キミとアイドルプリキュア♪ -朱蓮のダンサーとアイドル達-   作:寿垣遥生

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遥生です。原作のキミプリは前回で大きな動きがありましたね…メロロンの失ったもの。これはまあここでもいずれ触れるのであえて触れませんが、これを先に知って泣いたメロロンの声優である美春ちゃんも気持ちも分かるなと思いました…これだけ話が重いですもんね。とりあえず、こっちでもいつかやる時が来るのでその時はお楽しみに!

さて、今回はいよいよあの回になります…プリルンとメロロンが覚悟を決めてあの2人が降臨します。もう後々を知ってる人からすればお察し状態ですけど、とりあえずまたあの衝撃を思い返してください。

それでは、また後書きにて…


#41 白と黒の謎の戦士

side蓮

 

「ブレイキンタイフーン・BURNING!」

 

「アイドルグータッチ!」

 

「「はああああっ!」」

 

「カッティンダー!」

 

「「「「うわああああ!?」」」」

 

 俺達はカッティンダーが現れてから懸命に戦い、技を繰り出し続けるもどれも弾かれてしまう。ここでも俺とアイドルが前線に切り込みプリキュア全員で攻撃を仕掛けるもカッティンダーに殴り飛ばされてしまった…

 

「みんな!食らえ、不死鳥の雄叫び(フェニックス・シャウト)!」

 

「カッ…!?」

 

 すると、ヨーヨイは両手からあの時のビームを繰り出して反撃する。殴った後で隙ができたのか防御態勢が取れずそのビームが命中し少しダメージを受けた。俺達の攻撃は効かない中でヨーヨイの攻撃はどうやら当たれば効くようだ…

 

「ヨーヨイ、頼む…時間を作って攻撃の隙をまた作ってくれ!お前に前は預けたぞ…」

 

「了解、任せてくれ!」

 

「俺達もヨーヨイに続け!みんなで1つになれば何でもやれる…俺達でカッティーを取り戻すぞ!!」

 

「「「うん(はい)!」」」

 

 そして、俺達4人もヨーヨイに続いてカッティンダーに攻め込んでいく。ニカ姉がいないだろうが、ヨーヨイを頼りにしようが俺達が戦わない理由にはならない…みんなで1チームなら俺達も戦うのみ!とにかくその気持ちで臨むのであった。

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「プリルン、何にもできないプリ!キュアアイドルを守れないプリ…」

 

 その頃、キラキランドではプリルンが無力さによってもう助からないことを確信したのか溜めていた感情が爆発して泣き崩れてしまった…メロロンはその様子を見てどうしてキュアアイドルことうたを何故そこまで大事に思うのかと内心思いながらもプリルンのことを心配する。

 

「ねえたま…ねえたまはそんなにキュアアイドルのことが大事メロ?」

 

 メロロンがプリルンにキュアアイドルの大事さを問うとプリルンはポシェットからうたが手渡してくれたスプーンマイクを取り出す。

 

「プリルンもアイドルプリキュアのメンバーって言ってくれたプリ…初めて会った時から、うたはずっと一緒にいてくれて。笑顔で歌ってくれて…キラッキランランで!キラキランドを救うためにキュアアイドルになってくれて、今だっていっぱいいっぱい頑張ってくれて…プリルンはうたが、うたが大好きプリ!」

 

 プリルンはスプーンマイクを握り締め、メロロンの質問に答える。キラキランドからはなみちタウンに来て初めて会い、キュアアイドルになってくれて一緒に戦ってくれたかけがえのない親友。それがプリルンにとっての咲良うたなのだ…こう胸を張って言えるぐらい大好きな気持ちは揺るがない。

 

(ねえたまはそれだけ咲良うたが好きなんだ…メロロンはこんなにもあなたが好きなのに。助けてあげたい気持ちもあるけど、胸が苦しいメロ…)

 

「うたと出会ってからの思い出は…プリルンの一番大事な宝物プリ。」

 

「…それがねえたまの一番大事なもの、メロ?」

 

 メロロンは心の中ではプリルンのうたへの気持ちに複雑な気持ちを抱くもプリルンに一番大事なものがどうなのかを確かめる。しかし、答えに迷いはなかった…

 

「そうプリ!」

 

「メロ…(やっぱりそうだったメロ。ねえたまは咲良うたと出会ってメロロンとよりも楽しい時間を過ごしてた…メロロンとじゃ足りないメロ?悔しいけど、受け入れるしかないメロ…)」

