キミとアイドルプリキュア♪ -朱蓮のダンサーとアイドル達- 作:寿垣遥生
そして、僕が書くキミプリも引き続きよろしくお願いいたします。まだまだ続くのでね⋯そんな今回と次回はななちゃんの誕生日とその翌日の七夕をアニメ1話分、この小説だと2話分にまとめたオリジナルストーリーをお届けします。恋の行方も動きが見えますので⋯最後まで目を離してはなりませぬぞ?
それでは、また後書きにて!
side蓮
7月に入って夏の暑さも徐々に増していくここ最近、そんな今日は7月6日⋯ななの誕生日である。それをどうして知ったのかというと、俺達が田中さんの進言で作ったプロフィールカードでお互いの誕生日を共有したからだ。とりあえず、今日はななとサプライズに協力すべく彼女と一緒に遊んで時間を稼いでいる希望さん以外がグリッターに集まっているようだが恐らくは誕生日パーティーの準備だろうな。
「おはよう、みんな!田中さんもおはようございます。」
「私も来たわよ。」
「みんなおはようだヨイ!」
「蓮、笑華ちゃん、ヨーヨイ⋯おはよう!」
「おはようございます、蓮先輩、笑華先輩!あと、ヨーヨイもおはよう。」
グリッターに足を踏み入れていつもの上の部屋に入ると、そこではなな、希望さん、プリメロを除くみんながななの誕生日パーティーに向けて準備を進めていた。どうやら今回もここでパーティーをやる見込みらしい。
「おはようございます。それぞれのお仕事があるのに蓮さんと笑華さんをお呼び立てして申し訳ありません⋯」
「いえ、俺もニカ姉も今日はオフなので。ななの方は希望さんが迂回させてるんでしょう?」
「はい、今頃ななさんはホプと2人の時間に夢中になっています。ななさんは私達がサプライズを仕込んでいるとは一切知らないでしょうね⋯」
「そういえば、プリルンとメロロンはいないわね⋯ななの誕生日ってのに。」
「だったら俺が呼んでやるよ。連絡先知ってるからさ⋯」
「流石は蓮先輩ですね!」
「有能過ぎて心キュンキュンだヨイ!」
「それ、私のセリフだよ⋯ヨーヨイ?」
「おっと、すまんw」
そんなこんなで俺はプリルンとメロロンが住んでいる出張所に電話を繋ぐ。本当にメロロンに連絡先を教えてて良かったと思っている⋯あの時、あっちからかけてなかったら俺は居場所とか分からずにプリルンやメロロンを何とかする糸口が見えなかったからな。メロロンの自白みたいな通話が実に助かっている。
『もしもしメロ?』
「おおっ、メロロン!やっぱり家にいたか。」
『れ、蓮!?ねえたまは絶対あなた達には渡さないメロ!』
「そういう話はしてねえよ。メロロン、今日は何の日か分かるか?」
『今日は7月6日メロ。何かあるメロ?』
「今日はななの誕生日だよ。メンバーの誕生日ぐらい覚えてろよな?」
『勝手にメロロン達をメンバーにしないでメロ!関係ない話を続けるなら電話を切るメロ!』
「いや、お前だけじゃなくてプリルンの意見も聞きたいんだ⋯プリルンに代わってくれるか?」
『メロロン、誰と通話してるプリ?』
俺とメロロンでやり取りをしていると、この通話の様子が気になったプリルンがメロロンに声をかける。本当に好奇心旺盛なプリルンだこと⋯
『ねえたま!?ちょっといたずら電話がかかってきただけメロ。気にしなくて良いメロ!』
「何がいたずら電話だ⋯そっちがその気なら俺にも考えがある。ヨーヨイ、メロロンの相手をしてやれ。」
「了解だヨイ。」
『にいたま?にいたまいるメロ!?』
