キミとアイドルプリキュア♪ -朱蓮のダンサーとアイドル達-   作:寿垣遥生

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遥生です。皆さん、いよいよ3月になりましたね…キミプリも昨日、5話がありましたけどご覧になりましたか?詳しい感想は今回に関してはちょっと改めて詳しく話させてください。今回話すと今後のネタバレになってしまうので…とにかく、確かなことはプリキュアの新しいあり方が見えたことでしょう。どんな感じなのかはお楽しみに♪

さて、今回は8話目になります。出間ことデマーンに遭遇してしまった蓮…果たして、その今の心持ちはいかなるものでしょうか?そして、彼は自分の思ってる気持ちに今回で気づくことになります。それがどんなものなのか…続きは本編で!


#8 嫉妬と謎の男

side蓮

 

 それから俺達は店に戻ったのだが、その中で俺はさっきのことを思い返す…俺の幸せを奪った張本人である出間と再び出会ってしまったこと。本当にあの男とは関わりたくなかったのだが、まさかプリキュアがきっかけでまた出会うとはな…それに、正体も特定されていて本当にあいつは油断ならないと改めて実感させられた。

 

「ごめんな…俺の因縁にお前らを巻き込んじゃって。」

 

「気にしないで、蓮くんは何も悪くないからね?私達もあなたを支えたいと思ってるから…困った時はいつでも話してほしいな。解決できるかどうかは分からないけど、力になれる範囲であなたを支えたいの。今度は私があなたに勇気を与えるから!」

 

「私も。たとえ世界中のみんなが蓮の敵になっても私とななちゃんは蓮の味方だよ…だから、元気出して?」

 

「なな、うた…」

 

「もちろん、私達も蓮くんの味方よ。」

 

「そうだ…何があったかはよく分からないけど、これで元気を出しなさい。おまじないを込めて作ったからね!」

 

 すると、ななとうただけでなくうたのご両親も俺のことを励まし、和さんは俺のためにオムライスを作ってそれを提供した。まだ出会って間もないこの俺を助けてくれるみんなの心意気に涙が出そうになる。

 

「はもりも蓮くんの味方だよ!」

 

「みんな…すみません、頂きます。」

 

 俺は和さんが作ったオムライスを頂いた。1口食べると卵とチキンライスの旨みが交差して、その奥から彼の言っていたおまじなしのパワーが口の中から広がる…なんて美味しいオムライスなんだ!それに元気も湧いてくる。

 

「美味しいです…」

 

「そうかい?お代はいらないからゆっくり味わってね。」

 

「はい!」

 

 それからも俺はオムライスをみんなの暖かい気持ちを感じながら味わっていく。今の俺には支えてくれるみんながいる…それを感じられる自分は誰よりも幸せ者だろうな。もう胸の奥から熱くなるぐらいにみんなの心意気が嬉しかった…

 

(30分後…)

 

「ご馳走様でした。ありがとうございます…俺、元気出ました!」

 

「良かった…困ったことがあったら僕達にも頼って良いからね。」

 

「蓮くんはご近所だし、うたやみんなのお友達だし…」

 

「はもりにも話して良いよ!」

 

「みんな…」

 

 俺はうたのご家族の優しさにも胸を打たれる。娘の友達とはいえここまでやってくれるこの優しさをうたは引き継いでいるのだろうな…こういう親がいるならこういう娘もいるのだ。

 

「大変だヨイ!マックランダーが…(小声)」

 

「何だって!?(小声)」

 

「蓮くん、どうしたんだい?」

 

「ああっ…お父さん、私達ちょっと外で遊んで来るね。蓮、ななちゃん…行こう!」

 

「うん!」

 

「ああ…すみません、俺達行きますね。オムライスありがとうございました!また伺います。」

 

「うん…行ってらっしゃい。」

 

「気をつけてね?」

 

 俺達はうたのご両親に見送られて、マックランダーが現れた場所へと向かう。こんな時に現れるとかどんだけ空気読めねえんだよ…とにかく、速攻でねじ伏せてやるぜ!

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「マックランダー!」

 

「良いですぞ、マックランダー!その調子で世界を真っ暗闇にしてやるのですぞ?フハハハハ!!」

 

 俺達が現場に着くと、マックランダーは既に暴れていた上に街中のあらゆるものが溶けている。それで今日はカッティーが出ていて高笑い…何てことをしてくれるんだ!

