キミとアイドルプリキュア♪ -朱蓮のダンサーとアイドル達- 作:寿垣遥生
そんな感じでお届けする今回は…キュアホープフルの正体が笑華だと知ったわけですけど、その中で蓮と笑華が衝突して喧嘩をする事態に。そこに隠された秘密と真実とは…それが明かされた時、笑華の見方もまあ変わるかと思います。それをお楽しみに!
では、また後書きにて…
side蓮・回想
ニカ姉はいつから変わってしまったのか、それは俺が小学3年生の時ぐらいまで遡る。あの時の俺は相変わらず亡くなった両親のことでいじめられていた…当時は事件現場の起きた地元だったものだからいくら時が経とうと擦られ続けていたのだ。
「おい、今日も賠償金を出せよ…賠償金!」
「そうだそうだ、お前のようなスキャンダル起こす親のせいで俺達はいつも週刊誌からインタビューされて酷い目に遭ってるんだ。金ぐらい出さねえとな…ほら、出せよ?」
「ううっ…」
そして、この日も俺はいつものいじめグループの男2人に金の要求をされる。こいつらはいつも俺の財布から1000円ずつ奪おうとしていて俺も逆らいたかったが、当時の俺は弱気で断ろうとしたらいつも殴ったり蹴ったりされたものだ…最初は支払っていたもののある人の存在で俺は払わずに済んでいた。
「あんた達、何してるの?蓮が嫌がってるんだからやめなさい!」
「ちっ、ここでお姉さんかよ…面倒くせえな。」
「行こうぜ?」
そう、俺が困っていた時にいつも助けていたのはニカ姉…この時は小学5年生でもちろん同じ学校に通っていたし、何よりも当時のニカ姉はまだひま姉と同じぐらい優しかったからいつも騒ぎを聞きつけたらすぐに来てくれていた。
「笑華お姉ちゃん…」
「もう、男の子なんだから泣いちゃダメっていつも言ってるのに。でも、それだけ怖かったのよね?よしよし…もう大丈夫よ?」
俺がニカ姉に抱きつくと、彼女は優しく語りかけてから頭を撫でる。この感じが心地良くて俺は学校の中ではニカ姉を頼りにして学校に行っていたのだ…ひま姉はもう既に中学を卒業してから一家の大黒柱として女優一本で頑張っていたからニカ姉が身近な姉貴だった。
(いつも助けてくれる笑華お姉ちゃん…凄く心が温かい。僕、笑華お姉ちゃん…大好き。)
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その日の夜、俺とニカ姉とひま姉と3人で夜飯を食べていた。本当にこの時はひま姉がいることもあってか今も昔も食卓は楽しいものだったが、特にニカ姉も優しかった時は特に楽しくていじめられていたことを忘れさせてくれる時間だったと言える。
「それでね、今日も笑華お姉ちゃんが今日も僕のことを助けてくれたんだ。」
「良かったね。笑華ちゃんもナイスだよ!」
「ありがとう、お姉ちゃん…でも、蓮?あなたはもう来年には10歳で2分の1成人式なんだから少し大人になって強くならないとダメよ?いじめられたら言い返すぐらいの勇気を持たないとね…」
「でも、僕…弱いから怖いよ。できるかな?」
「焦らなくても良いよ。蓮ちゃんには蓮ちゃんのペースがあるから…今は私達に頼って良いからね?」
「お姉ちゃん…ちょっと蓮を甘やかしすぎじゃない?もうすぐ大人も近いことだし蓮には自分の力でそろそろ頑張ってもらわないといつまでも成長しないわ。せめて後ろから見守った方が本人のためになるはずよ?」
「うーん、そんな焦らなくても良いと思うんだけど…笑華ちゃんがそう言うなら。私もそうしようかな?」
ニカ姉はひま姉に今後の接し方についてを提案する。この時の俺は難しいことはよく分からなかったけど、見守ってくれるならまた助けてくれるだろうと思っていたのだ。しかし、その理想は脆くも崩れることに…この時の俺はそんなことを知るよしもなかった。
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それから数日後、俺達は昼休みに体育館でドッジボールをしていた。その時のこと…俺達はクラス内でチームに分かれて試合をしていたのだが、俺のチームが何やら様子がおかしかった。周りが不自然な感じわざと当たって外野に回り、気がつけばコート内は俺だけになっていた。
