キミとアイドルプリキュア♪ -朱蓮のダンサーとアイドル達- 作:寿垣遥生
そんな今回は球技大会の中編になります。やっぱり3話構成になりそうでした…蓮達のバレーの模様を重点的にお送りしますが、最近はバレーボールが熱いですね。ネーションズリーグという国際大会が今やってまして、僕の家族は一家単位でバレーボールが好きなんですよね…今週は男子の熱戦でして、男子のバレーを僕のお母さんはめちゃくちゃ好きというか。もうとにかく迫力が凄いんです!そんなバレーボールをここでも描いていくので僕のバレーボール愛とか色々受け取ってください。
それでは、また後書きにて…
「…」
チョッキリ団のアジトではスパットがクラヤミンダーの力の源である結晶を持ったままぼーっと考え事をしていた。いくら冷静沈着な彼とて緻密に組んだ作戦を想定外のことで破られたのは悔しいものであの敗北がずっと尾を引いているのだ。
「スパット様、一体どうしたんだろうねぇ?あの時からずっとこの調子だよ…」
「渾身の作戦を組んで負けたのが悔しいんじゃないんすかね?案外負けず嫌いっすから…」
「スパット様、どうされましたかな?こういう時はアルコールの高いお酒を飲むのが良いですぞ…」
「カッティーさん…何の真似です?」
「自分、好きカッティーなもので。スパット様がお酒の気分かと思ったのですが、いかがですかな?」
チョッキリーヌとザックリーは傍観に徹する中でカッティーは手作りのカクテルであるギムレットをスパットに提供する。アルコール度数が高くてなおかつ爽やかな味わいなので気が落ちてる時にはもってこいのカクテルだ。
「ありがとうございます。後で頂きますね…」
「それで、今回の件ですが…自分に任せてもらえないですかな?自分がスパット様の代わりにクラクラの真っ暗闇にしてみせますぞ!」
「そうですか…でしたら頼みましたよ、カッティーさん?」
「御意…ですぞ。」
カッティーは返事を一言残すと、アジトを出て仕事へと向かう。今回のカッティーはもう背水の陣で臨む覚悟でいた…自分が先立って出陣したにも関わらず成果を挙げられずもう負けられないという心境である。とにかく今の彼には迷いも何もないのだ…
~~~~~~~~
side蓮
あの時から何日かが経って球技大会当日、今は開会式を終えてウォーミングアップをしているところで俺は準備運動をしながらもうたの様子を観察していた。今はちょうどストレッチをしていてどこか魅力的に感じる…
「蓮、もしかして咲良の様子が気になるのか?」
「勘介こそ…わかばの方ばっかり見てるぞ?お互い様だからな。」
勘介は俺に声をかけてうたの方を見ていたことをからかい半分で指摘してくる。まあ、そんな彼もわかばの走ってるところを見ていたものだからお互い様だ…恋している女のことはどうしても気になってしまうものである。
「おはよう。何を話してるんだ?」
「「おはようございます!」」
俺と勘介が話していると、今日の最大のライバルでもある翔太先輩が俺達に声をかけてきた。びっくりしながらも何とか挨拶を返すものの本当にこの人は急に現れるから色んな意味でドキッとする。
「勘介、結構色んな人から聞いてるけど今日の球技大会は気合いが入ってるそうだな…」
「どうも。翔太先輩のクラスは優勝候補ですけど、俺は負けるつもりはありません…この日のために男女共に切磋琢磨してきましたから。俺の策があれば決勝で当たるであろうあなた達とは互角に戦えるだけは鍛えましたよ。」
「へぇ、頼もしいじゃん。流石はウチのバレー部の頭脳で次期キャプテンだな…それと、君は朱藤蓮くんだよね?」
「はい、そうですけど。」
「やっぱり、君の噂はかなり聞いてるよ。めちゃくちゃ女の子から人気だそうだね…俺も朱藤くんとは一度話したいと思ってたんだ。」
「ありがとうございます。今日は対戦する立場ですけどお手柔らかにお願いしますね…勘介はいても周りは初心者なので。ただ、俺達も負けるつもりはありません!」
「そうか。じゃあ、決勝でまた会えるのを楽しみにしてるよ…健闘を祈る。」
そう言って翔太先輩は再びアップへと戻った。彼は凄く堂々としてて余裕がかなりある…これだけのぶれない心とかっこよさと高きカリスマ性があればそれはモテるのも納得だなと思った。この男に勘介は挑もうとしてるという訳だ…
