キミとアイドルプリキュア♪ -朱蓮のダンサーとアイドル達-   作:寿垣遥生

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遥生です。今回はキミプリの番ですが、最新話放送当日に投稿という…今回の話は予告とかあらすじを見た限りうたちゃんがガチのアイドルになりそうで事務所からスカウトされるっぽいですよね。それで歌えないのと何の関係があるのやらって感じですが、答え合わせはこの後8時半!一緒に観ましょうね。

こちらの方はいよいよ21話の後半戦⋯この話って感動しますよね。前半戦最大の山場とも言えますが、皆さんは原作で観た時は感動しましたか?カッティンダーの時よりも辛さやら何やらは勝ってると思います。こっちではどのようなアレンジがされてるのか?そこを是非お楽しみください。

それでは、また後書きにて。


#52 笑顔と奇跡のユニゾン

side蓮

 

 うたとメロロンの本音を聞いた次の日の朝、今日は月曜日とまた学校が始まる。うたも今日LINEで平熱に下がった体温計の画像を添付して、元気であることをアピール⋯約束通りにまた一緒に学校へと行けそうだ。

 

「それで、うたちゃんの体調はどうなの?」

 

「今日からまた学校に行けるらしいって。ひま姉にも心配をかけたな⋯」

 

「ううん、大丈夫。それと、蓮ちゃんは今日は何の日か忘れてないよね?」

 

「ああ、もちろんだ⋯今日はニカ姉の誕生日だろ?今は京都の方で映画のオーディションに行ってるけど、帰って来たら沢山お祝いしようぜ?」

 

「うん!それで、誕生日パーティーはグリッターで開こうと思ってるけど⋯どうかな?」

 

「良いんじゃね?これまでは静かに自宅でお祝いしてたけど、今は沢山の友達ができたんだ⋯うたやななやこころだけじゃなくて色んな人を招いて盛大にやりたいな。」

 

「そうだね。じゃあ、今日はお休みだし私が色んな人とお話ししてみようかな?うたちゃんのご両親にお願いして、できることならカイトくんも招きたいかも⋯あと、希望さんのお仕事が終わったら希望さんにも連絡するね。」

 

「ありがとな、ひま姉!ごちそうさま⋯俺、身だしなみ整えたら学校行ってくる。今日からまた頑張るよ!」

 

「うん。頑張ってね、蓮ちゃん♪」

 

 俺は朝飯を先に食べ終えてから着替えたり、歯磨き顔洗いをしたり、身だしなみを整えたりしてから学校へと向かう。とりあえず、まずはうたを迎えに行かねえとな!今日はニカ姉の誕生日でもあるし、それと同時に今日は朝からやりたいことが1つ浮かんでいる。うたと一致してれば良いんだがな⋯

 

「蓮、おはよう!」

 

「おはよう!うたが元気になって良かったよ⋯それで、朝学校に行く前に行きたいところがあるんだけど一緒に行ってくれるか?」

 

「蓮も?実は私もなんだ⋯プリルンに会いに行くの。」

 

「俺もだ、同じなら言うことねえな⋯行くぞ!」

 

「うん♪」

 

 そして、俺とうたはプリルンとメロロンが住み込んでいる田中さんの出張所へと向かった。思い出を失ったとしてもまた作れば良い⋯メロロンがそのつもりなら俺達もそれをやるまでだ!これから、これからである。

 

「みんな、おはよう〜!」

 

「うた!?」

 

「それと蓮くん!」

 

「2人とも学校はこっちだよ?」

 

「すまん、ちょっと寄り道する!とりあえず学校には行くから先生に伝えといてくれるか?」

 

「おい、蓮⋯咲良!」

 

 俺達はみこと、るか、わかば、勘介とすれ違い遅刻することを伝えてから走り続ける。とにかく遅刻は確定かもしれないが、それよりも大事なことが俺達にはあるんだ⋯そのために足を進めるのだった。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 それから出張所にたどり着いた俺はインターホンを鳴らす。流石に凸りに行くとはいえ、突破するのは流石に礼儀に反するだろう⋯そんな野蛮なことは流石に俺でもやらない。

 

