Fate/北斗の拳 世紀末聖杯戦争―私は北斗神拳伝承者? 桜救出編 作:GMKゴジラ
──衛宮邸離れ・昼
冬木教会から帰宅した一行は、イリヤを寝かせるために離れに集合していた。
士郎がおぶって帰ってきたイリヤは、布団の上でゆったりと横になる。
「ふぅ……やっと帰ってこれたね」(イリヤ)
「大丈夫? まだ無理は禁物よ」(凛)
「大丈夫大丈夫!リンがいるんだもん!秘孔でズバッと突いて、ドカーンって治して、バチコーンで完全回復でしょ?」(イリヤ)
「今ので治る要素ゼロよ!音だけ派手じゃない!」(凛)
イリヤを布団におろした士郎が優しく微笑む。
「イリヤ、少しでも疲れたらすぐに言うんだぞ。遠坂が秘孔で疲労粉砕するからな」(士郎)
「何で治療で破壊が始まってるのよ!」(凛)
イリヤがニコニコ笑ってうなずく。
「リンの秘孔があれば最強ね!」(イリヤ)
「イリヤはだまって秘孔の調整を受けなさい」(凛)
──ピキーン!!──
「大丈夫よ……だいじょう……ぶ……ぶえげ!うご~!!」(イリヤ)
「黙ってなさい」(凛)
私はツッコみつつもイリヤの体調を確認する。
「イリヤ、体調はどう?」(凛)
「最高! リンの秘孔で安定度が跳ね上がってる!」(イリヤ)
「それはよかったわ。最強伝承者を舐めるんじゃないわよ」(凛)
順調に回復しているイリヤ、凛は安心する。
しかし、さらなるツッコミ地獄が幕を開けようとしてた。
「今朝の言峰の講義、何度思い返しても最高だったな!」(士郎)
「はい。"根源とは矛盾"、すなわち"根源とはツッコミ"、だから拳で突っ込めば根源"、あの理論展開は芸術でした」(セイバー)
「そのセリフ、どうしてそんな真顔で言えるのよ!」(凛)
「"無想転生で速度を極限まで上げ、北斗百裂拳の後方撃ちで加速"、これは北斗神拳の進化にふさわしい完璧な奥義である」(脳内ケンシロウ)
「完璧じゃないわよ!!どこが完璧なのよ!!」(凛)
「リン、素直になろうよ。『お前はもう死んでいる』とは、世界の矛盾に突っ込み続けた結果、相手が矛盾に耐えきれなくなって崩壊する理論でしょ?」(イリヤ)
「どんな理論よ!!」(凛)
「考えろ、凛。"根源とはツッコミ"なのだ。矛盾にツッコミ続ければ拳が進化し、拳が進化すれば根源に至る……。『お前はもう死んでいる』とは、究極の進化なのだ」(脳内ケンシロウ)
「違う!!『お前はもう死んでいる』はそんな高度な哲学じゃないわよ!」(凛)
「いや、遠坂、俺も少し分かる気がする。"ツッコミで矛盾を潰して拳を進化"ってのは、結局『お前はもう死んでいる』の理論に収束するんじゃないか?」(士郎)
「なんで収束するのよ!!」(凛)
「リン、看病ありがとう! リンが秘孔で治療してくれるなら安心だよ!」(イリヤ)
「そう言ってもらえると私も嬉しいわ!」(凛)
「凛。看病とは矛盾へのツッコミであるならば、『お前はもう死んでいる』の理論に基づき、看病する者の拳は進化するのだ」(脳内ケンシロウ)
「どうして看病で拳が進化するのよ!!」(凛)
「看病もまた、ツッコミを重ねる行為なら、矛盾を突き続け、究極の拳に至る道……。それが『お前はもう死んでいる』の看病理論なのだ」(脳内ケンシロウ)
「ないわよそんな理論!!」(凛)
イリヤが私をからかう。
「でも、リンがいれば基本的に何とかなるわよね」(イリヤ)
「何その全責任ツッコミ丸投げ宣言!」(凛)
士郎がケンシロウの理論を聞いて自信を深めたドヤ顔で続ける。
「遠坂がツッコめば世界が救えるっていうことだよ!」(士郎)
