キミとアイドルプリキュア♪ -朱蓮のダンサーとアイドル達-   作:寿垣遥生

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遥生です。U-NEXTが更新される水曜日の今日に投稿って驚いたでしょ?実は最近になってTVerのやつを見ながらでも執筆できるという発見をいたしました。なので、今後はどの曜日からでも執筆ができるようになったのです!これで執筆のペースの大幅なペースアップが望めるのでね…楽しみにしていてください♪

さて、今回はアニメの5話に当たるお話となります。やっと5話の話題を話せるよ…とりあえず、あの田中さんがついに出ます!マネージャーの田中さん(タナカーン)ですね。この人の諏訪部ボイスがたまらんのですよ…諏訪部さんの渋いイケボがもう凄いんです。諏訪部さんは近年の東映作品だとワンピースで海軍大将の緑牛ことアラマキを藤原啓治さんから引き継いでやってることで話題ですけど、藤原さんの分の出番が1話しかなかったキャラにチャラい藤原さんの雰囲気を残しつつ自らが色を出してるところ…藤原さんにはちょっと申し訳ないかもしれないけど、緑牛はもう諏訪部さんのキャラとして板についたのではないでしょうかね?でも、諏訪部さんとワンピースと言えばヴェルゴってファンも一定数はいますな。

とまあ、話は脱線しましたけども…そんな諏訪部さんが演じる田中さんがここでも出てきます。そうなると、こっちのプリキュアにも進展が出てくるのでね…そこのところをお楽しみに!

それでは、また後書きで。


#9 マネージャーの田中さん

side蓮

 

 謎の男と出会った翌日、彼は宣言通りにグリッターに来店した。今は注文した品を待っているところなのだが…本当に不気味すぎる。向かいあわせだったら怖くて何も話せねえよ…マジで。

 

「お待たせしました、コーヒーフロートです。」

 

 うたのお母さんがコーヒーフロートを持ってくると、男は少し嬉しそうに微笑んだようにも見えた。しかし、無言だ…この人はあまり大きく感情をさっきから出してないから何を思ってるのかよく分からない。

 

「どうぞ、ごゆっくり♪」

 

 うたのお母さんが去ると、男はコーヒーフロートのアイスをまず1口食べる。その反応はというとまるで電撃が走ったような表情になってから1口、また1口とスプーンを進めていく。その様子を上から俺達は見ていたのだが、どうやらここのコーヒーフロートが気に入ったらしい…

 

「どうしよう、昨日のあの人…お店まで来ちゃった。私達がプリキュアだってことがバレちゃってる?」

 

「だろうな…でも、あの人は俺達に『味方だ』と言っていたから間違ってもチョッキリ団の一員や出間のような週刊文秋の記者ではないはずだ。」

 

「でも、どうして?」

 

「キュアアイドル可愛い♪」

 

 そんな男のことを俺達は考えていると、はもりちゃんが彼の横のカウンター席でYouTubeにアップされているキュアアイドルのライブ映像を楽しそうに観ている…もちろん、プリキュアの正体を知っているであろう男性が横にいることもお構いなしだ。

 

(こんなことは言えねえけど、はもりちゃん…君が夢中になって見ているアイドルは君の実のお姉ちゃんなんだぜ?それを知ったら彼女はどんな反応をするんだろうな…)

 

「キュアウインクちゃんも良いわよね♪」

 

「キュアブレイキンちゃんも輝いてるな!本当にこの3人は凄いよ…」

 

 それから、はもりちゃんとご両親はキュアウインクとキュアブレイキン(俺)のライブ映像も続けて見ていく。俺達、アイドルプリキュアはもうすっかり咲良家の推しになってしまったらしい…嬉しいことは嬉しいことだが、自分じゃない自分がこうも有名人になるのは複雑な心境だ。

 

「3人のステージ、素敵プリ!」

 

「プリルンやデマーンがアップした動画がすっかり拡散してやがるヨイ…恐らくこれが原因じゃねえのか?」

 

「そうなのかな…」

 

「俺なんか性別と声も変わってるんだぜ…出間もあの男もこの動画だけで正体が分かるとか凄すぎだろ。」

 

「ねえ、蓮くん…コメント欄に何かお願いが来てる。」

 

「何だって?」

 

「お取り込み中のところ失礼します。」

 