「蓮、今日は絶対に勝つぞ。」
「無論だ…俺も負ける気はさらさらねえよ!わかばの幸せも大事だが、今回は勘介を男にすべく一肌脱ごうじゃねえか…」
それから、球技大会は本格的に始まっていく。バレーボールもバスケットボールもドッジボールも男女問わずに熱き戦いが繰り広げられていってやる側も見る側も心躍るもので前の学校の球技大会と比べても活気が全然違う…心境の違いはあれど今が物凄く楽しい!その中で俺は翔太先輩の3年A組の試合を観ていた…
『翔太先輩、頑張って〜!』
その彼の試合では注目の的は誰が何と言おうとも翔太先輩だ…ウチのクラスの女子もみんな彼を応援する。俺と勘介は応援はせず相手の視察にとにかく徹した…その中で相手のサーブが飛んでくるとやはりこのチームは前評判から運動音痴が1人もいないエリートチームと言われてるだけにコンビネーションが絶妙で最後は翔太先輩がバックアタックで仕留める。ブロックの間を抜ける威力は流石の一言…彼はもう中学生の域を凌駕していて将来は日本代表に呼ばれるだろうな。そんな存在が今週限りで転校してしまうとは…都合があるにしろ大きな損失になるかもしれない。
「翔太先輩、やっぱり凄いな…初戦では異次元だ。もう10点目だぞ…」
「勘介、ビビってるのか?」
「ビビってない、武者震いだ…蓮こそ次が俺達の初戦だから気合いを入れていけ。」
「分かってるよ…モーマンタイだ。」
結局、シードを引き当てて初戦となった翔太先輩のチームは3-0で相手に10点以上を与えることなく圧倒的なストレート勝ち。翔太先輩個人としても1人で32点と大暴れ…格の違いを見せた。
「試合終了、3-0で2年A組の勝ち。お互いに礼!」
『ありがとうございました!』
それを見た後にシードとして臨んだ初戦は1回戦でフルセットの死闘で3年D組を破った1年B組をストレートで完封。試合内容としては関田の作戦、そして俺と西田の攻めが上手くハマっての圧勝だった。これで次はBEST4の準決勝…相手は3年B組、反対側のシードだから今回よりも骨のある試合になるのではなかろうか
「よっしゃ、初戦突破だぁ!咲良さんにどう報告しよっかなぁ…」
「富士川、油断するなよ?まだ初戦だ…喜ぶのは優勝してからにしとけ。」
「釣れねえやつだなぁ、関田は…」
「私がどうしたの?」
富士川がうたに勝利の報告をしたいという話をすると、噂の張本人であるうたと遭遇する。聞かれてやましい話というわけではないのだが、こんな下心丸出しの汚れた男がうたと楽しく話してるのを見てると俺はどこか腹立たしく感じてしまう。うたがこのチャラいのに騙されなきゃ良いのだが…
「咲良さん、俺達初戦突破したんだぜ?君のために勝ってきたよ♪」
「うん、その試合観てたよ。おめでとう!」
「いやぁ…咲良さんから褒められると鼻が高いなぁ♪」
「うたもこの後、初戦なんだろ?俺達も応援するから頑張れよ。一緒に優勝しようぜ?」
「うん、ありがとう…蓮!私達も頑張るね。」
そう言ってうたは初戦へと向かっていく。富士川は俺のことを嫉妬で睨んでいるが関係ない。そもそも富士川はうたの上辺しか知らないが、俺はプリキュアとしても一緒だから何でも分かる。舐めてもらっちゃ困るな…
「朱藤の時は楽しそうだよな、咲良さん…俺にもあんな感じにならねえかなぁ?」
「まあ、咲良さんは前から朱藤くんと仲良かったからね。富士川くんもそんな女の子を見つけなよ?」
「大きなお世話だ…モテ男に言われると皮肉に聞こえるぜ?」
「とりあえず、優勝するまでは気を引き締めろ!富士川は特にだ…今は女子の応援をするぞ。」
「うぃ〜…」
そして、俺達はうた達の初戦の応援をしていく。結果はストレート勝ちにはならなかったものの3-1で2年C組に勝利…エースのわかばが多少ブロックされる場面もあったが、わかばだけに頼らなくても今のチームなら何とかやれそうな気はした。まあ、体育の授業内で行われた練習試合では4戦して2勝2敗の五分で今回の初戦は勝ち負けの確率は五分五分だったからな…とりあえず、勝てたのは良かったと言える。この調子で次も頼んだぞ?