 

 プリルンの迷いなき気持ちにメロロンは心の中で落ち込んでしまう。これまでヨーヨイと共にずっとそばにいたプリルンの中ではもううたのことが最優先事項になっていた…その現実を受け入れるのはメロロンからすれば苦行かもしれないが、その真っ直ぐな目を見たメロロンはプリルンの考えを受け入れる以外なかった。

 

「キュアアイドルを守れるならプリルン、何でもするプリ!」

 

「メロ…何でも、メロ?」

 

「プリ、キラルンリボンを探すプリ!」

 

「ねえたま!」

 

「プリ?」

 

 プリルンがキラルンリボンを探しに行こうとしたその時、メロロンは何か策があると言わんばかりにプリルンのことを呼び止める。

 

「メロロン、ねえたまの願いを叶えられるメロ。」

 

「プリ!?本当プリ?流石メロロンプリ!」

 

 プリルンはメロロンが自分の願いを叶えられると聞いてか目を光らせて喜ぶ。しかし、メロロンがやろうとしていることはピカリーネからも禁じられているあの策…女王の意見を無視するのだろうか?

 

「メロ…これメロ。」

 

「これは何プリ?」

 

「これは伝説のハートキラリロックメロ、2人の願いを叶えてくれるメロ。」

 

「プリ…」

 

 そして、メロロンはとうとう禁断のアイテムであるハートキラリロックを取り出す。メロロンもこれを出すのは不本意だったところあるだろうが、もう残された手はこれしかないのだ…代償の覚悟でプリルンにハートキラリロックの存在を教え、プリルンが鍵を握るとハートキラリロック(と鍵)が光り出した。

 

「光ったプリ…これでキュアアイドルを守れるプリ?」

 

「メロ!」

 

「凄いプリ!プリ…プリルンの願いを叶えて良いプリ?メロロンの願いは良いプリ!?」

 

「メロ、メロロンの願いはねえたまの願いが叶うことメロ。(にいたま、ごめんなさいメロ…メロロンはもうこの手を使わないとねえたまを助けられないメロ。だから、許してほしいメロ…)」

 

「メロロン、ありがとうプリ!」

 

 プリルンはメロロンに抱きついては感謝の気持ちを伝える。その中でメロロンは禁断の手を使ってしまうことをはなみちタウンでアイドルプリキュア達と一緒に戦っていて兄と慕うヨーヨイに心の中で謝った。それだけヨーヨイも大事な存在だからこそ謝れるものである。そして、メロロンはプリルンとヨーヨイと積み重ねてきた思い出を浮かべてから覚悟を完全に決めて抱きしめ返す。

 

「ねえたま、ハートキラリロックで願いを叶えるにはその代わりにねえたまもメロロンも一番大事なものを封印しなくちゃいけないメロ。」

 

「一番大事なもの…プリ?」

 

「メロ。ねえたまの宝物、咲良うたとの思い出は全部なくなっちゃうメロ…それでも良いメロ?」

 

「良いプリ!それでキュアアイドルを守れるなら…プリルンは大丈夫、プリ!」

 

 プリルンはメロロンから告げられた宣告を迷いなく受け入れる。しかし、プリルンの目には涙もあった…うたとの思い出が脳裏に巡っているからだ。それを思うと辛いこともある…楽しかったうたとの思い出が消えるのだから。

 

「分かったメロ。それじゃあ、鍵をかけるメロ…」

 

「プリ…メロロンの大事なものも封印するプリ?」

 

「メロ。」

 

「メロロンは何を封印するプリ?」

 

「…内緒メロ。」

 

 プリルンから何を封印するのか問われたメロロンは笑顔で内緒と言い答えなかった。まだこの場では言えないことなのだろうか…それともプリルンにも言えない大事な秘密なのか。

 

「さあ、ねえたま…鍵をかけるメロ。」

 

「分かったプリ…キュアアイドルはプリルンが守るプリ!」

 

 プリルンはメロロンの言う通りにハートキラリロックの鍵を閉める。そして、その周辺は光に包まれた…プリルンとメロロンの決意と願い、その行く末は果たして?