 

「そんなこと…絶対させない!」

 

「久しくカッティーだな…本当にしつこい野郎だぜ! 」

 

「さっきお店にいたお客さんプリ!」

 

「そんな…」

 

「行くよ…ななちゃん、蓮!」

 

「「おうっ(うん)!」」

 

「「「プリキュア、ライトアップ!…キラキラドレスチェンジ、YEAH♪」」」

 

 そして、俺達もプリキュアに変身していく。正体を知っていて取材に抜かりがない出間は今頃遊んでる頃だからまあ変なことは恐らくは起こらないだろうな…

 

「キミとブレイクダンス、ハートの熱気!元気アツアツ、キュアブレイキン!」

 

「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」

 

「キミと瞬く、ハートの勇気!お目目パッチン、キュアウインク!」

 

 そして、変身も名乗りも終えた俺達はマックランダーと向き合う。見た目はクリームソーダでさっき来てたお客さんの魂が媒体になっているのか…お客さんのキラキラを奪うなんて絶対に許せねえ!

 

「マックランダー!」

 

 マックランダーはストローからソーダを放出する。俺達は必死に避けるもそのソーダが命中した物質は溶けていく…なるほど、正体はこれだったのか。こんな害な攻撃が俺達に当たったら大変なことになるだろうな…

 

「折角ウチの店でキラッキランランになってくれたお客さんの気持ち…台無しに、しないで!」

 

 アイドルは攻撃を避けながら怒りを込めてマックランダーに飛び蹴りを入れる。それもそうだ…お客さんの気持ちを利用してこんな悪事を働いているのだから。仕事柄黙っちゃいられないはずだ…しかし、攻撃はスプーンで受け止められる。

 

「世界を真っ暗闇にするためなら誰がどうなろうと知ったことはないですぞ。」

 

「そんな道理があってたまるか!お前らの好き勝手には…させねえ!!」

 

「マッ…!?」

 

 俺は隙ができたところを突いて空いたところに蹴りを入れる。こんな好き勝手なやつに人のキラキラを渡して世界を真っ暗闇にさせてたまるか!とにかく俺もこいつらのやり手には腹が立ったものだ。

 

「私もいるよ!」

 

 マックランダーがバランスを崩して後退してるところにウインクが回り込んで回し蹴り。これで敵は倒れた…しかしながら、ウインクは賢いな。先の先まで読んでやがる…

 

「よしっ、3人で決めるぞ!」

 

「「うん!」」

 

 ウインクが交流した後に俺達3人は息を揃えてジャンプし、トリプルキックを浴びせようとする。これを決めて後は一気に締めに持ち込みたいところだ。

 

「やああっ!」

 

「はああっ!」

 

「たああっ!」

 

「行け行け、プリキュア〜プリ♪」

 

「今ですぞ、マックランダー!」

 

「マックランダー!」

 

 すると、マックランダーはあのソーダ攻撃を放とうと溜めに入った。まずい…このまま突っ込んだらあの攻撃を食らってしまう。ここは避けるしかないが、一か八かだ!

 

「危ねぇっ!」

 

「「…!?」」

 

 俺は2人を抱き寄せてから敵を踏み台にしてギリギリのところで回避する。このままだと俺だけ回避できたとしても2人が分からなかったからな…

 

「助かった…大丈夫か?」

 

「うん、何とか…ありがとう。」

 

「うそ、蓮くんが…蓮くんが…!」

 

 アイドルは安心した表情で俺に感謝をするも、ウインクは顔を赤くして混乱してしまう…あの時から何がおかしかったよな。アイドルは俺が変身している間は女として接してるから平気そうだが、ウインクの方は割り切れてない様子だ。

 

「マックランダー!」

 

 すると、マックランダーは更に攻撃を続ける。しかも俺達の方に向かっていてこれは簡単に避けれるものではない、バリア役のウインクはパニック状態。こうなったらやるしかねえな…なるようになりやがれ!

 

「ブレイキンパリィ!」

 

 俺は足に力を溜め、エアートラックスの動きで竜巻を発生させてそれに沿わせてマックランダーのソーダ攻撃を上へと受け流す。ギャンブル的な行動が上手くいくなんて正直自分でも驚いた。

 

「ブレイキン、凄い…」

 

「へへっ、どうだ?」

 

 これを見たウインクは俺の凄さにパニック状態から戻って感心する。まあ、なるようになった上にウインクも元に戻ったし一石二鳥だろう…

 

「どうだじゃないよ…さっきの攻撃がレンじいちゃんの頭上の屋根に!」

 

「常連の城さんが!?大変だ…」

 

 しかし、その受け流した攻撃は何とグリッターの常連でもある城さんが歩いていた頭上の屋根に当たっていて、それを知った俺とアイドルは向かうももう屋根は崩れ始める。何てミスをしちまったんだ…くそったれが!

