Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編   作:GMKゴジラ

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33話 朝の異変 -(冬木教会)- イリヤと"経絡"?

柔らかな朝日が差し込み、部屋全体を穏やかな光が包んでいた。

 

「ふぁぁ……」(士郎)

 

士郎が大きく伸びをしながら目を覚ますと、隣でセイバーが既に目を覚まし、静かに座っていた。

 

「おはようございます、シロウ」(セイバー)

 

「おはよう、セイバー。なんか、すごくよく寝た気がするな」(士郎)

 

「ええ、私もすっきりと目覚めました」(セイバー)

 

「おはよう、昨日はラブラブだった2人!」(凛)

 

凛が元気よく現れ、俺たちを茶化してくる。

 

「やめろー!遠坂!」(士郎)

 

「フフフ…シロウったらかわいいですね」(セイバー)

 

「昨夜は色々とあったけど、ゆっくり出来たわね」(凛)

 

「ふふ、確かに。久しぶりにゆっくりできたのでは?」(セイバー)

 

「俺は恥ずかしくて死にそうなんだよ」(士郎)

 

「お二人さんのおかげで、気持ちよく朝を迎えられるわ」(凛)

 

その時、布団の中から小さな声が聞こえた。

 

「ん~……」(イリヤ)

 

イリヤはゆっくりと目を開け、欠伸をしながら身体を動かす。

 

「おはよう、イリヤ」(士郎)

 

「おはよう、リン、シロウ、セイバー」(イリヤ)

 

「よく眠れた?」(凛)

 

「うん、すっごく気持ちよかった!」(イリヤ)

 

「ふふ、それは良かったです」(セイバー)

 

「……いや、なんかこうやってみんなで朝を迎えるのって、ちょっと不思議な感じね」(凛)

 

「言われてみれば、確かにそうだな」(士郎)

 

「今まで色々あったけど、こうしてみんなで朝を迎えられるのは……悪くないわね」(凛)

 

「ええ、素晴らしいことです」(セイバー)

 

 

そんな穏やかな空気の中、イリヤが布団から出ようとした。

 

──しかし。

 

「……あれ?」(イリヤ)

 

イリヤの表情が曇る。

 

「イリヤ?」(凛)

 

「どうした?」(士郎)

 

「……なんか、立てない」(イリヤ)

 

「……え?」(凛)

 

突如として漂う不穏な空気。

 

「足に力が……入らないの」(イリヤ)

 

一気に場の空気が凍りついた。

 

士郎がすぐにイリヤに手を伸ばそうとする。

 

「待って! 私に任せて!」(凛)

 

凛は真剣な表情で拳を握る。

 

「私なら秘孔で治療できるわ!」(凛)

 

凛の拳が鋭く光る。

 

──ツボッ!!(秘孔音)

 

「……?」(イリヤ)

 

「……効かない?」(凛)

 

凛の表情に焦りが滲む。もう一度、違う秘孔を突く。

 

──ツボッ!!(秘孔音)

 

しかし、イリヤの状態は変わらない。

 

「嘘……なんで!?」(凛)

 

「遠坂……?」(士郎)

 

「……なんで!? こんなはずない……!」(凛)

 

今まで秘孔で治せなかったことなどなかった。

 

「私……大丈夫なの?」(イリヤ)

 

イリヤが不安そうに呟く。

 

「……大丈夫よ、絶対に治る! だから安心して!」(凛)

 

「じゃあ……どうするの?」(イリヤ)

 

凛は一瞬考え、強く決意を固める。

 

「……こうなったら、言峰のところに行くしかないわね」(凛)

 

「言峰……!」(士郎)

 

「ええ、イリヤの状態を放ってはおけません」(セイバー)

 

「今すぐ向かうわよ!」(凛)

 

士郎は自然とイリヤを背負い、彼女は軽く目を閉じて小さく微笑んだ。

 

「ありがとう、リン、シロウ」(イリヤ)

 

「すぐに治るさ。言峰に診てもらえば、何かわかるだろう」(士郎)

 

「……うん」(イリヤ)

 

「行くわよ!」(凛)

 

こうして、彼らは急ぎ冬木教会へと向かった。

 

 

冬木の朝、冷たい風が吹く中、私たちは急ぎ足で冬木教会へと向かった。

 