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

side蓮

 

「カッティンダー!」

 

 ヨーヨイも含めた俺達5人は相変わらずカッティンダーを止めるべく必死に戦い続ける。カッティー自身は戦いたくないと思っているのにカッティンダーは止まらない…それだけ彼はダークイーネに支配されてしまっているのだろう。

 

「もうやめて、カッティーさん!」

 

「止まって!!」

 

 ウインクとキュンキュンが止まるように訴えるもカッティンダーは止まらず。ただ、ヨーヨイの攻撃は通じるものの俺達の攻撃は通じる時と通じない時があるしダメージもそんなに受けていない…どうすれば良いんだ?こんな時にホープフルのニカ姉がいたら望みはあったのだろうか?

 

「こうなったら、私が!」

 

「「「キュンキュン!」」」

 

「待て、早まるな!」

 

「キュンキュンレーザー!」

 

 キュンキュンはカッティンダーに対してキュンキュンレーザーを放つ。しかし、そのレーザーは破壊光線にあっさり砕かれてしまう…もうレーザーは通じないのか!?

 

「ウインクバリア!」

 

「カッティンダー!」

 

「「「「うわああああ!?」」」」

 

 そこにウインクがバリアで防ごうとするもそのバリアは1回は耐えた。しかし、2度目は耐えられず…俺達は破壊光線をもろに受けてしまって飛ばされ、ステージの壁に叩きつけられた。

 

「ブレイキン、アイドル、ウインク、キュンキュン!くそっ…てめえ、俺の仲間をよくも!コイツらは俺のかけがえのない親友なんだ…何としても俺が最後の砦として守る!」

 

 ヨーヨイは俺達が深刻なダメージを受けた中でヨーヨイは孤軍奮闘でカッティンダーと戦い続ける。結局俺達はヨーヨイにおんぶにだっこか…情けなさすぎるだろ。

 

「不死鳥の突撃(フェニックス・インパクト)!」

 

「カッティンダー!」

 

「がああっ!?」

 

 ヨーヨイはここで体当たりを仕掛けるもカッティンダーのパンチにすんなりここで負けてしまい、妖精の姿に戻って地上に落ちる。流石のヨーヨイも限界なのだろうか…先ほどまでの善戦が嘘のようにあっさり負けた。

 

「ヨーヨイ…」

 

「すまねえヨイ、ブレイキン…エネルギー切れだヨイ。こんな時に力になれなくて不甲斐ねえ…」

 

 ヨーヨイを仕留めても止まらないカッティンダー…もうまともに戦える力は俺達にないのに。もう理性も何もない戦闘マシンになってしまった以上、このままもう見境もなく殺されるだけってか…ここまでの戦いで俺達は過信していた。力を合わせれば絶対勝てる、と。でも、現実はダークイーネの力を与えられたカッティンダーには勝てない…つまり、ここが俺達の限界だったのだ。

 

(終わった…俺達はどんなに足掻いてもダークイーネの力には勝てないんだ。ここで詰まってたら勝てねえよな…)

 

「カッティー!ぐっ…今日のライブのためにみんな頑張ってきたの。だからもうやめて、カッティー!」

 

 アイドルは倒れながらも前に出てからカッティーに呼びかける。呼びかけても無駄なのにどうしてお前は諦めないんだ…どうしてこんな負けが決まってるのに前を向いていられるんだ?リーダーとして自分が情けなく感じてしまう。

 

「沢山の人達が楽しみにしてたのに…お願い、元に戻ってよ!」

 

「自分は何てことを…があっ、ぐうっ!?」

 

 すると、アイドルの呼びかけに反応したのかカッティンダーは突如として苦しみ出す。あの呼びかけで理性が戻ってきたのかカッティーが自分の気持ちを伝えようと苦しみながらも口を開く…アイドルがこの絶望的な展開に奇跡を起こしたと言うのだろうか?

 

「自分は…アイドルプリキュアが大好き、ですぞ!このステージを壊すわけにはいかない…でも、チョッキリ団だからクラクラの真っ暗闇にしないとチョッキリーヌ様やスパット様から…がああっ!?」

 

「チョッキリ団でも良いんだよ!私達が好きな気持ちを大事にして…あなたが好きでいる限り、私やみんなは歌い続けるから。お願い…カッティーに戻って!」

 

「キュアアイドル…があっ、ぐおあああああああ!?」

 

「カッティー!」

 

 カッティーがキラキラを取り戻そうとしたその時、黒いオーラがカッティンダーを包み込んで中に住むカッティーを余計に苦しめる。ダークイーネの闇はますますパワーアップして、理性も完全に消えた。

 

「カッティンダー!」

 

「そんな…」

 

「嘘だろ?」

 

「アイドルの呼びかけが効かないなんて!?」

 

 俺はウインクとキュンキュンと共に奇跡が消えたことに驚愕する。先ほどまで元に戻りかけたのに…ダークイーネはすぐさま軌道修正してカッティーをカッティンダーに戻したのだ。もう今度こそ終わりってことなのか…

 

(終わった…ちくしょう!)