 

(ダメだ、間に合わねえ…!)

 

 大急ぎで向かっても間に合いそうもなく絶望したその時、1人の男が城さんを助ける…その彼は俺達プリキュア並に軽い身のこなしで飛び込み、城さんを抱きかかえて回避した。その人物は…カイトさんだ。

 

「「カイトさん!?」」

 

「怪我はありませんか?」

 

「おおっ、ワシの若い頃にそっくりだ!」

 

 城さんは助けてくれたカイトさんを見て自分の若い頃と重ねて興奮する。それだけかっこいいという意味合いなのだろうな…まあ、このおじいさんの過去はどうなのか俺は知らないけど。

 

「むむむっ、小賢しい…さあ、どんどんやるのですぞ!」

 

「マックランダー!!」

 

 カッティーの合図でマックランダーは頭に乗せてたアイスをスプーンですくってからそれを投げていく。あまりにも凄い勢いだ…これを避けようものなら今度はカイトさん達に命中してしまうから避けれない…どうすれば!?

 

「ウインクバリア!」

 

 すると、ウインクが咄嗟の判断でバリアを敷いて難を逃れる。何とか俺達だけじゃなくてカイトさんと城さんも助かったようだ…しかし、何故か悔しい気持ちが溢れている。さっきのミスだけじゃない…どうしてだろう?胸がモヤモヤしていてそれを何とかしたいと心から思った。そして、俺は動く…

 

「アイドル、俺が行く!お前とウインクはそこにいろ!!」

 

「ブレイキン!?」

 

 俺はバリアを抜けてからマックランダーの乱れ打ち攻撃を避けつつも前へ前へと突っ込む。この気持ちは一体何だろうか…あの喫茶店の時からそうだった。うたの前でかっこいいところを見せ、そしてまた今も俺らを制して城さんを助けたし…おまけに俺はそうさせるようなミスをしてしまい、挽回したい気持ちとかっこいいところばかり見せてるカイトさんへの対抗心でとにかく心が燃えている。その気持ちを俺は足に溜めた…

 

「ブレイキンタイフーン・BURNING!」

 

「マックランダー!?」

 

 俺は炎を蓄えたブレイキンタイフーンの進化技をマックランダーに浴びせて吹っ飛ばす。誰にも負けたくねえ…その反骨心が俺の心を熱くして、身体中の力を強くするのだ。

 

「君達は…」

 

「ここは私達が引き受けます。逃げてください!」

 

「分かった…さあ、こっちへ!」

 

 俺は起き上がろうとするマックランダーを足止めしつつカイトさんに逃げるように促し、彼もその通りに城さんを連れて避難していく。ここはとにかく今は時間を稼いでいなくなったら一気に仕掛けたいところだ。

 

「マックランダー!」

 

「うわああっ!?」

 

 しかし、1人での足止めはこれ以上限界を迎えて俺はマックランダーに投げ飛ばされてしまう。流石に強くなってるのは俺だけじゃなくて相手も同じことだ…

 

「とどめですぞ!好きな物は最後に食べるタイプの大爆発!!」

 

「マックランダー!」

 

 マックランダーは黒いさくらんぼ爆弾を俺に向かって投げてくる。この状態じゃ避けようがねえ…俺の挽回もここまでなのか?いや、終わりたくねえ…まだ終わるんじゃねえ!!

 

「させない!」

 

 すると、ウインクが俺の目の前にバリアを貼ってから爆発した煙から中から出てきて蹴りを入れる。本当にウインクはすげぇな…賢いだけじゃなくて強気なところも凄い。

 

「今だよ!」

 

「それじゃあ、私…「いや、俺が決める!」…ブレイキン!?今日はどうしたの?」

 

「ここは俺が決めなくちゃいけねえんだ…俺のためにも、アイドルのためにも。」

 

「うん、ブレイキンがそこまで言うなら…お願い!」

 

「おうっ、バイブス上げていくぜ〜!」

 

 アイドルがここは決め技を撃とうとしたが、俺がそれを制して決め技を撃つことに。とにかく俺はアイドル…うたの前でかっこいいところを見せねえといけないし、ミスも挽回しないといけないのだ。最後まで男としての生き道は貫かせてもらうぜ!(今は変身して女になっているけど…)