「誰から聞いたのよその噂!」(凛)
セイバーが静かに微笑む。
「凛のツッコミがあれば、平和は守られます」(セイバー)
「だから何その抑止力扱い!」(凛)
場が完全にいつものツッコミ地帯になってきた中、凛が深く息を吐く中で急にシリアスが始まる。
「……ケンシロウ、聞きたい事があるんだけど。言峰が言ってた、あの拳法……結局何なのよ」(凛)
その時だった。脳内に重々しい声が響く。
「聞くがいい、凛」(脳内ケンシロウ)
「どうせまた無茶苦茶な話が始まるんでしょ。さあ来なさいよ」(凛)
「
「
「そして、その真髄は“
「だが、
「闇とは悪の拳法ですか?」(セイバー)
「
「魔界に堕ちし者は愛も情も持たぬ魔神と化し、幻魔影霊を纏うのだ」(脳内ケンシロウ)
「……いや、ちょっと待って。闘気で魔界入りって何よ?」(凛)
「それは、魂を闇に染めるほどの怒りや憎しみが引き金となる」(脳内ケンシロウ)
「ひぇぇ……こわ……」(イリヤ)
「魔界……まさに悪しき力ですね」(セイバー)
「まったく……またとんでもない拳が出てきたわね」(凛)
「リンは大丈夫だよ!すごいツッコミ力あるし!」(イリヤ)
「どんな基準よ!」(凛)
「聞いてるだけで厄介そうですね」(セイバー)
士郎は苦笑しながら呟く。
「それにしても……言峰はなぜあれを知ってたんだ?」(士郎)
「俺も気になっている。奴は
「拳法が増えるたびに私の負担も増えてる気がするのは何で!」(凛)
「それが北斗の宿命だ」(脳内ケンシロウ)
「宿命って何よ、あと無重力って何よ!?それ拳法の範疇なの!?」(凛)
「でもリンがいれば大丈夫!ツッコミで『上はこっち!』って教えてあげればいいんだから!」(イリヤ)
「何で私が戦場のナビゲーターなのよ!」(凛)
「無重力で敵が迷ってる間に、凛がツッコミで重力を戻す作戦だな」(士郎)
「ちょっと待って、どうして私が重力操作まで担当なのよ!」(凛)
セイバーがしれっと頷く。
「凛がいれば、重力の心配はいりません」(セイバー)
「どんどん肩書きが増えていくんだけど!」(凛)
「リンは重力界の救世主だもん!」(イリヤ)
「だから何その新ジャンル!」(凛)
「恐れるな、凛。無重力が広がろうと、
「やめて!全方向担当にしないで!」(凛)
士郎が真剣な顔で言う。
「……遠坂の闘気があれば、大気圏突入しても安心だな」(士郎)
「何で最終的に宇宙まで考慮されてるのよ!」(凛)
イリヤがくすくす笑いながら言う。
「リンがいるから、私は安心して寝られるんだ〜」(イリヤ)
「それだけは素直でいいわよ……!秘孔を突くわよ」(凛)
──ピキーン!!──
「ありがとね。あなたは……あ……あ~っ!あごがごが!」(イリヤ)
「安心して寝られるんじゃなかったの?」(凛)
爆笑とツッコミが止まらない、
いつも通りのツッコミ日常が今日も静かに続いていくのだった。
夕食を終え、離れの座敷でまったりと過ごしていた一同。
湯呑みから立ち上る湯気が静かに揺れ、部屋には穏やかな時間が流れていた。
「なんか……落ち着くわね」(イリヤ)
「そりゃ、昼間の話が濃すぎたからな」(士郎)
「ほんとよ。無重力だの
「でもリンがいれば安心ね!」(イリヤ)
「もうその前提どうにかならないの!?」(凛)
士郎が頷きながら、お茶をすすった。
「でも確かに、遠坂がいると妙に安心感あるよな」(士郎)
「そうですね。凛がいれば、無重力空間すら地に足がつきます」(セイバー)
「いや、そんな比喩いらないから!」(凛)
「リンのツッコミがあれば、どんな異常事態でも何とかなるしね!」(イリヤ)