「よう、メロロン⋯さっき蓮も話したと思うが、今日はななの誕生日なんだヨイ。今、俺達でその準備をしてるけどメロロンとプリルンにも手伝ってほしいんだヨイ⋯もしも手伝ったら、タナカーン先輩が開発中のキュアズキューンのカードの試作品をプレゼントするヨイ。どうだ?」
『ねえたまの!?仕方ないメロ⋯にいたまのお願いでねえたまのグッズがつくなら行くメロ。ねえたまはどうするメロ?』
『プリ?プリルン、メロロンの行きたいところならどこでも行くプリ♪』
「決まりだな⋯それじゃあ、いつもの場所で待ってるヨイ。」
そうして、ヨーヨイはメロロン達との通話を切ってスマホを俺に返却する。どうやら話の流れからして取引は成功のようだ⋯しかし、開発中のグッズを出汁にするとはヨーヨイも策士すぎる。
「プリルンとメロロンはこっちに来てくれるヨイ。」
「やった!ありがとう、ヨーヨイ♪」
うたはプリルンがこっちに来てくれることを心から喜び、ヨーヨイに感謝する。ただ、メロロンも一緒だからなぁ⋯うたがまた攻撃されないか心配だ。
「すみません⋯もしかして、キュアズキューンのカードを急いで作れとヨーヨイは言ってるのですか?」
「そうっすね⋯先輩、頼んだっすよ?メロロンのためにも頑張ってください!」
「そんなぁ⋯」
カードを駆け引きの出汁にしたヨーヨイに対して田中さんは疑問を投じるも、ヨーヨイから催促されてしまう。田中さんというかマネージャーって本当に肩身狭いよな⋯事務所の方のマネージャーの流川さんの苦労がさらによく分かった気がする。誕生日はもうとっくに過ぎてるけど、何かいつものお礼としてプレゼントした方が良いだろうな⋯
side out
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side希望
みんなが恐らくななちゃんのお誕生日パーティーの準備をしている頃、私はタナカーンさんから本人であるななちゃんにサプライズを知られないよう一緒に遊んで彼女を隔離するミッションを課せられた。それだけタナカーンさんやみんなは何かを仕込んでいるのだろう。
「今日は私を誘ってくれてありがとうございます。希望さんも毎日、アイドルや女優として忙しい中なのに⋯」
「気にしないで?今日は折角の1日オフだし、ななちゃんを盛大にお・も・て・な・しをしようかなと思ってね!」
「そのネタは古いですよ?今のどっかの防衛大臣の奥さんがオリンピックを誘致した時の言葉じゃないですか⋯それで、さっき田中さんと何か話してたのを見たんですけど、何か企んでたりとかしてないですよね?」
「そんなことないよ?ちょっとお仕事の話をしてただけだから⋯そんなことより今日は何をして遊びたい?私に何でも言ってみて!」
「うーん⋯私、いつも1人でお出かけする時は図書館だから。蓮くんとうたちゃんとデートした時に色々行きましたけど、よく分からないです。」
「とりあえず、色々遊んで回りましょう?私がそんなスポットを案内してあげる!」
「それじゃあ、今日は希望さんの行きたいところ⋯ご一緒しますね!よろしくお願いします♪」
そして、今回の2人でのお出かけは私がリードする形となってはなみちタウンを回ることとなった。とにかく、ななちゃんには楽しんでもらってみんなの計画がバレないようにすることが至上命題である。
「まずはゲームセンターで遊んじゃいましょう?やっぱりお出かけと言えばね⋯ゲーセンだよ!」
そんなこんなでまず最初にたどり着いたのははなみちタウンで1番大きなゲームセンターである。やっぱりお出かけというかデートと言えばここだよね!ななちゃんも前に蓮くん達と一緒に行った時は遊んだのかな?