「えっ…うわああっ、はいっ!」

 

 なながYouTubeのコメント欄に何か依頼のコメントがあったので俺達で内容を確認しようとしたタイミングであの男がこっちに上がってきて声をかけてくる。本当にこの男は気配がないから動きが読めねえ…忍者か何なのか?うたは咄嗟にプリルンとヨーヨイを背中に隠す。

 

「私、田中と申します。」

 

「田中…さん?名刺にはアイドルプリキュアのマネージャーって書いてあるのですが…まさか?」

 

「ええ、この私がアイドルプリキュアのマネージャーを今日付で務めさせて頂きます。 」

 

「「「ま、マネージャー!?」」」

 

 田中さんは俺達に向かって『アイドルプリキュアのマネージャーをする』と言い出す。俺が受け取った名刺にも書いてあったこととはいえあまりの出来事に声を揃えて驚いてしまった。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「困った時は女王様に聞くプリ!」

 

 それから俺達は女王のピカリーネさんと話すことにした。これ以上、俺達だけで考えていても何も始まらない…この答えはきっとピカリーネさんなら知っているはずだろう。

 

「女王様って?」

 

「そっか…まだななは会ったことないよな?キラキランドの女王だよ。まあ、話してみればどんなのかは分かるさ…プリルン、よろしく頼む。」

 

「OKプリ!」

 

 俺がアイドルハートブローチを机に置き、プリルンが交信用の白いキラルンリボンを装着すると女王のピカリーネさんが現れる。久し振りの交信だから今の状態を彼女はどのように受け止めているのか…それが気になって仕方ない。

 

「はじめまして。私はキラキランドの女王、ピカリーネ!…です。」

 

「あっ、蒼風ななです。」

 

「あなたが3人目のプリキュアですね?これからよろしくお願いします。」

 

「は、はい!」

 

 ピカリーネさんが挨拶をすると、ななは緊張しながらも返事をする。それもそうだろうな…いきなり女王が出てきたものだから緊張するはずだ。

 

「あの…女王様、大変なことが!私達がプリキュアだとデマーンという妖精にバレて、ライブ映像を拡散されて…そして、あの人にもバレちゃったかもしれないんです。」

 

「デマーンの件は存じてますよ。しかし、安心してください…あなた達と一緒にいる彼はキラキランドの者でデマーンと同じですが、彼はあなた達のサポートをしてくれるはずです。」

 

「やっぱりそうでしたか…彼の言ってたことは本当なんですね。ただ、あの男ってプリルンとヨーヨイの知り合いなのか?キラキランドの住民なら知ってるはずだろ…」

 

「知らないプリ。」

 

「俺も。田中って知り合いはいねえからな…そもそもキラキランドに純粋な人間を見たことがねえヨイ。」

 

「いいえ。プリルン、ヨーヨイ…彼はあなた達がよく知っているタナカーンですよ。」

 

「タナカーン先輩!?いや、彼は俺らと同じ妖精でしょう?まさか、デマーンと同じように人間になる力を得たとでもおっしゃるんですか?」

 

「その通りですよ、ヨーヨイくん。お久しぶりです…」

 

「おおっ、この手触り…間違いねえ、先輩だヨイ♪」

 

 そんなこんなで田中さんがヨーヨイの顎を撫でると、ヨーヨイはこれまでにもない癒されたような表情になる。しかし、今までかっこよく振る舞ってたこいつも田中さんの前では無力なのか…

 

「プリルンも…プリルンもタナカーンから撫でられたいプリ〜♪」

 

「それでは、プリルンも。」

 

「ああ〜…やっぱりタナカーンプリ〜♪」

 

 今度はプリルンも同じように田中さんは撫でていく。妙に慣れてる手つきで慣れてるようなリアクション…プリルンとヨーヨイは何やかんやで田中さんことタナカーンに甘えてきたんだろうなと想像できる。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 それから交信と再会を終えた俺達は田中さんに案内されて山道を歩く。彼からは仕事現場に案内すると言われたもののどこへと向かうのかは言われていない…マネージャーって言うのだから芸能事務所なのだろうな。それで、まさかのメジャーデビュー?いや、布教活動をしたらダメとピカリーネさんから言われて芸能活動やれは命令に反してるだろ…

 

「すっごく久しぶりプリ!」

 