「メロ?どなたメロ?」

 

「メロロン、プリルンはいるのか?」

 

「プリルン!」

 

「プリ?」

 

「蓮と咲良うた!?どうしてあなた達がここに来たメロ?」

 

「どうしてでも良いだろ。」

 

「プリルン、あのね⋯今日はプリルンとやりたいことがあって私達はここに来たの。」

 

「プリ?」

 

 そう言うとうたはカメラを取り出してからプリルンにやりたいことがあるということを伝える。当のプリルンには何のことだかよく分かないし、プリルンからしたら知らない人⋯いや、キュアアイドルの正体と思われる人が何か言ってる程度にしか思えないが俺達にとっては重要なことである。

 

「無駄メロ。写真なんか見ても思い出さないメロ⋯」

 

「そうじゃねえヨイ。プリルン、俺達と一緒にカメラの中に入れ!」

 

「プリ?ヨーヨイの言う通りするプリ。」

 

「それじゃあ、撮るね!」

 

 そう言って俺とうたとヨーヨイとプリルンがカメラに入ったタイミングでうたがシャッターを切って撮影する。俺達が選んだ選択は写真を見せて思い出させるのではなく新しい写真を撮って思い出を作ること⋯奇遇にも昨日メロロンが言ってたことを参考にした形だ。

 

「どうだ、これが俺達の新しい思い出だぜ?その第1号だ!」

 

「プリ?」

 

 俺がさっき撮った写真をプリルンに見せると、プリルンはやや疑問がありながらも興味を示す。こいつからしたら何を忘れたのかはよく分かっていないが、少しは俺達に興味を持ちだしてきたのではなかろうか?

 

「私達の思い出はなくなっちゃったかもだけど、だったらこれからまた作っていこうよ!」

 

「これから?」

 

「メロ⋯」

 

「ああ、これからだヨイ。」

 

「プリ!思い出いっぱい作るプリ〜♪」

 

「その思い出、ザックリ言って俺も混ぜさせてくんねえかなぁ?」

 

 プリルンも思い出作りというか俺達と改めて仲良くなろうとしたその時、こんなタイミングでザックリーが入ってくる。本当にこういう時にチョッキリ団は空気が読めないよな⋯

 

「「「「ザックリー!」」」」

 

「プリ?」

 

「へっへっへ⋯プリルンとメロロンもいるじゃねえか。お前らに恨みはないがプリルンとメロロンのどちらかにはクラヤミンダーの器になってもらうぜ?」

 

「くっ、そうはさせねえヨイ!」

 

「お前のキラキラ、オーエッス!!」

 

「ヨーヨイ、危ないプリ!プリ〜!?」

 

「ほい、ザックリ行くぜ!」

 

 プリルンがヨーヨイを守ろうと盾になったその時、ザックリーによって魂のリボンを切られてしまいプリルンは水晶化してしまう⋯ヨーヨイが身代わりになるつもりがプリルンがその身代わりになってしまう形となった。

 

「ねえたま!?」

 

「「「プリルン!」」」

 

「来い、クラヤミンダー⋯世界中をクラクラの真っ暗闇にしやがれ!ヒャッホーイ♪」

 

「クラヤミンダー!」

 

 ザックリーはプリルンの魂の水晶とクラヤミンダーの素を融合させてクラヤミンダーを出張所の外に生成する。今回のクラヤミンダーはキラキライトが媒体⋯プリルンが持っていたやつだ。

 

「プリルンがクラヤミンダーに閉じ込められちゃった!?」

 

「変身して助けるメロ⋯って、ねえたまがいないとプリキュアになれないメロ!」

 

「何だって!?」

 

「まさかスパット様の言った通りだとはな⋯ざまぁねえぜ!」

 

 メロロンはキュアキッスに変身して何とかしようとするもどうやらメロロンはプリルンと一緒じゃないとプリキュアに変身できないということが判明⋯これをザックリーは狙ってたってことか!