「広い!このゲームセンター初めて来ました⋯色んなゲームが揃ってますね?」
「当然でしょ?ここはあらゆるジャンルの最新のゲームが揃った地元の遊園地みたいなところなんだから!もしかして、ななちゃん⋯前に行かなかったの?」
「はい。前に蓮くんとうたちゃんと行った時は映画とかショッピングとかでしたね⋯ゲームセンター自体もあんまり行ってないです。小さい時にショッピングモールのゲームセンターで遊んで以来かな?」
「そうなんだ。ここにあるゲーム達はショッピングモールのと比にならないから沢山楽しもうね!」
そして、私はゲームセンター経験があまりないななちゃんをリードして私が最初に遊びたいゲームへと案内する。まずはやっぱり頭〇字Dよね!とりあえず、私とななちゃんで対決することにした。
「私、車のゲームは初めてだから緊張してます⋯大丈夫かな?」
「大丈夫だって。このゲームは車の免許がなくてもハンドル切れば車は曲がってくれるから!あとはどれだけの度胸で行けるかだよ?」
「希望さんがそう言うのなら⋯頑張りますね!」
そして、私達はまず対戦前に車選びから進めていく。私が選ぶのはもちろんこのゲームでは王道である白黒のAE86スプリンタートレノ、主人公の車である。ミッションはもちろんマニュアルだ⋯昔のはシーケンシャルシフトだったけど、ここ最近のはHパターンと市販車と同じタイプになっている。
「私はこれにしようかな…」
「ななちゃんの車は何なの?」
「私はGC8のインプレッサ?⋯ですね。私の好きな青い車だったので選んでみました。ミッションはどうすれば良いですか?」
「ななちゃんは初心者だからオートマを選んだ方が良いよ。ハンドルそのままで決定ボタン押して?」
一方でななちゃんは青いGC8のインプレッサを選択。この車は主人公のお父さんの車だから実質親子対決である⋯とりあえず、パワー的にはインプレッサが有利そうだが、あとはななちゃんのドライビングセンスだろう。
「希望さんの車、まるでパンダみたいで可愛いですね!」
「そう?これ、このゲームの原作作品の主人公が乗ってる車なんだ。私的にはかっこいいと思ったけど、斬新な目線だね。」
「すみません⋯私は車のことはよく分からないんですけど、希望さんのスプリンタートレノ?は色がパンダみたいで可愛いなと思ったんです。何か原作が気になってきました⋯漫画化していて図書館にあったら借りて読もうかな?」
(いや、あの作品は純粋な女の子があまり読む作品じゃないかも⋯交通ルールとか大人のあり方とか色々崩壊するから。)
ななちゃんは私が操作するスプリンタートレノに目を光らせて原作の漫画を読みたいと言い出した。これでななちゃんが変なことに目覚めないか不安である⋯この子、純粋無垢だからかなりの影響を受けそうだし。私としてはあまり原作を読むことはオススメできない⋯そう思ってるうちにレースはスタートしていく。ちなみに、コースは初級である秋名湖に設定⋯私のソロプレイ(オンライン対戦)ならいろは坂とかの難コースを選んで相手をいじめまくってたけど、初心者だしね。
「さあ、ななちゃん!どこからでもかかって⋯あれ、どうしたの?ななちゃん?」
私はとにかく初期で当然ながらノーマルのスプリンタートレノのアクセルを踏み込み突き進むが、肝心のインプレッサに乗ってるななちゃんが追いつこうとしない⋯何があったのかを見ているとコース内の標識に従って法定速度の60kmを遵守して左車線もしっかり守って走っていた。
「ななちゃん⋯何してるの?」
「車の運転をしてるんです。標識に60kmを守りなさいってあるじゃないですか⋯だから交通ルールに従って走ってるんです。希望さんの走りはスピード違反だしドリフトもダメですよ?しっかり交通ルールを守ってくださいね。」
(いや、これレースだし⋯でも、真面目なななちゃんも可愛いかも。)
それからもななちゃんは安全運転を続けてレースは私が勝ったもののレースゲームでも安全運転をしちゃう彼女がとにかく可愛いのだ⋯蓮くんからは不思議ちゃんな面もあるという話を聞いてたけど、その片鱗が見えたかもしれない。でも、安全運転に徹することは常識だからここら辺は常識人かも?