(どうしてみんなわざと当たるんだろう?それに相手のみんなの目が怖い…)
「よっしゃ、覚悟!」
すると、相手の男子の1人は俺の顔面目掛けてボールを投げてきて必死に避けようとするも頬に直撃してしまう。ちなみにドッジボールは頭に当たればセーフなので生き残ってるは生き残ってるのだが…何やら相手の動きも不自然だ。
「死ね、地元の恥さらし!」
さらに相手の外野のやつも俺の顔面に向かってボールを投げ続けそれが命中していく。これは明らかに俺に対するいじめである…こんな時にニカ姉がいたら、そう思っていたらニカ姉がドッジボールしてるところを通りかかる。
「笑華お姉ちゃん、助けて…」
「…」
「笑華、何してるの?早く行こう?」
「そ、そうね。アイツ、何してるのかしら…顔に当てられて楽しそうにしてて。」
「こういうのには関わらない方が良いって…これだから男ってのは。」
しかし、ニカ姉は俺を助けることなく見て見ぬふりをするどころか俺を馬鹿にして友達と思われる同級生の女子を連れて立ち去って行っていく。それからも俺は顔面を狙われ続け、異変に気づいた担任の先生が何とか止めてくれて何とか助かったが…俺は心も顔も傷ついた。
(笑華お姉ちゃん…どうして僕のことを助けないの?この前まで助けてたのに。)
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放課後になり、俺は友達と一緒に帰るニカ姉を見かけて声をかけていく。あれから俺は脳震盪で倒れて病院に運ばれるも意識を取り戻して学校の方に戻ってはいた。
「笑華お姉ちゃん、どうして僕を助けなかったの?」
「蓮…」
「ちょっと、誰よコイツ…気安く笑華のことをお姉ちゃんと呼んでるんだけど?超気持ち悪い…」
「笑華、こんなのと知り合いなの?」
「…」
「無視しないでよ!いつもは僕のことを助けてくれたのに…どうして!」
「あんた、気安く話さないでくれる?こうなったのも自業自得でしょ…今は友達と楽しく話してるんだから邪魔しないでよね!」
「えっ?」
「ねえ、本当にコイツって何者?」
「私の弟。でも、関係ないから…行こう?」
「そうだね。笑華がそう言うなら…」
そう言うとニカ姉は俺を素通りしてどこかへと消えるのであった。この前の日まで何もなく優しい姉貴だったのに…あの昼休みから突然冷酷な人間になってしまったのだ。
(笑華お姉ちゃん…どうして僕に意地悪するの?とりあえず、陽葵お姉ちゃんなら何か知ってるはず。)
「ただいま…」
「おかえり…蓮ちゃん、大丈夫?担任の先生から聞いたよ。脳震盪で倒れてたって聞いたけど…」
俺が家に帰るとひま姉がリビングでテレビを観ていた。しかし、ニカ姉はまだ帰ってきてなくて出迎えてくれたひま姉は心配して俺に駆け寄る。
「今は大丈夫。それよりも陽葵お姉ちゃん…」
「どうしたの?」
「笑華お姉ちゃんの様子がおかしかったんだ。僕がいじめられても助けてくれなかったし、さっき声をかけても酷いことを言われたんだ…陽葵お姉ちゃんは笑華お姉ちゃんに何があったか知ってるよね?」
「えっと、笑華ちゃんに何かあったのかな?よく分からないけど…」
俺がニカ姉の異変の原因をひま姉に問うと、ひま姉は答えに詰まって知らないと答えた…幼かった時の俺には分からなかったが、この時のひま姉は何かを隠していたようにも今になっては思うものだ。
「いや、陽葵お姉ちゃんなら知ってると思うんだ…笑華お姉ちゃん、陽葵お姉ちゃんに何かあったらすぐお話ししてるから。」
「うーん…だけど、私は何も聞いてないよ?だけど、もしかしたら笑華ちゃんは蓮ちゃんのことを見守ってたのかもしれないね…それで話の流れからして頼ってばかりじゃダメだよって注意したんじゃないかな?笑華ちゃんは蓮ちゃんがたまに悪いことをしたら怒るでしょ…だからちょっと言い方が厳しかったかもね。」