 

「たあっ!」

 

「…!?」

 

 完全に絶望したその時、謎の白いドレスを着ていて白に近いブロンドヘアーにピンクのメッシュが入った女性が突然やって来てはカッティンダーに殴りかかる。これに対応できなかったカッティンダーは後ろへ少し後退した。

 

「ふんっ!」

 

 さらに畳みかけるように今度はもう1人の白い女性とは色違いで似たデザインの黒のドレスを着ていてピンクにメッシュが入ったロングヘアーを三つ編みにした女性が蹴り、これには耐えきれず吹っ飛ばされる。

 

「誰だ…!?」

 

 すると、その女性2人は歩みながら俺達の前へと向かう。少しずつ近づいて顔つきとかも見えてくるが、どことなく年上のお姉さんという感じがしてホープフルのニカ姉よりもより神々しい雰囲気を感じた…そして、黒のドレスの女性が投げキッスをしてからカッティンダーの方を振り向いて名乗りを上げる。

 

「キュアズキューン!」

 

「キュアキッス!」

 

「もう大丈夫だよ。キュアアイドル、みんな…キラキラショータイム、見せてあげる♪」

 

「「「「「…」」」」」

 

 名乗りを決めた2人は共に振り向いて、白い方が俺達にショータイムを見せると宣言してまたカッティンダーに向き合う。しかし、どうしてこの人は会ったことのないであろうアイドルを知ってるんだ…初見でキュアアイドルと呼べる上にこうしてキュア何ちゃらって名乗ってるということは俺達と同じアイドルプリキュアの仲間なのだろうか?謎は深まるばかりである。

 

♪:Awakening Harmony

 

「「2人の誓い、今輝け!…取り戻したい、光の世界〜♪」」

 

「その笑顔」

 

「勇気」

 

「涙」 

 

「夢」

 

「「希望の兆し、キミと明日を願うチカラで、生まれる私たちのハーモニー、響け〜♪…プリキュア、ズキューンキッスディスティニー!」」

 

 突然現れた謎の2人はステージ曲と共に浄化技をカッティンダーに届けた。それにしても、この2人のハーモニーは美しすぎる…これまで色んな時代に歌姫は数多くいたかもしれないが、令和の歌姫はもうこの2人なのかもしれないと思わせられる。本当に色んな意味で強すぎだ…

 

「「キラッキラッター…」」

 

 そして、カッティーは無事に浄化されてカッティンダーは消滅。はなみちタウンフェスに平和が戻った…そこから出たキラルンリボンはキッスの方が受け取るも真顔で特に何も反応を示さない。平和に戻ったことを喜べないのだろうか?

 

「最高にキラッキランラン。」

 

「ああ。この2人は何者なんだろうか…」

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「ううっ、ここは…」

 

 それからしばらくして俺達はカッティーが眠ってるところへと向かって様子を見ていた。その時、彼は意識を取り戻したのかまた目を覚ます…どうやらダークイーネに心を侵食されていたとはいえ何事もなさそうだ。

 

「あっ、気がついた!」

 

「ここは天国ですぞ…」

 

「大丈夫ですか?」

 

「ええ、自分は心が洗われたようですぞ。何と爽やかな気持ちですぞ…」

 

「それは良かったよ。お前が無事なら俺達も凄く気が助かるぜ!」

 

「とりあえず、一件落着ですかね?」

 

「これまで酷いことをして申し訳なかったですぞ!特にキュアブレイキンに関してはあなたのお姉さんに大怪我をさせてしまった…それを含めても、ダークイーネ様のみならずチョッキリーヌ様やスパット様の言いなりに働いていたとはいえ自分がした悪事は謝っても謝りきれないですぞ。」

 

 カッティーは俺達の前に土下座して涙ながらに謝る。しかし、ここまでされたらもう怒るのも馬鹿馬鹿しいというかこんなにも心が綺麗になって反省した相手を責めるのはオーバーキルというか死体蹴り以上にタチが悪いからな…

