キミとアイドルプリキュア♪ -朱蓮のダンサーとアイドル達- 作:寿垣遥生
そんなオリジナル回もななちゃんの誕生日から七夕まで続く一連の話も今回が後半戦。七夕に何が起きるのか⋯願いは叶うのか?どうぞお楽しみに!
また後書きでお会いしましょう。
日付が変わって7月7日、ななの誕生日の翌日にして七夕を迎える。その中でチョッキリ団のアジトではザックリーが笹を置いてからその葉に願いを込めた短冊を飾る。願いの内容は『アイドルプリキュアを倒して世界中がクラクラの真っ暗闇になり、チョッキリーヌ様やスパット様から褒められて一生休みになり、カッティーが戻ってきますように!』で、少々欲張りすぎではないかと思うぐらいに願いをまとめた。そこのところはどうやらザックリしないザックリーである。
「ザックリー、何してるんだい?」
「これはこれはチョッキリーヌ様!今、お願い事を書いた短冊を笹の葉に飾ってたんすよ。どうやらはなみちタウンというかこっちの世界では七夕というこういうイベントが街中のあちらこちらでやってるみたいっすね。」
「ふぅん⋯そんなキラキラにあんたも毒されたのかい?」
「別にいいでしょ。願い事ぐらい誰がしようと問題ないんすから⋯それよりも俺の願い、見てくださいよ?チョッキリ団にとっては有意義な願いを全て込めました!」
「どれどれ⋯『アイドルプリキュアを倒して世界中がクラクラの真っ暗闇になり、チョッキリーヌ様やスパット様から褒められて一生休みになり、カッティーが戻ってきますように!』ね。随分と欲張りというか自分のワガママが多いじゃないか⋯」
「気のせいっすよ?俺の願いに全ての人の願い⋯ザックリではなく今回はしっかりまとめさせてもらいました!チョッキリーヌ様も何かお願い書いたらどうっすか?願い事が叶うかもしれませんよ?」
「そ、そうかい?じゃああたしも⋯」
「ザックリーさん、チョッキリーヌさん⋯何をしてるんですか?」
チョッキリーヌが短冊に願い事をザックリーから渡されたペンで書こうとしたその時、スパットがやって来ては何をしてるのかを訊ねる。折角七夕を楽しもうとしていた中で水を差されてしまった。
「す、スパット様!?いえ、何でもございません⋯」
「チョッキリーヌさん、何を慌てているんです?」
「スパット様、ちょうど良かったっす。実は俺とチョッキリーヌ様で短冊に願い事を書いて飾ってたんすよ。今日が七夕なんでね!」
「七夕、そうですか⋯」
スパットはそう呟くと自分の武器である剣を取り出しては笹の葉も飾っていたザックリーの短冊もまとめて粉々に斬り裂いた。この様子を見たチョッキリーヌは願い事を書くような真似をしてたらこんな目に遭ってたと思い恐怖感からか顔が青くなり汗が止まらない。
「ちょっ、ちょっとぉ⋯スパット様、何するんすか!?」
「七夕なんて実にくだらないですね。そんなオカルトを信じて願いを書いたところでプリキュアを倒すのもダークイーネ様の願い事が叶う訳ないでしょう⋯そもそも私が与えた力を活かせずチャンスを活かせなかったのは誰なんですか?そんなあなたがオカルト頼みにするなんて無責任にもほどがあります!ザックリーさんにはこの前の責任を取ってアイドルプリキュアを倒すまで連勤してもらいますよ?」
「そ、そんなぁ⋯」
「お待ちください、スパット様!流石にそれはやり過ぎではないかと⋯」
「お黙りなさい!そもそもの話、あなたの管理の甘さが今回の事態を招いたのですよ?あなたの部下ははなみちタウンですら暗闇に染めることすらできず、アイドルプリキュアも倒せない⋯そして、カッティーさんはダークイーネ様の闇に飲まれた末に浄化されて行方不明。チョッキリーヌさん、あなたは甘いんですよ⋯優しさだけでは仕事はできないのです。」
チョッキリーヌは流石にザックリーだけに責任を押しつけるのはダメだと思いフォローしようとするもスパットはこれに対して厳しく叱責する。これには部下の前では天狗になってるチョッキリーヌですら反論の余地はなく黙り込んでしまった⋯
