「えー!てことは芦田さんと葉隠さんはあの禪院くんと同じ会場だったんだ!」
「すごかったんだよ彼!いきなり飛んだと思ったらロボを上から真っ二つにしちゃったんだから!!」
「わたくしは推薦でいかせてもらいましたので見ておりませんが、相当強い増強型の個性でしょうか?」
そう騒いでいるのは1-Aの女性陣。担任に体操服に着替えてグラウンドに行けと言われて更衣室で一緒に自己紹介をしながら外へ向かって行った。そこにはすでに男子達は来ており、担任と禪院くんは私たちと同時に着いた。
「全員揃ったな。これから個性把握テストを行う」
そう担任の相澤先生は告げて爆発頭にボールを渡した。なんでもこのテストは今までやってきた体力テストを個性の使用可能状態でやるというものである。各々が自由に個性を使えることに興奮したがそれが癪に触ったのか、最下位は除籍処分になるらしい。そして当の禪院甚爾は結局一位を取らないと行けないことは変わらないので、そんな驚いてはいなかった。
「生徒の如何は教師の自由。ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」
そう言って最初の試練が始まった。
1番最初は50メートル走だ。そして甚爾が一番、一位を取れる可能性があるテストでもある。ワープ系の個性でもなければ最速でもニ,三秒はかかるのでそれ以上に早く走ればいい。始まって少し見ていると、飯田というやつが3.04秒であった。おそらく移動系の個性であるのでこいつを越えればいけると思った。そして甚爾の番になった。甚爾は足に全神経を集中させて構える。隣のことを気にせずまっすぐ一位を取りに行く。
「それじゃあ、よーいどん。」
始まった瞬間地面を思いっきり蹴り上げ、まるで飛ぶかのように走って行った。いける。三秒はきれると思った時…
「甚爾やり直し。」
「は?」
突然、ゴール際の時に相澤先生から声がかかった。フライングはしていないはず。そう思って抗議をしようとしたが、先生が何かを指しているのでその先を見てみると、そこには俺の隣で走ろうとしていた瀬呂が地面についていて痛がっていた。
「いくらいいスタートを切れていたとしても、地面がえぐれて隣のレーンに邪魔をしてしまったならそれはアウトだ。ヒーローたるものサイドキックなどと一緒に現場に行く時にその邪魔をしてしまっては行けないからな。わかったら戻れ。」
そしてニ回目隣のレーンの邪魔にならないように、力を調節していた。そしてまた合図があり走る。やはり踏み込めていないこととさっきの失敗が響いてか走りが最初と圧倒的に遅くなってしまい一位を取り逃がしてしまった。
甚爾⒊92秒
それからも甚爾は善戦し続けた。だがボール投げで無限が出たり、握力測定で油圧プレスを使ったりとやはり個性の有無には結構な差が生まれていた。そして時間が過ぎてもう最終種目の持久走であった。これに関しても甚爾はある程度の自信はあった。各々が位置に着き構える。そして、最後のチャンスが始まった。
始まった瞬間甚爾は全速力で走った。そしてどんどん奥へ奥へと走って行く。後ろには誰もいない、このままのペースでいける。そう思っていたが
「先に行かせてもらうぞ。」
「邪魔だゴリラ野郎!」
そう言って紅白色の頭と爆発頭の奴らが後ろから抜かしてきた。そのあとから飯田とバイクに乗ってきた女子が抜けてきた。そしてどんどん抜いて行く。もう半周くらい差が着いてしまった。どうしようか、いっそのこと先生に言いに行くか?いやそれはなしだ。結局、やはり個性にはフィジカルは敵わないのか。そう考えているうちにやはりこれしかないとなった。そして逆走をし始めて一番後ろに行く。他のやつらは何をしているのかと思いながら走っていると、甚爾はまた50メートル走の時と同じように構えて集中する。そしてバイクが通り過ぎようとした瞬間、甚爾は一瞬で爆発頭や紅白色の後ろにいた。そして瞬く間に抜いて行く。
「なんだこのゴリラ!」
「ちっ、抜かせねえ!」
「君はあの時の!」
そしてついにはバイク女子を抜かして一位に躍り出た。そのままペースを落とさずに一位でゴールした。甚爾は最初の試練を乗り越えてほっとした。