「次はスター〇ースで予想勝負だよ!メダル100枚からスタートして残り枚数で勝負しよう♪」
「競馬かぁ⋯土曜と日曜にテレビで観たことはあるんですけど、よく分からないんですよね。」
「大丈夫だよ。ウ〇娘の知識があれば競馬は最低でも楽しめるし、予想は人それぞれなんだから⋯気楽に行こう?」
「分かりました、気楽にやりますね!」
そうして私とななちゃんはス〇ホで馬券勝負をすることに⋯現実だったらななちゃんはまだ未成年で買えないけど、ゲームなら何も問題はないだろう。本来だったら醍醐味である馬の育成勝負もしたかったけど、ななちゃんは競馬初心者につき色々分からないところもあるしね⋯配合とか、馬のお世話とか、レースの使い方とか。
『只今より、NHKマイルカップの投票受付を開始いたします。芝1600m、馬場状態は良です。』
まず私達が最初に予想するレースは3歳マイル王決定戦のNHKマイルカップである。このレースにはエ〇コンドルパサーが出走していて他のメンバーは手薄なものだから単勝は1.8倍⋯頭はほぼ決まったようなオッズになっている。
「エ〇コンドルパサーが出てる⋯出走デース!」
「ななちゃん、どうしたの!?」
エ〇コンドルパサーの名前を見たななちゃんは突然、ウ〇娘の方のエ〇コンドルパサーになりきり始める。突然のテンションの上がりように私はびっくりした⋯しかし、ななちゃんの声ってテンションが上がるとエ〇コンドルパサーに似るんだよね。
「エ〇は世界最強を目指すために今日も戦うのデース!トレーナーさん、このレース勝ってダービーに行きましょうね♪」
「いや、トレーナーじゃないから⋯お願い、憑依しないで?みんな変な目で見てるよ?」
「⋯あっ、すみません。」
周りから変な目で見られてることに気づいたななちゃんは思わず椅子に座って我に返る。本当にななちゃんは不思議な子すぎる⋯普段は真面目で大人しい子だと思ってたからこのギャップの温度差に風邪を引きそうなレベルだ。
『エ〇コンドルパサー、先頭!マイネルラヴ懸命に追うも2番手まで、エ〇コンドルパサー1着!2着はマイネルラヴか!?』
そして、レースは案の定エ〇コンドルパサーが格の違いを見せての勝利で2着も順当にマイネルラヴ⋯結局は強い順で決着した。私もななちゃんもそれぞれ的中である。
「世界最強は〜?そう、エ〇コンドルパサー!」
「ああっ、すみません⋯失礼します!」
単勝と馬連を当てたななちゃんはウ〇娘のエ〇コンドルパサーをまた憑依させて勝利の喜びを上げる。流石にいたたまれなくなった私はななちゃんを連れてメダルを預けてからゲームセンターを後にした。
「本当にさっきはすみません!」
ゲームセンターを出てお昼ごはんを食べるために喫茶店へと移動して、席に座ってから早速ななちゃんがゲームセンターで大騒ぎしたことを謝る。本当にあの時の彼女はエ〇コンドルパサーが憑依していて少し怖かった⋯前に蓮くんがななちゃんには七不思議があるとか話してたけど、これも七不思議の1つなのだろうか?いや、聞いた話からしてこれは8つ目と七不思議が破綻してるけどね⋯
「大丈夫だよ、気にしないで。ななちゃんも予想が当たってテンション上がってたんでしょ?実際に競馬を当ててこれ以上にテンション上がる人もいるし⋯ね?」
「それなら良いんですけど。本当にご迷惑をおかけしました⋯」
ななちゃんは申し訳なさそうに私にさっきのことを謝る。根は真面目なのに不思議なことをしてしまう彼女は面白い反面で何かしでかそうかと心配になってしまう。
「本当にななちゃんって根が真面目だよね。それはそうと、突然だけどさ⋯ななちゃんは何か欲しいものがあるの?」