「そういうことなのでザックリーさん⋯あなたはとにかく働いて働いて働いて働いて働いて行くしかないんですよ?アイドルプリキュアを倒すまではね⋯もうチョッキリーヌさんから助けられるとは思わないことです。分かったのなら早くお行きなさい!」
「は、はい⋯!」
そして、スパットの圧力に負けたザックリーは泣く泣く出動することに⋯ここに来て彼の冷酷さというか本性が垣間見えてきてザックリーだけでなくチョッキリーヌも恐怖を感じるのだった。
「良かったですね、チョッキリーヌさん⋯失態を犯したのがあなたではなくて。しかし、いつまで神輿の上で高みの見物ができるんでしょうかね?あなたも戦う覚悟を今のうちにしておいた方が良いですよ⋯」
「ぎ、御意。」
ザックリーがアジトを出た後にスパットはチョッキリーヌに圧力をかける。相手はダークイーネの側近で分が悪いというのもあるが、何よりも人間が怖いもので⋯ワガママでサボり魔のチョッキリーヌですら逆らわせずに組織を掌握するスパットには誰も逆らえなかった。
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side蓮
ななの誕生日の翌日、今日は七夕であるが今年の七夕は月曜日で学校だ⋯今は昼休みでいつもの中庭にて弁当を食べながら今日も今日とて話をしていた。
「ところで、みんな七夕のお願い事は何にするか決めた?」
そんな中でうたはいきなり七夕の願い事を何にするのかを俺達に訊ねる。やっぱり彼女のことだからこの話はするだろうと思ったが、願い事って秘密にするものではないのか?
「プリ?七夕って何プリ?美味しいプリ?」
「七夕ってのは毎年7月7日にあるイベントで織姫と彦星が天の川に橋がかかり1年に1度会える日のことを言うんだ⋯食べ物じゃねえぞ?」
「織姫?彦星?よく分からないプリ。」
「分かりやすく言えば織姫はお姫様、彦星は王子様で結婚して一緒に生活してたけど、お仕事を全くしないから王様から引き離されてしまって⋯でも、天の川にカササギの橋がかかった時に2人は1年に1度会えるんだよ。」
「とてもうっとりするメロ⋯離れ離れのあなたと私、それを繋ぐ天の川にかかる架け橋。でも、メロロンが織姫だったら彦星と毎日一緒にいたいメロ⋯」
「そうは言うけど、ななの話を聞いた限りだとそれだと2人は働かねえから生産性が全くありゃしねえヨイ。プリルンとメロロンだってそうだろ?タナカーン先輩が働かなくなったら生活できない⋯つまり、離れ離れにさせられた理由はそれなんだヨイ。」
「ヨーヨイ、ちょっと話が現実的すぎるぞ⋯」
「おっと、すまねえヨイ。」
ヨーヨイが学者的に現実的な例え話を持ち込むとさっきまでの心キュンキュンしそうなムードが一気に冷めてしまった。本当にこいつは学者だからファンタジーというものを分かっていない⋯キラキランドではつまらないやつとか言われてそうだな。
「そんなことよりも七夕のメインと言ったらやっぱりお願い事だよ!こころはもう決めたの?」
「ええっ⋯!?私ですか?やっぱり私はダンスだけじゃなくて歌も上手くなりたい、ですね。アイドルプリキュアをやっていくうちにレコーディングの時から思ってたんです⋯うた先輩となな先輩は歌や音楽に囲まれた環境で育ってたから歌が上手いし、蓮先輩は歌も天才だし、笑華先輩はPretty Fruitsのセンターも務めるぐらい正統派アイドルとしてどれも抜けてますし⋯ズキューンキッスも凄すぎて。私、正直歌は苦手なので⋯それを克服したいですね。」
「まあ、確かにレコーディングの時は歌い慣れてなかったもんな⋯でも、そこからかなり上手くなってると俺は思うぜ?」
「本当ですか?ありがとうございます!それで、なな先輩はお願い事決めましたか?」
「私はやっぱり⋯好きな人に気持ちを伝えることかな?」