 

「こうなったら俺とうたで止めるしかねえな、行くぞ!」

 

「うん!」

 

「そうはさせねえ、クラヤミンダー!」

 

「クラヤミン、ダー!ダー!」

 

 クラヤミンダーはザックリーの指示を受けて光線を2発放った。その光線はあまりにも速くて避けることができず、それぞれのアイドルハートブローチに命中してしまい結晶の中に閉じ込められた。

 

「アイドルハートブローチが!」

 

「クーラクラクラ♪」

 

「まずいな⋯変身できねえ生身の俺達ではクラヤミンダーに太刀打ちは無理だ。」

 

「ねえたま!」

 

「とりあえず、ヨーヨイはななとこころを呼んでくれ!何とかここは変身できなくとも俺達で時間を稼ぐ⋯」

 

「でも!」

 

「それなら私が行きます!」

 

「「田中さん!」」

 

「「タナカーン(先輩)!」」

 

「とりあえず、戦えるヨーヨイがいれば何とかなるはずです⋯その間にタナカーンはななさんとこころさんを呼びに行くタナ!」

 

「お願いします!」

 

 そして、田中さんはタナカーンの姿になってななとこころを呼びに向かい俺はその役割を彼に託した⋯しかし、パジャマ姿で出てきたものだから寝起きだったんだろうな。この騒ぎがなかったら田中さんはずっと寝てたかもしれない。

 

「そうはさせねえ!」

 

「クラヤミンダー!」

 

「「田中さん!?」」

 

「タナカーン先輩の邪魔はさせねえヨイ!ぐわあっ!?」

 

 クラヤミンダーは田中さんに向けて結晶化光線を放つ。それが田中さんに直撃する手前でヨーヨイが何と盾になった⋯自己犠牲で田中さんを守ることはできたもののその代償としてヨーヨイが結晶に閉じ込められてしまった。

 

「ヨーヨイ!」

 

「にいたま!」

 

「そ、そんな、ヨーヨイまで⋯」

 

 ヨーヨイまで結晶化されたうたはさらに焦りと絶望感が顔に出てしまう。プリルンがただでさえクラヤミンダー化してる上にメロロンも俺達もプリキュアに変身できないし、頼みの綱のヨーヨイも結晶化⋯これは奇跡が起きない限り絶望でしかないシチュエーションだ。

 

「クラヤミンダー!」

 

「ぐうっ!?」

 

「蓮!」

 

 俺は生身ながらもクラヤミンダーのパンチを受け止める。重い一発ではあったがとにかく根性で踏ん張った。俺だって変身しなくても空き時間に筋トレや運動をしてきたからな⋯生身でもある程度は戦える。リーダーとしてこれぐらい当然だよな?

 

「うた、早く逃げろ!ここは俺がななとこころが着くまで時間を稼ぐから!!」

 

「ダメだよ、蓮⋯そんなことをしたらあなたが!」

 

「ごちゃごちゃうるせえんだよ、振りほどけ!」

 

「クラヤミー!」

 

「うわあっ!?」

 

 俺はしばらくは必死に拳を受け止めていたが、クラヤミンダーから振りほどかれ、吹き飛ばされてしまう。何とか俺は受け身を取ってダメージは回避したもののクラヤミンダーはうたに向かって襲いかかる。

 

「お願い、プリルン⋯元に戻って!」

 

「クラヤミ、ンダー!」

 

 うたは必死にクラヤミンダーの中に眠るプリルンに呼びかけるもうたのことを忘れていて流石に我も忘れているプリルンにこの声は届かない⋯クラヤミンダーはうたに向かって飛び蹴りを仕掛けた。

 

「うた、避けろ!」

 

「⋯!?」

 

「危ないメロ!」

 

 まさに絶対絶命と思われた中でメロロンが押し倒して間一髪回避した。しかし、メロロンは本当に勇気があるものだ⋯もちろん、メロロンの中にはうたに対する罪悪感も昨日の話からすればあるだろう。それでも助けたのは偉いと言える。

 

「何してるメロ!そんなに簡単には戻らないメロ⋯ねえたまもねえたまの思い出もにいたまも。奇跡でも起きない限り無理メロ!」

 

「メロロン!」

 

「メロ〜!?」

 

 メロロンがうたに強く張り合っていると、背後からクラヤミンダーが光線を放ちそれがメロロンに命中してメロロンも結晶化されて閉じ込められてしまう⋯

 

「そんな⋯!」

 

「くそっ、メロロンまで⋯」

 

「クラヤミンダー、そいつも闇に閉じ込めてしまえ。」

 

「そうはさせねえ!」

 

 クラヤミンダーがうたを闇に閉じ込めようとした時、俺は彼女の前に立つ。俺はうたを愛する男だ⋯ここまでヨーヨイとメロロンが自己犠牲でやられてるってのに黙って見ていられるか!