「本当だな…タナカーン先輩はキラキランドではプリルンの家の近くに住んでてプリルンと仲良しだったし、俺は先輩に宿題を見てもらったりしてお世話になったんだヨイ!」

 

「そうなのか…再会できて良かったな。」

 

「でも、プリルンやヨーヨイとは全然違うね。」

 

「どう見ても普通の人にしか見えないけど…だいぶ大人みたいな感じだし。」

 

「こちらの世界ではこの姿でやっています。」

 

「なるほど、それなら妖精とは誰も思わないわけっすね…それで、あなたはどちらにいたんですか?」

 

「私はずっと前からこの街のキラキランド出張所にいました。」

 

「出張所なんてあるんだ!?」

 

「プリルンも初めて聞くプリ♪」

 

「俺もだヨイ…」

 

 田中さんは俺達が疑問に思ってることを答え、さらにキラキランドの出張所があることもしれっと話すとうたは真っ先に驚く。キラキランドの出張所か。つまり、この世界とキラキランドは繋がりがあるということだろうな…

 

「こちらです。」

 

 そんなこんなでしばらく歩くと木でできた一軒家があった。これがはなみちタウンにあるキラキランド出張所…なかなかお洒落すぎてそうは見えない。

 

「これが出張所か…」

 

「うわぁ…!」

 

「ファンシーで可愛い♪」

 

「どうぞ。」

 

 そして、俺達は田中さんに案内されて出張所の中に入った。中も凄く良い環境で仕事をするにはもってこいでありながらも清潔さも忘れていない…こんな仕事場で俺も将来は働きたいなと思わせられる。

 

「私達のキラキランドと、ここはなみちタウンは遥か昔から姉妹都市としての繋がりがあるのです。」

 

「そうなの!?」

 

「初めて知りました…」

 

 中に入って早速座ると、田中さんはキラキランドとはなみちタウンの繋がりを俺達に話してうたとななは驚く。地元民でも知らなかった情報なんだな…(その間も田中さんはプリルンを撫でてる)

 

「それで、あなたはここで何をされてるんですか?」

 

「私はここで異変があった時のためのパトロールをしています。これまではずっと平和だったので特に問題はなかったのですが…私がこちらに来ている間にキラキランドは真っ暗闇に。そこで私は女王様の命を受け、キラキランドの救世主…アイドルプリキュアのマネージャーになったのです。」

 

「えっと…タナカーンさん?」

 

「田中で結構です。」

 

「では、田中さん…マネージャーってアイドルを手伝う人のことですよね?」

 

「それって私達がアイドルの仕事をやるってこと!?」

 

「違います。プリキュアの使命はマックランダーを退け、世界を救うことにあります。こちらの世界のアイドルタレントのように人前に出ることは避けた方がよろしいかと…」

 

「「はあ…」」

 

 田中さんは眼鏡をクイッと上げながらななやうたの希望を退ける。それもそうだ…俺達は動画が拡散されたことでアイドル的人気を誇っているものの本来の使命はアイドル活動ではなくマックランダーはチョッキリ団やらダークイーネを倒すこと。田中さんの意見はまさしく真っ当な正論だ…

 

「田中さんの言うことも一理あります。でも、これを見てもらえますか?」

 

「これは…?」

 

「俺達の動画のコメントの中に仕事の依頼が来ていました。」

 

「ええっ!?」

 

「プリ!?」

 

 俺はYouTubeのライブ動画のコメントにあった仕事依頼のコメントを田中さんやみんなに見せる。うたとプリルンはこれには寝耳に水といった感じで驚いた…まあ、このことを知ってたのは俺とななだけだったからな。

 

「依頼主はPretty Holicの森こはるさんで内容としてはコスメのキャンペーンの宣伝を俺達にやってほしいとのことです。」

 

「Pretty Holicって?」

 

「キラキラで大人気なコスメブランドだよ。」

 

「本来だったらあなたやピカリーネさんの意に沿わないことかもしれません…でも、俺は思いました。こうやってプリキュアになってアイドルになって何がやれることはないのかって…こうなった以上はもうやるしかないと思っています。お前らもそう思うだろ?」

 

「うん。私もずっとそれを考えてたよ…蓮くん。」

 

「凄い…私達、本格的にアイドルデビューするんだ!頑張ろうね、蓮!」

 