「好きな人!?誰なんですか?」
「うーん、内緒かな?」
「え〜、教えてくださいよ?なな先輩の意地悪〜!」
こころはななの好きな人を引き出そうとしたが、ななは内緒と言ってはぐらかす。その相手とは大体見当はつくが恐らく俺だろう⋯これまでの様子からはっきり分かる。でも、俺の気持ちはうたファーストだ。ななの気持ちを無下にするつもりではないが⋯
「うたちゃんのお願い事は?」
「私はみんなをキラッキランランにすること!みんなが暗くならない世界を作っていきたいんだ。」
「うたらしいよな、シンプルだけど良い願いだと思うぜ?」
「そんな蓮はどんなことをお願いするの?」
「俺か⋯俺は秘密とさせてもらうよ。」
「蓮先輩、ずるいです!どんなのか聞かせてくださいよ?」
「私も聞きたいなぁ⋯蓮くんのお願い。」
「教えねえよ。誰から何と言われうともな⋯それで、ヨーヨイやプリルンやメロロンはどうなんだ?」
「俺も内緒だヨイ。七夕ってそういうイベントなんだろ?」
「メロロンも秘密メロ。」
「プリ?プリルンはタコさんウインナー1年分が食べたいプリ〜!」
「プリルン、それは七夕にお願いしなくても良いんじゃないのかヨイ?」
「プリ?」
ヨーヨイとメロロンは俺と同じように願い事を秘密にしたが、プリルンは七夕じゃなくても叶うような願いを口にする。それぐらいうたに頼めば作ってもらえるのではないだろうか?
「プリルン、それだったら私に任せて!プリルンのために毎日タコさんウィンナーを作るからね?」
「メロロンが作るメロ!咲良うたにねえたまは渡さないメロ!!」
うたがプリルンの願いを叶えることを宣言するもそれにメロロンが対抗して一触即発⋯本当にメロロンはプリルンやヨーヨイのことになると負けず嫌いな性格が出てしまうものだ。特にうたに対してはこうして同じプリキュアになった中でも敵対視している⋯この2人が仲良くなることもついでに願いたいぐらいで心配だ。
side out
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場所は変わってはなみちタウンの商店街、時間帯としては学校が終わってみんなが帰る頃合である。そんな中、スパットから非情な通告を言い渡されたザックリーはキラキラ探しで辺りを彷徨っていた。
(俺、一体いつになったら休みになるんだ?チョッキリーヌ様だけでなくとうとうスパット様も鬼になるなんてよ⋯俺の味方ってどこにいるんだ?とりあえず、今日こそプリキュアを倒して見返してやる!)
ザックリーは心の中で自分に味方がいないことを嘆く。チョッキリーヌどころかこれまで優しくしてきたスパットにまで働かされてもう誰を信じて良いのか分からない状態になっている。しかもプリキュアに勝つまで休めないと言われたのだから勝利がマストになってしまったのだ。
(おっ、丁度良いキラキラ発見!)
「智和さんは何をお願いしたの?」
「俺か?俺は目指せチーフ、ゆくゆくは編集長⋯記者としてもう10年以上も最前線で頑張ってきたからな。そろそろ出世しますようにって書いたぜ!悠亜は何を書いたんだ?」
「あたしはね⋯大学を卒業したら智和さんと結婚できますようにって書いたよ。ほら!智和さんが出世してあたしも大学を卒業したら結婚しようね?」
その中でザックリーは短冊を笹の葉に飾るカップルを発見し、そのキラキラに狙いを定めた。その2人とは記者で仕事中の出間と大学での講義を終えて彼とデートをしている悠亜である⋯
「お前のキラキラ、オーエッス!」
「きゃああああああ!?」
「悠亜!」
「ほい、ザックリ行くぜ!」
ザックリーは悠亜の魂のリボンを引っ張り出してはそれをカットして彼女を結晶の中に閉じ込めた。出間は突然自分の彼女が閉じ込められて動揺する。
「来い、クラヤミンダー⋯世界中をクラクラの真っ暗闇にしやがれ!」
「クラヤミンダー!」
「うわあああああ!?」
