Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編   作:GMKゴジラ

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「凛はツッコミを入れる度に進化」し続けます
ツッコミを入れるごとに闘気の量が爆発的に増大し拳も極まっているのです



20話 (帰宅)聖遺物と化した凛

冬木の夜を駆け抜けて──帰宅

冬木教会を出た瞬間、私は大きく息をついた。

 

──肉体的にはピンピンしている。

 

それどころか、今の私はまるで疲れを知らない鋼の肉体を手に入れたかのように元気だった。

 

でも──

 

精神的にはズタボロだった。

 

「……う、嘘でしょ……」(凛)

 

足取りはしっかりしているのに、頭の中はぐちゃぐちゃで、考えがまとまらない。

歩きながら何度も呼吸を整えようとしたけど、心の中の混乱は収まるどころか、ますます酷くなるばかりだった。

 

「私……聖遺物だった……?」(凛)

 

ありえない。そんなはずがない。

でも言峰綺礼ははっきりと言った。

サーヴァントを召喚するための“聖遺物”──それが、

 

『私自身の北斗神拳の素質だった』(凛)

 

「すごいことだろ、遠坂、お前なら正義の味方になるなんて簡単じゃないか」(士郎)

 

「うるさいぃぃぃぃぃぃぃ!!」(凛)

 

「何がそんなにショックなの? 北斗神拳の最強伝承者になるって、いいじゃない」(イリヤ)

 

「よくないわよぉぉぉぉ!!」(凛)

 

「素晴らしいことです!あなたならどのような願いでも成し遂げられるでしょう」(セイバー)

 

「私の願いは魔術師として一人前になることよ!北斗神拳を極めることじゃないのよ!!」(凛)

 

「リンすごーい!バーサーカーより強いなんて誇っていいわよ」(イリヤ)

 

「私は魔術で最強になりたかったの!拳法じゃないの!」(凛)

 

もはや、まともなのは私しかいないようであった。

全員が北斗の拳の世界に侵食されている。

私がツッコむ相手は全員になってしまっている。

 

いや、私も北斗神拳伝承者なのだから、まともとは言えない。

私がこの世界を書き換えた原因なのかもしれない。

 

脳内ケンシロウが解説を始める。

止まらない。終わらない。

やめて、これ以上の情報を脳に入れないで!!

 

「聖遺物とは、英霊に縁のある物品のことを指す。だが、お前の場合、己が才能そのものが聖遺物」(脳内ケンシロウ)

 

「いや、そんなことあるわけないでしょぉぉぉぉ!!」(凛)

 

「事実、お前がサーヴァントを召喚しようとした瞬間、北斗神拳が受け継がれた。これは疑いようのない事実」(脳内ケンシロウ)

 

「だからその理論のどこに説得力があるのよぉぉぉぉ!!」(凛)

 

(こぶし)が全てを決めるのだ」(脳内ケンシロウ)

 

「納得できるわけないでしょぉぉぉぉ!!」(凛)

 

「しかし、凛、あなたはすでに秘孔を見抜く眼を持ち、最強のサーヴァント、バーサーカーを遥かに超える力を持っています。受け入れるべきでしょう」(セイバー)

 

「なんでセイバーまでそんなこと言うのぉぉぉぉ!!」(凛)

 

ダメだ、私はもう限界だった。

叫びながら道端の電柱に頭をぶつけた。

 

ゴンッ!!

 

全く痛くない。

私の鋼の肉体に電柱ごときで傷がつくはずがなかった。

むしろ、電柱がめり込んだ。

 

私が聖遺物?

何を言ってるの?

そんなわけ……そんなわけないじゃない……!!