「…ということで、中学生の俺達に力を貸してくれませんか?俺達、人のために役立ちたいんです!悪を退け、困っている人を助けるのが救世主でしょう?」

 

「プリルンもそう思うプリ!」

 

「そういうことで先輩…俺からもお願いしますよ!」

 

 俺が田中さんにお願いすると、それに続いてプリルンとヨーヨイもお願いする。これを見た田中さんは少し考えてから眼鏡をクイッとしてまた俺の方を向く。

 

「仕方ありません…あなた達の熱量には負けました。それでは、行きましょう。」

 

「ありがとうございます!」

 

 こうして、田中さんは少々呆れた表情をしながらも俺達の願いを聞き入れてくれた。そして、俺はコメント主であるPretty Holicに連絡を入れてから田中さんやみんなと一緒にそこへと向かった。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「マネージャーの田中です。」

 

「頂戴いたします。私、Pretty Holic宣伝担当の森こはるです。」

 

 それから俺達はPretty Holicにて関係者と面談をすることに…まずは田中さんが名刺を宣伝担当である森さんに渡し、森さんも自己紹介をする。こういうマネージャーと関係者のやり取りを見てると芸能界にいた時のことを思い出すものだ。

 

「それで、こちらの3人は?」

 

「私、キュアアイド…「マネージャー見習いです。」…あっ、はい!」

 

 うたがキュアアイドルだと名乗りかけようとしたが、それを見事に田中さんがリカバリーして何とか誤魔化す…本当にうたは嘘をつけねえな。マジで危なすぎる…

 

「咲良うたです。」

 

「同じく見習いの蒼風ななです。」

 

「右に同じく朱藤蓮です。」

 

「「「よろしくお願いします!」」」

 

 そして、俺達も森さんに挨拶をする。ひとまず俺も自分の名を名乗ったものの彼女は何も特に反応はしなかった…良くも悪くも芸能界から8年前に消えた俺のことはどうやら地元以外からは忘れられてるらしい。少々複雑ではあるけどな。

 

「よろしくお願いします。ご連絡頂けて良かったです!早速ですが…」

 

 そう言うと森さんは新作コスメと思われるものを机の上に3つ置いた。形としてはリボンではあるがリボンではなさそう…しかし、その色はピンク、青、朱色と俺達の3色が揃っている。もう狙っているとしか言えねえな…

 

「うわぁ、リボンの形だ!」

 

「可愛い♪」

 

「森さん、これは何ですか?」

 

「新作のリップですね。アイドルプリキュアの皆さんには是非とも春の新作リップのキャンペーンのCMに出演してもらいたいんです。ちょうどはなみちタウンに新しいお店がオープンするので、撮影はここで行います。良かったら咲良さんと蒼風さんはサンプル使ってみてください!」

 

「良いんですか?」

 

「はい♪」

 

 そして、2人はこのサンプルのリップを試し塗りしてみる。どうやらリップの塗るところの先はハートの形になっていて塗ってみるとうたはキラッキランランになった…えっ、俺はどうして塗らないのかって?いや、俺は男だぞ…それで森さんも遠慮したんだろうな。とりあえず、俺は姉がいるということを話したら『サンプルはお姉さんに』ということで頂くことになった。

 

「それで、森さん…今回のキャッチコピーはどんな感じですか?」

 

「それはもう決まってます!今回のコピーは『プリティアップでキラッキランランなわたし』で行きたいんです。キュアアイドルさんの言葉が凄く気に入ったんですよ…よろしいですか?」

 

「問題ありません。」

 

「ありがとうございます!」

 

「は、はあ…」

 

 田中さんからキャッチコピーを認められた森さんは嬉しさのあまり田中さんと激しく握手をする。これには田中さんは困惑…まあ、こういう仕事は初めてだからな。でも、いるんだよ…こういう熱い人って。俺も色んな仕事を受けてきて色んな人を見てきたからよく分かる。

 

「キラッキランランが選ばれた!」

 

「あっ、すみません!私、子供の頃からPretty Holicが大好きで。だから、私もPretty Holicのコスメでみんなを幸せにできたら良いなって。」

 