 

「蓮、危ないから逃げて!プリルンは私が何とかするから。」

 

「何だ何だ?プリキュアになれねえやつらが寄って集って⋯ザックリ諦めろ。」

 

「諦めろだと?嫌だね⋯俺は絶対に諦めねえ!」

 

「んだと?」

 

「俺はうたの願いを叶えなくちゃいけねえんだよ⋯プリルンを取り戻す、そして自ら犠牲になったメロロンとヨーヨイも元に戻す、プリキュアに変身できなくても俺はその僅かな可能性を信じて行くだけだ!」

 

「蓮⋯」

 

「けっ⋯ザックリ言ってお前、マジでムカつくんだよ!クラヤミンダー、まずはこいつから始末しろ!!」

 

「クラヤミンダー!」

 

 そして、ザックリーがクラヤミンダーに指示を出すとクラヤミンダーは俺を捕まえてから両手で握り締める。何て強さだ、こんなの生身でも痛いものは痛い⋯

 

「ぐっ、いいっ⋯」

 

「蓮!やめて、プリルン⋯思い出して!その人は私のお友達であなたのお友達だよ?」

 

「へっ、そんな呼びかけが届くわけねえだろ?何があったかは知らねえがプリルンはお前や身の回りのことを忘れていて、クラヤミンダーになって理性を失っている。マジで諦めた方が身のためだぜ?」

 

「嫌だ!蓮が私に勇気を与えてくれたし、笑華ちゃんとも約束した⋯私も絶対に諦めない!」

 

「きぃ〜、こうなったらキュアブレイキンだけでも捻り潰すまでだ!やっちまえ!!」

 

「があっ、ああっ⋯!?」

 

 うたがザックリーの言うことに反論すると、それに腹立った彼はクラヤミンダーに指示を送り俺を更に強く潰しにかかる。とても苦しい⋯でも、耐えねえと。俺はアイドルプリキュアのリーダーなんだ!こんなところでは死ねねえ⋯

 

「プリルン!そうだ⋯ねえ、プリルン。あなたは私の歌でキラッキランランになったでしょ?だから⋯私、歌うね!⋯キミのハートにとびっきり、元気をあげるね、ゼッタイ!アイドル!ドキドキが止まらない♪」

 

「な、何だ?」

 

「クラ?」

 

 うたはクラヤミンダーのもとに歩み寄ってから『笑顔のユニゾン』のサビを歌い出す。ザックリーとクラヤミンダーには何が何なのか分からないが、彼女は閉じ込められているプリルンに届くように心を込めて歌っていく。

 

「最高のステージで、キミと歌を咲かそう〜♪」

 

「バカめ、プリキュアじゃないお前が歌っても無駄だ!」

 

「うた、もう1回歌え。そうすればプリルンに届くはずだ!」

 

「分かった⋯キミのハートにとびっきり、元気をあげるね、ゼッタイ!」

 

「やめろ、歌うんじゃねえ!こいつがどうなっても良いのか?」

 

「ぐっ、ああっ⋯」

 

「蓮!」

 

 うたがもう一巡歌おうとすると、クラヤミンダーはザックリーの脅迫というか指示を聞いて俺の身体をさらに強く握り締め、潰そうとする。俺は過去にないあまりの痛みに苦しみ、動揺したうたは思わず歌うのをやめてしまった。

 

「聞き分けのねえやつだな、プリルン⋯お前、誰のためにプリキュアになったんだよ?お前の親友は誰なんだ!闇に囚われるな⋯頼む、元に戻ってくれ!」

 

「クラ⋯?」

 

「惑わされるな、クラヤミンダー!お前は世界を真っ暗闇にしてプリキュアを倒すのが使命なんだろ?迷うんじゃねえ!」

 

