Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編   作:GMKゴジラ

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今まで散々な目に合ってきた凛ですが、この話を持って救われます。
周囲も凛を気遣い、凛は精神的に大きく成長します。

この先、どのような試練があろうとも凛は強く立ち向かっていけます。

凛に救いが訪れるとはこの作者の目を持ってしても見抜けませんでした。



☆31話 優しい夜・幸せな夜 (救われる凛)☆

最強のサーヴァント、ゲートキーパー

ラオウとの戦いはここに幕を閉じたのであった。

 

しかし、その直後──

 

「イリヤ!!?」(士郎)

 

パタリと倒れたイリヤ。

バーサーカーが消滅したときと同じように、彼女の調子はおかしい。

荒い呼吸、青ざめた顔。意識はあるのかないのかも分からない。

 

「この遠坂凛にドーンと任せなさいよ!

私が秘孔を突いたら速攻回復なんだから!」(凛)

 

様子がおかしい。

何故かいつもより強がっている。

傷だらけなのに無理して気を張っている。

 

「遠坂、お前……!」(士郎)

 

「何よ、士郎……私のこと心配してるの? ま、まあ……あんたの心配なんて、別に嬉しくないんだからね!!」(凛)

 

士郎もセイバーも凛の様子が明らかにおかしいと直感していた。

彼女自身、ラオウとの戦いで大きなダメージを負い、あちこちから血がにじんでいる。

 

イリヤを助けるために無理をしているのは明らかだった。

 

凛は揺らぐ視界を無視して、イリヤの胸に手を当てた。

慎重に秘孔を探り──

 

──ズブッ!!(秘孔音)

 

指先に力を込めると、イリヤの体がピクリと動いた。

 

指先から闘気を流し込み、イリヤの体内の魔力を調整する。すると、苦しそうだったイリヤの表情がわずかに和らいだ。

 

しかし──

 

秘孔を突いた瞬間、凛の体がぐらりと揺れる。

全身の力が抜け、そのままバランスを崩し

 

──倒れる。

 

「遠坂、しっかりしろ!! 遠坂!!!」(士郎)

 

「……ふ、ふふ……ちょっと、疲れちゃった……」(凛)

 

「全然"ちょっと"じゃねぇだろ!!お前、全身血だらけだぞ!!」(士郎)

 

「それでも、イリヤは助かったでしょ……だから……よかった、わ……」(凛)

 

目を閉じる凛。出血は止まっているものの、意識はもう、ない。

 

「遠坂!!」(士郎)

 

士郎は急いで凛の体を抱き上げ背負う。

 

「シロウ、急ぎましょう。このままでは二人とも危険です」(セイバー)

 

セイバーも、意識のないイリヤを抱え上げる。

 

「衛宮士郎!迷うな、すぐに衛宮邸に帰るのだ!!」(脳内ケンシロウ)

 

その声は、いつものような冗談めいたものではなく、真剣な響きを帯びていた。

 

士郎はその言葉にハッとし、凛を背負う腕により力を込める。

 

セイバーもまた、イリヤの小さな体をしっかりと抱え、駆け足で衛宮邸へ向かう。

 

士郎の心臓が、焦りと共に激しく鼓動していた。

 

──凛を……助けなきゃいけない!!

 

暗闇の中を、二人の足音が響き渡る。

冬の冷たい風が、背後から彼らを押し、急げと促すかのようだった。

 

 

─── 衛宮邸・離れ───

──優しい夜─────────

 

衛宮邸の離れにたどり着いた時、士郎とセイバーはすぐに行動を開始した。

 

セイバーは慎重にイリヤを寝かせ、その小さな体を毛布で包む。

 

一方、士郎は凛の傷の手当を始めた。彼女の服には血がにじみ、戦いでついた傷が痛々しい。士郎は慎重に消毒し、包帯を巻いて寝かせる。

 

「……遠坂、お前、本当に無茶しすぎだろ」(士郎)

 

言葉に出しても、返事はない。

 

 

***

 

 

時間が過ぎていく。

 

イリヤは静かに眠り続けていたが、凛は未だ目を覚ます気配がなかった。

 

士郎は彼女の傍に座り続けた。

 

「……遠坂」(士郎)

 

呼びかけても、返事はない。

時間だけが、静かに流れていく。

 

 

***

 

 

──それから約一時間後。

 

「……ん、」(凛)