 うたが喜ぶ中で森さんは嬉しそうに自分のコスメへの気持ちを俺達に語る。小さい時から好きなもので幸せに…か。俺も思えば小さい時は親父と母さんに憧れてアイドルを夢見ていた。その時の自分のキラキラと森さんのキラキラが同じに見える…俺より年上の彼女がこんなにも輝いているのを見て俺もまた輝きたいと思ってしまった。

 

「あっ、またすみません…私ばっかり喋って。それで、スケジュールがかなりギリギリになっていてCM撮影が明日の予定ですけど…」

 

「「「明日!?」 」」

 

「無理でしょうか?」

 

 俺達は森さんの口からCM撮影が明日ということを明かされて思わず驚いてしまう。その彼女も申し訳ない気持ちで大丈夫かどうかを尋ねる…撮影は明日か、あまりにも急すぎるが断るのも悪すぎでどうすれば良いのだろうか?

 

「大丈夫です。」

 

「ありがとうございます!」

 

 俺達が迷い気味になっていると田中さんは森さんに大丈夫と即答する。まあ、こうなったらなるようになれだ!スケジュールの都合もあることだしな…そんな気持ちで明日に臨むのであった。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 そして、打ち合わせを終えて解散してから俺はひま姉におつかいを頼まれて1人で買い物をしていた。まあ、うたも今頃はきゅーたろうとどこかで散歩をしてることだろうな…とにもかくにも、俺は頼まれたものを買って家への帰り道を歩いていた。

 

「あれ、蓮くん?」

 

「カイトさん…」

 

 その道中にて俺はランニング中のカイトさんと出会って声をかけられる。しかし、彼はいつもかは分からないけどもプライベートから運動を忘れないところはプロだなと思ってしまう…俺なんかオフは母さんや姉達に連れられて遊びまくってたからな。それで、立ち話もアレなので近くのベンチに腰かけた。

 

「カイトにアイドルに関する質問はしなくて良いのかヨイ?」

 

「静かに…絶対喋んなよ?」

 

「ん?」

 

「いや、何でもないっす!ところで、カイトさんの初めてのお仕事って何だったか覚えてたりしますか?」

 

「初仕事は確か、コスメの仕事だったかな…」

 

「同じだ…」

 

「えっ?」

 

「いえ、こっちのことです!それで…その仕事は上手く行ったんですか?緊張はされたりとか…」

 

「初めてだったから分からなかったけど、これだけは大事にしたいって思ったことがあるんだ…それは一緒に仕事をする人達に笑顔になってほしいってこと。俺はあの日からそれをいつも心がけて頑張ってきたんだ…」

 

「そうなんですか。俺も同じ気持ちでいましたよ…演技や俳優としてのいろはを教えてくださった師匠からそういう感じで仕事に向き合いなさいって言われました。」

 

「そうなんだ。流石は笑華ちゃんと陽葵さんの弟だね…2人も同じことを俺に言ってたんだ。」

 

「まあ、そうですよね。でも、師匠がいなかったら俺は天狗になって消えてましたよ…(まあ、結局芸能界を辞めちまったけど。)」

 

 俺はカイトさんからの質問の答えを踏まえて自分が芸能人だった時の話をカイトさんにする。不思議だ…本来だったら彼はうたを渡したくない恋敵のはずなのにカイトさんと話していても憎たらしいという感情は生まれない。それだけこの人が良い人だってこともあるし、何よりも彼が兄のように思えてしまうんだ。

 

「そういえば、今日はうたちゃんがいないね…何かあったの?」

 

「いえ、特に何も。ただ、俺はおつかいを家族から頼まれてるんで…今頃うたは飼い犬と散歩に行ってると思いますよ?さっき会ってきましたから。」

 

「飼い犬ね…うたちゃんの飼ってる子がどんなのか会ってみたいな。」

 

 カイトさんはうたが犬…きゅーたろうと散歩していることを知ってきゅーたろうに興味を示して会ってみたいと呟く。その中で俺もカイトさんに聞きたいことがあり、こっちも勇気を振り絞って口を開いた。

 

「あの…カイトさん!最後に1つ質問してもよろしいですか?」

 

「良いよ。」

 

「その…カイトさんはうたのことをどう思っていますか?こんなことを聞くのは野暮なのは分かってます…でも、どうしても気になって。」

 