~~~~~~~~
それから昼休みを経て女子の準決勝を迎える。我らが2年A組女子の準決勝の相手はこころ達の1年C組…これは俺としてはどっちも応援しないといけない試合だ。ちなみに、肝心の俺達男子はどうなったかと言うと準決勝は突然相手の3年B組男子に体調不良者が試合前に2名も出てしまって棄権となり自動的に決勝進出となった。練習試合から優勝候補の3年A組男子と唯一互角に戦っていたと聞いていただけに残念だが、運も実力のうち…決勝進出できたのは大きい。なので、ここは応援に専念して次の決勝に臨もう!
「頑張れ、2年A組!頑張れ、こころ〜!」
「蓮…こころって相手の紫雨こころだろ?どうして応援するんだ?」
「あいつ、俺と仲の良い後輩なんだよ。応援して悪いか?友達はみんな応援する…それが俺のやり方だ。」
「そういうものなのか?友達だとしても敵なら応援できないだろ…」
「勘介、友達ってのは色々あるんだよ。たとえ敵同士になったとしても応援できる友達こそ真の友達じゃないかな?」
「健人。なるほど、顔が広いな…蓮は。」
そんな俺は2年A組女子とこころのことを応援していく。試合は一進一退の攻防戦に…こころは身長が小さいながらも最高到達点が高くてそこから繰り出されるアタックは容赦がなく。一方でこっちはセッターを務めるうたが的確なトスでわかばとかの攻撃陣に集めて点を取り返す…試合はセットカウント2-2まで来てフルセットまでもつれ込むもその中でアクシデントが発生。
「こころ!」
「たあっ!」
「…!?」
最終セットの序盤でこころの強烈なアタックがフロアにワンバンしてみことの眼鏡にクリーンヒットしてしまう。しかも凄い威力だったから物凄く跳ねて、当たったみことは思わず反動で尻餅をつく。
「みこと!」
「みことちゃん、大丈夫?」
「大丈夫…だけど、眼鏡壊れちゃった。何も見えない…」
「すみません。みこと先輩…!」
何とここでみことの眼鏡が壊れてしまうという非常事態が発生してしまう。アタックを打ったこころもわざわざ相手コートまで行ってみことに謝る。これはアクシデントだからそこまで謝る必要はないが、ここら辺は育ちがしっかりしてるのか誠心誠意謝る。
「みこと、スペアの眼鏡は持ってる?」
「スペアはあるにはあるんだけど…多分合ってないかも。」
「東中、俺に代われ。」
すると、勘介はいきなりコートに入ってきてはみことに交代要請を出す。何を考えてるんだこいつは…いくら交代選手がいない上に負けず嫌いとてルール違反はいただけない。
「勘ちゃん!?何を言ってるの?」
「そうだぞ、勘介…女子の試合に男子が出るのは流石にまずいだろ?」