 

その小さな声に、士郎はすぐに反応する。

 

「遠坂!? 目が覚めたのか!」(士郎)

 

凛は、ゆっくりと目を開いた。

 

「……ん、ここ……」(凛)

 

その声は、まだはっきりとしない。

 

「衛宮邸だ。戦いの後、倒れたんだよ」(士郎)

 

「……そっか……」(凛)

 

彼女は少し体を起こそうとするが、すぐに力なくベッドに沈む。

 

「おい、無理するな!」(士郎)

 

「大丈夫よ……」(凛)

 

そう言いながら、凛はゆっくりと天井を見上げる。

 

「フフッ……もう、本当に色々ありすぎて……正直、頭が追いつかないわ………」(凛)

 

「ははは……笑っちゃうでしょ……」(凛)

 

凛は明らかに強がった様子で笑いながら、天井を見続ける。

 

「私さ、普通に魔術師として戦うはずだったのよ? それが気づいたら拳で戦ってて、秘孔突いて、人が爆発して……どこで道を間違えたのかしら……」(凛)

 

「フフフフ……アハハハ……ハァ…………」(凛)

 

笑っているはずなのに、どこか寂しげで、どこか虚しい。

その姿は、普段の遠坂凛とはまるで違っていた。

わざと強がったような笑いはどこか空虚で、無理に作ったものだった。

 

「……遠坂!」(士郎)

 

士郎はそっと凛の隣に座り、彼女の手を優しく握った。

 

「……っ!?」(凛)

 

驚いたように凛が士郎を見つめる。つい顔を赤くして視線をそらしてしまう。

しかし、士郎は真剣な目で凛を見つめ続ける。

 

「遠坂、お前……ずっと強がりすぎだ、張り詰め過ぎだよ。どんなに頑張っても、全てを一人で背負えるもんじゃないんだ」(士郎)

 

「大丈夫よ、この優秀な名門魔術師、遠坂凛が張り詰めるわけ無いじゃない!」

 

凛はそう言って笑ってみせるが、その声は微かに震えていた。

 

士郎は凛の手をより強く握る。

凛の目をしっかり見つめながらつぶやく。

 

「……遠坂、お前がどれだけ強がってても、俺には分かるんだよ」(士郎)

 

凛の目がかすかに揺れる。

 

──この時、初めて凛は、自分がどれほど無理していたのかを自覚した。

士郎の手の温もりが、張り詰めた心の糸を少しずつ解きほぐしていく。

 

「……っ」(凛)

 

凛はそっと目を閉じ、長く息を吐いた。

 

今だけは、この温もりに甘えてもいいかもしれない……。

 

そんな思いが、ふと彼女の心をよぎった。

 

「はは……別に私は……」(凛)

 

セイバーも凛に対して優しい言葉を投げかける。

 

「あなたはずっと戦い続けてきました。でも誰よりも弱音を吐きませんでした。それを私達は分かっています」(セイバー)

 

ケンシロウは愛を背負う最強伝承者の風格を感じさせる声で凛に語りかける。

 

「お前は誰よりも強く、誰よりも優しい。だが、人に頼ることも、弱音を吐くことも、お前には許されてるのだ」(脳内ケンシロウ)

 

「えっ……弱音……?」

 

「そうだ、遠坂……。俺達は遠坂がどれだけ無理してるのか分かってる」(士郎)

 

「……士郎……」(凛)

 

「そうです。あなたがどんなに強くても、どんなに気丈に振る舞っても……私達はあなたのことを支えたい。あなたが倒れる前に、私たちを頼ってください」(セイバー)

 

「……セイバー……」(凛)

 

「お前はずっと、己の力だけで戦い抜いてきた。しかし、人は支え合うものだ。誰かを守る者もまた、誰かに守られるべきなのだ」(脳内ケンシロウ)

 

「…ケンシロウ……」(凛)

 

「弱さを見せることは、決して恥ではないのだ」(脳内ケンシロウ)

 

「弱さって……私は弱くなんて無いわよ……」(凛)

 

「凛は……いつもみんなのために無理しています……ずっと無理してる……でも、そんなの、ダメです……!」(セイバー)

 

「そう、そんなのはダメだ!だって遠坂が壊れたら……どうするんだ……!!」(士郎)

 