 

「元気がいっぱいハイテンション、笑顔いっぱい最高っしょ、平和いっぱい幸せじゃん、暗い暗いはもうダメよ!Don't cry, 明るいくらいにしていこうぜ♪…プリキュア・ブレイキンリズムオブファイア!」

 

「「キラッキラッター♪」」

 

「YEAH!」

 

 俺は最後の決め技を放ち、マックランダーを優しい炎に包み込んで浄化していく。炎に包まれたマックランダーは消滅して女性客もも街も元に戻る…これで万事解決だ。

 

「これで4つ目だヨイ。」

 

「ああ…」

 

 そして、空から降ってきたオレンジ色のキラルンリボンをヨーヨイが手にしてそれをキラルンリボンブックに収める。これでまた更にキラキランド復活へ前進だ…それと、ミスを挽回できた手応えも感じて満足した。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 それから俺達は変身を解除した後に海岸近くへと移動した。その中で俺は海を眺めている…今日は勝つには勝ったのだが、決して誇れるものではなかった。まず一つに俺は新技をコントロールできずにミスをして迷惑をかけたこと、もう一つはカイトさんの行動を見て対抗心から冷静さを欠いていたこと。その中で技を進化できたのだが、もっと強くなるにはそれをコントロールしなければならない…俺もまだまだ未熟だと痛感した。

 

「蓮くん、どうしたの?」

 

「ななか…ちょっと反省してた。」

 

「どうして反省するプリ?今日のステージも完璧だったプリ!」

 

「俺、今日の戦いでどこか落ち着きがなくてミスもやらかしちまってた…それで城さんを巻き込んでさ。結局、カイトさんが助けてなかったらどうなってたのやらだ…情けねえ。」

 

「蓮…それを言ったら私もだよ?戦いには関係ないけど、私もカイトさんに助けてもらってばかりで…私よりもウェイターができるからと勝手に拗ねて。ありがとうも言えなかった…」

 

「うた…」

 

 うたもうたで今にも泣きそうな表情で自分の悩みを打ち明ける。言い方は悪いが、彼女の悩みは俺の悩みと比べれば『たかがそんなことで』って感じかもしれない。でも、うたは凄く繊細で傷つきやすい女の子だ…それはこの中で俺が1番よく知っている。だからこそ俺は助けたいところだが、俺も俺で悩んでいるのでかける言葉が見つからない。

 

「♪〜」

 

 ちょうどその時、どこからか爽やかなアカペラの歌声が聴こえる。この曲はカイトさんの『キミからのEcho』…もしかして、カイトさんが近くにいるのだろうか?

 

「この声は…」

 

「うた、俺も行く!」

 

「うたちゃん、蓮くん!?」

 

 そして、俺は歌声のする方向へと向かううたを追いかける。もしも本人がいるとするならば俺も礼を言わないといけない…でも、うたの心を惑わす人間に感謝の気持ちを伝えられるのだろうか?心のモヤモヤがまた大きくなってきた。やがて歌声のする場所へたどり着くと、そこには響カイト本人がアカペラで自分の曲を歌っていたのだ…

 

(すげぇ、アカペラでマイクなしでもこんな歌声が響くなんて。やっぱり響カイトはレジェンドアイドルだ…)

 

「「♪〜」」

 

 その歌声を聴いた俺達も堪らずに続きを歌う。すると、カイトさんは俺達の存在に気づいて振り向く…俺に関してはアイドルに少しずつ興味を取り戻しつつある最近になって聴いて覚え歌ってみたのだが、うたとデュエットを上手くできていておまけにカイトさんも振り向かせられた。俺には曲を覚えれば歌えるだけの歌唱力があるからな…自慢じゃねえけど。

 

「カイトさんの曲、私…好きです!」

 

「お、俺もっす。」

 

「ありがとう。」

 

「よくここで歌っていらっしゃるんですか?」

 

「うん…ニューヨークに行く前はいつもこの場所で空に歌聴かせてた。俺の秘密の場所なんだ…ようこそ♪」

 

「「…」」

 

 カイトさんは俺の質問に笑顔で答えて『ようこそ』と腕を広げて歓迎する。このかっこよさに俺もうたも自然と惹かれていく…その中でうたの顔は特に赤く染まりつつあって表情も恋する乙女のようになる。

 

「あの…今日は助けてくれてありがとうございました!」

 