「クラヤミー!」

 

「ぐ、ぐう⋯!?」

 

 俺の言葉に一瞬クラヤミンダーは迷いかけるもザックリーの呼びかけで我に返ってまた俺を握り潰そうとする。しかし、まだプリルンとしての理性は奇跡的に生きているようだ⋯まだ絶望するには早いが、このままだと俺が先にやられてしまいそうである。

 

「蓮⋯プリルン、もうやめて!」

 

「うた、このまま歌い続けろ。俺のことはどうなっても良い⋯とにかくお前はプリルンに歌で呼びかけるんだ!があっ、ああっ⋯!?」

 

「でも、蓮が!」

 

「俺の言うことを聞け!そうじゃいと、プリルンが⋯ああっ!」

 

「蓮、分かった⋯キミのハートにとびっきり、元気をあげるね、ゼッタイ!アイドル!ドキドキが止まらない、急接近⋯『キミのハートにとびっきり、元気をあげるね♪』⋯えっ?」

 

 うたがまた歌い出したその時、クラヤミンダーの中からプリルンが歌う『笑顔のユニゾン』が聞こえてきた。どうやら、うたの歌声は届いていたようで動きも止まる。しかし、プリルンの中でこの曲自体の記憶が残っていたのだろうか?それともプリルンがうたの歌声で曲を思い出したのか?それは謎であるが、プリルンも歌い出したのだ。

 

「な、何だと!?」

 

「「プリルン⋯」」

 

『急接近、笑顔のユニゾン、応えてほしいなっ、サンキュー!最高のステージでキミと歌を咲かそう〜♪』

 

「うた、もう一巡だ!」

 

「うん⋯キミのハートにとびっきり、元気をあげるね、ゼッタイ!」

 

『ゼッタイ!』

 

「アイドル!」

 

『アイドル!』

 

「『ドキドキが止まらない、急接近、笑顔のユニゾン、伝えてほしいなっ、サンキュー!最高のステージでキミと歌を咲かそう〜♪』」

 

 うたとプリルンの歌声が曲名のごとくユニゾンし、キラキライト型のクラヤミンダーの頭がピンクと青に点滅すると共に俺はクラヤミンダーから解放されて地面に落ちる。とりあえずは尻からなので無事に助かり離れると、クラヤミンダーの心臓部が光り出して何かが出てきた。

 

「プリ〜!」

 

「「プリルン!」」

 

 何とクラヤミンダーの心臓部から出てきたのは閉じ込められていたはずのプリルンだった。そのプリルンは本能的にうたに飛びついて、うたもそんなプリルンを抱き止める。メロロンが言っていた奇跡は俺達の呼びかけにより叶ったのだ。しかも、首につけてるリボンも石化が解けて色が戻っている⋯この様子からして全ての記憶を取り戻したのだろう。

 

「プリ〜、助かったプリ!うた、蓮、ありがとうプリ♪」

 

「良かった⋯私達のこと、思い出したんだね?」

 

「まったく、心配かけさせやがって⋯でも、マジで良かった!」

 

「もう、蓮…また泣いてるよ?」

 

「うるせえ、俺はプリルンに怒ってるんだよ⋯でも、同時に嬉しいんだ。もういなくなったり記憶喪失したりすんじゃねえぞ?」

 

「プリ!大丈夫プリ、プリルンはうたや蓮やみんなのことは忘れないプリ!」

 

「な、何だ⋯嘘だろ?ザックリありえねえ⋯」

 

「ねえたま〜!」

 

「メロロン、メロロンも無事で良かったプリ。」

 

 俺達が喜びを分かち合っている中、いつの間にか元に戻ったメロロンもプリルンに飛び込む。プリルンはメロロンとも抱き合い、無事であることを喜んだ⋯その中でザックリーはこの信じられない光景に驚くしかなかった。そう、これが俺達の起こす奇跡である。

 

「クラヤミンダー!」

 

「うわっ、ちょっ⋯こら、何で暴れてんだ?中身が空っぽになって言うこと聞かねえ!?」

 

