの胸ぐらを掴んで怒鳴りかかると、アイドルとウインクが間に入って落ち着かせる。しかし、こうも仲間を馬鹿にされて俺は黙ってはいられねえ…悔しくてたまんねえんだよ!

 

「私が足手まとい…そうですよね、悔しいです。」

 

「「「キュンキュン?」」」

 

「レコーディングでも握手会でも…みゆちゃんを助けたいのに今の私、3人やキュアホープフルに全然追いつけてません。」

 

「ふん、無様ね。所詮素人なんかにアイドルもプリキュアも務まらない…これで自分がどれだけ愚かか分かったかしら?」

 

「てめえ…!」

 

「そんなことないよ!」

 

「…」

 

「キュンキュンとっくに追いついてるよ?何なら追い越してるって。足速いし!」

 

 アイドルは落ち込むキュンキュンを身振り手振りも入れて励ます。足が速い、確かに彼女は足が速いというか身体能力全般は元が男の俺の次にあるのだが…たったこれだけなのか!?

 

「えっ?」

 

「えっ…速いでしょ?」

 

「ちょっと待ちなさいよ!それだけしか励ます要素ないの?仮にも仲間ならもっとあるでしょ!?良いの?」

 

「良いんだよ。だって、キュンキュンはそれだけで十分だもん♪」

 

「ええ…」

 

 思わずキュアホープフルもツッコミを入れたもののアイドルはドヤって魅力は足速いだけだと言い張る。これにはキュアホープフルは呆れてしまう…

 

「それに、今日の握手会はキュンキュンがいなきゃできなかったんだよ?」

 

「だな。俺もキュンキュンと出会えて本当に良かったと思ってるし、仲間にしたことも後悔しちゃあいねえ…一緒に過ごせているこの時間が幸せなんだ。お前らもそうだろ?」

 

「「うん!」」

 

「そういうことだ…一緒に戦おうぜ、キュンキュン?お前のファンであるみゆちゃんとそのお母さんを俺達で救い出そう!」

 

「はい!」

 

 そして、俺達はキュンキュンに手を差し伸べてから彼女がその手を握ってまた立ち上がる。これでキュンキュンは自信がついて立ち直ることができた…

 

「皆さん…みゆちゃんとお母さんを救い出しましょう!」

 

「「「おうっ(うん)!」」」

 

「マックランダー!」

 

 そして、俺達はキュンキュンの言葉とマックランダーのディスク攻撃を合図にそれぞれの方向に別れて攻撃を分散させていく。これが俺達の連携というところを見せてやろうじゃねえか!

 

「こっちだよ〜?」

 

「こっちこっち〜!」

 

「俺はこっちだぜ?ほらほら、早く当ててみやがれ!」

 

「こっちにもいるよ!」

 

「クラァ!?」

 

 すると、背後に回ってたウインクがマックランダーを後ろから飛び蹴りを食らわせる。ウインクはこういう奇襲が本当に上手いものだ…頭を使った戦い方もできるクレバーさはウチのチームには欠かすことはできない。

 

「アイドルグータッチ!」

 

「ブレイキンタイフーン!」

 

「マアッ!?」

 

 俺とアイドルが一緒にグータッチと回し蹴りのタイフーンを繰り出してマックランダーを完全的に制圧する。これが俺達の連携だ…後ろで見てるキュアホープフルの表情は変わらないが、これで見方を変えるきっかけにはなったはずだ。

 

「キュンキュン、任せた!」

 

「はい!」

 

 俺はキュンキュンとハイタッチを交わして全てを託す。もう彼女の表情に迷いもない…ようやくプリキュアとしての答えが見つかってきたようだ。

 

「クライマックスは私…準備はOK?」

 

♪:ココロレボリューション

 

「ねえ君もかわいーな(キュンキュン)かっこいーな(キュンキュン)完全同意にアガるテンションコーレスプリーズ(イェイ)とびきりキュンキュン響かせて踊ろっ(Let's dance)もう1回(キュンキュン)アンコール(キュンキュン)完全ダイスキハイなステップがナンバーワン、もっと夢中になれるね〜、こころビートYESキュンキュン♪…プリキュア・キュンキュンビート!」

 

「「「キラッキラッタ〜♪」」」

 

 そのままキュンキュンは最後の決め技を決めてマックランダーを浄化してみゆちゃんとお母さんを救い出すことに成功。リボンも回収して万事解決だ!