「交代の選手がいない中で棄権しろと言いたいのか?冗談じゃない…俺達はこの日まで切磋琢磨して高め合って来たんだ!男子女子アベック優勝するのを目標してきたからリタイアなんてさせない。」
「勘ちゃん…」
「分かったよ、僕が生徒会権限で認める。生徒会長と体育委員長には僕から話しておくから。勘介…やるからには頼んだよ?」
「任せろ。俺が何としても優勝させる…」
勘介がそう宣言すると、西田は生徒会役員として体育委員長や生徒会長とかけ合うために交渉へと向かう。そして、勘介がコートの中に入ってみことが下がった。
「とりあえず、俺はセッターに専念する。咲良はセッターからアウトサイドヒッターに回ってくれ。」
「分かった!」
そして、笛が吹かれて先ほどアタックを決めたこころがサーブを打った。やはりサーブもなかなか強力…それがうたの方向へと飛んでいく。
「咲良!」
「はいっ、関田くん!」
「任せろ、蒼風!」
「えいっ!」
うたが拾い、勘介がミドルブロッカーのななに上げるとそのトスは面白いようにななが飛び上がったタイミングとピッタリで早い攻撃が決まる。これがAクイック…ななもそれによく合わせれたものだ。
「ななちゃん、ナイス!」
「ありがとう。関田くんのトスは本当に正確だね…流石はバレー部のセッターだよ。」
「ありがとう…とりあえず、今の流れなら勝てるぞ!押されるなよ!!」
そして、点を決めたチームは円陣を組んで勘介がみんなを鼓舞する。それから目が覚めたのか、勘介がセッターで入ったことで流れが変わったのかそこから点を取られることなく終わってみれば15-1、セットカウント3-2でこの戦いを制した。最終セットはうた、なな、わかばを軸に攻め立て、それを勘介が見事なセッターとしてのアシストも光ったと言える。司令塔の存在が半端じゃない!
「試合終了、3-2で2年A組の勝ち。お互いに礼!」
『ありがとうございました!』
試合が終わってからお互いに一礼してみんなが握手を交わす。試合中はピリピリも終わってしまえばノーサイド…どのスポーツだって全競技全世界共通だ。
「うた先輩、なな先輩…決勝戦頑張ってください!」
「ありがとう、こころ!」
「絶対優勝するね。」
「勘介、お疲れ様。」
「ありがとう!さあ、次は俺達の番だ…相手はバレー部の大エースである翔太先輩がいる3年A組だが憧れるのはやめろ。女子も同じ3年A組と当たるんだ…その前に俺達が勢いづけるぞ、さあ行こう!」
『おお〜っ!』
そして、俺達は戻ってきた勘介を中心に円陣を組んでから決勝戦へと臨む。相手は翔太先輩がいてかなりの強敵ではあるがこの日のために勘介が与えた練習メニューをこなしてきたんだ…その練習と比べれば何も怖くない。とにかく全力で行くぞ!