「お店のこと?良いよ、俺も楽しかったし。ところで、さっきも思ったけど…君達の歌声、凄く良いね。また会いたくなりそう…」

 

「…」

 

「ありがとうございます。また会えたら良いですね…」

 

「うん…それじゃあ、また。」

 

 カイトさんはそう言い残して俺達の前から去った。その背中が消えるまで見送ると、うたの顔は茹で上がったたこのように真っ赤になっていた。何だろう、分かってきたよ…俺はカイトさんに嫉妬しちまったんだ。そして、うたのことを意識している…自分の気持ちが分かってどこかスッキリした反面、彼に負けたくないという気持ちが芽生えてきた。

 

「うたちゃん、蓮くん!」

 

「なな…悪ぃ、ちょっとカイトさんと話してたよ。なっ、うた?」

 

「…うたちゃん、顔が真っ赤だけど?」

 

「へっ…!?べべべべ別に…!!」

 

「あなた達、プリキュア…ですね?」

 

「「「えっ!?」」」

 

 俺達が話していたその時、七三分けで眼鏡をかけていたスーツの男性が声をかけていきなりプリキュアかどうかを確認してくる。まさかいきなりプリキュアのことから踏み込むとは…もしや、彼も出間の仲間なのだろうか?

 

「違います!行こう、2人とも…」

 

「ああ、そうだな!」

 

 うたはプリルン、俺はヨーヨイを隠してから3人で退却しようとする。何なんだ、この男は目が死んでいて不気味ったらありゃしない…おまけに渋くて低い声だからより恐怖感倍増だ。

 

「安心してください。私はあなた達の味方ですから…」

 

「味方…本当ですか?」

 

「ええ。とりあえず、明日…喫茶グリッターの方にお伺いいたします。そこでまた詳しくお話しするので…失礼。」

 

 男はななの質問に答えて約束をした後、俺達に一礼してからこの場を去った。どうやらこの雰囲気からして出間と同じ週刊文秋の仲間ではなさそうだ…それだけでも安心したけど、やつは何者なのだろう?その謎が深まるばかりでひとまず今日は解散することにした。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「ただいま〜。」

 

「おかえり、蓮ちゃん♪」

 

「おかえり。」

 

 俺は家に帰ってリビングに入ると、ひま姉とニカ姉がソファーに腰かけながら歓迎する。ひま姉はしばらく映画撮影で遠征していたが、ついこの前帰ってきたのだ…こうして家族3人集合はどこか心地良いものだ。

 

「ちょっと、蓮…あんた、カイトくんと一緒にグリッターでお手伝いをしたって本当?さっきカイトくんからLINEでその報告が来たんだけど!」

 

「えっ…まあな。それがどうしたんだよ?」

 

「どうしたって…この馬鹿、こういう時は私のことを呼び出しなさいよ!カイトくんと一緒に働けると思ったのにぃ…」

 

 すると、ニカ姉はソファーから立ち上がっては俺の首根っこを掴んでブンブンと振り回す。この馬鹿姉貴は本当にカイトさんのことが好きでしょうがないのだ…まあ、同期で親友だから仕方ないにしても流石にウェイターの素質がないこのガサツ女を欲のために働かせたら俺、うたの家族から嫌われるからな?まあ、ニカ姉本人には死んでもそんなことは堂々と言えねえけど…

 

「笑華ちゃん、落ち着いて?本当に笑華ちゃんはカイトくんのことが好きだよね?」

 

「当たり前でしょ!カイトくんは親友なんだから。それで、あんた…カイトくんから何か伝言とか預かってるわよね?」

 

「ああ…『ニカ姉は天才だ』、『アイドルをするために産まれた』って。めちゃくちゃ褒めてたよ?」

 

「そう?いやぁ…照れるじゃないのぉ〜。カイトくぅん♪」

 

 ニカ姉は俺が預かった伝言を伝えると、デレデレで骨抜きになる…これはやっぱりニカ姉本人がいない方が良かったよ。いたらもう仕事に集中できてなかっただろうし…

 

「それじゃあ、私もそろそろ夜ごはんを作ろうかな?お風呂もまだだからお風呂も入れてくるね…」

 

「分かった、自分の部屋で待ってるよ。ありがとう、ひま姉!」

 