そして、ザックリーは七夕の笹と融合させて笹というか七夕仕様のクラヤミンダーを生成した。これを見た街中の人間は逃げるが、出間だけは逃げずである。
「お前、俺の彼女に何をする!?まさかスパットの部下か?」
「ああ、そうだよ。お前がどうしてスパット様を知ってるかは知らねえが、お前の彼女を利用させてもらったぜ?俺の目的のためにな!」
「俺はスパットの取り引き相手だぞ!あいつから何も聞いてねえのか?俺はズキューンキッスの情報を提供して報酬を貰う約束をしている⋯上司に知られたらお前はクビを切られるぞ?」
「スパット様がお前のような人間とやり取りするわけねえだろ!やれ、クラヤミンダー!!」
「クラヤミンダー!」
「くっ⋯」
ザックリーは出間の話を信じることなくクラヤミンダーに攻撃を命じる。出間は何とか避けてから逃げるもののクラヤミンダーは逃げるのが精一杯の状態だ⋯それでも走らないと死ぬ、とにかく走るのだった。
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side蓮
放課後になってからの下校途中⋯俺は今日もうた、なな、こころと一緒に帰っているのだが、たまたま道中でニカ姉と合流して5人と妖精3匹で帰り道を歩く。ちなみに、ホプこと希望さんに関しては今日はローカルバラエティの収録のため他県で仕事をしているため今日は朝から別行動である。
「ブルっと来たプリ!」
「クラヤミンダーが出たのか!?くそっ、こんな時に⋯」
「とにかく、変身だよ!」
「「「「「「「プリキュア、ライトアップ!」」」」」」」
「「「「「キラキラ、ドレスチェンジ!」」」」」
「「キラキラ、ショータイム!」」
「「「「「「「YEAH♪」」」」」」」
そして、俺達はプリキュアへと変身していく。こんな七夕の日に出てくるとか空気を読めと言いたい⋯マジで迷惑すぎて腹立つばかりだ。
「キミとブレイクダンス、ハートの熱気!元気アツアツ、キュアブレイキン!」
「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」
「キミと瞬く、ハートの勇気!お目目パッチン、キュアウインク!」
「キミと踊る、ハートのリズム!心キュンキュン、キュアキュンキュン!」
「キミと舞う、ハートの希望!幸せいっぱい、キュアホープフル!」
「ハートをプリっとロックオン!キミとズッキュン、キュアズキューン!」
「ハートをメロっと独り占め!キミと口づけ、キュアキッス!」
俺達は名乗りも決めて、ヨーヨイも人間に変身してから現場へと向かう。すると、クラヤミンダーに追われて攻撃されつつもそれを必死に避けてる男性が1人で孤軍奮闘していた。
「うわっ!?」
「おいっ、あれ⋯デマーンじゃねえか?」
「デマーンってことは出間さん!?」
「どうしてクラヤミンダーに攻撃されてるの?」
「とりあえず、訳ありではありますけど助けないと!」
「別に良いんじゃね?あいつはクラヤミンダーにやられても⋯俺達の人生をめちゃくちゃにしたやつだ、当然の報いだろw」
「酷いよ、ブレイキン!確かにデマーンは悪い人かもしれないけど⋯助けないなんてプリキュアとして失格だよ!」
「お姉様の言う通りよ⋯今のあなたを見てると、チョッキリ団よりも悪くて最低としか言えないわ。」
俺が出間がやられてるところを見て、アイドルとウインクとキュンキュンが心配する中で、俺が傍観して高みの見物をしようとするとズキューンからは怒られてキッスからは軽蔑の目を向けられる。でも、恨みがある人間を助けれるほど俺はお人好しではない⋯
「ズキューンキッスの言う通りよ?ほら、行ってきなさい!」
「ええっ、ホープフル!?」
そんなこんなで実姉のホープフルは助けるようにとズキューンキッスの味方について背中を押して放り出す。何故だ⋯ホープフルだって出間に恨みがあるはずなのに!