「それでは、只今より…2年A組対3年A組による男子バレーボール決勝を行います。礼!」
『お願いします!』
お互いに一礼して場内のボルテージは最高潮にその声援の大方は翔太先輩に集中…とんでもないぐらい女子からは人気で俺達は完全にアウエーだ。しかし、一部の女子からは俺や西田にも声援が飛ぶ。もちろん、ウチのクラスの女子に関しては自分の応援に徹してるしそこにこころも加勢している。声援の比率としては7:3でやや不利もその3の声援を力にして頑張りたいところだ。
「ところで、勘介…どうして女子に加勢したんだ?優勝したらわかばは翔太先輩に告白するんだぞ?」
「そんなことも言ってられなくてね…俺は負けず嫌いだ。わかばが翔太先輩に告白するかどうかはともかくとして一緒に練習してきた仲間を負けさせるわけにはいかない…どうにしても仲間が負けるところは見てられないからな。」
「そうか。お前らしいな…とりあえず、優勝してわかばに気持ち伝えようぜ?」
「ああ。蓮…絶対勝つぞ!」
そして、運命の試合開始のホイッスルが鳴って相手のサーブから始まる。まず最初の一発目は勢いをつけたジャンプサーブで強烈だ…それが俺のところに飛ぶ。
「勘介、頼んだ!」
「健人!」
「はああっ!」
俺がサーブを拾い、セッターの勘介が上げてそれをオポジットの西田がサウスポーで振り抜きアタックを打つ。しかし、これは翔太先輩のブロックに阻まれてフロアに落ちる。先制点を許してしまった…
「勘介、ごめん!」
「気にするな、健人!まだ1点だ。先は長いからな?」
西田はアタックを止められたことを勘介に謝る。しかし、そこから攻めがかなりチグハグになってしまい西田と俺を軸にして、たまに富士川にも攻めさせるものの止められるか拾われチャンスを作られるかだけでなかなか決まらない。得点もミスのおこぼれかブロックアウトを誘った時のみ…気がつけば悪い流れを引きずって2-0まで来ていた。
(何てこった…あっという間に3セット目か。14-20…相手も今回はミスが多いとてなかなか隙ができやしねえ。どうする…)
「たあっ!」
「ぐえっ!?」
そして、ここで翔太先輩が強烈なサーブを放つ。これには何とか富士川が反応するも威力に押されて後ろへ飛んでいく。サービスエースももう5個目…完膚なきまでに叩きのめされてる状態だ。
「こんなの無理だ、勝てるわけねえだろ!?何が優勝だ…もう勝てる気がしねえって!」
「富士川、今何て言った…勝てる気がしない?まだ勝負は終わってないぞ!」
「おいおい、そんなムキになるなって。俺は事実を言ったまでだぞ?ここまでよく頑張ったよ…もう降参しようぜ?」
「ふざけるな、そんな気持ちで試合に臨むとか相手にも失礼だ…やる気がないのならコートから出ていけ!俺達は勝つために1球に命を懸けてやってるんだ!!」
勘介は諦めムードの富士川の胸ぐらを掴んで激しい言葉をぶつける。球技大会はレクレーションとてここまで本気になる理由は2つある…勘介自身が負けず嫌いであること、そして優勝してわかばに自分の気持ちを伝えるためだ。
「勘介、落ち着け…喧嘩をしてる場合じゃねえだろ、ここは!」
「朱藤くんの言う通りだ…負けたくない気持ちは分かるけど、喧嘩をしても何も始まらないよ?」
「それもそうだが…」
「2年A組頑張れ〜!」
「蓮くん、関田くん、西田くん、富士川くん…みんな頑張って!」
「蓮先輩ファイトです!」
「勘ちゃん、健人くん、蓮くん、頑張れ〜!」
すると、体育館内は先ほどまでの翔太先輩優勢の声援が打って変わって今度は俺達一色の声援になって会場内に響き渡る。翔太先輩のかっこいいところは見たい、でも俺達の諦めないところも見たい…そんな心境なのだろう。
「どうやらまだ俺達は見放されてねえってことだ…富士川、勘介、もうひと踏ん張りできるか?」
「ああ、こんなにも応援してくれるみんながいて負けてられるかよ!」
「ここまで応援されてるのなら見せてやる…メイクドラマってやつを。翔太先輩達に勝つぞ!」
『おお〜っ!』
俺達はまた円陣を組んでからもう一度気持ちを1つにして試合に臨む。この光景に体育館内は拍手が波紋のように大きくなっていく…
「はあっ!」
そして、試合が再開されると翔太先輩がもう一度サーブを放ってくる。今度もまた富士川が狙いだ…さっきのレシーブが下手なのを見抜かれている。
「富士川!」
「とにかく拾う、負けてたまるかぁ!」
「任せろ!」
富士川は手前に落ちそうなボールを懸命に拾い上げる。それをセッターの勘介がトスを上げていく。俺の方に上がった…となると、後ろにいる俺は勢いをつけてバックアタックを仕掛ける。
「たあっ!」
俺のアタックはブロックに当たるも真下に吸い込まれる。肝心のアタックラインも踏むことなく決めたので我ながら見事に決まったのではと思った。これで流れが変わることだろう…
「朱藤くん、ナイス!」
「西田、ありがとな。」
「よし、流れはこっちに来てるぞ…蓮に続いていけ!」
それから俺達は怒涛の勢いで反撃していく。15-21の劣勢から一気に怒涛の攻撃を仕掛け、同点からの逆転…気がつけばセットポイントまで来た。
(とりあえず、1点は返されたけど24-22…初めて翔太先輩達を追い詰めた。もう今度こそここで決めるぞ!)