「俺がうたちゃんを…そうだな、うたちゃんは可愛くて、元気で、ちょっとドジなところもあるかもだけど、歌が上手くて歌声を聞くと癒しや元気を人に与えられそうで心地良いんだ。こんな良い子はきっと蓮くんにはお似合いだと俺は思ってるよ。」

 

「カイトさん…」

 

 カイトさんはうたのあらゆるところを褒めつつも最後に『蓮くんにはお似合い』とまで評してくれた。でも、カイトさん…うたは今、あなたに恋をしてるんですよ。それに気づいてるかどうかは分からないが、俺をフォローしてくれるなんて本当に彼は人が良すぎる…もう超聖人だ。

 

「おっと。ちょっと一言余計だったかも?ごめんね…気を悪くしたかな?」

 

「いえ、全然そんなことないですよ?少しスッキリしました。本当に野暮な質問をして申し訳ありません…」

 

「気にしないで。俺は君と話していると弟ができたように嬉しくて楽しいからね…困った時はいつでも俺に相談してよ。相手になるから!」

 

「ありがとうございます。それじゃあ、俺…行きますね。おつかいの帰りなので。姉達にはよろしく言っときますよ…」

 

「うん、またね。」

 

 そして、俺はカイトさんとお別れして帰り道を歩くのであった。最初はこの人には負けたくないと答え次第では宣戦布告をしようと思ったけど、あまりにも良い人すぎなんだよな…これはもう喧嘩を売りたくても売れはしねえ。

 

「カイト言ってたな…うたはお前にお似合いって。それで、告白はもうするのかヨイ?」

 

「えっ、こ…告白?いや、待てよ!うたと俺はまだ出会って1ヶ月も経ってねえし…ステップ早すぎだろ!?ヨーヨイはもう少し人間の恋を勉強することを勧めるぞ…」

 

「ちぇっ、蓮は意気地なしだヨイ…」

 

「あのな…人間の恋愛ってのは複雑なんだよ。好きになったら告白する前のプロセスが凄く大事なんだ。どんな戦略で相手も自分を好きにさせるか…今の俺にはそれが足りてねえんだよ。」

 

「そうなんだな…で、そのために何をするのか決めてるのかヨイ?」

 

「うーん…でも、俺は恋の経験がねえんだよな…ただ、確かに言えるのはデートが大事ってことだ。うたとデートしてアピールする。そうすれば何とかなるはず!」

 

「まあ、頑張れヨイ。俺も応援してるからな!」

 

「ありがとな、相棒。」

 

 俺達は帰り道でヨーヨイとうた攻略についてを話し合った。まあ、まだまだ出会ったばかりだし先は長い…いつか気持ちを伝える日が来るまで俺はカイトさんに負けないぐらいの男にならないとな。そのために今日から頑張らないといけない…カイトさんも後押ししてくれたけど、今のうたはそんな彼の方を向いている状態だ。ひとまずは明日のCM撮影で良いところを彼女の前で見せれたらなと思うのであった。(まあ、CM撮影の間は女になってるけどな…)




いかがでしたか?カイトと蓮の対決ムードになりつつはありますが、まあ平和な雰囲気ですね…問題はうたちゃんでしょう。最終的にどっちに振り向くかはもう原作の展開次第ですけど、僕としては今年はちょっと失恋していただきたいなと思っています。2年連続でメインキャラ同士の恋が上手く行くのもちょっとなぁ…って感じですね。

それで、田中さん初登場&プリキュア芸能活動開始回となりましたけども…リアルタイムで原作観てて思いましたけど、プリキュアがプリキュアとして芸能活動をするのは過去にない話で衝撃的でしたね。芸能人プリキュアは過去にいましたけど、プリキュアそのものが芸能人になるとは…表の世界に出ないはずのプリキュアがこうなるのは時代の移り目なのでしょう。(まあ、田中さんは芸能活動を反対してたけど…)

あと、カイトが2話連続で出てきてね…また原作ではうたちゃんの心を惑わせてましたな。さっくんのカイトはレギュラーキャラというのがはっきり分かりました。でも、Snow Manのお仕事ってめちゃくちゃ忙しいんですよ?その中でもさっくんは仕事があれば休みなく行けるんでしょうな…頑張ってほしいです。

まあ、まだまだ原作の5話のことについて語りたいことは山ほどありますけど…続きはまた次回語りたいと思います。ちょうどその箇所をやるのでね…

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