「「ぐわっ!?」」
そして、押し出された反動で前に出た俺と逃げていた出間は正面衝突してしまいお互いに倒れ込む。お互い頭から当たってしまいとにかく痛い⋯出間も案外石頭である。
「誰かと思ったらキュアブレイキン⋯私を助けに来たんですか?」
「誰があんたを助けるか!俺はあそこの鬼のホープフルに⋯」
「クラヤミンダー!」
「うわあああああ!?」
「ちょっ、出間⋯!?」
恐怖のあまりに出間は真っ先に走り出し、俺を引っ張ってクラヤミンダーから逃げる。俺も偶然ながら足並みが揃い二人三脚のような格好となり、とにかく逃げるだけ逃げた⋯
「はあ、はあ⋯あなた達も来てたんですね、本当にありがとうございます。」
「別に⋯私はあんたを助けるつもりはないわ。ただ、クラヤミンダーを浄化するだけだから。」
「とりあえず、危険だからデマーンは下がっとけよな?」
「ま、待ってください!実は⋯私の彼女がクラヤミンダーに閉じ込められていて、小塀悠亜っていうんです。とにかく、助けてください!お願いします!!」
「ちっ⋯仕方ねえな、これを出汁に変なことをしたらその時は今持てる力であんたをコテンパンにするから覚悟しろよ?」
「ありがとうございます!」
出間は俺達に感謝するとすんなり後ろへと下がる。本音を言えばこいつのこともこいつの彼女のことも助けたくはないのだが、俺はアイドルプリキュア、人類を色んな意味で救う最後の希望。致し方ない⋯
「お前ら、行くぞ!」
「おうよっ!」
「「「うん!」」」
「はい!」
「「ええ!」」
「出たな、アイドルプリキュア⋯今回こそお前達を倒して永遠の休暇を手に入れるぜ!やれ、クラヤミンダー!!」
「クラヤミンダー!」
ザックリーがクラヤミンダーに指示を出すと、クラヤミンダーは攻撃を仕掛けてくるも俺達は咄嗟に避けてそこから反撃の一手を繰り出す。
「ブレイキンタイフーン・BURNIN⋯うっ!?」
俺が技を繰り出そうとしたその時、笹のクラヤミンダーは葉で俺を叩いてから弾き飛ばされてしまい、俺は地面に叩きつけられた。
「ブレイキン、大丈夫?」
「大丈夫⋯飛ばされただけだ。」
「クラヤミンダー!」
「ウインクバリア!」
俺が立ち上がろうとすると、クラヤミンダーの笹の葉がナイフのように飛んできた。それを駆け寄って来たウインクが前に立ってバリアを張って受け止めようとする。しかし、少し押され気味だ⋯
「クラヤミー!」
「きゃあっ!?」
「ウインク、こうなったら私が!」
「アイドル、ダメよ!?」
「焦ったらダメです!」
「アイドルグータッチ!」
「クラヤミー!」
「うわっ!?」
ウインクのバリアが破られた後にアイドルがここでグータッチを繰り出すもそれもクラヤミンダーに弾かれる。猪突猛進というか勢いのままに動く彼女の性格をまんまと引き出される形となった。
「ホープフル⋯こうなったら、遠距離攻撃の私達で行きましょう!」
「ええ、そうね!」
「キュンキュンレー⋯「クラヤミンダー!」⋯えっ!?」
キュンキュンがレーザーを放とうとすると、クラヤミンダーは笹の葉を触手のように伸ばしてからキュンキュンを捕まえて拘束する。このクラヤミンダー⋯いつもの比にならない!
「ぐっ、ううっ⋯」
「キュンキュン!こうなったら、ホープフルシュート!!」
「クラヤミンダー!」
「うわあっ!?」
ホープフルはキュンキュンを助けようとホープフルシュートを放ったものの難なくクラヤミンダーに弾かれ、それが返ってくる。彼女は間一髪で避けて直撃は免れたが、ここまで俺達は手も足も出ない状態で攻略法を見出せない。
「みんな⋯こうなったら俺達で行くぞ、ズキューン、キッス!」
「うん!」
「はい、お兄様!」
そして、俺達と入れ替わるようにヨーヨイが先陣を切ってズキューンとキッスが続き攻撃を仕掛けていく。しかしながら、この3人⋯この前とは違ってより仲が良好になってるのが目に見えて分かる。
「不死鳥の突撃(フェニックス・インパクト)!」
「クラッ!?」
「うわああああ!?」
「よっと⋯キュンキュン、大丈夫か?」