 俺は色々準備するひま姉を見届けてから2階にある自分の部屋へと移動する。本当にこういう面ではひま姉が帰ってきて良かったな…ニカ姉は家事ができないガサツ女だから家事全般は俺がやってたから負担がやっと軽減されたと言える。ニカ姉はそろそろいい加減にひま姉に感謝して家事全般ができる1人前の女になってほしいところだ…そうじゃねえと絶対婚期なんて縁がねえだろ。いくらトップアイドルとてアイドルの寿命もあるからな…仕事もいつまでもあると思わないことだと俺がニカ姉の兄だったら言えてただろう。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 それから俺は自分の部屋の机に向かって考え事をする。今日も今日で沢山の出来事があった…レジェンドアイドルのカイトさんが店にやって来たと思えば、店の手伝いをすることになってカイトさんの凄さを色々と見せられたものだ…これに俺は負い目を感じてしまった。

 

(俺の方が芸能界では先輩かもだけど、もう時代は子役時代に賑わせた俺の時代じゃねえ…響カイトの時代だ。なのに、うたがそんな彼に惚れてるのを見て焦ってしまった…いくら俺のファンだとしても今の俺のファンじゃねえしな。そりゃあ今をときめくスターの方がよりかっこいいと思うだろうよ…)

 

「なあ、蓮…お前、どうしたいんだヨイ?」

 

「えっ…どうしたいって、何が?」

 

「決まってるだろうヨイ。うたについてだろうが…とぼけようたって俺にはお見通しだヨイ!」

 

「まあ…ヨーヨイにはお見通しか。今の俺にはまだ分からねえ部分は沢山ある。でも、確かなことはうたのことが少しどころかかなり気になってることかな?うたのことを考えるとドキドキが止まんねえんだよ…」

 

「多分どころかもう間違いなく恋だヨイ…」

 

「恋、俺が…うたに?」

 

「見て分かるヨイ…蓮は意外と表情が分かりやすいからな?」

 

「そ、そうなのか。でも、まだ答えを出すのはもうちょっと先にさせてくれ…俺のことを気にしてるやつがいるから。答えを早く出して悲しませるのは癪に障るし…」

 

「へっ、了解だヨイ。お前の決断だ…お前が好きに選べ!」

 

「ありがとな、ヨーヨイ。」

 

『蓮ちゃーん、お風呂できたよ〜?』

 

「ああ、分かった!」

 

 俺がヨーヨイにお礼を言ったタイミングで下のひま姉からお風呂ができたことを告げられる。とりあえず、判断に関してもうその時に応じて行動しないとな…早めにどっちか決めたらどっちかが悲しむだろうし。俺は仲良くしているやつを泣かしたくはないのだ…とにもかくにも、今日は自分の気持ちと真剣に向き合うことができた。これを糧に恋(?)もプリキュアも頑張ろう!




新技紹介

ブレイキンタイフーン・BURNING
ブレイキンタイフーンの進化技。足に炎を纏ってスピンしながら回し蹴りを放つ。

ブレイキンパリィ

BURNING先生から提案された防御技。エアートラックスというブレイクダンスの動きをしながら自身の周囲に竜巻を展開。それが防御フィールドとして相手の攻撃を竜巻の流れに沿わせながら上へと滑らせていき、受け流す。キュアウインクのウインクバリアを参考にし、彼女が純粋に攻撃を防ぐ系のバリアなら彼女のバリアとは相性の悪い全方位からの攻撃や直撃したらダメ系の技を止めるためにこちらは受け流す事をメインに使う。

どちらもキュアブレイキンの新技です。特に最近仲良くさせていただいていていつも感想を書いてくださるBURNING先生から技のリクエストをいただきそれを採用しましたが…最初は成功のようなミスのようなことになってしまいました。とりあえず、今回は色んな都合もあったのでね…次は成功すると思います。ご提案ありがとうございました!

さて、今回の話はいかがでしたか?蓮はやっと自分の気持ちに気づくことができました。うたちゃんのことが気になっていることやそんな彼女が恋しているカイトへの対抗心と嫉妬…とりあえず、レジェンドアイドル相手では勝負相手としては悪いです。蓮は芸能界を引退した身の上にトップに君臨していたのは子役時代でしたから…でも、彼はプラス思考で諦めるつもりはありません。ななちゃんは蓮、蓮はうたちゃん、うたちゃんはカイトに恋していますが…この一方通行を誰が抜け出すのか!?恋愛ウォーズの行方もご注目ください!

次回はいよいよアイドルプリキュアが…という話になります。また次回も楽しみだという方は感想、お気に入り登録、高評価をお待ちしてますね!そして、BURNING先生…これからもよろしくお願いいたします。

では、また次回!
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