 

「ううっ、握手できなかったですぞ…無念!」

 

 カッティーはそう言い残してから姿を消すのであった。握手って…お前も握手会に参加したかったのか。だったら、こんな悪事しなきゃ良いのに…と思うばかりである。何もしなかったら握手しねえってことはないんだがな…

 

「とりあえず、プリキュアとしては合格点ね…あなた達を認めるつもりはないけどなかなかだったわ。あと、アイドルとしてもまあまあじゃない…キュアキュンキュンもあのレコーディングから成長したわね?」

 

「えっ、どうしてホープフルがそれを知ってるんですか?」

 

「いや、別に…」

 

「まあ、ホープフルは色んなところで君達のことを見てるホプ!何だかんだで心配ホプよね?」

 

「うるさい!とにかく、また会えたら会いましょう…握手会頑張りなさい?」

 

 ホープフルはそれだけを言い残して相棒のホプと一緒にこの場から瞬間移動で消える。最初は嫌なやつかと思っていたが、どうやら根は良いやつみたいだ…まるでニカ姉のようである。

 

(数分後…)

 

 それからしばらくして、避難していた人達が戻ってきて握手会が再開される。キュンキュンの前には無事に助かったみゆちゃんとお母さんがいてみゆちゃんの方はかなり緊張している様子だ…

 

「…」

 

「みゆ?」

 

 お母さんはモジモジするみゆちゃんに声をかけるが、なかなか手を出そうとはしない。推しが目の前にいたらそれはもう握手も何も恐れ多いものである…それを見かねたキュンキュンは自ら手を差し伸べた。

 

「こんにちは。」

 

「…」

 

 そして、みゆちゃんは緊張しながらもキュンキュンの手を握って握手を交わす。キュンキュンにはもう握手をすることに何も迷いはない…プリキュアとしてもアイドルとしても覚悟が固まったのだろう。

 

「みゆも私もキュアキュンキュンの大ファンなんです!」

 

「…みゆちゃん、来てくれてありがとう。」

 

「心…」

 

「えっ?」

 

「心キュンキュンしてます!」

 

 みゆちゃんはやや言葉に詰まりながらも自分の気持ちをキュンキュンに笑顔で伝える。一瞬正体がバレたか…と思ったが、そもそもみゆちゃんは変身前と会ってても名前までは知らないだろうし。まあ、杞憂だよな…

 

「私も…心キュンキュンしてます!」

 

 キュンキュンの方もみゆちゃんに気持ちを伝え、こうしてお互いにとって最高の握手会になるのであった。良かったな…こころ、みゆちゃん。




いかがでしたか?こころちゃんもやっとプリキュアとしてもアイドルとしても覚悟完了というところでしょうかね?そういえば、プリオケにもまあそんな話もあったようななかったような…戦う覚悟が芽生えた話が。

それは置いといて、今回はこころちゃんに少しスポットライトを当てる形にここではなりました。蓮は主人公なのでもちろん主体になってきますけども、その中でこころちゃんの動きには力を入れましたね…そこは原作と同様にしています。

キュアホープフルも最初は一匹狼だったものの少しずつアイドルプリキュアの仲間で動いている蓮達を見て心が動かされつつあります…どこかで仲間に憧れてるところも彼女の中にはあり、ちょっとずつですけどノリにも便乗している箇所も見られました。ここからどんな風に彼女も変わっていくか?そこも注目してくださると幸いです。

次回はアニメの11話相当をお届けします。原作では大きなターニングポイントを迎えますけど、ここの世界ではどうなるのやら?プリキュアも原作と比べたら増えてますしね…そこのところの調整がどうなってるかは読んでのお楽しみにしててください。

感想、お気に入り登録、高評価の3点セットお待ちしております!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。