 そんな中、プリルンが抜けたクラヤミンダーは突如として暴走を始めてしまい主人(ザックリー)の言うことを無視してザックリーや周りの木に殴りにかかったり、辺りに光線を放ったりで手に負えない状態に⋯戦いはまだ終わっていないようだ。

 

「とりあえず、あいつの暴走を止めねえとな。」

 

「でも、アイドルハートブローチが⋯」

 

「心配ねえヨイ、俺が運んできたヨイ⋯」

 

 クラヤミンダーの暴走を止めようと思ったちょうどのタイミングでこれまた元に戻ったヨーヨイが俺とうたのアイドルハートブローチを持ってきた。プリルンも戻ってきたし、これで俺達も全員は揃っていないが何とか戦える。

 

「サンキュー!」

 

「ありがとう、ヨーヨイ!」

 

「にいたま!」

 

「ヨーヨイも無事だったプリ♪」

 

「ああ、プリルンも元に戻ったようだな⋯良かったヨイ。」

 

「うた、プリルン、メロロン、ヨーヨイ⋯行くぞ!」

 

「うん!」

 

「「プリ(メロ)!」」

 

「了解だヨイ!」

 

「「「「プリキュア、ライトアップ!」」」」

 

「「キラキラ、ドレスチェンジ!」」

 

「「キラキラ、ショータイム!」」

 

「「「「YEAH♪」」」」

 

 そして、俺達はやっとというタイミングでプリキュアに変身して同時にヨーヨイもフェニックス人間の姿に変身していく。ななやこころを待つつもりが最強の2人も揃うとはな⋯しかし、そんな2人と一緒に変身したのは今回が初である。

 

「キミとブレイクダンス、ハートの熱気!元気アツアツ、キュアブレイキン!」

 

「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」

 

「ハートをプリっとロックオン!キミとズッキュン、キュアズキューン!」

 

「ハートをメロっと独り占め!キミと口づけ、キュアキッス!」

 

「やべっ、プリキュアに変身されちまった⋯ってそんなことも言ってらんねえか。」

 

「ズキューン、キッス!」

 

「アイドル、ブレイキン、ヨーヨイ⋯ここは私達に任せて?」

 

「水臭いこと言うなよ、ズキューン。ここはみんなで協力しようぜ?俺達は同じプリキュアだ⋯協力してなんぼだろ?」

 

「言われてみればそうだね。」

 

「嫌よ、誰がキュアアイドルなんかと⋯!」

 

 ズキューンは自ら前に出てキッスと2人だけで挑もうとするが、俺はそれを断りみんなで戦うことをお願いした。ズキューンは納得するもキッスはどこか納得いっていない様子で一緒に戦うことを拒否する。

 

「メロロン⋯いや、キッス。ここは奇跡を起こしたこいつらを信じようじゃねえの⋯俺も一緒に戦うぜ?」

 

「お兄様。仕方ないですね⋯言っておくけど、別に私はあなた達の仲間になったつもりはないわ。せいぜい私とお姉様とお兄様の足を引っ張らないことね?」

 

「無論だ、俺達のことを甘く見てもらっちゃ困るぜ⋯なあ、アイドル?」

 

「うん、私達は奇跡も何でも起こせるプリキュアだからね!」

 

(アイドル、調子に乗りすぎだろ⋯まあ、今回は良いか。)

 

「クラヤミンダー!」

 

 そんなやり取りをしていると暴走するクラヤミンダーが俺達の前に向かってくる。そして、俺達は阿吽の呼吸で2:2で左右に分かれてヨーヨイは上空に飛び上がった。

 

「不死鳥の突撃(フェニックス・インパクト)!」

 

「クラッ!?」

 

「「Wグータッチ!」」

 

 ヨーヨイが体当たりを浴びせてから俺達はアイドルが右手、俺が左手とそれぞれの利き手で繰り出す新技の『Wグータッチ』を浴びせる。まあ、この技はほぼ即席だがな⋯ともあれ、クラヤミンダーの暴走を3人がかりであっさり止めることに成功した。

 

「お兄様、流石です!」

 

「アイドル、ブレイキン、凄い!」

 

「ズキューン、キッス⋯最後はお前達に任せた!」

 