「勝手に万能ツッコミにしないで!」(凛)
──朗読会と南斗聖拳?──
イリヤが布団の中でゴロゴロしながら、ふと呟く。
「ねぇリン、寝る前に何か話してよ」(イリヤ)
「何よ、急に」(凛)
「だってさー、せっかくリラックスしてるし、リンが話すと面白いじゃん!」(イリヤ)
「話してもどうせツッコミで終わるわよ?」(凛)
「じゃあ、ツッコミで始まってツッコミで終わる話とか?」(イリヤ)
「それ、最初から最後まで私の仕事しかないじゃないの!」(凛)
士郎が茶を飲みながら微笑む。
「いや、でもちょっと聞いてみたいな。遠坂が全編ツッコミだけの朗読会とか」(士郎)
「どんなジャンルよそれ!」(凛)
セイバーが静かに頷く。
「確かに、凛の語る物語……興味深いです」(セイバー)
「そこまで言われたら逆に困るんだけど!」(凛)
「いいから何か話して〜」(イリヤ)
「……はぁ、仕方ないわね」(凛)
凛は湯呑みを置き、少し考えてから口を開いた。
「昔々あるところに、一人の魔術師がいました。その魔術師はとても優秀で、どんな困難も乗り越え――」(凛)
「魔術師は常に余裕を持って優雅たれを実践し、聖杯戦争に臨みました。しかし、サーヴァント召喚とともに魔術を失い北斗神拳とツッコミに目覚めました」(凛)
「魔術師は今も拳を研ぎ澄ませ、理不尽な世界に『お前はもう死んでいる』とツッコミながら生きています」(凛)
「……って、これ完全に私のことじゃない!」(凛)
「自己紹介だった!」(イリヤ)
「まさかのおとぎ話形式!」(士郎)
「まるで英雄譚ですね」(セイバー)
「しかも続きがあってね」(凛)
「続くんだ!?」(士郎)
「そのさらに昔、魔術師の父、うっかり時臣さんがこう言いました」(凛)
「『我が子は、ツッコミの才能が根源に到達する可能性を秘めている』って」(凛)
「遠坂の話は何度聞いても感動するよな!」(士郎)
「知ってたけど改めて聞くとじわじわくるね!」(イリヤ)
「伝説の幕開けですね」(セイバー)
「で、さらに魔術師の母、ポテンシャル葵さんが微笑みながら『根源とはツッコミだった』って言い出して、気づけばこの有様よ!」(凛)
「それ、計画通りってやつじゃない?」(イリヤ)
「ツッコミで根源を目指す計画、改めて聞くとすごいな……」(士郎)
「正式名称『北斗神拳・根源ツッコミ直行便』、発案者・うっかり時臣」(凛)
「どこの魔術理論なのよ!」(凛)
「北斗神拳も南斗聖拳も霞む規模である」(脳内ケンシロウ)
「さらっと他の拳法の名前混ぜないで!」(凛)
「南斗聖拳……?」(士郎)
「しかし、結果として凛が最終形態になったのですね」(セイバー)
「だから最終形態とかやめてよ!」(凛)
「事実、リンがいなきゃここ破滅してるけど」(イリヤ)
「暴走制御役が根源目指してどうするのよ!」(凛)
「それが理……」(脳内ケンシロウ)
「お前が言うなあああああ!!」(凛)
「つまり、リンのツッコミが尽きたら世界終わるね」(イリヤ)
「だから責任重すぎるってば!」(凛)
「最後に、魔術を使えない魔術師は言いました。『世界が回る限り、私はツッコみ続ける』と」(凛)
「かっこいい!」(イリヤ)
「名言風だけど内容が地味に重労働!」(士郎)
「これが伝説の始まりですね」(セイバー)
「始まらなくていいから!」(凛)
「でも、ほんとリンがいないと、空回りしっぱなしだもんね」(イリヤ)
「全員が暴走するのを止める係、私一人なのよ!」(凛)
「さすが遠坂。人類最後のツッコミ」(士郎)