 

「顔を上げてくれ。カッティー…もう俺達はお前を責めねえよ。キラキラを取り戻してくれたらそれだけで結構だ…それと、俺達のファンになってくれたことが何よりも嬉しいぜ?本当にありがとな!」

 

「キュアブレイキン…自分を許してくれますかな?」

 

「当たり前だろ!あと、お礼に関してはキュアズキューンとキュアキッスという2人に言っとけよ?」

 

「そんなことはありませんぞ!確か、あのキュアズキューンとキュアキッスとやらのステージは眩しかったですぞ?しかし、しかーし…この闇に塗れた自分をキラキラと照らしてくれたのはあなた達に他ならないですぞ!アイドルプリキュア、自分は自分カッティーながらファングラブ会員番号自称1番ですぞ♪」

 

 カッティーは笑顔を取り戻してから俺達にファンクラブ会員番号1番宣言をした。まあ、まだ俺達はファンクラブを作ってないけどな…それでも、カッティーはこうして俺達を推しになって改心するきっかけができたことはアイドル冥利に尽きるものだ。確か、ニカ姉はアイドルやってて生きる希望がなかった元受刑者に希望を与えたとか言ってたな…やっぱり、アイドルには悪人を改心させる力があるんだと俺は実感するのであった。

 

「それでは、またどこかで…あなた達にまた会えるのを楽しみにしてますぞ〜♪」

 

「またね、カッティー!」

 

「頑張ってくださいね?」

 

「私達はカッティーさんのこと応援してますよ!」

 

 アイドル、キュンキュン、ウインクは去り行くカッティーのことを見送る。そんな中、あの2人はどこかへ去ろうとするのが俺の目には見えた。

 

「待ってくれ!」

 

「ん?」

 

「あんた達は何者だ…」

 

「キュアキッス。」

 

「キュアズキューン。」

 

 俺が何者かを質問するとキュアキッスは投げキッスをしながら、キュアズキューンは撃ち抜きながら名を名乗る。さっきよりも近くで見ているが、美人でなかなかスタイルが良い…本当にミステリアスな雰囲気さえも出ている。

 

「キュアキッス…」

 

「キュアズキューン…」

 

「バイバイ♪」

 

 ズキューンがそう言うとキッスが先に退却してズキューンがそれを追ってこの場から消え去る。俺達はこの2人の美しさとカリスマ性にすっかり虜になってしまう…仮に同じプリキュアだとしたら俺達の後輩のはずなのに。

 

「キュアズキューン…!」

 

「アイドル、まさかズキューンの方に惚れたのか?おーい、もしも〜し?」

 

「あっ、ごめんね。それよりもあの2人…凄かった。」

 

「ああ…敵か味方か分からねえが、悪いやつではなさそうだよな。今度会った時に色々詳しく聞いてみよう…」

 

「皆さん、ここにいましたか…」

 

 そんな感じでズキューンとキッスの余韻に浸っていると田中さんが俺達のところにやって来る。走って来たのか少し息を切らしている様子だ…

 

「田中さん、何をそんなに急いでたんですか?」

 

「先ほど、ホプから連絡が来て…笑華さんが目覚めたそうです。今から病院に来てほしいとのことで行きましょう!」

 

「でも、ライブは…」

 

「ライブの件ですが残念ながら中止と運営から発表されました。キュアアイドルや皆さんには申し訳ないですが…」

 

「そうなんですね。」

 

「でも、またいつかライブできるチャンスはありますよ。今度は笑華先輩が戻って来た時にリベンジしましょう!」

 

「キュンキュン…そうだな、とりあえず今は病院に行ってニカ姉のお見舞いだ!」

 

 そんなこんなで俺達は変身を解除してからニカ姉が入院している病院へと向かうことに…ライブが中止になってしまったのは俺も悔しいことだが、とりあえず気持ちを切り替えねえとな。まあ、ライブのこととかあれこれは配信もやってたことだろうから付きっきりだった希望さんも把握してることだろうが…とにかく今は笑顔だ!