「ヨーヨイ、ありがとう。」
ヨーヨイが体当たりを浴びせるとあまりの勢いに押され、キュンキュンを離してしまう。しかし、彼はすぐさま彼女を救うことに成功してキュンキュンを安全なところへと送り届ける。自ら攻撃しつつしっかり助けるところはやっぱ凄い。
「今だ!」
「お兄様⋯チュッ、キッスショック!」
「クララララ!?」
「ズキューンバズーカ!」
「クラァ〜!?」
そこからキッスのキッスショックによる電撃攻撃で痺れさせた上からズキューンがバズーカで畳みかける。本当にこの3人のキラキランド組のコンビネーションはまさに阿吽の呼吸だ⋯
「ヨーヨイ、ズキューン、キッス!」
「キッス、私達で決めるよ!」
「ええ、お姉様!」
♪:Awakening Harmony
「「2人の誓い、今輝け!⋯取り戻したい、光の世界〜♪」」
「その笑顔」
「勇気」
「涙」
「夢」
「「希望の兆し、キミと明日を願うチカラで、生まれる私たちのハーモニー、響け〜♪⋯プリキュア、ズキューンキッスディスティニー!」」
「「キラッキラッター⋯」」
ズキューンとキッスは今回こそはと決め技とステージを決めてクラヤミンダーの浄化に成功。今回は役目を取られたもののかなりピンチだった俺達を救ってくれたからこれまでの横取りとは訳が違いむしろ感謝すべきである。
「畜生、俺はいつになったらプリキュアに勝てるんだよ!トホホ⋯」
ザックリーは悔しい感情を爆発させ、落ち込みながら撤退。何があったかは知らないが、ザックリーもここ最近毎回出勤しては泣き言ばかり吐いてるものだから何かあるんだろうな⋯と少しは同情したい気持ちもある。
「悠亜、悠亜!」
「う、うーん⋯あれ、智和さん?」
「良かった⋯悠亜、気がついたか?」
「うん。あたし、夢を見てたかも⋯アイドルプリキュアのみんながステージをしてたんだ。とても夢心地だったし、心の底が温かいよ⋯」
「それは良かった。実はアイドルプリキュアのみんなもここにいるんだ⋯皆さん、悠亜を助けてくれてありがとうございました。」
「ま、まあ⋯あんたから礼を言われるのは寒気ものだが。無事なら良かったよ⋯」
出間は恋人を助けてくれたことに対してお礼を俺達に伝える。しかし、こいつも彼女の前だといつものクズなところはないんだな⋯これだけの優しい気持ちが常にあるのにどうしてこいつはスキャンダルを出汁にして人を不幸にする記事ばっかり書くのだろうか?そこが疑問に思える。
「出間さん、あんたのことは好きになれないけどこんな素敵な彼女さんがいるんだから大事にしなさいよね?」
「あなたこそカイトくんとお幸せにやってくださいよ。また取材しに行きますから!」
「ふざけんじゃないわよ、あんた!」
「ホープフル、退却だ⋯帰るぞ。」
「分かったわよ⋯」
そして、俺達は出間と彼女さんが幸せな時間を過ごしてるのを見届けてこの場を後にした。恐らくあの女性の見た目からしてここ最近でできた恋人なのだろう⋯こういう人と過ごす幸せを感じられればあいつももう人を悲しませるような記事を書くことはないはずだ。もう二度と俺達やあいつにスキャンダルを盛られた人達のような芸能人とかを出してはならない⋯この彼女さんがブレーキ役になることを俺は信じるのだった。見た目は金髪ギャルだけど何となくしっかりしてそうな気がしたからな⋯
~~~~~~~~
「それじゃあ、夜ごはんの前にお願い事タイムだよ〜♪」
それから家に帰った俺とニカ姉はお風呂を終えて夜ごはんを食べる前に笹の葉に短冊を飾るという七夕イベントをひま姉のすることに⋯参加者はもちろん俺達や同居していて仕事が終わった希望さんも合流して4人で行われる。
「お姉ちゃん、今年も随分ノリノリね?」
「蓮くん、希望ちゃんって毎年七夕はこんなテンションなの?」
「そうですね。ひま姉は七夕が1番の楽しみなので⋯すみません。」
「ううん。むしろ可愛いなぁって⋯」
「とりあえず、短冊はさっきの時間に書いたと思うけど1人ずつ飾っていってね?まずは蓮ちゃんから♪」
「お、俺!?まあ、ちょっと恥ずかしいけど仕方ねえよな⋯」