「欲しい物⋯ですか。もしかして、今日は私の誕生日だから何かプレゼントとか考えてたりしてますよね?今頃、みんなもパーティーの準備をしているから私にサプライズがバレないようにしてるとか⋯」
「あっ、バレちゃった⋯そうなの、実はタナカーンさんからはお誕生日パーティーがあるまでななちゃんを準備中のみんなと隔離するようにと頼まれててね。分かったのならもう隠す必要もないかな?ごめんね。」
「そうなんですね。会場はグリッターですか?」
「うん。今頃、みんな準備をしたりお誕生日プレゼントを買うために頑張ってるんじゃないかな?でも、その中でななちゃんはどんなプレゼントが欲しいのか参考にまで聞かせてくれる?もしかしたらそれが叶うかもしれないよ?」
「本当ですか!?でも、私が欲しいのは物じゃないんですよね⋯」
「物じゃないの?もしかして、お金?」
「違います!お金でもなく人なんですけど⋯実は私、好きな人がいるんですよ。」
すると、ななちゃんは顔を赤くしてから俯きながら自分に好きな人がいることを伝える。好きな人!?これは間違いなく恋の香りしかしない!
「そうなんだ。で、ななちゃんの好きな人って誰なの?こうやって私にこういう話をするってことは教えてくれるよね?」
「はい。実は私、蓮くんのことが大好きなんです⋯アイドルプリキュアのリーダーとしても、男の子としても。」
そのままの勢いでななちゃんは恋をしている相手を私に素直に伝える。その相手とはグループのリーダーでもある蓮くんだった⋯私の中では少し驚きを伴っているが、彼女の表情からして嘘ではなさそうだ。
「蓮くんのことが好きなんだ。でも、彼はうたちゃんのことが好きなのは目に見えてるけど⋯」
「分かってます。でも、私はたとえお友達だとしてもうたちゃんに負けるつもりはありません!うたちゃんには明かしましたけど、私は昔⋯蓮くんと会って遊んだことがあってその時から好きだったんです。その時の写真がこれで⋯希望さんも見てください。」
そう言ったななちゃんは自分の携帯にある1枚の写真を見せる。そこには地元のデパートの迷子センターで小さい頃のななちゃんと蓮くんと思われる2人とそのご両親と思われる大人もいた⋯
「そんな古くから付き合いがあったんだ⋯蓮くんはそれを覚えてるの?」
「分からないです⋯でも、覚えてるとしたらこの話をするはずなんですけどね。やっぱり覚えてないのかな?私と久しぶりに会った時も名前で呼んでくれなかったですし⋯でも、その時は私も思い出せなかったですけどね。」
ななちゃんは蓮くんと久しぶりに会った時のことを思い出しつつ自分のことを覚えていなかったことに落ち込む。でも、当のななちゃん本人もこの時は蓮くんのことを覚えていなかったのもあるし⋯これはどっちが悪いとも言いきれない。
「それで、ななちゃんはどうしたいの?」
「私はやっぱり蓮くんに告白したいです。でも、うたちゃんも蓮くんのことを好きだと思うから⋯告白したらうたちゃんを悲しませるんじゃないかと不安で。人生経験が豊富な希望さんならこの場面、どうしますか?」
「うーん、人生経験豊富だからどうって訳じゃないけど。実は私も恋をしてるんだ⋯」
「希望さんも?でも、まだ週刊誌とかにはまだ出てないですけど⋯相手は誰なんですか?」
「ななちゃんになら教えて良いか⋯私ね、タナカーンさんに恋をしてるの。」
「田中さんに⋯ですか?そういえば、妖精の時の名前で呼んでますもんね⋯付き合いは長かったりとか?」