士郎に背負われたイリヤを中心に、凛とセイバーが並び、冬木教会へと足を進める。まだ朝の冷たい空気が漂う中、空は澄み渡り、静寂が広がっていた。

 

「……大丈夫か? イリヤ」(凛)

 

「うん、大丈夫。シロウの背中、温かいから」(イリヤ)

 

「そりゃどうも」(士郎)

 

イリヤは士郎の背に顔を埋めるようにしながら、小さく笑った。とはいえ、どこか不安げな表情を隠せてはいなかった。

 

少しでも安心させようと軽く笑う士郎だったが、誰の顔にも緊張が浮かんでいる。

 

「必ず原因を突き止めて治すわ。言峰のところに行けば、何かわかるはずよ」(凛)

 

こうして四人は歩き続け、冬木教会を目指した。

 

そして、冬木教会に到着するやいなや、私たちはそのまま中へと足を踏み入れた。

 

 

 

**冬木教会・言峰綺礼との対面**

ー深刻なイリヤの治療ー

 

扉が開かれると、そこには神父服を纏った言峰綺礼の姿があった。

言峰綺礼は静かに呟いた。

 

「……北斗最強伝承者達よ。何の用だ?」(言峰)

 

「……あんたに頼みがあるのよ」(凛)

 

「イリヤを診てほしいの!秘孔を突いても、全く効かなかったのよ」(凛)

 

「ほう?」(言峰)

 

イリヤを背負ったまま、士郎が前へ進み出る。

 

「言峰、イリヤを頼む。お前しか頼れないんだ」(士郎)

 

言峰の表情が一瞬だけ変わる。だが、すぐにいつもの愉悦を含んだ笑みに戻った。

 

「なるほど……お前たちがここへ来た理由はそれか」(言峰)

 

「悪いけど、助けてくれるわよね?」(凛)

 

私の問いに、言峰は一瞬だけ目を細める。

そして、淡々とした口調で答えた。

 

「当然だ。負傷者の治療を拒む理由はない」(言峰)

 

「なら話は早いわ」(凛)

 

言峰はゆっくりと祭壇の前へと歩み寄ると、静かに手を掲げた。

 

「そこに寝かせろ」(言峰)

 

士郎が慎重にイリヤを降ろし、彼女をそっと横たえる。

 

「……ありがとう、シロウ」(イリヤ)

 

「すぐに治るからな」(士郎)

 

言峰は僅かに頷くと、ゆっくりとイリヤの体へと手をかざした。

 

イリヤは小さく息を漏らし、まぶたを僅かに震わせた。言峰は冷静に魔力を巡らせ、イリヤの全身をくまなく診察しているようだった。

 

「イリヤスフィールの体内に、通常では考えられないほどの魂が蓄積している」(言峰)

 

「イリヤスフィールは本来、小聖杯として機能する存在。だが、その中に流れ込んだ魂の総量が限界を超えつつある」(言峰)

 

言峰は静かに言葉を続ける。

 

「お前たちが戦い、倒したサーヴァントはいるか?」(言峰)

 

「凛が北斗神拳の関係者、ゲートキーパー、ラオウと戦い倒しました。あのサーヴァントは尋常ではない闘気と力を持っていました。」(セイバー)

 

言峰は確信を持って答える。

 

「ラオウの魂は、通常の数倍の重量を持っていたのだろう。イリヤスフィールの器にそれだけの魂が蓄積されれば……当然、負荷は計り知れない」(言峰)

 

「……つまり、それが原因でイリヤが動けなくなったってこと?」(凛)

 

「単なる動けないという次元ではない。これは既に限界を超え、肉体が崩壊寸前の状態だ」(言峰)

 

「崩壊寸前って……!」(凛)。

 

「『おげげ~あべしっ!!』と叫びながらイリヤスフィールは爆裂する」(言峰)

 

私は思わず叫んだ。

 

「なんで聖杯になる前にイリヤに爆裂の危機が何度も訪れるのよ!?アインツベルンは何を考えてイリヤを作ったの!?」(凛)

 

「こんなギリギリの仕様でどうやって完成したのよ!?もっと安全性を考えなさいよ!! これじゃあ『とりあえず作りました』って感じじゃない!!」(凛)