凛の顔が崩れ始める。

先程の空威張りは、士郎、セイバーの見抜いた通り凛の限界であった。

無理をやめた凛の表情が涙に濡れ始める。

 

「……っ」(凛)

 

「遠坂。強くあることも大事だけど、それは一人でやるものじゃないんだ」(士郎)

 

「どうか……少しだけでも、自分を大切にしてください」(セイバー)

 

「強さとは一人で背負うものではない。仲間を頼れるのが真の強さだ。お前は仲間を頼れ」(脳内ケンシロウ)

 

「……」(凛)

 

「そうだよ、頼れよ……たまにはさ……俺たちにも」(士郎)

 

「今度は、私たちに支えさせてください。私はあなたの剣にでも拳にでもなると誓います」(セイバー)

 

「お前は強い……だが、誰かのために涙を流せる者こそ、本当に強いのだ」(脳内ケンシロウ)

 

「……っ」(凛)

 

言葉が詰まる。

何かを言おうとするたびに、喉が詰まってしまう。

凛はこぼれそうになる涙を必死にこらえていた。

 

「……ありがとう……みんな……」(凛)

 

それでも耐えきれず、ポロポロと涙がこぼれた。

 

「ほんとに……ありがとう……っ」(凛)

 

セイバーはは静かに微笑んだ。

 

「あなたは、もう少しだけ、自分を労わってください」(セイバー)

 

士郎も微笑みながら、そっと凛の肩に手を置いた。

 

「たまには休め、凛」(士郎)

 

「凛、あなたは一人ではないのです」(セイバー)

 

「仲間に頼るのは恥ずかしいことではない。誰かに支えてもらうのは、おまえが生きている証なのだ」(脳内ケンシロウ)

 

「だから、少し休んでください。私たちがいます」(セイバー)

 

「遠坂、お前がいてくれることが、俺達にとって何よりも大事なんだ」(士郎)

 

「……っ」(凛)

 

凛はギュッと拳を握りしめたまま、ポロポロと涙をこぼした。

 

「……ありがとう……みんな……」(凛)

 

耐えきれず、凛は涙を流しながら、顔を覆った。

 

「私……本当に疲れてたのかな……」(凛)

 

士郎が優しく微笑んだ。

 

「……当たり前だろ」(士郎)

 

セイバーも微かに笑みを浮かべる。

 

「……私達はあなたの仲間です」(凛)

 

「……みんな……」(凛)

 

「ほんとに……ありがとう……っ」(凛)

 

士郎は静かに微笑みながら、彼女の手をより強く握りしめる。

 

「……たまには、頼れよ、遠坂」(士郎)

 

「お前は強い、だがどんなに強くても仲間を頼るのだ」(脳内ケンシロウ)

 

「……うん……」

 

「……ううう…ううう…グスッ…グスッ…」

 

自然と涙が溢れてしまう。

震えながら小さく泣く凛を3人は励まし続ける。

 

 

しばらく泣いた後、凛は涙を拭い、深く息を吐いた。

立ち上がってパンパンと頬を叩く。

 

「ふふーん、私は最強なんだからね!グスッ…グスッ」

 

先程の涙を照れくさそうに隠すような仕草でどんと胸を叩いた。

 

「どんな事があっても余裕を持って優雅たれが遠坂家の家訓なのよ…グスッ…」

 

「うう……うわーん……優雅さが台無しよ………うわーん」

 

「ううう…ううう…わぁぁぁぁぁん」

 

凛は笑いながらわぁわぁと泣き続ける。

しかし、泣きながらも少しずつ元気が戻って来る。

 

凛が泣き止んだ時、泣きそうな顔はいつもの優しい顔に戻っていた。

 

「元気出たわ!ありがとうみんな!グスッ」(凛)

 

その言葉は柳洞寺で見せた空元気ではなかった。

士郎やセイバー、ケンシロウの励ましでいつもの暖かさと自身を取り戻した言葉だった。

 

 

─── 衛宮邸・離れ───

──優しい時間─────────

 

凛が元気を取り戻してから、

凛は士郎、セイバー、脳内ケンシロウを交えた4人でとりとめも無い冗談を話していた。

 

「私が泣いたことは絶対秘密だからね」(凛)

 

「言わねぇから安心しろよ」(士郎)

 

「ふふーん。士郎は既に秘孔を突いてあるから喋ったら爆裂するからそのつもりでいてね」(凛)

 