「長いも何もキラキランドにいた時からの付き合いでヨーヨイやプリルンとは幼馴染なんだけど、その縁もあって昔からタナカーンさんと遊んでて⋯それでここで人間として歌手を目指そうという中でオーディションに受かるまで私を出張所で面倒を見てくれたのも私より先にはなみちタウンに来ていたタナカーンさんなんだ。タナカーンさんは面倒見が良いお兄ちゃんみたいな存在でね⋯私が疲れた時とか困った時にはいつもそばにいて優しくしてくれて。それに、あの人の声と顔⋯かっこいいじゃない?それが大好きなの♪」
「ふふっ⋯」
「ななちゃん、何がおかしいの?」
「ごめんなさい。ただ、田中さんの魅力を語ってる希望さんが可愛いなと思って⋯分かります、私も蓮くんに対して同じ気持ちですから。」
「それなら良かった。」
「お待たせいたしました、オムライスとアイスコーヒー2つでございます。ごゆっくりどうぞ⋯」
そんな恋バナをしてる最中ながら私とななちゃんがお揃いで頼んだオムライスとアイスコーヒーが届く。もちろん、ミルクと砂糖もついているのは言うまでもない⋯でも、ななちゃんは砂糖とミルクに手をつけずブラックで飲もうとしていた。まあ、これに関しては触れないようにしよう⋯私より大人ってことでね。
「とりあえず、ランチをしながら話の続きをしましょうか⋯蓮くんのことに関してはあなたの人生なんだから自分で決めて後悔しない選択をしてね?」
「ありがとうございます、希望さん⋯頂きます。」
「はい、頂きます。」
そして、私達はランチをしながら恋バナに花を咲かせていく。オムライスはトロトロの卵で美味しかったし、アイスコーヒーの冷たさと苦味の重なりがオムライスとマッチしていた。甘い恋バナにもお似合いだよね⋯それからランチを終えた私達は買い物をしたのだが、その中で彼女に『我爱你』、『私はあなたを愛しています』と書かれた白Tを買ってプレゼントした。みんなより一足先のプレゼントを気に入ってくれて私は満足である。
side out
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sideなな
夕方になり買い物を終えた私達は希望さんと一緒に私の誕生日パーティーの会場であるグリッターへと向かう。今日は希望さんとのデートを楽しめたと共に素直な気持ちを伝えられて心は空のように晴れている。
「今日は楽しかったね?」
「はい!それと、私へのプレゼントを真っ先にプレゼントしてくれてありがとうございます。でも、ちょっと恥ずかしいですね⋯『我爱你』と書かれたTシャツ。」
「でも、蓮くんの前で着てたらきっとあなたの気持ちも伝わりやすいと思うよ?」
「そうかもしれませんけど⋯蓮くんから変な子と思われそうですよ。」
「大丈夫!ななちゃんのまっすぐな気持ちはきっと蓮くんに伝わると思うから。自信持って?」
希望さんは私に自信を持ってと励ます。本当に希望さんはアイドルプリキュアのみんなには話しづらい悩みとかを聞いてくれるママみたいな存在だ。
「ありがとうございます、希望さん。私⋯頑張ります!」
「ふふっ、その調子。ほら、グリッターに着いたよ?」
そう話している間にグリッターの前に着いてから希望さんが先陣を切って扉を開けていき、これに続いて私も店内に入るとパンパンとクラッカーが鳴る。
『なな(ちゃん)(さん)(先輩)、お誕生日おめでとう!』
そして、蓮くん達やうたちゃんのご家族に加えてパパもがグリッターに集まっていてみんなが私のお誕生日をお祝いしてくれた⋯それが嬉しくて心が温まる。
「みんな、ありがとう⋯あれ、陽葵さんは?」
「ああ、ひま姉は昨日から映画の撮影のために香港に行ってるから不在だよ⋯でも、ななの誕生日と聞いて手紙を書いてくれたんだ。後で読んどいてくれるか?」