俺が集中力を高めたところで笛が鳴り相手がサーブを打ってくる。ボールは勘介を狙ったところに落ちて、彼は落とさまいとなんと拾い上げる。
「誰か2球目を頼む!」
「任せろ!」
勘介が上げたことによりセッターが使えない中で俺が手を挙げて名乗り出る。ここはアタックを打つと見せかけてジャンプしてトスを上げていく…これにアタックを打つと勘違いした前衛は思わず飛び上がって隙が生まれる。そこを西田が左の剛腕を振り抜いてフロアへと叩き落とした。ここぞという場面でフェイクセットが決まるとは…ぶっつけだったけど見事に決まった。
「よっしゃ!!朱藤くん、ナイスフェイクセット!」
「お前、どこでそんな技を覚えたんだ?バレーやってないだろ…」
「YouTubeで研究してマスターしたんだよ。練習はしてなくてここぞというタイミングだったけど、まさに来てたな…」
「そうなんだ。凄いね、朱藤くんは!」
「悔しいがここまでやられたらお手上げだぜ…でも、咲良さんは譲らねえからな?」
「譲るも何も別に富士川とは何も争ってねえよ…(とりあえず、これでうたの好感度も上がったろうな!まあ、富士川なんか相手じゃねえけど…)」
それから流れが変わったのか、俺達は次のセットも連取して2-2に追いつきフルセットに持ち込まれた。さらにそこでも点を取られながらもリードを奪うという怒涛の勢いで攻め込む…翔太先輩達もこれまで余裕のストレート勝ち連発から一転フルセットの激戦なものだから疲労が溜まってきている。そこを突いて点数は14-8、アドバンテージは6点という状態でマッチポイントを迎えた。
「ラスト、西田…頼んだぞ!」
「健人、力むなよ?」
「分かった…決めるよ!」
そして、マッチポイントで迎えたサーブを西田は放っていく。強烈なサーブに押されて相手のボールは後ろへと飛ぶ…これなら勝つ!そう思ったその時だった…翔太先輩が必死にボールに食らいつきそれを拾い上げる。凄い執念だ…今日の試合の中で翔太先輩のこの形相は見たことがなかった。そのボールを味方が何とか返してチャンスボールが来る。ここは確実に決めたいところだ…
「関田、頼んだ!」
「任せろ、蓮!」
「はあああっ!」
富士川が拾い、勘介が上げたボールを俺は渾身の右腕を振り抜いてアタックする。そのボールはブロックを蹴散らして遥か彼方へと飛んでいく…この瞬間、俺達は優勝したのだ!審判の笛と合図がそれを祝福する。
「やったああああああ!!」
「よし、勝った!」
「俺達勝ったあああああ!!」
「みんな…よくやった、ありがとう!」
俺達は優勝を決めた瞬間、みんなで集まって喜びを分かち合う。圧倒的な優勝候補だった3年A組に大逆転で勝ったのは何よりも特別だ…しかも最初はめちゃくちゃリードを許してた中である。ここからでも何とかなる保険はあったようだ…
「見事だったよ、みんな…優勝おめでとう!」
優勝を喜び合う中でネットの向かいの前まで翔太先輩がやって来て俺達の優勝を心から祝福する。バレー部のエースとしてスポーツエリート軍団を率いた中で負けて悔しいのにも関わらずこんな感じでお祝いできるとか人としての器がでかすぎだ…これだからこの人はモテるんだろうなと思ってしまう。
「ありがとうございます、翔太先輩…転校しても頑張ってください!」
「ありがとう。でも、どうして朱藤くんが俺の転校の話を?もしかして勘介が話したりとか…」