「だからその終末設定やめて!」(凛)
「リンがいなければ、地球は回らないよ」(イリヤ)
「回るわよ!自然現象は普通に動くから!」(凛)
「凛、感謝しています。重力、助かっています」(セイバー)
「だから重力担当じゃないって言ってるでしょ!」(凛)
「リンは空間の司祭だよ!」(イリヤ)
「だから何その壮大な肩書き!」(凛)
「南斗聖拳………」(士郎)
「……じゃあ、次はその魔術師が宇宙でツッコミしてた話とかないのか?」(士郎)
「無重力でもツッコまされるの!?労働環境が過酷すぎない!?」(凛)
イリヤが布団で笑い転げながら。
「リンが宇宙で『そっちは上よ!』って叫ぶの聞きたい!」(イリヤ)
「もう勘弁してー!」(凛)
爆笑とツッコミが止まらないまま、一日はどこまでも賑やかに過ぎていった。
ほんの少しだけ笑いが戻る穏やかな時間。
だが、すぐに現実がその空気を引き締める。
──柳洞寺への出発──
空が暗くなり、士郎とセイバーは柳洞寺に行く準備を整える。
「さて……夜が来たわね」(凛)
「そうだな」(士郎)
「シロウ、準備はできています」(セイバー)
凛がイリヤの布団を整えながら、静かに告げる。
「イリヤは私が診るわ。安心して行ってきなさい」(凛)
「うん、リンがいるなら大丈夫」(イリヤ)
「士郎、セイバー、本当に気をつけて。柳洞寺、いやな感じしかしないから」(凛)
「おう、任せとけ。何かあったらすぐ戻る」(士郎)
「シロウは私が必ず守ります」(セイバー)
「頼もしいわ。でもあんまり真顔で言うとフラグ立つからやめて!」(凛)
二人は覚悟を決め、凛にイリヤを託して出発しようとしていた。
「では、行ってまいります」(セイバー)
「行ってきます」(士郎)
「待って。最後に一言だけ言わせて」(凛)
「なんだ?」(士郎)
「『お前はもう死んでいる』の理論を信じて、絶対に生きて帰ってきなさい!」(凛)
「おう、『お前はもう死んでいる』を言い続ければ強くなれるから大丈夫だ」(士郎)
「はい、私たちも『お前はもう死んでいる』精神で安全を心がけます」(セイバー)
「気をつけてね」(イリヤ)
「行ってきます」(士郎)
「参ります」(セイバー)
二人は夜の静寂の中、柳洞寺へと向けて屋敷を出発した。
凛はその背中をじっと見送り、イリヤの様子を再度確認する。
「イリヤ、大丈夫?」(凛)
「うん。リンがいてくれるなら、平気」(イリヤ)
「それならいいわ。さ、秘孔の調整、続けるわよ」(凛)
「はーい!お願いね!」(イリヤ)
──ピキーン!!──
「私じゃないるれ……ぱっびっぶっぺっぽおっ」(イリヤ)
「黙ってなさいってば」(凛)
こうして、凛は夜を通してイリヤの秘孔調整を続け、
士郎とセイバーは柳洞寺の調査へと向かうのだった。
セイバー
真命:アルトリア
マスター:衛宮士郎
筋力 A+
耐久 B
敏捷 A
魔力 B
幸運 B
宝具 A++
保有スキル
北斗神拳(C)
習得率は見習い未満。筋力と敏捷が少し上昇している。
対魔力(A)
事実上、現代の魔術師が魔術で傷付けるのは不可能。
騎乗(B)
魔獣・聖獣ランク以外なら乗りこなす事が可能。
カリスマ(B)
一国を納めるのに十分な程度である。
直感(A+)
北斗神拳により直感力が高まっている
宝具
風王結界(インビジブル・エア)
ランク:C
風の鞘。幾重にも重なった空気の層により、不可視の剣へと変えている。
約束された勝利の剣(エクスカリバー)
ランク:A++
聖剣というカテゴリーの中において頂点に立つ最強の聖剣。