私が陽葵さんがいないことを疑問に思って蓮くんに質問すると、彼女はお仕事で不在であることを伝えると共に陽葵さんが書いたお手紙を渡した。とりあえず、中身に関しては家に帰ってから読むことにしよう。
「あと、肝心の誕生日プレゼントだ⋯代表して俺が買ってきたから受け取ってくれ。」
そう言って手紙に続いて蓮くんは私に誕生日のプレゼントを手渡す。そのプレゼントは何とこの前発売されたばかりのNintendo Switch2である⋯こんな手に入れるのが難しいものをプレゼントされて私はかなり焦ってしまう。
「これ⋯Switch2だよね?どこで手に入れたの?」
「大きな家電量販店を探し回ってたら2店舗目で見つけたんだよ。それもマリオカートワールドとセットのやつだぜ?俺達も近いうちに同じのを買うからその時は一緒に遊ぼうな?」
「みんな⋯」
「ななちゃん、一緒に遊ぼうね!」
「なな先輩、私も買った時は絶対負けませんよ?」
「私はグループの公式配信のマリオカートで無双したんだから⋯覚悟しなさいよね?」
「ねえ、私は!?私もやりたいよ?」
「お姉様⋯じーっ。」
「な、何でしょうか?」
「まあ、とりあえず⋯お願いしますね、先輩。」
「そんな⋯分かりました。」
プリルン(人間態)がマリオカートをやりたがっていると、メロロン(人間態)が田中さんに目で訴える。それを察したヨーヨイ(人間態)は田中さんの肩を叩くとかなり落ち込んでしまった。Switch2はかなり高いし⋯落ち込むのも無理ないよね?
「それじゃあ、僕からはこれをプレゼントするよ?ななが好きなアイドルプリキュアのCD⋯お誕生日おめでとう。」
「ありがとう、パパ⋯(本人の私が貰うの、すごく複雑だよ。でも、パパは私がキュアウインクだと知らないし⋯仕方ないかな?)」
「ななちゃん、ケーキの準備はできたよ。さあ、ケーキの前においで?」
「分かりました!」
そして、うたちゃんのお父さんに手招きされた私は年齢の数だけ火のついた蝋燭が刺さってるケーキの前に立って、みんなから誕生日の歌を歌い祝われて蝋燭の火を消す。それからもこの日はみんなワイワイ楽しんでデートからパーティーまでかなり楽しめた1日だった⋯今年の私の誕生日は過去よりも幸せで楽しくてもう満足以外の言葉が見当たらない。ここまで私を祝ってくれたみんな、ありがとう!これからもよろしくね⋯特に蓮くん、いつか私の気持ちをしっかり伝えるよ。待っててね?
いかがでしたか?ななちゃんがついに蓮に対する本音を希望に明かしました。ここら辺がターニングポイントですけど、隔離のためとはいえ希望とデートを楽しめたのも有意義だったかと思います。その一方で蓮達もサプライズを仕掛け、田中さんの協力も仰ぐという⋯まさにチームワークですね!
そして、みんなが待っているグリッターに導かれると蓮達から手厚いお祝いを受けることに⋯この中には彼女の父親もいましたが、渡されたのがアイドルプリキュアのCD。本人だから本音を言えばいりませんけど、正体を知らないし申し訳ない気持ちになって管理することに⋯その中で陽葵もいたらどうなっていたことでしょうか?想像は計り知れません。
そして、代表して蓮からSwitch2を送られた時はもうななちゃんは大歓喜の模様⋯しかし、プリルンとメロロンは地獄を見る羽目に。
そんなこんなで次回は七夕に場面が移ります。ななちゃんの誕生日+七夕でアニメの1話分のような話にしてますからね⋯後半にもご期待ください。
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