「そう、なんだ…どうすれば良いの?」
「とりあえず、笑華ちゃんの言ってた強い男の子になるしかないんじゃない?蓮ちゃんならきっとなれるし、強くなったらまた笑華ちゃんは褒めてくれるはず…だから頑張ろう!」
「強く、なる。分かった…僕、強くなるよ!笑華お姉ちゃんに褒められるように頑張るね。」
「偉いね、蓮ちゃんは…頑張ってね♪」
「うん!」
「ただいまぁ…」
「おかえり、笑華ちゃん!」
「笑華お姉ちゃん、おかえり。ねえねえ…僕、決めたよ。僕ね、強い男になるんだ!だから、褒めて?」
「そう…で?正直言ってあんた、ウザいんだけど…」
「えっ…何で怒ってるの?僕、悪いことしてないよ?ねえ!」
「うるさい!それと、お姉ちゃんに甘えすぎるのも大概にしなさいよね?お姉ちゃんは疲れてるんだから…あんたのせいで疲れてることぐらい学びなさいよ。それと、私に甘えるのもなしね…もうあんたのことなんか助けないから。」
「…」
そう言ってニカ姉は自分の部屋へと消えていく。それからも俺はニカ姉から冷たく接され、俺はニカ姉と深く関わるのが嫌になるぐらい心の距離ができてしまった。そして、この関係は今に至るまで続いてしまうことに…昔の優しいニカ姉を心の中では追い求めてはいるものの今も戻ってこない。俺は今日に至るまで寂しさを感じているのだ…あの時の大好きなニカ姉はどこへ行ったのか?そして、俺は口調も呼び方も変わってこのままズルズルと時は進んでしまった。
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-現在-
「ひま姉、入るよ…」
夜飯を食べ終えた俺は約束通りにひま姉の部屋に入る。そこには明日収録のドラマの台本を読んでたのか眼鏡をかけていて、俺が来たタイミングでこっちを振り返った。
「いらっしゃい。今日のご飯は美味しかった?」
「ああ、いつもありがとな…仕事がない時はいつも料理作ってくれて。ピーマンの肉詰め美味しかったよ。」
「嬉しい…蓮ちゃんは本当にピーマンの肉詰めが好きだったよね。ピーマン嫌いだった笑華ちゃんもこれでピーマンを克服してたなぁ…懐かしい。」
「そうだな。ところで、俺はこの用意してある椅子に座れば良いのか?」
「うん、立ち話をさせるのもアレだからね…遠慮なく座って?」
ひま姉にそう言われて俺は部屋の中に用意してあった椅子に座る。ひま姉は本当に昔から優しいことに変わりがない…ニカ姉も昔はこれぐらい優しかったけど、あの時以来冷たくなってしまったんだよな。
「それで、俺に教えてくれないか?ニカ姉が俺のことを本当はどう思ってるのかを…」
「うん。結論から言うと笑華ちゃんは蓮ちゃんのことは嫌ってはいなかったんだ…」
「そうなのか。ただ、俺は小3の時からニカ姉から冷たくされたり、意地悪されたりしたんだよ。それにも何か理由があるのか?俺は真実を知りたいんだ。あの時知れなかったことを…もう隠し事はしないでほしい。ニカ姉から言われてたんだろ?」
「流石、蓮ちゃん…秘密にしていてって笑華ちゃんから言われてたけど、もう隠せないね。」
「やっぱり、そうだったか…」
ひま姉は観念したのかニカ姉と何があったかを内緒にしていたことを認める。俺はあの時からひま姉のあの怪しげな態度に違和感を少し覚えていたのだ…それは気にしすぎと思ってたけど、まさか本当だったとは。
「笑華ちゃんはあの時、実はいじめのターゲットにされかけてたんだ。『朱藤蓮を助けたらお前も同じ扱いをして親代わりの姉を殺す』と同級生から脅されて…だから、家族を守るためだけでなく蓮ちゃんが立派な男の子になれるようにと思って厳しく接していたの。蓮ちゃんから嫌われるのも覚悟して…」
「…」
俺はひま姉から明かされたカミングアウトを聞いて絶句する。つまり、ニカ姉が冷たくなったのは自分や家族を守るためだけじゃなくて俺のことを想って嫌われ役を買ってたということなのか…それを見抜けなかった単純な俺が馬鹿に思えてきた。
「何だよ、そういうことはひま姉じゃなくて俺に直接言えよ…馬鹿姉貴。」