「ブレイキン、良いの?」

 

「お前の記憶が戻った記念だよ。それに、俺とアイドルでは技を持ってねえし⋯頼むぜ?」

 

「分かった、キッス⋯行くよ!」

 

「はい、お姉様。」

 

♪:Awakening Harmony

 

「「2人の誓い、今輝け!⋯取り戻したい、光の世界〜♪」」

 

「その笑顔」

 

「勇気」

 

「涙」 

 

「夢」

 

「「希望の兆し、キミと明日を願うチカラで、生まれる私たちのハーモニー、響け〜♪⋯プリキュア、ズキューンキッスディスティニー!」」

 

「キラッキラッター⋯」

 

 そして、ズキューンとキッスは俺の注文通りにしっかりと抜け殻になったクラヤミンダーを浄化してキラキライトをズキューンが確かに取り戻した。今となってはこいつらに決め技を奪われても悔しくは思わない⋯ズキューンというかプリルンの記憶が戻ったことでわだかまりがなくなり、ちゃんと俺達の仲間になれたのだから。

 

「良かったですね、お姉様。」

 

「ええい、こうなったら俺が!」

 

「まだやるのか!?アイドル、ズキューン、キッス⋯構えろ!」

 

「「「⋯!」」」

 

「キュンキュンレーザー!」

 

「おっ、うわっ!?」

 

 負けてしまった腹を立てたザックリーが自ら攻撃を仕掛けようとすると、キュンキュンレーザーが襲いかかってきてザックリーは避けるのが精一杯⋯間に合ったどころか大遅刻だがな。

 

「アイドル、ブレイキン、大丈夫?」

 

「遅くなりました!」

 

「ザックリ何なんだよぉ!ちくしょう⋯スパット様に何と報告すれば良いんだよ、これ。やっぱり1人じゃ無理なんだよなぁ⋯」

 

 ウインクとキュンキュンが合流したところでザックリーは嘆きながら退却した。今回はスパットが仕込んだ渾身の作戦ではあっただろうが、俺達は見事それを奇跡頼りながらも退けた⋯今日の勝利は色んな観点から大きいものになった。

 

「ありがとう!ズキューン、キッス。」

 

 そんな戦いが終わった直後、アイドルはズキューンとキッスのいるところに来てはお礼を言う。とりあえず、俺、ウインク、キュンキュン、ヨーヨイの4人はそれぞれ変身を先に解いてからこの様子を見守ることにした⋯2人の友情ドラマに横槍を入れるわけにはいかねえからな。

 

「初めて会った時もうた言ってたよね⋯諦めずにキラッキランランにするって。」

 

「えっ、それって⋯」

 

「うん!」

 

 そうしてズキューンがアイドルの手を握ると、2人は光に包まれてから変身が解除されうたとプリルンの姿に戻る。そして、同時に桜の花びらが舞ったようにも見えた⋯

 

「思い出したプリ、うたのこともみんなのことも⋯全部プリ!」

 

「「ええっ!?」」

 

「ああ、プリルンの言ってることは本当だよ。あいつはうたの歌声で全てを取り戻したんだ⋯」

 

「良かったですね、蓮さん。ホプにも良い報告ができそうです⋯」

 

「田中さんも呼びに行ってくださりありがとうございました。まあ、その前にズキューンとキッスが残骸を倒しましたけど⋯」

 

「本当に?本当の本当の本当に?」

 

「本当の本当の本当にプリ♪」

 

「良かったぁ⋯思い出はこれから作れば良いって言ったけど、でも⋯忘れちゃったのは悲しいから良かった、本当に良かったよぉ!」

 

 うたはプリルンが記憶を取り戻したことを受けて辛かった気持ち、そして嬉しい気持ちを我慢できず大きく泣いた。本当に辛かったけど、よくここまで耐えたよな⋯俺も思わずもらい泣きしてしまいそうになった。

 

「うた、ありがとうプリ。もう絶対忘れないプリ⋯」

 

「奇跡が起きたメロ⋯でも、ねえたまはメロロンが助けるはずだったのに。」

 