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「ニカ姉!」

 

 俺達が田中さんに案内されて病室に入ると、昨日まで意識を失っていたニカ姉が目を覚ましていて俺達を笑顔で迎える。本当に無事で良かった…俺の中の胸のつっかえがなくなったような手応えを確かに感じる。

 

「蓮…ごめんね、私のせいであなたに負担をかけて。私がいなくても大丈夫だった?」

 

「ああ…何とかな。」

 

「笑華ちゃ〜ん!」

 

 すると、俺に続いてかうたが勢いよくニカ姉に抱きつく。本当にうたは甘えんぼだな…普段は姉としてはもりちゃんにむしろ甘えられる立場だが、年上相手になるとこうなるという。

 

「いてて…もう、うたったらそんなに飛びつかれると痛いわよ?まだ完治してないんだから…」

 

「ごめんなさい…でも、笑華ちゃんが元気になって良かった!」

 

「しょうがないわね。」

 

「うたちゃん、ずっと笑華ちゃんのことを心配してたんだよ?頼りになるお姉ちゃんがいなくて寂しいって…」

 

「ふふっ、そう思ってくれてありがとう。私もうたのことを妹のように思ってるわ。」

 

「えへへ…」

 

「うた先輩って本当に笑華先輩の前になると妹のようになるんですよね。そんな先輩が可愛くて心キュンキュンしてます!」

 

「なあ、ホプ…今日のライブの配信は観たか?」

 

 俺達がニカ姉が目覚めたことを喜んでいると人間の姿をしたヨーヨイが希望さんに問い詰める。それを見たニカ姉は一体何者なのかという感じの顔をして驚く…まあ、折角人間の姿になれるってのなら人間の姿で動いてもらった方が良いと判断してのことだが、ニカ姉は意識を失った後だもんな。

 

「えっ、この人…誰!?パイナップル頭のアロハ男なんか知り合いにいたかしら?」

 

「ニカ姉、コイツはヨーヨイだよ。人間の姿になってて、田中さんと同じで人間になれるタイプのキラキランドの妖精なんだ。」

 

「ええっ!?田中さんってキラキランドの妖精なの?プリルンやメロロンとかと同じで…」

 

「まあ、そうですね。ここで変身すると大変なことになるのであえてしませんが…とにかく笑華さんが無事で良かったです。」

 

「それで、ホプ…どうなんだ?」

 

「まあまあ、落ち着いて…ライブの配信に関しては笑華の横で観てたよ。でも、ところどころ中断になってたけど…何があったの、蓮くん?」

 

「昨日田中さんから話は聞いてるかと思いますけど、カッティーがクラヤミンダー化したカッティンダーがまた現れました。昨日も手も足も出ず、今日もダメでもう勝てないと思ったらキュアズキューンとキュアキッスと名乗るプリキュアが現れたんです。」

 

「キュアズキューンとキュアキッス…そういえば、配信に映ってたね。このシーンを見て?」

 

 希望さんがそう言ってさっきのライブのアーカイブを開いて該当する箇所を再生するとその前まで『しばらくお待ちください』状態から突然配信が再開され、ズキューンとキッスの2人が映ってそこからはステージの模様がプリルンの盗撮の要領で映像に残っていた…一体誰がこれを撮影していたんだろうか?カメラを担当していた田中さんはいなかったはずだが…

 

「誰が撮影したんですかね?田中さんが撮影したわけじゃないと思いますけど…」

 

「私はあの時避難誘導をしてて後でカメラを落としてたことに気づいてましたが、まさかこんなことになってたとは…これが世界中に残ってるってことはまた厄介なことになりそうですね。」

 

 こころからの質問に田中さんはカメラを落としていたことを明かして危機感を嘆く。今度はズキューンとキッスがまた同好会の間で話題になりそうな予感もしてきたし、グッズ展開も勝手に進みそうだ。

 

「それで、そのキュアズキューンとキュアキッスがカッティンダーを倒したのよね?カッティーの方はあれからどうなったのかしら?」

 

「カッティーさんはあれから浄化された後に私達にこれまでの悪事を謝ってから旅に出たよ…ファンクラブ会員番号1番になるとか言って。」

 

「そう。カッティーが無事なら良かったわ…なな、教えてくれてありがとう。」

 

「うん。」

 

 ななからカッティーがその後どうなったの説明を聞いてニカ姉はななにお礼を言う。ニカ姉もどこか安心した表情になって俺も安心する…とりあえず、後は無事に傷が癒えて体力が回復することを祈るのみだ。

 

「ところで、ニカ姉…俺達よりも前にお見舞いに来た人っているのか?」

 