「ごめんね。私も蓮ちゃんが笑華ちゃんとのことで悩んでる時に本当のことを言えたら喧嘩するようなことにはならなかったのに…笑華ちゃんから口封じされててね。」
「いや、ひま姉は謝らなくて良いよ。悪いのは俺だ…俺が弱かった上にこんな呪われた家庭を作っちまった。あの時、救急車を早く呼んでいれば親父も母さんも助かってたんだよ…でも、人間的に弱いから。こんなことなら俺なんか産まれなきゃ良かった…」
「蓮ちゃん、それは違うよ?私達はみんな蓮ちゃんと今日まで過ごした時間は楽しかったと思ってる…お母さんもだけど、特にお父さんは『3人目は男の子が良い』と言ってたし、私と笑華ちゃんも弟ができたらなぁって願って蓮ちゃんが産まれた。両親は亡くなってしまったけど、今日に至るまで私と笑華ちゃんは君がいて不幸だと思ったことはないよ?だから、産まれなきゃ良かったとか絶対に言っちゃダメ…蓮ちゃんがいたから私達は幸せになれたんだよ?」
「ひま姉…」
ひま姉は産まれなきゃ良かったと思う自分に対して優しく怒り、そして自分の気持ちを伝える。俺がいたからみんなが幸せになれた…その言葉を聞いただけで俺の心は救われたような気がする。
「とにかく、笑華ちゃんは君のことを嫌いになってないから安心してね?今日のことは後で笑華ちゃんに話しておいてあげるから…仲直りできると良いね。」
「ありがとう、ひま姉…少し気が楽になったよ。ニカ姉も俺の大事な姉ちゃんだしな…ニカ姉が気持ちを伝えたのなら俺も伝えねえと。ひま姉はまだ台本を覚えなくちゃだろ?俺も明日からまた学校だし、寝るよ…おやすみ。」
「おやすみなさい、蓮ちゃん。」
そして、俺はひま姉におやすみと言ってから部屋を出る。ニカ姉の本当の気持ちを知れて本当に良かった…本当にその上にひま姉がいるというのは頼もしいもので、彼女がいなかったら俺もニカ姉も色んな意味で今はないだろう。ひま姉への感謝を噛みしめながら今日は眠りにつくのであった…
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「おい、起きろヨイ!」
翌朝、俺はスマホのアラームが鳴る前にヨーヨイの声で起こされて目を覚ます。まだ時間は起きると決めた時よりもかなり前なのだが…どうしたのだろうか?
「う、うーん…ヨーヨイ、おはよう。何があったんだ?まだ6時45分だぞ…あと、15分寝かせてくれ。」
「寝てる場合じゃねえヨイ!机の上に手紙と昨日のキラルンリボンが置いてあるヨイ!」
「えっ、手紙?」
俺はヨーヨイに言われて机の上を確認する。そこには1枚の手紙と昨日出てきたキラルンリボンが置いてあった。ひとまずリボンをブックに収納してから手紙を読んでいくことに…
『蓮へ
昨日というか今まであなたを傷つけてごめんなさい。本当は直接あなたに謝りたかったけど、今は勇気が出ないのでこのような形で許してください。もうお姉ちゃんが話したと思いますが、私は周りから脅されたことで家族を守るために、そして蓮に強くなってほしいという願いも込めて厳しく冷たく接してきました。しかし、あなたには私の真意は伝わらず一方的に傷つけてしまい、私は今でも後悔しています。また優しいお姉ちゃんに戻りたい…そう思ってもなかなか戻る勇気が出なくて気がつけばあなたも冷たくなっていつの間にかここまで時間が経ってしまいました。それに、私は嫉妬もしていたのです。いつも優しくしているお姉ちゃんや最近仲良くしているプリキュア仲間のみんなに…その中で蓮はプリキュアになって危険な目に遭っているのを見かけて私は蓮を守りたいとまた思い、プリキュアになりました。でも、あなたは止まらずに私の方を見向きもしなくて寂しかったです…それで私は友達やあなたにきつく当たってしまいました。ここまでやってこの態度は許されるものではないことは百も承知です…でも、私はお姉ちゃんと同じで蓮のことが世界一大好きなのは揺るぎありません。今から仕事に行ってくるけど、もし帰ってきたら蓮の気持ちも聞かせてください。私はいつでも待ってるから…あと、プリキュアとして戦うかどうか今後の道は自分で決めてください。でも、怪我だけはしないで…それじゃあ、今日からまた学校頑張ってください。昨日のキラルンリボンは手紙と一緒に置いておくのでブックに納めておいておくように…それじゃあ、お仕事行ってきます。