「いや、俺じゃないです。健人が蓮に話してたんですよ…まあ色々あってですけど。でも、俺…あなたと1年ちょっと一緒にバレーをやれて楽しかったです。高校でもまた翔太先輩と一緒にバレーをしたいのでその時まで頑張ってください。」
「ああ。お前とまたやれるのを楽しみにしてるよ…」
俺と勘介は翔太先輩と握手を交わして転校していく彼にエールを送る。そして、お互いに一礼したタイミングで体育館内は今日一番の拍手に包まれた…俺達の激闘はみんなのハートを熱くしたのだ。何よりも誇らしいことである。
「勘ちゃん、健人くん…おめでとう!」
「ありがとう、わかば。俺達やったよ…本当にしんどかった。」
「勘介、泣くなよ…」
勘介と西田のもとにはわかばがやって来て彼女から祝福を受けると勘介はあまりにも壮絶な戦いの末に精神が崩壊したのか泣き出してしまう。熱くクールで堂々としてる彼が見せた涙を見てると、こいつも人間なんだな…と再認識させられる。
「それだけ辛かったのかもね…最近泣かなかった勘ちゃんが泣くぐらいだもん。とりあえず、次は私達の番だから応援してね!」
「うん。頑張って、わかばちゃん!」
「俺も助っ人として次もサポートする…一緒に優勝しような?」
「蓮、優勝おめでとう!凄くキラッキランランだったよ♪」
「ありがとな、うた。ななとこころも声援ありがとう!お前らの声援バッチリ聞こえてたぜ?」
「蓮先輩に(声援が)届いて良かったです。先輩達の戦いを見て心キュンキュンしました!」
「次は私達が優勝するから蓮くん、応援してね。」
「うた達も頑張るプリ〜!」
「俺も陰ながら応援するヨイ!メロロンもな?」
「メロロンは…ねえたまとにいたまがやるなら。」
「よし、行ってこい!」
「「行ってきます!」」
そして、うた達2年A組女子バレーチームは決勝の舞台へと向かって行き俺とこころと妖精達はそれを見送る。果たして女子も優勝で続くことができるのだろうか?司令塔の勘介が助っ人に入ってるから恐らく何とかやれそうだ…とにかく頑張れ!
いかがでしたか?逆境も試練も乗り越えて蓮達が男子のバレーを優勝…しかも翔太先輩のチームを倒してです!勘介、蓮、健人の力がもう炸裂でした。
原作では男子というか他の種目の描写はほとんどされてませんでしたけど、ここでは重点的にないところをプラスしましたね。男子視点のキミプリも熱いなぁ…と思ってます。原作って男子側のキャラがかなり少ないんですけど、やっぱり女の子中心のアニメって男子キャラは限られるんですよね。ラブライブ!シリーズなんか男0っすよ?そこを書き足すのが我々二次創作作家の使命ですわね。
そんな原作ですけど、メロロンの人間態がマジで色っぽくて夢中になってます…性格面で推し変には至りませんでしたけど、脳死状態だったらななちゃんから推し変えてました。メロロンの人間態は歴代プリキュアの変身前の中だったら5本の指に入るぐらいの美人です!これが常時出ないかなと期待してますけど、先日発表された映画のポスターを見た限り妖精のプリルンとメロロンが削除されてるので人間になるというサインでしょうな…ただ、わんぷりのようにエネルギー切れると元の姿に戻るってタイプかと思ってますよ。現に妖精の姿で商売やってますから…
こんな感じですけど、次回で球技大会もクライマックス…うたちゃん達女子チームは優勝できるか否か?また、チョッキリ団の動向も気になるところでしょう。そんなこんなをお楽しみに!
感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをしてお待ちください。それでは…