 

「ちょっ、遠坂! そんな言い方……!」(士郎)

 

言峰はそんな私たちのやり取りを一瞥し、静かに続ける。

 

「『おげげ~あべしっ!!』となるのはあと数時間だ、しかし、今すぐ処置をすれば、間に合う」(言峰)

 

「つまり、どうするの?」(凛)

 

言峰は静かに告げた。

 

「魔術と"経絡"を併用し、溜まりすぎた魂を外部へ解放すれば、イリヤスフィールの体は元に戻る」(言峰)

 

「私が秘孔を突いても駄目だったのは……魔術も必要だったからなのね」(凛)

 

「その通りだ」(言峰)

 

「もし、魔術なしで秘孔で治療を続けた場合どうなってたのよ?」(凛)

 

「明日にでも『ばっぴっぷっぺ〜ぼぉ!!』と叫びながら爆裂していた。治療効果は延命に過ぎない」(言峰)

 

「じゃあ私が秘孔を突かなかったら」(凛)

 

「教会に辿り着く前に『ないあるないあるないあるない~!!ひょんげ~!!ぶっ!!』と叫びながら爆裂していたであろう」(言峰)

 

「じゃあ私の治療は無駄ではなかったのね」(凛)

 

「そうだ、今から私が魔術と"経絡"で治療を行う。黙って見ていろ」(言峰)

 

「なんで断末魔まで分かるのかはどうでもいいとして、"経絡"?経絡秘孔よね?」(凛)

 

「…………今は治療に集中させろ」(言峰)

 

「分かったわ。頼んだわよ」(凛)

 

「…………」(凛)

 

(なんで前は秘孔って言ってたのに、今回は"経絡"って言うのよ?)

 

私は言峰に少し疑問を感じたが、今はイリヤの治療が最優先だと頭を切り替えた。

 

言峰の指先が淡い光を帯び、静かに術式を展開する。

術式が発動し、柔らかな魔力の波動がイリヤの体に流れ込む。

 

言峰はイリヤの肩に手を当て、ゆっくりと魔術の光を当てる。彼の手のひらから微細な魔力が流れ込み、イリヤの体の中に滞留していた魂のエネルギーを少しずつ調整していく。

 

「今、イリヤスフィールの魔力の流れが淀んでいる、"経絡"を突く前に魔術をかけて安定させる必要がある」(言峰)

 

「治療魔術を施すことで、流れを正常に戻す。これで体にかかる負担は軽減され、"経絡"を突く準備が整うはずだ」(言峰)

 

言峰の手のひらから流れ出る魔力は、まるで繊細な糸のようにイリヤの体内を巡り、滞留していた魂の圧力をゆっくりとほぐしていく。次第に、イリヤの体が柔らかな光を放ち始める。

 

魔術の光はやがて、イリヤの全身を包み込むように広がる。その過程は静かでありながら、確実に体を癒していることがわかるほどの安定した魔力の流れだった。

 

言峰は慎重に魔力の制御を続け、まるで水路を整えるように、魔力を流し続ける。

 

やがて、イリヤの体がわずかに光を放ち、彼女は小さく息をついた。

 

「……なんだか、少し楽になった気がする」(イリヤ)

 

しかし、イリヤの身体は淡い光を放ち続けており、光が消えることはない。

光はゆっくりと点滅を繰り返し続けていた。

 

「魔術の治療効果が出るまでに時間が必要だ」(言峰)

 

「時間がかかるって……どのくらい?」(士郎)

 

「長くて数時間……短くても、しばらく様子を見る必要がある」(言峰)

 

私たちはイリヤの顔を見つめる。彼女は不安そうにしていたが、それでも頷いた。

 

「……じゃあ、待つしかないのね」(凛)

 

言峰は愉悦に満ちた表情で口元を歪めながら呟いた。

 

「いや……ちょうど良い機会だ。待つ間、拳の道を歩んでいるお前たちに教えておくべきことがある」(言峰)

 

「……?」(凛)

 

言峰は静かに微笑む。

 

「──北斗宗家(ほくとそうけ)の歴史を知れ」(言峰)




次回!北斗宗家の地獄の講義!

今回の講義はシリアスを入れつつもカオスになる予定です。
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