 

 

──言峰の言葉がフラッシュバックする。

 

『喜べ、遠坂凛、お前は史上初めて無想転生に至り、北斗最強の女と証明されるときは近い』

 

『サーヴァントを召喚する際に必要なのは英霊に縁のある遺物──お前自身の北斗神拳伝承者としての素質自体が聖遺物だったのだ』

 

 

「違う……違う違う違う違う!!」(凛)

 

「違わない」(脳内ケンシロウ)

 

「違えぇぇぇぇぇぇぇ!!」(凛)

 

「お前の血の中に流れるのは、北斗神拳の真理」(脳内ケンシロウ)

 

「魔術刻印なら知ってるけど、北斗刻印なんて聞いたことないわよぉぉぉぉ!!」(凛)

 

「では、なぜお前は戦うごとに進化し続ける?」(脳内ケンシロウ)

 

「成長ってそういうもんでしょおおおおおお!!」(凛)

 

「お前の戦いを思い出せ。すでにお前は無意識に北斗神拳を極めつつある」(脳内ケンシロウ)

 

「そんなのいやぁぁぁぁぁ!!」(凛)

 

「だが事実だ」(脳内ケンシロウ)

 

「凛、素晴らしいことです」(セイバー)

 

「素晴らしくないって。私は嫌なのよ」(凛)

 

「強くなればなるほど、戦いは楽しくなるんじゃない?」(イリヤ)

 

「楽しくないわよぉぉぉぉぉ!!」(凛)

 

「遠坂、落ち着けよ!! 別に悪いことじゃないだろ? 強くなれるんだからさ」(士郎)

 

「リンは最強なのよ、何を悲しむことがあるの」(イリヤ)

 

「いやイリヤ、それは違う、〝極限の怒りと哀しみ〟を背負うことで遠坂は強くなり続けているんだ。〝哀しみ〟は遠坂にとって力なんだ!」(士郎)

 

「ふうん、そうね、〝哀しみ〟もリンには必要なのね」(イリヤ)

 

「お前らもう黙れぇぇぇぇぇ!!」(凛)

 

私は泣きそうになりながら歩く。

いや、すでに半泣きだった。

 

しかし、私の意思とは裏腹に、ツッコむ度に私の闘気が極まってくるのも感じてしまっていた。

 

「こんなの……こんなの絶対おかしいわよぉぉぉぉ!!」(凛)

 

 

そして極めつけにフラッシュバックする言峰の声。

 

『遠坂凛、お前は“北斗史上最強の素質”を秘めた存在なのだ』

 

『お前の拳は、すでに北斗神拳の究極奥義“無想転生”に至る資質を持っている』

 

『お前の拳が、北斗神拳の未来を決めるのだ』(言峰のフラッシュバック&脳内ケンシロウ)

 

 

「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」(凛)

 

言峰のセリフに脳内ケンシロウが重なる。

 

「お前はこの世に生まれたときから北斗神拳継承者になるべき運命だったのだ……」(脳内ケンシロウ)

 

「そんな人生なんていやぁぁぁぁぁ!!」(凛)

 

「だが、それがお前の宿命だ」(脳内ケンシロウ)

 

「やだやだやだやだやだ!!」(凛)

 

 

私は全力で走った。

もう何も考えたくない。

 

──そして、衛宮邸の離れに辿り着いた。

 

 

衛宮邸・離れ──安息を求めて

 

「……ただいま」(凛)

 

無事な離れに到着した。

本館が派手に崩壊した後も、この離れはしっかりと残っており、生活空間には何の支障もない。

むしろ、静かで落ち着いた雰囲気がある。

 

「……ふぅ、やっと落ち着ける」(士郎)

 

「ねえ、落ち着いたところで話し合いをしましょうか?」(イリヤ)

 

「しない!!」(凛)

 

私は即答した。

 

「何もしない!! 何も考えたくない!!」(凛)

 

私は靴を脱ぎ捨て、まるで逃げるように寝室へ走り込む。

いや、実際に逃げている。

精神的に。

 

「リン、これからどうするつもりですか?」(セイバー)

 

「何もしない!! 何も考えたくない!!」(凛)

 

私は布団にダイブした。

 

「いや……はぁぁぁぁ……疲れた……」(凛)

 

だが、肉体的には全く疲れていない。

むしろ、絶好調。

 

……その事実が、一番怖かった。

 

「ねえ……私、本当に……人間……だよね?」(凛)

 

誰に聞くでもなく、私は自分に問いかけた。

 

脳内ケンシロウの沈黙が、逆に怖かった。




次の話では、ついにセイバーに救いが訪れます。
北斗神拳により、セイバーは王の選定のやり直しが間違った願いと原作より早く悟るのです。
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