笑華より』
「本当に馬鹿な姉貴だよ、こういうことは直接言えよな…」
俺はニカ姉の手紙を読んで思わず涙が出てしまった。ひま姉の言ってたことは本当だったんだ…本当にニカ姉は俺のことを大事な存在に思っていて、それが凄く嬉しくて悔しくて。こういうことは直接言ってもらいたかった…本当に素直じゃない姉貴だ。
「蓮、泣いてるのかヨイ?」
「いや、もう大丈夫…それよりも今日からまた学校だ。うた達の前で泣き顔を見せてたまるかっての…朝飯食って気合い入れるぞ!」
「蓮、ああ…」
そして、俺は涙を拭いてからひま姉が作り置きしてくれた朝食を食べて身だしなみを整えてからいつものように学校へと向かうことに…家に帰ったらマジでニカ姉に気持ちを伝えよう。そう思っていたが、思わぬ事態がこの先起きてしまうことをこの時の俺には想像できなかった。
side out
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side笑華
私は今日は『Pretty Fruits』の登山ロケのお仕事が入り、学校を休んでその最中である。私の通ってる高校は芸能人コースの学科のある高校なのでロケとかのお仕事がある日は申請をすればその日自体も行われる授業も出席扱いになるので卒業に向けて出席日数が足りないとか心配になる必要が全くない…まあ、テストで悪い点数を取るのはダメだけどね。
(それにしても、蓮は大丈夫かしら?私の言葉や態度で傷ついて授業とかに身が入ってないってことはないわよね…本当だったら直接謝りたかったけど、ちゃんと伝わったかな?)
「笑華、笑華!」
「な、何?ごめん…考え事してた。」
「もう、しっかりしてよね…今、カメラ回ってるのよ?」
私が蓮のことを心配してると、同じメンバーの九条(くじょう)すみれちゃんに怒られる。彼女はグループの副リーダーでスタイルの良さはメンバー1でモデルの仕事が1番多い。希望ちゃんよりも厳しくて仕事にストイックだから最初は苦手な人だったけど、ぬいぐるみが好きな一面を知ってからはぬいぐるみトークで仲良くなれた。でも、たまに怒られる時は怒られるのよね…
「すみれさん、そんな怒らないでくださいよ?笑華…今日はどうしたの?さっきから神妙な顔つきをして…お腹が空いちゃった?それなら、いちご味のグミをあげるね。甘い物を食べると疲労回復に良いから♪」
すみれちゃんが怒ってると、これまたメンバーでお姉ちゃんと私の幼馴染でもある水無月祈李(みなづきいのり)ちゃんがすみれちゃんをなだめてからウエストポーチからグミのパッケージを出す。祈李ちゃんはお姉ちゃんと同じ学年にして子役としても同期で私とも付き合いが長い。そして、何よりも特徴的なのは大食い番組の要員を担えるぐらいのブラックホールの持ち主でテレビ局の社内食堂はどの局も出禁になっているレベルだ。
「祈李ちゃん、ありがとう…大丈夫、私はまだお弁当までは持つから。」
「そう?私はもうお腹空いてるけどね…モグモグ。」
「もう、祈李ちゃんったら…笑華ちゃん、元気出してね?悩み事があったら私達に相談して良いよ。大丈夫、1人じゃないからね!」
「葵衣ちゃん…ありがとう。それじゃあ、山頂まであと少しだからみんな頑張ろうね!」
「うん!」
「私も…最年少が頑張ってるならリーダーの私も負けられないね!」
そして、葵衣ちゃんからも励まされて私はみんなに頑張るようにと呼びかける。しばらく歩き続け5合目、6合目と山を登っていく…年上のメンバー達の存在が私の支えとなり、それが活力になる。本当にみんなが頼もしくてこの人達がいなかったら私の今はなかっただろうと思う…
「一旦カットします!最後の休憩ポイントなので一旦ここで休憩しましょう。お手洗いは少し離れにありますので行きたい方は道を忘れないようにしてください。」