「そういえば、お姉ちゃんとカイトくんと流川さんが来てたわ。すれ違わなかった?」

 

「いや、でも…俺達が病院に入った時に流川さんの車が駐車場を出てたから入れ違いかもしれねえな。」

 

「皆さん、そろそろ面会時間が…」

 

「分かりました…それじゃあ、俺達は行くよ。」

 

「待って!そういえば、プリルンとメロロンは?あなた達と一緒だったらいるはずなのに…」

 

 看護師の人に面会時間が終わったことを告げられて病室を後にしようとすると、ニカ姉が呼び止めてからプリルンとメロロンがどこに行ったのかを尋ねる…そういえば、あの2人がいなくなったのは意識を失ってた間の出来事だったからな。それは知らなくても無理はない…

 

「プリルンとメロロンは今はキラキランドに行ってるよ。それからはまだ何も聞いてないけど、いずれは帰ってくるはず…だから安心してくれ。ニカ姉はしっかりリハビリして戻ってこいよな?希望さん、後は任せましたよ。」

 

「分かった、またね。ヨーヨイ、みんなことよろしく!」

 

「ああ…」

 

「「「お邪魔しました!」」」

 

 そして、俺達は病室を後にする。ニカ姉にはプリルンとメロロンはキラキランドに行ってるとだけは伝えておいた…しかし、本当のことにしてもそこから何も音沙汰がない。ここから先、いつ戻ってくるか分からないのにどうするんだ…俺。とにかく、あの2人の帰還を待つしかないよな。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 はなみちタウンフェスの翌日、今日から夏服OKということで俺達は夏服を着て登校している。ヨーヨイに関してはバッグの中にいてもらっている模様…その中の校門前でのことだった。俺の前に長身で黒髪ロングを結んだ女子生徒が歩み寄る。

 

「朱藤くん、ちょっと良いかしら?」

 

「えっ?」

 

 校門前で俺は生徒会副会長の水谷杏美(みずたにあずみ)先輩から呼び止められる。この人はウチの学校で随一の美人さとカリスマ性を兼ね備えていて生徒会長の右腕としても活躍し、男女問わず色んな人から慕われている偉大なる先輩だ。そんなお方が何の用だろう?

 

「蓮、もしかして何か悪いことをしたんじゃ!?」

 

「ちげーよ!うた、何を言ってるんだ!水谷先輩…俺、何かしたんすかね?」

 

「そんな怖がらないで?実は妹から渡してほしいものを預かってるの…これ、中身は後で確認してね?」

 

 そう言って水谷先輩から手渡されたのは1枚の封筒…しかもいかにもラブレターを入れそうなピンクだ。でも、生徒会副会長の妹が俺に何を伝えたいのだろうか?

 

「それじゃあ、妹には送ったと伝えておくから。よろしくね!」

 

「あっ、先輩!?」

 

 そう言うと水谷先輩は校舎に向かって走っていくのだった。しかし、水谷先輩はしっかり者でカリスマ性があるわりには割とノリが軽いというか何か抜けてそうなんだよな…それはともかくとして俺は封筒の中身が気になりつつもひとまずみんなを連れて校門をくぐって教室へと向かうのであった。




人間態のヨーヨイのスペック

身長:185cm

体重:71kg(筋肉質)


不死鳥の雄叫び(フェニックス・シャウト)
両手から雄叫びのようにビームを繰り出す技。

不死鳥の衝撃(フェニックス・インパクト)
体当たり技、炎を身体に纏い特攻を仕掛ける。失敗すると自らがダメージを負うだけでリスクが高い。

見た目に関してはワン〇ースのマル〇。チャラい見た目をしているが戦い方は分析しながら戦うというクレバーなところを見せる。しかし、怒らせると感情的になる部分も…長年の修行で身につけた不死鳥の力を活かして戦う。

いかがでしたか?こっちでもズキューンとキッスが降臨!そして、圧倒的でした…笑華の方も意識を取り戻して何とかあとは退院に向けてリハビリですね。その中で蓮はというと、生徒会副会長である水谷杏美の妹から何かを渡され…杏美は果たしてどんな立ち回りをするのか?そして、蓮もどうなる!?そこら辺は次回、オリジナル回をやるのでどうぞお楽しみに。

なお、杏美のキャラ紹介に関しては次回改めて行いますのでしばしお待ちを。それでは感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをしてまた次回お会いしましょう!
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