「おいおい、良すぎる話だヨイ⋯もう感動した、最高すぎるドラマだったヨイ!うおおおおおっ!!」

 

「ヨーヨイ、泣きすぎ⋯でも、うたちゃんとプリルンがまた元に戻って良かった。」

 

「最高に心キュンキュンしてます!」

 

「今はニカ姉が京都の方にオーディションに行ってて不在だけど、これからはニカ姉を含めて7人でアイドルプリキュアだ!神7でやってこうぜ?」

 

「プリ!?」

 

 俺がプリルンとメロロンをリーダー権限で仲間だと認めたその時、メロロンがプリルンをうたから引き離した。メロロンの感情からは怒りと嫉妬が見える⋯やっぱり、本音を打ち明けたとしてもうたのことがまだ気に食わないのか。

 

「勝手に決めないでメロ!」

 

「えっ?」

 

「プリ?」

 

「ねえたまとメロロンはズキューンキッス、2人組メロ!あなた達のライバルメロ!!」

 

「「「「ライバル〜!?」」」」

 

「ちょっと待つヨイ!メロロン、リーダーの蓮を差し置いて勝手に決めるなヨイ!お前の気持ちも分かることは分かる⋯でも、何を勝手なことを!?」

 

「にいたまはどっちの味方をしてるメロ?」

 

「いや、それとこれとは⋯」

 

「とりあえず、話は後だ!急がねえと遅刻しちまう!?プリルン、メロロン⋯とりあえず話の続きは学校で昼休みにするぞ!あと、今日はニカ姉の誕生日だからな?」

 

「笑華ちゃんのお誕生日なの?それじゃあ、どんなプレゼントをするのかとか話し合おう〜♪」

 

「うたちゃん、少し空気読んだ方が良いよ?それに遅刻しそうだし⋯」

 

「皆さん、急ぎましょう。走れば間に合いますよ!」

 

「ああ、メロロン⋯ひとまず一時休戦だ!」

 

「プリ〜、急ぐプリ〜♪」

 

「お、おい⋯待てヨイ!メロロンも行くヨイ!」

 

「メロ⋯にいたまとねえたまの行くところ、どこへでも行くメロ!」

 

「お気をつけて⋯」

 

 そんなこんなで俺達は田中さんに送られてから急いで学校へ向かうのだった。ちなみに、こころの呼びかけ通り走ったことが功を奏して遅刻はギリで回避した模様⋯とりあえず、ゴタゴタはあったもののプリルンが元に戻ったことは何よりである。メロロンとは打ち解けるのには時間がかかりそうだが、まあ段階踏んでやっていくしかねえよな⋯まあ、これからもよろしく頼むぜ?プリルン、メロロン⋯そして、おかえり。




いかがでしたか?いやぁ⋯プリルンがこっちでもやっと記憶を取り戻して良かったです!そこに至るまでがかなりしんどかったですけど、ひとまず重苦しい話を書かなくて済むんだなとひと安心してますよ。プリルン、おかえり!

とりあえず、アレンジした点に関しては原作ではうたちゃんがクラヤミンダーに捕まっていたのですが、ここでは蓮がその代わりに捕まることとなりました。あとはザックリーが原作以上に悪党をやってるところでしょうか?ザックリーもシリアスはできるものなんです。

それと、21話は本当にうたちゃんが泣くことが多かったなと思いました⋯色んな泣きの演技を演じていた美里ちゃんが見せていて、本当に演技力があるなと感じました。胸に響く演技を見せた彼女でしたが、体調を崩して昨日ある予定だった配信は中止で映画のディスク化記念イベントは欠席⋯若くて元気のある子ですから結構無茶をしてたんでしょうね。どうか今回の機会を良き機会としてしっかり休んでもらえたらと思いますよ⋯どうかお大事に。

さて、次回は本来だったらアイドルプリキュアVSズキューンキッスですけどもここはオリジナル回をお送りいたします。内容としては本文でも触れてるように笑華の誕生日回で、2回に分けて蓮達と笑華の動きをお届けします。ばっどがーるの方の次回が終わり次第頑張るか並行して執筆するので次回もお楽しみに!

感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをよろしくお願いいたします!それでは。また⋯
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