「すみません。私、笑華…行ってきます。」
「私も。」
「笑華さんと希望さんですね。お手洗いの場所へ私が案内しますので…他の皆さんはここから動かないでください。」
「「「はーい。」」」
そして、私と希望ちゃんはADの女性に案内されて離れのお手洗いへと向かう。しばらく歩いていてちょっと行きたくもなってたからちょうど良いタイミング…ではあったが、まさかこの後に気が休まらないような事件が起きてしまうことを想像できなかった。
side out
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「ここら辺にキュアホープフルがいるんですか。山登りとは楽しそうですね?どこかにキラキラは…」
その頃、笑華達が登る山の上空をスパットが飛び回って彼女とキラキラを探し回っていく。今日の任務はキュアホープフルを倒すことに狙いを定めており、彼は彼女の弱点を既に見抜いている。
「おおっ、キラキラ見つかりました…どうやら朱藤笑華の所属するアイドルグループのメンバーみたいですね。彼女はまだ見つかりませんがやりましょうか…あなたのキラキラ、オーエス!」
「「「きゃああああ!?」」」
「はい、スパッといきましょう♪」
スパットは7合目の最後の休憩ポイントで楽しく話しているすみれ、祈李、葵衣に狙いを定めて彼女達のキラキラと魂を抜き取ってからその魂のリボンを切り取って3人を結晶の中へと閉じ込めた。
「来なさい、クラヤミンダー。世界中をクラクラの真っ暗闇にしてやるのです!」
「「「クラヤミンダー!」」」
そして、スパットは3体のクラヤミンダーを召喚する。すみれを媒体にしたのがリュック、祈李を媒体にしたのが弁当、葵衣を媒体にしたのはビニールシートの姿をしたクラヤミンダーだ…蓮達は学校という中で戦えるプリキュアは笑華のみ。果たして、どう立ち向かうのだろうか?
(さあ、キュアホープフル…君の弱点は見抜いてますよ?その上でこのクラヤミンダー3体と戦えますかね?まあ…その弱点がある限り勝てないけど。ふふっ♪)
九条(くじょう)すみれ
(脳内)CV:上坂すみれ(脳内特別出演)
身長:174cm
体重:51kg
誕生日:12月19日
年齢:満24歳
『Pretty Fruits(プリティーフルーツ)』のメンバーで副リーダーを務める。仕事に関してはとにかくストイックでスタイルの良さはメンバー1を誇りモデル要員として雑誌やファッションショーにも引っ張りだこ。しかし、ぬいぐるみ遊びが大好きという一面もあり、笑華とは最初はそりが合わなくもぬいぐるみトークで打ち解けた。しかし、今でもたまに怒ることはある。
水無月祈李(みなづきいのり)
(脳内)CV:水瀬いのり(脳内特別出演)
身長:163cm
体重:49kg
誕生日:12月2日
年齢:満21歳
『Pretty Fruits』のメンバーで笑華とその姉の陽葵の幼馴染にして子役時代からの親友。(笑華より)年上ながらも癒し系でマイペースな性格でメンバー内からもファンからも親しみやすく、大食い番組で優勝を積み重ねてきたブラックホール(なお、代謝が良いのか太らない)も兼ね備える。ただ、その大食いっぷりにより各テレビ局から社内食堂の出禁を言い渡されている模様。
いかがでしたか?今回はなんと、キミプリの二次創作なのにも関わらずに全員オリキャラでまとまりました。原作キャラはなんと一切出てません…ただ、次回は流石に原作キャラは出ますよ?そうじゃないとキミプリが成り立たないじゃないですか…とりあえず、また次回も楽しみにしてくださると幸いです。
そんな次回の話は笑華にとっては最大の試練です。蓮達も一体どうなるのか?とりあえず、仕事を言い訳にできないぐらい頑張って書いていくのでね…またよろしくお願いいたします。感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをしてまた次回もお楽しみに!