俺はひま姉から指名を受けてからまず最初に短冊を飾ることに⋯欲を言えば最後に飾ってあまり見られない感じが良かったのだが、一家の大黒柱の指名だから逆らえないよな。ニカ姉の指名だったら逆らってただろうが⋯
「蓮のお願いは⋯ああ、やっぱりそうよね。『うたと付き合えますように』⋯あなたらしいわ。」
「声に出すなよ、ニカ姉。」
「へぇ⋯蓮ちゃんはうたちゃんのことが大好きなんだね?」
「まあ、俺の人生の中での初恋だからな⋯当たり前だろ。」
「えっ、蓮ちゃんの初恋ってうたちゃんだったっけ?」
「いや、何を言ってるんだひま姉は⋯そういうひま姉は何を書いたんだ?」
「私はこれ⋯『アイドルプリキュアに会えますように』って書いたの。どうかな?」
ひま姉は俺に続いて短冊の願いを見せる。アイドルプリキュアに会いたい、か⋯何なら今すぐにでも変身しても良いんだけどな。別に短冊に込めることでもないような気もする。
「まあ、彼女達も徐々に有名になってるからトーク番組とかで共演できそうじゃねえか?」
「そうね、近いうちに会えると私も思うわ。ねっ、希望ちゃん?」
「うん!そんな笑華は何をお願いしたの?」
「私は『世界で有名なアイドルになれますように』って書いたわ。Pretty Fruitsとしてもアイドルプリキュアとしても⋯」
「アイドルプリキュア?」
「あっ⋯」
ニカ姉がお願いを披露する中でその流れで爆弾発言をしてしまいひま姉から疑問を持たれる。本当にこのバカ姉貴は気分が良いとガードも緩くなってしまうから本当に後始末が大変だ⋯
「いや、アイドルプリキュアのファンとしても⋯だよな!?でも、アイドルプリキュアも世界へと飛び立ってほしいと俺も思うよ!なあ、ニカ姉?」
「そ、そうね⋯」
「蓮ちゃんも笑華ちゃんも面白い反応をするね。希望さんはどんなお願いを書いたんですか?」
「私は笑華と少し似てるけど、『アイドルとしても女優としても世界的有名人になれますように』って書いたよ。女優としてはやっぱり陽葵ちゃんのようになりたいなぁ⋯海外の映画とか出てみたいし。出るだけじゃなくてヒロインとかやりたいよ⋯」
「希望さんなら絶対どっちも上手くいきますよ!私、応援してますから。」
「ありがとう、陽葵ちゃん。それじゃあ、短冊を笹の葉に飾ろっか!」
こうして、俺に続いて残りの3人も短冊を笹の葉に飾って天の川に願いを込める。俺達の願いはきっと神様が叶えてくださることだろう⋯天国から親父と母さんも見守ってくれたらな、そう思うのだった。
いかがでしたか?ザックリーは七夕で色々願いを込めるもスパットに怒られて出動させられる羽目に⋯ここから勝てるまでの連勤地獄。死亡フラグでしかないですね⋯その中で蓮達は七夕の願い事についてを語り合うも、プリルンがまあマイペースなこと⋯七夕の意味が分からずで願い事も七夕に願うことでもないし。面倒を見てる側が大変です⋯
その中で出間の彼女の悠亜がクラヤミンダーにされる事態に⋯プリキュア達は苦戦するも、ズキューンキッスとヨーヨイが阿吽のコンビネーションでねじ伏せて浄化に成功。これで出間はアイドルプリキュア達に貸しができてしまいました⋯これで変に手も足も出せなくなったかと。ただ、彼は本当に彼女を大事にする一面が見られまして⋯やったことはクズでも本来の中身は悪くないというところがありました。しかし、彼が蓮や笑華や陽葵にやったことは許されることではありません⋯他にも出間の記事で人生を狂わされた芸能人達も怒っています。
そして、解散後は朱藤家with希望で七夕パーティー⋯それぞれの願いは叶うのでしょうか?まあ、その中で笑華がアイドルプリキュアの正体をほのめかしかけましたがね。
次回はアニメ本編に戻り、23話のサイン回です。蓮と笑華と希望が芸能人として素人上がりの3人と妖精2匹をリードできるのか⋯どうぞお楽しみに。皆さんも良きバレンタインをお過ごしください!
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