「いやいや、そんな物騒なことしなくても言わないから心配するなって」(士郎)

 

「フフ…凛が元気になって何よりです」(セイバー)

 

「衛宮士郎、一言でも喋ったらボンッ!!だ!」(脳内ケンシロウ)

 

「ハハハ…ケンシロウらしいな」(士郎)

 

「凛、お前は既に元気である」(脳内ケンシロウ)

 

「元気も元気!私は最強伝承者なんだから泣くなんてことないのよ!」(凛)

 

「安心したよ。さっきまで…(泣いてた)…てたから安心した……安心したわばっ!!」(士郎)

 

──ピキーン──

 

「って遠坂!いつの間に秘孔を突いたんだ!」(士郎)

 

「北斗神拳奥義!天破活殺よ!」(凛)

 

「ホントに突くなよ!遠坂!」(士郎)

 

「フフフ…シロウが悪いのです」(セイバー)

 

「北斗神拳に不可能は無いのよ!」(凛)

 

「私も凛が…(泣いてた)…ことは絶対に……言ってれぼ!!」(セイバー)

 

──ピキーン──

 

「私にすら気づかれず秘孔を突くとは…凛…あなたは凄いです」(セイバー)

 

「ふふふ…最強伝承者に不可能は無いのよ」(凛)

 

「皆、既に幸せである!」(脳内ケンシロウ)

 

「俺も幸せだぞ、遠坂!」(士郎)

「私もですよ凛」(セイバー)

 

「2人ともありがとう。ケンシロウもね…」(凛)

 

「凛、おまえは既に仲間を信頼している!」(脳内ケンシロウ)

 

「フフフ…あっははははっはは…」(凛、士郎、セイバー)

 

優しく温かな夜…温かな時間が続く。

士郎もセイバーも凛が心から笑っていることに嬉しさを覚える。

聖杯戦争が始まってから、凛が初めて心から笑えた日であった。

 

 

凛達が笑いながら話している時、

ベッドで眠っていたイリヤが、ゆっくりと目を開けた。

 

「……ん…私……」(イリヤ)

 

「イリヤ!! 目が覚めたのか!?」(士郎)

 

「凛……また命を助けられちゃった……」(イリヤ)

 

「北斗最強伝承者をなめるんじゃないわ!」(凛)

「この遠坂凛にとって治療くらいお茶の子さいさいよ!」(凛)

 

凛は照れくささに強がってしまう。

 

イリヤは凛の涙の跡を見てしまう。

事の顛末を悟って呟いた。

 

「リン、あなたは私にとって大切な仲間よ。壊れたら許さないんだから」(イリヤ)

 

感謝と安堵、心からの信頼を込めて凛に伝える。

 

「フフフ~!イリヤも私が泣いてるの気づいたのね!どうしてくれようか!」(凛)

 

「リン、女は(泣いて)男を落とすものな…なろぉのぉ…ばわっ!!!!!!」(イリヤ)

 

──ピキーン──

 

「今のはイリヤが悪いぞ」(士郎)

 

「イリヤにはまだ言ってなかったわね。私が泣い…泣いてないことを言ったら爆裂するわよ」(凛)

 

「ちょっと~!仲間になにするのよ!」(イリヤ)

 

「イリヤも一言でも喋ったら…ボンッ!!だからね」(凛)

 

凛は心から元気な言葉でイリヤに冗談を言う。

イリヤも凛の態度に嬉しさを覚えるのであった。

 

「あっははははっ…ははは…はははは……」(凛、士郎、セイバー、イリヤ)

 

「北斗神拳の極意は"愛"、お前たちは、既に愛に満ちている」(脳内ケンシロウ)

 

全員で心から笑い合う。

イリヤも交えて、暖かな時間がより幸せを増していく。

 

凛、士郎、セイバー、イリヤ、ケンシロウ

全員は心から幸せに夜通し語り続けるのだった。




遠坂凛(最終)
筋力:EX
耐久:EX
敏捷:EX
魔力:-
幸運:A+

固有スキル
北斗神拳 EX
人体を内部から破壊する無敵の暗殺拳である
無想転生 EX
無より転じて生を拾う北斗神拳究極の秘奥義
凛は「ツッコミ無理想転生」と名付けた
進化 EX
成長限界は無限である
ツッコミ EX
暖かな時間を過ごし、幸せなツッコミをも体得した凛であった
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